小説:真・恋姫無双 白の銀紅
序章
その九
VS雪蓮
「さて、次は私ね♪」
雪蓮が本当に楽しそうに、剣を構えながらやってきた。
「また明日、って言う考えは無いの?」
「無いわよ。それに、私と互角の佳澄に勝ったんだもの。楽しそうで仕方ないじゃない♪」
心の底から楽しそうな雪蓮に、こちらも心の底からため息を吐く。
「これを合わせて、あと三人と試合だぞ?しんどいって…」
こう言っては何だが、体力の続く自身が無い。
「まーまー。折角なんだから、楽しみましょ?」
有無を言わさぬ形で、強引に構えさせられる。ちなみに、剣は一本に戻している。
「…じゃ、行くよ!」
逆手に持った剣を振る。それを特に苦も無く受け止める雪蓮。だが、それこそが瞬の狙いで、剣を打ち付けたまま手を持ち替える。左手に持ち替えられた剣は、そのまま力任せに振り抜く。
「きゃっ!」
さすがにそれは予想していなかったのか、そのまま押し切られて後ろに飛ばされる雪蓮。
「なかなか面白い手を使うじゃない…」
「ん?そうか?」
「あなたの利き手がどっちか読めないわよ…」
呆れるように、剣を構えたまま答える。
「利き手かー、多分…右手?」
右手左手と、それぞれの手を見比べて、最終的に右手を差し出す。
「そ、そう…。まあ、いいわ。続き、始めましょ?」
剣を構える手に力を入れ直し、剣を構え直す雪蓮。それに対し、体を開き肩に剣を乗せるかのような構えに変わる瞬。
「「はっ!」」
両者が申し合わせたかのように、ほぼ同時に踏み込む。
ガギン!
お互いの剣がぶつかり、拮抗する。
「ちっ!」
下から方が有利だったのか、瞬の体勢が若干崩れる。そこに、追い討ちをかけて止めを刺すように、雪蓮が攻撃を仕掛ける。
「はああぁぁーー!!」
「させるかっ!」
もう一本の剣を、腰から抜き打ちに放つ。
ギャリィィ
やはり、というべきか。抜き打ちに放った刃と、上から体重を込めた一撃とでは、重さが違いすぎ、瞬の刃は弾かれる。
「これで終わりよ!」
剣を弾いた事をものともせず、両手で剣を振り下ろす雪蓮。それを片手の剣一本で受け止めようとする瞬。
その一撃は、剣を折り、勝敗が決するかに見えたが―――
シッ!
その剣先からは、瞬の姿は消えていた。
「「「「「「「な!?」」」」」」」
「こっちだよー。あー、疲れた…」
いつの間にか、雪蓮の後ろに回り込んでいる瞬。その手には二振りの剣が握られ、その切っ先は雪蓮の首元に固定されていた。
「あーあ。負けちゃった」
両手を挙げ、降参の意を示す雪蓮。それに合わせ、剣を下げる瞬。
「ねー、瞬。さっきの動き、どうやったのよー」
「んー?ただ合わせてる走るだけだよ?」
「なにそれ。よく分かんないわね」
「だから、相手の動きに合わせて走るだけだって…」
頭を掻き、それ以上の追及は無理だというような雰囲気を醸す瞬。
「さて、次はわしじゃな」
皆がいる屋根の所から、次の試合が宣告された。
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