小説:真・恋姫無双 白の銀紅
序章
その四
VS賊
『旋廻狼斬』で矢の壁を取り払った後、案の定賊に囲まれてしまった。
「あのー、見逃してくれませんかねー?」
「黙れ!お前、孫堅の手の者だろう!?」
「孫堅?いや、全然。ただの旅をしている人ですよ」
「ふ、ふざけた事言いやがって…!殺っちまえ!」
なるべく、穏便に事を済ましたかったのだが、賊の方々はそれを許してくれなかった。
各々が武器を構え、突っ込んでくる。
「はぁ…。仕方ない…。彪鴻雅!頑張って生き残りたいと思います!!!」
「死ねーーー!!」
「死ねるかーーー!!」
ほとんど反射的につっこむ。そしてその言葉と共に剣閃を飛ばす。
先程飛ばした時にも二百人ほどは巻き添えにしたのだが、まだ二千人近く残っている。正直言うと、そんなに苦労するほどの量ではないが、少し面倒な量ではある。
そう考え、剣閃を飛ばすのを中断し、腰に差したもう一本の剣を抜き、二刀流にして戦う。
右、左と、至る所から襲ってくる死の刃を左右の剣でやり過ごす。それを返す刃で首をはね、胴を切る。それでも追いつかなければ腕を掴み、投げ飛ばす。
その動作がやや機械的になってきた所で、右端にいた男の頭に矢が刺さった。
「そこの御仁!無事か!」
「助けに来たわよ!」
そこへやって来たのは、二人の女性。片方は灰色の髪をした妙齢の女性。手に弓を持っている事から、先程の矢はこの人物から放たれたのだろう。
もう片方は薄紅色の髪をした、褐色の肌がよく似合う女性。真っ赤な服を着込み、それが映えるような覇気を纏っている。
「ええ。一応は」
「そう。なら良かった。所で、質問があるのだけれど…」
「策殿!今はそんな事を言っておる場合ではないぞ!」
灰色の髪の女性の叱咤が飛ぶ。
「解ってるわよー。…さて、殺りますか」
その言葉と共に女性の持つ雰囲気が変わる。獲物を狩る時の虎のような、獰猛な気配に。
「(なーんか、面倒ごとに巻き込まれたよなー…)」
内心そんな事を思いながらも、きっちりと相手を潰す。
さすがに味方?ができたので、剣閃を飛ばすのは完全に止め、二刀も一刀に直し戦う。
やってきた女性達は、思った通り将たちで、危なげなく賊を潰していった。
そして、気が付けば味方であろう軍の本隊が辿り着き、完全に賊を討伐した。
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