小説:猫の恩返し~取り憑いたのは猫の神様!?~
プロローグ
「あなたは私を助けてくれた。だから、私はあなたに尽くします」
そんなことをいきなり言われた、高校2年の冬。
雪が積もり、吐く息が白くなるような寒さの中で。
「あなたのために、私は生きます。そして、あの時のようにもう一度……救ってください」
寂しそうな表情で、悲しくてたまらないような声音で。彼女は俺を見上げていた。
決意なのか覚悟なのか。
どちらかは分からないし、同じなのかもしれない。
そんなものが見える瞳で、彼女はまっすぐ見ていた。曇りのない、琥珀色の瞳で。
「あなたは、私たちと同じなのですから。私たちと同じ――」
一瞬吹いた風が、俺と彼女の間に割り込む。まるで、その先を知らせないかのように。
反射的に目をつぶり、再び開いたときには、そこには誰もいなかった。
確かにそこに誰かがいた。その証拠である、雪の積もっていない小さな足跡だけしか、俺には見つけられなかったんだ。
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