エイジングパラドクス(加齢の逆説)について
2026年4月26日 21時03分10秒 (Sun)
横浜運勢鑑定所通信11月号(2025年11月号 第147号)
【エイジングパラドクス(加齢の逆説)について】
先日、朝のTV番組で『エイジングパラドックス』と云う言葉に出会いました。とても興味深い内容なので推命学からは少し離れますがご紹介します。以下は和田秀樹氏(精神科医)の記事からの抜粋、引用です。

人生の幸福度は「82歳以上」が最も高い?
~高齢者ほど幸せな「エイジングパラドックス」が起きるワケ~
肉体的な衰え、経済的な不安、大切な人の死……。老後のことを考えると、こうしたネガティブなイメージばかりが頭に浮かんできます。 しかし最新の研究で、「年をとればとるほど幸福度は高まる」ことがわかってきました。著書『70代から「いいこと」ばかり起きる人』(朝日新書)を上梓した、精神科医で老年医学の専門家でもある和田秀樹氏が、この「エイジングパラドックス」と呼ばれる現象について解説した内容を抜粋、ご紹介いたします。
幸福度が最高値に達するのは「82歳以上」
「年をとると頭も足腰も衰え、家に閉じこもりがちになる」
「病気がちになり、少ない年金でつつましく暮らすことになる」
こうしたネガティブなイメージばかり頭に浮かび、幸せな高齢者像を思い描けない人は多いと思います。それをくつがえすような事実が、米ダートマス大学の経済学者、デービッド・ブランチフラワー教授の研究で明らかになりました。

この研究は世界132か国を対象に、人生の幸福度と年齢の関係を調べたもの。結果は明らかでした。人生の幸福度が最高値に達するのは、82歳以上だということが判明したのです。要するに年をとればとるほど幸せになる、ということです。
この現象は「幸福のUカーブ」と呼ばれています。人の幸福度は18歳から下がり始め、47~48歳で不幸のピークに達したのち、ふたたび上がり始める。その軌跡がアルファベットの「U」を描くことからつけられた名称です。興味深いのは、この「幸福のUカーブ」は先進国でも発展途上国でも、欧米でもアジアでも変わらず、世界共通であることです。社会の状況や人種とは無関係に見られる現象なのです。もちろん、日本も例外ではありません。幸福度がもっとも低いのは49歳、もっとも高いのは82歳以上という結果が出ています。
年をとれば誰でも自然と幸せになれる
全米で話題になったという『ハピネス・カーブ』(日本版:CCCメディアハウス)の著者、ジョナサン・ラウシュ氏は、年をとるほど幸せになる理由について、次のように述べています。 「(年をとると)ハピネス・カーブ(=幸福のUカーブ)が上昇するのは、自分の価値観が変化し、満足感を得ることがらが変化し、自分という人間のありようが変わるからである。
自分が変わることで、老年期になってからも思いがけない充足感を得ることができるようになったり、自分の抱える弱さや、病気まで受け入れられるようになったりするのである。」
実際、老年医学の現場に携わっていると、どこか飄々としている高齢者にお会いすることがよくあります。若いときには、きっといろんな苦労もあったでしょう。なのに、どうしてこのような空気感を醸し出すことができるのか、不思議だなと思っていました。
しかし、この説明を読んで、ストンと腑に落ちました。人はもともと、年をとるほど幸せになるようにできているのです。そういう生きものだ、と思っておけばよいでしょう。 幸せの青い鳥がどこかにいると思って、あくせくしなくても、年をとれば自然と幸せになれるのですから、老後のことをあれこれ気に病んで、ネガティブになる必要はありません。
「人生はこれからもっとよくなる!」
そう信じて、いまこの瞬間を楽しんでください。
世界で研究が進む「エイジングパラドックス」
このように、年をとればとるほど幸福感が高まることを、心理学の世界では「エイジングパラドックス」(加齢の逆説)と呼んでいます。年をとれば、身体的な衰えや、大切な人の死などを経験するにもかかわらず、幸福感は高まっていく。この「パラドックス」を科学的に解明するために、世界中で研究が行われています。

エイジングパラドックスが起こる理由として、現在もっとも広く受け入れられているのは、米スタンフォード大学の心理学者、ローラ・カーステンセン氏の「社会情動的選択性理論」です。同氏は、18歳から94歳までの被験者を10年にわたり追跡調査し、この結論にたどり着いたといいます。
ごく簡単にまとめると、人は人生の時間に限りがあると知ったとき、残された時間で満足できるよう、喜びや安心といったポジティブな感情を高める行動を自然に選択するようになる、という考え方です。
カーステンセン氏の分析によれば、若いうちは、人生は永遠に続くものだと思いがちです。だからこそ、あらゆる情報を吸収しようとし、さまざまなリスクをとったりします。もしかしたら楽しいのでは、学べることがあるのではと期待して、好きでもない人と、一緒に時間を過ごそうとすらします。うまくいかなければ、明日があるさ、と思えるからです。
しかし年をとると、自分は永遠に生きられるわけではないと認識します。すべてのことをしている時間はないとわかり、優先順位がはっきりします。細かいことはどうでもよくなり、より人生を味わいつくそうとします。自分が大切だと思えることに、残されたリソースを使おうとします。
結果として、年をとると毎日の暮らしが楽しくなり、より幸せになる――。それが、カーステンセン氏が提唱する「社会情動的選択性理論」です。
補足する意味で「老年的超越」についてご紹介します。 老点的超越とは、スウェーデンの社会老年学者トレンスタムが1989年に提唱した概念です。「物質主義的で合理的な世界観から、宇宙的、超越的、非合理的な世界観への変化」と定義しています。少し内容を少し掘り下げてみますと、トロンスタムは、「宇宙的意識」、「自己意識」、「社会」との関係という3つの領域に分けて説明しています。

●宇宙意識の領域---死後の世界(霊界)に関心を持つこと
時間や空間に対する合理的な考え方が変化し,最終的には宇宙という大いなる存在に繋がっているという認識を持つこと、死と生の区別をする認識も弱くなり、死の恐怖も消えて行くこと、などを指摘しています。日本では、宇宙といってもなかなかピンと来ないかもしれません。同様の研究は日本人対象でも行われています。日本人は、時間・空間に関する非合理的な感覚は直接的には表現されずに、先祖や未来の子孫とのつながりを強く感じるようになるという形で現れるようです(日本老年医学会雑誌; 53(3):210-214.2016)。

●自己意識の領域---自己中心的な人生観からの脱却
自分の欲求を成し遂げて行くという自己中心的傾向が弱まること、自分へのこだわり、これまで培ってきた自分の人格や身体的な健康に対するこだわりが低下し,他者を重んじる利他性が高まる、とされています。 日本人は、自己中心性の低下は利他性の増大のみならず、あるがままを受け入れる、自然の流れに任せるという形で現れます(日本老年医学会雑誌; 53(3):210-214.2016)。
●社会との関係の領域---価値観の変化(物中心から心中心へ)
過去に持っていた社会的な役割や地位に対するこだわりがなくなること、対人関係が急激に狭くなっても,その中で深い関係を結ぶようになること、経済面・道徳面での社会一般的な価値観を重視しなくなること、などの特徴があります。日本人は、他者への依存を肯定するという非活動理論的な志向性が示されます(日本老年医学会雑誌; 53(3):210-214.2016)。

まとめますと、老年的超越は以下のような状態を指します。
・先祖や将来の子孫との結びつきを強く感じるようになる。
・自己中心的な考えが薄れ、他者を尊重する利他性が高まる。
・過去の社会的な役割や地位にこだわらず、他者への依存を受け入れるようになる。
【まとめ】
老年的超越により、孤独感が軽減され、身体的な不調や制約にも落ち込まず、後悔もしなくなります。また、死の恐怖も薄れる傾向があります。社会的な価値観に左右されず、穏やかな幸福感と自己肯定感に満たされると言われています。老年的超越に至る年齢の明確な基準はありませんが、個人差があり、85歳前後と言われています。老年的超越を目指して、今を大切に生きることが大切ではないでしょう。そして私たちは、年をとることに対して、もっとポジティブになってもよいと私は考えます。
例えば加齢に応じて認知が進むことで過去の恨み、妬み、嫉妬から解放され、穏やかな人格になり、笑顔が戻ってくるなどの事例は介護の現場では多く報告されているそうです。
【エイジングパラドクス(加齢の逆説)について】
先日、朝のTV番組で『エイジングパラドックス』と云う言葉に出会いました。とても興味深い内容なので推命学からは少し離れますがご紹介します。以下は和田秀樹氏(精神科医)の記事からの抜粋、引用です。

人生の幸福度は「82歳以上」が最も高い?
~高齢者ほど幸せな「エイジングパラドックス」が起きるワケ~
肉体的な衰え、経済的な不安、大切な人の死……。老後のことを考えると、こうしたネガティブなイメージばかりが頭に浮かんできます。 しかし最新の研究で、「年をとればとるほど幸福度は高まる」ことがわかってきました。著書『70代から「いいこと」ばかり起きる人』(朝日新書)を上梓した、精神科医で老年医学の専門家でもある和田秀樹氏が、この「エイジングパラドックス」と呼ばれる現象について解説した内容を抜粋、ご紹介いたします。
幸福度が最高値に達するのは「82歳以上」
「年をとると頭も足腰も衰え、家に閉じこもりがちになる」
「病気がちになり、少ない年金でつつましく暮らすことになる」
こうしたネガティブなイメージばかり頭に浮かび、幸せな高齢者像を思い描けない人は多いと思います。それをくつがえすような事実が、米ダートマス大学の経済学者、デービッド・ブランチフラワー教授の研究で明らかになりました。

この研究は世界132か国を対象に、人生の幸福度と年齢の関係を調べたもの。結果は明らかでした。人生の幸福度が最高値に達するのは、82歳以上だということが判明したのです。要するに年をとればとるほど幸せになる、ということです。
この現象は「幸福のUカーブ」と呼ばれています。人の幸福度は18歳から下がり始め、47~48歳で不幸のピークに達したのち、ふたたび上がり始める。その軌跡がアルファベットの「U」を描くことからつけられた名称です。興味深いのは、この「幸福のUカーブ」は先進国でも発展途上国でも、欧米でもアジアでも変わらず、世界共通であることです。社会の状況や人種とは無関係に見られる現象なのです。もちろん、日本も例外ではありません。幸福度がもっとも低いのは49歳、もっとも高いのは82歳以上という結果が出ています。
年をとれば誰でも自然と幸せになれる
全米で話題になったという『ハピネス・カーブ』(日本版:CCCメディアハウス)の著者、ジョナサン・ラウシュ氏は、年をとるほど幸せになる理由について、次のように述べています。 「(年をとると)ハピネス・カーブ(=幸福のUカーブ)が上昇するのは、自分の価値観が変化し、満足感を得ることがらが変化し、自分という人間のありようが変わるからである。
自分が変わることで、老年期になってからも思いがけない充足感を得ることができるようになったり、自分の抱える弱さや、病気まで受け入れられるようになったりするのである。」
実際、老年医学の現場に携わっていると、どこか飄々としている高齢者にお会いすることがよくあります。若いときには、きっといろんな苦労もあったでしょう。なのに、どうしてこのような空気感を醸し出すことができるのか、不思議だなと思っていました。
しかし、この説明を読んで、ストンと腑に落ちました。人はもともと、年をとるほど幸せになるようにできているのです。そういう生きものだ、と思っておけばよいでしょう。 幸せの青い鳥がどこかにいると思って、あくせくしなくても、年をとれば自然と幸せになれるのですから、老後のことをあれこれ気に病んで、ネガティブになる必要はありません。
「人生はこれからもっとよくなる!」
そう信じて、いまこの瞬間を楽しんでください。
世界で研究が進む「エイジングパラドックス」
このように、年をとればとるほど幸福感が高まることを、心理学の世界では「エイジングパラドックス」(加齢の逆説)と呼んでいます。年をとれば、身体的な衰えや、大切な人の死などを経験するにもかかわらず、幸福感は高まっていく。この「パラドックス」を科学的に解明するために、世界中で研究が行われています。

エイジングパラドックスが起こる理由として、現在もっとも広く受け入れられているのは、米スタンフォード大学の心理学者、ローラ・カーステンセン氏の「社会情動的選択性理論」です。同氏は、18歳から94歳までの被験者を10年にわたり追跡調査し、この結論にたどり着いたといいます。
ごく簡単にまとめると、人は人生の時間に限りがあると知ったとき、残された時間で満足できるよう、喜びや安心といったポジティブな感情を高める行動を自然に選択するようになる、という考え方です。
カーステンセン氏の分析によれば、若いうちは、人生は永遠に続くものだと思いがちです。だからこそ、あらゆる情報を吸収しようとし、さまざまなリスクをとったりします。もしかしたら楽しいのでは、学べることがあるのではと期待して、好きでもない人と、一緒に時間を過ごそうとすらします。うまくいかなければ、明日があるさ、と思えるからです。
しかし年をとると、自分は永遠に生きられるわけではないと認識します。すべてのことをしている時間はないとわかり、優先順位がはっきりします。細かいことはどうでもよくなり、より人生を味わいつくそうとします。自分が大切だと思えることに、残されたリソースを使おうとします。
結果として、年をとると毎日の暮らしが楽しくなり、より幸せになる――。それが、カーステンセン氏が提唱する「社会情動的選択性理論」です。
補足する意味で「老年的超越」についてご紹介します。 老点的超越とは、スウェーデンの社会老年学者トレンスタムが1989年に提唱した概念です。「物質主義的で合理的な世界観から、宇宙的、超越的、非合理的な世界観への変化」と定義しています。少し内容を少し掘り下げてみますと、トロンスタムは、「宇宙的意識」、「自己意識」、「社会」との関係という3つの領域に分けて説明しています。

●宇宙意識の領域---死後の世界(霊界)に関心を持つこと
時間や空間に対する合理的な考え方が変化し,最終的には宇宙という大いなる存在に繋がっているという認識を持つこと、死と生の区別をする認識も弱くなり、死の恐怖も消えて行くこと、などを指摘しています。日本では、宇宙といってもなかなかピンと来ないかもしれません。同様の研究は日本人対象でも行われています。日本人は、時間・空間に関する非合理的な感覚は直接的には表現されずに、先祖や未来の子孫とのつながりを強く感じるようになるという形で現れるようです(日本老年医学会雑誌; 53(3):210-214.2016)。

●自己意識の領域---自己中心的な人生観からの脱却
自分の欲求を成し遂げて行くという自己中心的傾向が弱まること、自分へのこだわり、これまで培ってきた自分の人格や身体的な健康に対するこだわりが低下し,他者を重んじる利他性が高まる、とされています。 日本人は、自己中心性の低下は利他性の増大のみならず、あるがままを受け入れる、自然の流れに任せるという形で現れます(日本老年医学会雑誌; 53(3):210-214.2016)。
●社会との関係の領域---価値観の変化(物中心から心中心へ)
過去に持っていた社会的な役割や地位に対するこだわりがなくなること、対人関係が急激に狭くなっても,その中で深い関係を結ぶようになること、経済面・道徳面での社会一般的な価値観を重視しなくなること、などの特徴があります。日本人は、他者への依存を肯定するという非活動理論的な志向性が示されます(日本老年医学会雑誌; 53(3):210-214.2016)。

まとめますと、老年的超越は以下のような状態を指します。
・先祖や将来の子孫との結びつきを強く感じるようになる。
・自己中心的な考えが薄れ、他者を尊重する利他性が高まる。
・過去の社会的な役割や地位にこだわらず、他者への依存を受け入れるようになる。
【まとめ】
老年的超越により、孤独感が軽減され、身体的な不調や制約にも落ち込まず、後悔もしなくなります。また、死の恐怖も薄れる傾向があります。社会的な価値観に左右されず、穏やかな幸福感と自己肯定感に満たされると言われています。老年的超越に至る年齢の明確な基準はありませんが、個人差があり、85歳前後と言われています。老年的超越を目指して、今を大切に生きることが大切ではないでしょう。そして私たちは、年をとることに対して、もっとポジティブになってもよいと私は考えます。
例えば加齢に応じて認知が進むことで過去の恨み、妬み、嫉妬から解放され、穏やかな人格になり、笑顔が戻ってくるなどの事例は介護の現場では多く報告されているそうです。
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