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小説:真・恋姫無双 白の銀紅

序章
その一

始まり


「はい?」

「すまないね。こんなご時世だし、もうこの店を閉めることになったんだよ」

とある店の玄関先で二人の男が話し合っていた。

片方の男は少し背が高めの、線の細い印象を受ける少年。だが、腰に差した二振りの剣がそれを打ち消している。

暗めの外套を着込み、それに反して肩まで届く髪は白く、背中に掛かる部分は髪留めで止めている。そして、その髪が揺れるたびに銀色に輝いているように見える。

片方は恰幅のいい、割烹着を着たいかにも職人気質な大男。

「はあ…まあ、路銀は溜まってるんで、大丈夫ですけどね」

「ほんと、すまないね」

「いえいえ、雇ってもらったのはこっちなんですから」

「そうかい?」

「ええ。ま、また何かご縁がありましたらまた会いましょう」

そういって少年は男の元から離れる。そこからしばらく歩くと、盛大にため息を吐いた。

「はぁーー…。…どうしようか、これから」

だがそれも一瞬で、すぐに立ち直る。

「路銀は溜まってると言っても、普通に暮らしてたらすぐになくなるよなー…」

懐から袋を取り出し、それを覗き込む。中には今まで働いていた分の給金が少し。だが、満足に暮らしていけるほどの量はない。

「うーん…。この町のも結構長くいたし、そろそろ潮時かなー…。あ、今度は水が近くにある所に行きたいなー」

ぶつぶつと、これからの自分の動きについて算段する。

「ま、いいや。とりあえず東に向かおう!」

握り拳を掲げ、一人で輪を作る。傍から見れば変な光景に見えたが、幸い誰も見ていなかったようだ。


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