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日韓友好に向けて


釜山

 朝、目が覚めるとすでにフェリーは釜山沖に停泊していた。
 船は、実はずいぶん朝早くに釜山に到着し、時間が早いので沖で時間待ちしていたらしい。
朝食を食べて、実際に入国したのは、午前八時半だった。
入国手続きは、簡単なものである。
 入国手続きをすませると、銀行でさっそく円をウオンに替える。
 窓口で「exchange」というと、愛想のいい銀行の店員がウオンにすぐ替えてくれた。
 レートは、百円が約八百ウオンに替わった。かなり金持ちになった気分である。
さっそく港から地図を片手に歩き出す。
 地下鉄の駅はすぐに見つかったが、高速バスターミナル行きのバスが停まるバス停はいくら探しても見つからない。
市内バスを乗りこなせるようになると非常に便利だが、初めて韓国に足を踏み入れた外国人がすぐに活用できるほどわかりやすいものではない。
 地下鉄では、高速バスターミナルまで直接は行けないようであるが、やむを得ず地下鉄を利用し、高速バスターミナルの近くまで行くことにした。
地下鉄の駅の表示板は、近くの駅はオレンジ、遠くの駅は青に色分けされている。
 オレンジの駅は三百五十ウオン、青の駅は四百ウオンだ。
 バスターミナルに近い駅は、「トンネ」といい、四百ウオンだった。
 表示のアルファベットから何とか読みとることができた。
 次は、切符を買わなければならないが、日本で地下鉄の切符を買うように機械にコインを入れるとすぐ下から出てきてしまう。
 冷静になって、他の人がやるのを見ると、まずボタンをいくつか押してからコインを入れている。
 日本とは、順番が違うのだ。
 コインを入れる前に、「一枚」か「二枚」をボタンで選択する。
 次に、近い駅か遠い駅か(表示板のオレンジの駅か青の駅か)を選択する。
 そして、コインを入れると、切符が買える仕組みになっているのだ。
地下鉄自体は、日本の地下鉄によく似ていて迷うことはない。
 目的地には、二十分ほどで到着した。
「トンネ」は温泉地のようになっていて、駅から出ると日本のひなびた温泉宿のような家屋が周囲にたくさんあった。
 バスターミナルへは、アルファベットで表示があって、すぐにたどりつくことができた。
 バスターミナルでは、慶州行きの切符をまず買わなければならない。
 窓口は、いくつにも分かれている。
 そして、それぞれの窓口には、ハングルとアルファベットで表示がなされており、慶州のアルファベット表記を探す。
 慶州は、「キョンジュ」と発音されるので、「kyonju」を探すが見あたらない。
 ソウル行きの隣に「chonju」とあるから、それではないかと思ったが料金、かかる時間からして違いそうだ。
 よく見ると、「chonju」のほかにも「chinju」とか似たような名前がたくさんある。
 アルファベット表記はあてにならないと思い、読めない記号のように思える慶州のハングルを探してみる。
 ガイドブックに書いてある慶州の記号のようにしか見えないハングルと同じと思われるハングルを探し、やっとの思いで該当するのを見つけたが、そのアルファベット表記は、「gwanju」だった。
日本人の考えるアルファッベト表記とは、かなり違うものだということがわかった。
 確実に地名をおさえるには、アルファベット表記には頼れない、時間はかかってもハングルで確認しなければならないと思った。
韓国の高速バスは、日本の高速バスとは比較にならないほど便利である。
 日本なら、一時間に一本あるかないかという路線でも韓国では三本ぐらいはある。
 時間も高速道路が整備されているせいか、かなり速い時間で移動できる。
釜山ー慶州間も、すごいスピードで走り、あっという間に慶州に着いてしまった。
 韓国で高速バスが発達しているのは、鉄道が日本ほど整備されていないということかもしれない。
 韓国の鉄道は、国内の主だった都市は結んでいるのだが、日本のように国内中に張りめぐらされいるという感じではない。
 実際にバスを利用したほうが、鉄道より速いということもあるのだろう。
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