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小説:真・恋姫無双 白の銀紅

序章
その三

討伐軍側



矢を放った時、私は勝利を確信していた。わざわざ追い掛けに追い掛け回して、一つの所に賊を纏めたのだ。そこに一先ず、牽制の大量の矢を放つ。そして奴らの統制が無くなった所に火矢を放つ。そこで焼き殺すはずだった。

だが―――

「…冥琳。…矢が消えちゃったわよ…?」

「……そう、だな…」

隣にいる雪蓮、江東の麒麟児ともあろう孫伯符が、口を大きく開けて固まってしまっている。まあ、私も十中八九同じだろうが。

空に紅い閃光が奔ったかと思うと、次の瞬間には空にあった矢が消えてしまっていた。

「…ほぅ…。これはなかなか面白い物が見られたのぅ…」

「あっはっはっは!!!面白いじゃないかい!!実に愉快だ!!」

その後ろに控える祭殿、黄蓋公覆はその光景をしみじみと見ている。対照的に、夏蓮様、孫堅文台は大きく体を仰け反らせながら、盛大に笑っている。

全く、あのような事が起こったと言うのに、あれだけ笑っていられるとは…。

「…コホン…。とりあえず、策を練り直します。あのような奇怪な事が起こった以上、兵を簡単に突撃させるのは無駄に疲弊を招くだけだと思われます」

「そうだねー…。冥琳、今回の賊に妖術使いはいないんだろう?」

「はい」

「んー…。…なら今のままで本陣は待機。そこから少ししても敵に反応が無ければ、雪蓮、祭」

「なに?母様?」

「兵五百を連れて偵察に行ってくれ。その間に冥琳は情報収集だ」

「「御意」」

夏蓮様の指示が飛び、私は情報を集めるため、斥候を放つ。ふぅ…。戦が始まってから斥候を放たねばならんとはな。

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