小説:守護霊は神様!?
2章 僕と不良と神様と
「大和 咲耶(やまと さくや)と言う、皆のものよろしく頼むぞ? ああ、それと余はそこにいる稲羽の家で厄介になるゆえな。関係はない。ただの赤の他人の余を、稲羽が快く迎えてくれたのじゃ」
「何それ捏造!! 誰か、誰か敏腕記者を呼んでー!」
教卓の隣に立ってそんな発言をかました咲耶に、稲羽は全力で突っ込んだ。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
「なあ、おい稲羽。お前、すっごい目線向けられてるな」
「嫌だよ、こんな視線…」
時間は跳びに飛んで昼休み。
朝の咲耶の転入騒ぎの所為で1時限目は自習。2時限目はそれを引き継ぎ授業にならず。3時限目は秋穂と澪のチョーク戦争。4時限目は咲耶が何を興奮したのか、第二次チョーク戦争を澪と行っていた。
そんなこんなで、まともな時間がやってくるのは昼休みまでなかったのである。
だが、そう簡単に事は運ばない。今朝に学習したことだが、簡単に回避することなど出来はしない。
「「がつがつがつがつ…」」
「…じーーーーーーーーーーーーーーーー」
「おお、さすがだな稲羽は! む? これはなんと言う名前の料理だ?」
「ああ、それはね…創作料理だから名前なんかないや。言うなら、牛筋アスパラガス煮込み、かな?」
「ふむふむ…これが…」
「…じーーーーーーーーーーーーーーーー」
「なあ、稲羽。お前って苦手料理とかあるの?」
「うーんと、魚料理かな? どうしてもオーブンとかないとムニエルが難しいんだよね。なんか、フライパンでやってるとなかなか味が決まらなくて」
「それって魚料理って言うジャンルじゃねぇだろ…もはやその悩みはよぉ…」
「…じーーーーーーーーーーーーーーーー」
「「今日もおいしかった! ご馳走様でした!」」
「お粗末様でした」
「……無視するなーーー!!!」
ズダン!
屋上にそんな鈍い音と、澪の叫びが響く。
少し時間が遅いため、稲羽たち5人以外には誰もいないのだが、それでも澪の声は大きくさらには殴られた地面が、若干減り込んでいた。
…コンクリート製の学校の屋上の床を破壊する剛腕。非常識だ。
「何なんだ稲君! この女は!」
「いや、朝に説明した…あ、寝てたね澪ちゃん」
「大和咲耶、だろ? 稲羽の家に居候してる」
「羽月たちは朝に知ったの。すっげー驚いたよ?」
「驚いた、稲陽が少し野性に目覚めちゃうくらい」
「ああ、確かに目覚めかけていたな、お主は。ぐるるるる…だったか?」
「おい、女! お前は稲君のなんなんだ!!?」
立ち上がってビシッと指を突き付ける澪。
どこか宣戦布告に見えなくもないその行為に、咲耶は何を思ったのか、にやりと笑った。
「余か? 余は稲羽に助けられてなぁ…。昨日など、行き倒れていた余を拾って食事はおろか寝床も貸してくれたのじゃぞ?」
「ちょっと、捏造しないでよ。僕が帰ったら冷蔵庫漁ってたんでしょうが」
「そこに食糧庫があったら飛びつきたくなるほどに腹が減っていたのは事実じゃ」
「いや、それならそれできちんとそれを言おうよ!」
特に顔色も変えずに嘘を連発する咲耶に、稲羽は必死の抗議の声を上げる。
だが、澪には稲羽と咲耶のやり取りが一切聞こえていなかったようで、歯ぎしりをしながら悔しそうに声を絞り出す。
「寝床ってことはベットか! ぐぬぬ…まだあたしは稲君の家に入ったことがないと言うのに…」
「ん? 余は稲羽と共に寝たぞ? 同じベットの中で、一夜を過ごしたが?」
爆弾、投下。
どんな爆弾よりも起爆しやすく、どんな爆弾よりも爆発の規模が大きい、そんな爆弾が。
そして、その爆弾は早々に起爆し、爆発した。
「「「「えええぇぇぇーーー!!!」」」」
「ふふん…稲羽の体は暖かかったな。また一緒に寝たいものだ。おお、今日からは同じ寝床で寝るとしようか」
「ぜったい、嫌!」
咲耶が落とした爆弾発言に、事情を全く知らない4人は大声を上げて驚く。
その後に、さらなる爆弾として咲耶はその時の心情を捏造して語る。だが、稲羽としては全く身に覚えがないために、思いっきり否定するしかない。
なにせ、彼は起きたらそこに誰か知らない奴がいた、を経験した人なのだから。
「い、いいいいい稲君! そ、その女の言ったことは本当なのか!!?」
「「お、おおおおお兄ちゃん!?」」
「何なんだよ稲羽! お前良い思いしすぎじゃね!?」
驚きから回復した4人が、思い思いの言葉で稲羽に確認を求めるために声を荒げる。
その一斉攻撃に、稲羽はただ焦るしかなかった。
「いやいやいや、寝たかどうかは本当だけど、何もしてないし、朝起きたらいきなり隣に咲耶がいたんだよ!」
「ぐぬぬ…。見ず知らずの女に稲君を寝取られた…」
「ちょっと澪ちゃん!? その表現はまずいって言うか危ない!!」
「羽月としてはお兄ちゃんと一緒に寝たいって思うの」
「稲陽も同じ。でも、中学ぐらいからできなくなった」
「そりゃ当然だよね? いつまでも一緒に寝てるわけにはいかないでしょ!」
「あー、俺も姉ちゃんと一緒に寝てぇなぁー…」
「憲君! ストーップ! 絶対に危ない妄想に走ったでしょ今!」
稲羽は大忙しである。
ここまでの突込みキャラではないはずなのだが、弄れるネタがあればとことん弄るのが人間と言うもの。
このネタでおもちゃにされない方がおかしいのだ。
だが、いつまでも続かないのが弄りと言うもの。飽きればすぐに対象が切り替わる。その典型を繰り出したのは澪だった。
「おい女! 今からあたしと稲君をかけて勝負だ!」
「いきなりなんで僕は景品になってるの!?」
「ほぅ…。勝負とは言い響きじゃ。よかろう、受けてやろうではないか」
「こっちもこっちで簡単に話を進めないでー!!」
前言撤回。弄りはまだまだ続くようだ。
「よし、次の授業は体育だ! そこで勝負をつけてやる! あたしが勝ったら、稲君との関係を交換だ!」
「よいぞ。余も少々本気で行かせてもらおう」
バチバチと空中で視線を交差させる二人の少女。
それをただ萎縮して見ているしかできない稲羽は、何とも歯がゆい思いで二人の少女を見つめていた。
「何それ捏造!! 誰か、誰か敏腕記者を呼んでー!」
教卓の隣に立ってそんな発言をかました咲耶に、稲羽は全力で突っ込んだ。
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「なあ、おい稲羽。お前、すっごい目線向けられてるな」
「嫌だよ、こんな視線…」
時間は跳びに飛んで昼休み。
朝の咲耶の転入騒ぎの所為で1時限目は自習。2時限目はそれを引き継ぎ授業にならず。3時限目は秋穂と澪のチョーク戦争。4時限目は咲耶が何を興奮したのか、第二次チョーク戦争を澪と行っていた。
そんなこんなで、まともな時間がやってくるのは昼休みまでなかったのである。
だが、そう簡単に事は運ばない。今朝に学習したことだが、簡単に回避することなど出来はしない。
「「がつがつがつがつ…」」
「…じーーーーーーーーーーーーーーーー」
「おお、さすがだな稲羽は! む? これはなんと言う名前の料理だ?」
「ああ、それはね…創作料理だから名前なんかないや。言うなら、牛筋アスパラガス煮込み、かな?」
「ふむふむ…これが…」
「…じーーーーーーーーーーーーーーーー」
「なあ、稲羽。お前って苦手料理とかあるの?」
「うーんと、魚料理かな? どうしてもオーブンとかないとムニエルが難しいんだよね。なんか、フライパンでやってるとなかなか味が決まらなくて」
「それって魚料理って言うジャンルじゃねぇだろ…もはやその悩みはよぉ…」
「…じーーーーーーーーーーーーーーーー」
「「今日もおいしかった! ご馳走様でした!」」
「お粗末様でした」
「……無視するなーーー!!!」
ズダン!
屋上にそんな鈍い音と、澪の叫びが響く。
少し時間が遅いため、稲羽たち5人以外には誰もいないのだが、それでも澪の声は大きくさらには殴られた地面が、若干減り込んでいた。
…コンクリート製の学校の屋上の床を破壊する剛腕。非常識だ。
「何なんだ稲君! この女は!」
「いや、朝に説明した…あ、寝てたね澪ちゃん」
「大和咲耶、だろ? 稲羽の家に居候してる」
「羽月たちは朝に知ったの。すっげー驚いたよ?」
「驚いた、稲陽が少し野性に目覚めちゃうくらい」
「ああ、確かに目覚めかけていたな、お主は。ぐるるるる…だったか?」
「おい、女! お前は稲君のなんなんだ!!?」
立ち上がってビシッと指を突き付ける澪。
どこか宣戦布告に見えなくもないその行為に、咲耶は何を思ったのか、にやりと笑った。
「余か? 余は稲羽に助けられてなぁ…。昨日など、行き倒れていた余を拾って食事はおろか寝床も貸してくれたのじゃぞ?」
「ちょっと、捏造しないでよ。僕が帰ったら冷蔵庫漁ってたんでしょうが」
「そこに食糧庫があったら飛びつきたくなるほどに腹が減っていたのは事実じゃ」
「いや、それならそれできちんとそれを言おうよ!」
特に顔色も変えずに嘘を連発する咲耶に、稲羽は必死の抗議の声を上げる。
だが、澪には稲羽と咲耶のやり取りが一切聞こえていなかったようで、歯ぎしりをしながら悔しそうに声を絞り出す。
「寝床ってことはベットか! ぐぬぬ…まだあたしは稲君の家に入ったことがないと言うのに…」
「ん? 余は稲羽と共に寝たぞ? 同じベットの中で、一夜を過ごしたが?」
爆弾、投下。
どんな爆弾よりも起爆しやすく、どんな爆弾よりも爆発の規模が大きい、そんな爆弾が。
そして、その爆弾は早々に起爆し、爆発した。
「「「「えええぇぇぇーーー!!!」」」」
「ふふん…稲羽の体は暖かかったな。また一緒に寝たいものだ。おお、今日からは同じ寝床で寝るとしようか」
「ぜったい、嫌!」
咲耶が落とした爆弾発言に、事情を全く知らない4人は大声を上げて驚く。
その後に、さらなる爆弾として咲耶はその時の心情を捏造して語る。だが、稲羽としては全く身に覚えがないために、思いっきり否定するしかない。
なにせ、彼は起きたらそこに誰か知らない奴がいた、を経験した人なのだから。
「い、いいいいい稲君! そ、その女の言ったことは本当なのか!!?」
「「お、おおおおお兄ちゃん!?」」
「何なんだよ稲羽! お前良い思いしすぎじゃね!?」
驚きから回復した4人が、思い思いの言葉で稲羽に確認を求めるために声を荒げる。
その一斉攻撃に、稲羽はただ焦るしかなかった。
「いやいやいや、寝たかどうかは本当だけど、何もしてないし、朝起きたらいきなり隣に咲耶がいたんだよ!」
「ぐぬぬ…。見ず知らずの女に稲君を寝取られた…」
「ちょっと澪ちゃん!? その表現はまずいって言うか危ない!!」
「羽月としてはお兄ちゃんと一緒に寝たいって思うの」
「稲陽も同じ。でも、中学ぐらいからできなくなった」
「そりゃ当然だよね? いつまでも一緒に寝てるわけにはいかないでしょ!」
「あー、俺も姉ちゃんと一緒に寝てぇなぁー…」
「憲君! ストーップ! 絶対に危ない妄想に走ったでしょ今!」
稲羽は大忙しである。
ここまでの突込みキャラではないはずなのだが、弄れるネタがあればとことん弄るのが人間と言うもの。
このネタでおもちゃにされない方がおかしいのだ。
だが、いつまでも続かないのが弄りと言うもの。飽きればすぐに対象が切り替わる。その典型を繰り出したのは澪だった。
「おい女! 今からあたしと稲君をかけて勝負だ!」
「いきなりなんで僕は景品になってるの!?」
「ほぅ…。勝負とは言い響きじゃ。よかろう、受けてやろうではないか」
「こっちもこっちで簡単に話を進めないでー!!」
前言撤回。弄りはまだまだ続くようだ。
「よし、次の授業は体育だ! そこで勝負をつけてやる! あたしが勝ったら、稲君との関係を交換だ!」
「よいぞ。余も少々本気で行かせてもらおう」
バチバチと空中で視線を交差させる二人の少女。
それをただ萎縮して見ているしかできない稲羽は、何とも歯がゆい思いで二人の少女を見つめていた。
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