大義 杉本五郎中佐遺著
第九章 國 防
普天の下、率土の浜、 皇臣皇土に非ざるなし。世界悉く 天皇の赤子にして、 天皇の国土なり。然るに何をか国防というや。論者曰く、「国防とは国家の独立及永昌を確保するの謂ひなり、即ち外敵の侵入及攻撃に対する国家の防衛、国策遂行に対する妨害の排除は勿論、海外に於ける利権の擁護等をも包含するものとす」と。世界通念としては、斯く論ずるも当然ならん。主権在民の国家ならば、かく論ずるを至当とせん。
天皇國日本は然らず。万邦無比の國體たる 皇國には、自ら万邦無比の国防真義なかるべからず。万邦無比ならば、正に無比なる大精神に生くること、是れ 皇國国防の基調なり。八紘は 天皇の所有なり。何をか国家の独立永昌といふや。
何故に、天壌無窮の 皇運扶翼といはざるや。外敵の侵入及攻撃に対する国家の防衛とは何んぞや。何故に、伏(まつろ)わぬ朝敵、 皇道布施を妨害する賊徒を排撃すると謂はざるや。
太陽は万物を育成す。太陽を以て国旗となす、世界に君臨せらるべきは、天津日嗣の 天皇にお在しますことを歴々分明に表現す、肇国以来の大信念なり。
天皇は万国を修理固成し給ふ。然しながら 天皇は世界修理固成の機関に非ず。即ち 天皇は世界のためのものに非ず、世界こそ 天皇のために存するなり。どこ迄も主体は 天皇にお在します。尊皇は絶対なり。
涅槃経に曰く、「五戒を受けざれども、正法を護ることをなさば、乃ち大乗と名づく。正法を護る者は応(まさ)に刀剣器仗を執持すべし。刀仗を持つと雖も、我是等を説きて名けて持戒といはん」と。世界唯一最高の正法は
正に
天皇にお在します。
挙世刀剣器仗を執持して天皇を守護し奉るべし。是れ世界最高の持戒なり。最高の道徳宗教なり。これ 皇國国防の真義なり。御鏡は 天照大御神の神体、祖宗の大霊、最高の正法なり。御剣・御玉は其の用なり。即ち 御玉は正法流通の大慈悲心以て伏はしむるの用となり、 御剣は毀正謗法の伏はぬ輩を払拭するの用となるものなり。鏡なき玉用は正法に非ず、鏡なき剣用は覇道なり、玉なき剣用は暴なり、剣なき玉用は観念の遊戯なり。然して鏡は絶対なり。御鏡を体となし、剣玉両用を兼備するもの、即ち大義を護持して 皇道の宣布に驀進し、八紘一宇を顕現するもの 皇國国防の真実義なり。然るに今や世界を挙げて魔軍一体以て大義を侵犯せんとす。皇旗を東方に凝視しつゝも百尺竿頭更に一歩を進め得ざる伊太利・独逸・ポーランドに聖手を与えよ。然り而して魔軍の統領ソビエツトに対し驀直に降魔の正剣を彼の頭上に振へ。此の遠慮なくんば 皇國破滅の近憂あらん。「正道を踏み国を以て斃るゝの精神なくんば、外国交際は全かる可からず。彼の強大に畏縮し、円滑を主として、曲げて彼の意に従順する時は、軽侮を招き、好親却て破れ、終には彼の制を受くるに至らん。国の凌辱せらるゝに当りては、縦令国を以て斃るゝとも、正道を踏み義を尽すは政府の本務なり」と。流石に大西郷の遺訓、屈従を以て国際協調と思惟する軽薄分子以て正に範とな
すべし。
天皇は救世主、皇國は挙げて其の使徒なり。 天皇の、世界に名実共に君臨し給ふは、何れの日ぞ。世界をして「祖国日本」と呼ばしむるは、何れの年ぞ。幾度か死生の難関を突破し、幾十度か蒼竜の窟に下らざるべからざるか。将又幾十年を経るか、幾百年を経ざるべからざるか。天孫民族よ、此の辛酸苦修に堪へ得るの 皇覚ありや、日露戦は僅か二年なりしに、しかも戦争の惨禍国内に何ら及ぶ所なかりしに拘らず、既に非戦論澎湃として瀰漫せる当時を回顧せよ。又大正十二年関東大震災当時、治安維持に兵力五万を要したりしことを思ひ起せ。実参実悟なき空見識、何するものぞ。全日本臣民!! 皇國は正に興亡の岐路に起てり。一瞬の苟安を許さざる秋なるぞ。欧州大戦勃発当時の露独両国内の思想乱離の状態が、其の儘五年後に現はれ、亡滅・変革を来したることを深く慮れ。
皇國を滅するものは決して他に非ず、大義なき大衆と軍隊なることを牢記せよ。皇國総べての機構悉く大義護持而して布伝の機関たらざるべからず。論者或は云はん、「皇道布施の足場を守るこそ国防なり」と。
天皇は国家のために存し給ふものに非ず、国家が 天皇の御為に存する日本國體なることを認識する時、足場の防衛は天皇の御為にして、国防の本義は、実に
天皇御守護に存すること明々白々なり。太陽は火団なるが故に万物を育成す。使徒は自ら「万古 天皇を仰げ」の一句に身を焦がせ。然して皇國自ら聖火団となれ。斯くして修理固成の大使命は達せらるゝなり。
誠に 皇國国防の真骨頂は茲に存す。故に 皇國の国防は「皇基を恢弘し、皇道を宣布し、朝敵の侵犯及攻撃を撃砕剪除するにあり」と謂ふべく、断じて機関説的外国模倣の国防観の存在を許さず。
孝明天皇御製
戈執りて守れ宮人九重の
御階の桜風そよぐなり
橘曙覧先生歌
神国の神のをしへを千よろづの
国にほどこせ神の国人
(昭和一一、一〇、一六)
天皇國日本は然らず。万邦無比の國體たる 皇國には、自ら万邦無比の国防真義なかるべからず。万邦無比ならば、正に無比なる大精神に生くること、是れ 皇國国防の基調なり。八紘は 天皇の所有なり。何をか国家の独立永昌といふや。
何故に、天壌無窮の 皇運扶翼といはざるや。外敵の侵入及攻撃に対する国家の防衛とは何んぞや。何故に、伏(まつろ)わぬ朝敵、 皇道布施を妨害する賊徒を排撃すると謂はざるや。
太陽は万物を育成す。太陽を以て国旗となす、世界に君臨せらるべきは、天津日嗣の 天皇にお在しますことを歴々分明に表現す、肇国以来の大信念なり。
天皇は万国を修理固成し給ふ。然しながら 天皇は世界修理固成の機関に非ず。即ち 天皇は世界のためのものに非ず、世界こそ 天皇のために存するなり。どこ迄も主体は 天皇にお在します。尊皇は絶対なり。
涅槃経に曰く、「五戒を受けざれども、正法を護ることをなさば、乃ち大乗と名づく。正法を護る者は応(まさ)に刀剣器仗を執持すべし。刀仗を持つと雖も、我是等を説きて名けて持戒といはん」と。世界唯一最高の正法は
正に
天皇にお在します。
挙世刀剣器仗を執持して天皇を守護し奉るべし。是れ世界最高の持戒なり。最高の道徳宗教なり。これ 皇國国防の真義なり。御鏡は 天照大御神の神体、祖宗の大霊、最高の正法なり。御剣・御玉は其の用なり。即ち 御玉は正法流通の大慈悲心以て伏はしむるの用となり、 御剣は毀正謗法の伏はぬ輩を払拭するの用となるものなり。鏡なき玉用は正法に非ず、鏡なき剣用は覇道なり、玉なき剣用は暴なり、剣なき玉用は観念の遊戯なり。然して鏡は絶対なり。御鏡を体となし、剣玉両用を兼備するもの、即ち大義を護持して 皇道の宣布に驀進し、八紘一宇を顕現するもの 皇國国防の真実義なり。然るに今や世界を挙げて魔軍一体以て大義を侵犯せんとす。皇旗を東方に凝視しつゝも百尺竿頭更に一歩を進め得ざる伊太利・独逸・ポーランドに聖手を与えよ。然り而して魔軍の統領ソビエツトに対し驀直に降魔の正剣を彼の頭上に振へ。此の遠慮なくんば 皇國破滅の近憂あらん。「正道を踏み国を以て斃るゝの精神なくんば、外国交際は全かる可からず。彼の強大に畏縮し、円滑を主として、曲げて彼の意に従順する時は、軽侮を招き、好親却て破れ、終には彼の制を受くるに至らん。国の凌辱せらるゝに当りては、縦令国を以て斃るゝとも、正道を踏み義を尽すは政府の本務なり」と。流石に大西郷の遺訓、屈従を以て国際協調と思惟する軽薄分子以て正に範とな
すべし。
天皇は救世主、皇國は挙げて其の使徒なり。 天皇の、世界に名実共に君臨し給ふは、何れの日ぞ。世界をして「祖国日本」と呼ばしむるは、何れの年ぞ。幾度か死生の難関を突破し、幾十度か蒼竜の窟に下らざるべからざるか。将又幾十年を経るか、幾百年を経ざるべからざるか。天孫民族よ、此の辛酸苦修に堪へ得るの 皇覚ありや、日露戦は僅か二年なりしに、しかも戦争の惨禍国内に何ら及ぶ所なかりしに拘らず、既に非戦論澎湃として瀰漫せる当時を回顧せよ。又大正十二年関東大震災当時、治安維持に兵力五万を要したりしことを思ひ起せ。実参実悟なき空見識、何するものぞ。全日本臣民!! 皇國は正に興亡の岐路に起てり。一瞬の苟安を許さざる秋なるぞ。欧州大戦勃発当時の露独両国内の思想乱離の状態が、其の儘五年後に現はれ、亡滅・変革を来したることを深く慮れ。
皇國を滅するものは決して他に非ず、大義なき大衆と軍隊なることを牢記せよ。皇國総べての機構悉く大義護持而して布伝の機関たらざるべからず。論者或は云はん、「皇道布施の足場を守るこそ国防なり」と。
天皇は国家のために存し給ふものに非ず、国家が 天皇の御為に存する日本國體なることを認識する時、足場の防衛は天皇の御為にして、国防の本義は、実に
天皇御守護に存すること明々白々なり。太陽は火団なるが故に万物を育成す。使徒は自ら「万古 天皇を仰げ」の一句に身を焦がせ。然して皇國自ら聖火団となれ。斯くして修理固成の大使命は達せらるゝなり。
誠に 皇國国防の真骨頂は茲に存す。故に 皇國の国防は「皇基を恢弘し、皇道を宣布し、朝敵の侵犯及攻撃を撃砕剪除するにあり」と謂ふべく、断じて機関説的外国模倣の国防観の存在を許さず。
孝明天皇御製
戈執りて守れ宮人九重の
御階の桜風そよぐなり
橘曙覧先生歌
神国の神のをしへを千よろづの
国にほどこせ神の国人
(昭和一一、一〇、一六)
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プロフィール

- 大義研究会
- 【軍神杉本五郎中佐】昭和12年9月14日、支那事変に於ける山西省閣山の激戦において軍刀を手に奮戦中、敵弾が心臓を貫き、更に背後で手榴弾が炸裂するもそのまま倒れることなく、右手の軍刀を左手に持ち替えそれを杖代わりとし、遥か当方皇居の方角に正対するや、挙手敬礼を捧げつつ絶命され、世の人々から軍神と称えられた。
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