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小説:真・恋姫無双 白の銀紅

拠点の章
その一

新たな武器




瞬が呉の武将となって数日。城の中を何気無く歩いていると、夏蓮に声をかけられた。

「瞬。少し良いかい?」

「夏蓮様?何か?」

「いや、たいした用では無いんだがね」

そう言いながらも、その手に握った袋を投げてくる。

「っと。…お金?」

受け取ったのは、かなりの額が入っているお金の袋。旅をしていた頃には絶対に手に入らないような額がつまっている。

「そうだ。その金で武器を造って来な」

「武器?」

「この前の試合で、あたしがあんたの剣を折ってしまっただろう?それに、将となる者にはそれなりの待遇を与えないとね」

確かにその通りである。兵達との区別をつけるだけでなく、将同士の戦いが起これば、兵が使うような剣では心許ない。

「それで、このお金ですか?」

どれだけ専用の武器が高いのか瞬は知らなかったが、それでもこの袋の中には普通に考えてそこそこの武器が造れそうな、そんな量の額のお金が入っていた。

瞬がそれについて聞いてみると―――

「どうせあんた、二本造るんだろ?一本の値段で二本なんて造ろうとしたら良いのなんか出来ないよ。大丈夫、行くのはお得意様だし、この南海覇王を造った人の所だからね」

そう言いながら夏蓮に押し切られてしまった。



















「瞬。ここがその鍛冶屋ですよ」

「ここが?」

そんなこんながあって、今は佳澄に案内されて鍛冶屋の前。

目の前にあるのは、お世辞にも綺麗とは言えないボロ屋。所々が傷んでおり、見るに耐えない風体を晒している。

「そう。私が先に行くから瞬はついてきて」

「ちょっ!佳澄!」

隣にいた佳澄が足早に家の中に消えていく。それを慌てて追いかける瞬。

足を踏み入れた家の中はさすがに鍛冶屋と言う事か、壁には色々な武具が立てかけられていた。

「ん?おお、太史慈と…新入りかの」

家の奥から老人の声が聞こえ、その声の主が姿を現す。

「はい。お久しぶりです。今回は彼の武器の件でやってきました」

「ほう」

老人が瞬に近づき、まじまじとその体を眺めだす。

「えーっと…」

「…お前さん、氣を使えるじゃろ」

「へ?」

予想していなかった質問に、瞬は驚いて変な声を出している。

「何、わしも少し昔にかじった事があるんでの。なんとなく分かるんじゃ」

「…ふーん」

「面白い奴が来たもんじゃ。…さて、二~三質問をしようかの」

手近にあった机から、筆を取り出して何かを書き始める老人。

「武器は何がいいんじゃ?」

「直剣を二本。片手でも両手でも使えるような奴」

「ふむ。次は重さじゃな……これが良かろう。持ってみるがよい」

壁に多数かけられた武具の中から、一振りの剣を掴み取り、瞬に差し出す。

「…すこし、軽いかな…?…でも、長さ的には申し分ないよ」

「意外と力持ちなんじゃな。…最後に、氣はどれ位の比率で使うんじゃ?」

「氣の比率?」

「そうじゃ。あまり使わんのなら、そういう類の金属は使わんでいいからの」

「…よく使う方じゃないの?祭も似たような事言ってたし…」

「ええ。祭様との模擬戦でも使っていましたし」

「そうか。なら、使う方がいいかの」

太史慈にも確認を取って、ようやく希望が取り終わる。

「一応、こちらからの質問は以上じゃ。他に何も無ければ、すぐにでも作業に取り掛かるが…?」

「あ、少し細工をして欲しいんだ。…………って」

「ほう…。それは面白そうじゃの。では、張り切ってやらせて貰うとするかの!」

最後に一言付け加え、鍛冶屋を後にする。

「瞬。最後に何を言っていたの?私は聞こえなかったけど…」

「ん?ま、出来てからのお楽しみって奴だよ!」

「何よ、それは」

言葉を交わし、城へと二人で戻っていった。


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