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小説:真・恋姫無双 双璧の番

序章
その六

ルート分岐 螢と嵐





「ん?」

走り出した嵐を追いかけ、後少しで追い付くと言う時、螢はある異変に気付く。

「なんだ? あれ…」

螢の視線の先で、三人の男と一人の少女が言い争っていた。

男達は、大中小と言う言葉がしっくり来るような体格差で、しかも頭に黄色い布を巻いていた。

少女は、嵐より少しぐらい高い身長で、二つに束ねた髪を揺らしながら男達から逃げようとしている。

「あれ、明らかに襲われてるよな…」

よく見てみれば、少女はかなり上等の服を着ている。

陽光を反射し、キラキラと輝く羽衣を。

「…仕方ない、助けるか。嵐も見えなくなっちゃったし」

ため息を吐きながら、螢は少女の救出に向かうのだった。


















同時刻―――

町に到着した嵐は、真っ先に両手を挙げてこう言った。

「町だー! ご飯だー!」

楽しそうにはしゃぐ嵐を、町の人々は暖かく見守っていた。

「んー、何食べよっかなー? ねぇ、螢?」

自分の相棒に意見を求めようと、ふと後ろを振り返ると、そこには相棒の姿はなかった。

「あれ? ひょっとして私、また螢とはぐれた?」

キョロキョロと辺りを見渡し、螢の姿を探す。だが、探せども探せども螢が見つかる気配はない。それもそのはず。まだ螢

は町にすら着いていないのだから。

「ま、いいや。螢ならきっと見つけてくれるし、町にきちんといればいいだけだもん。って事でとりあえずご飯を…」

そう自己完結し、食堂を探しに向かおうとすると、嵐の目にあるものが写った。

「さて、桃香様、鈴々。どうやって賊を討伐するか、ですが…」

「そんなの気にしなくていいのだ。愛紗と鈴々が行けば、一網…一網…」

「堕神? 鈴々ちゃん」

「そうなのだ!」

「桃香様、字が違います、字が。一網打尽です」

三人の少女が漫才紛いの事をしながら嵐の方に近づいてくる。

その会話の内容は、頭の弱い部分があったが、嵐にはどうでもいい事だった。

賊と言う単語のみに惹かれたのだから。

「ねーねー、私も混ぜて? 賊討伐に♪」

6/8