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小説

中年天使 第1章

その2

驚いて扉を開けたまま立ち止まっていた俺に、
その医師は安心させるかのように微笑んで言った。

「どうかされましたか?
 あ、大丈夫ですよ。
 今日は佐藤さんの状況についてお話を聞かせて頂くだけですから。」

その言葉で我に返った俺は、動揺しながらも
医師の前にある丸椅子に座る。

「初めまして、ここの医師の谷口です。」

医師は自己紹介をすると、
俺の様子を見ながら、ゆっくりと質問を始める。

「じゃあ佐藤さん、今日はどうして受診をしようと
 思われたんですか?」

俺は谷口医師の背中にある翼を見ないように、
診察室の床を見ながら答えた。

「・・・幻覚を見て・・・。」

「幻覚?それはどんな幻覚ですか?」

「・・・・。」

羞恥心から一瞬、返答を躊躇する。
しかし『相手は医者だ』と思い直して正直に答えた。

「翼が、自分に翼がはえて見えるんです・・・。」

谷口医師の反応が気になり、チラッと様子を窺うと、
動揺や嘲笑するような感じもなく、
医師はカルテに何かを書き込んでいた。

そして、さっきと変わらない口調で質問を続ける。

「それは、いつから見えるようになったんですか?」

谷口医師の様子に安心した俺は、その後の質問に
正直に答えていく。

「今朝、自分の姿を鏡で見ると突然、翼がはえていて・・・。
 今まではこんなことなかったんですが・・・。」

「今も背中の翼は、見えますか?」

俺は振り返り、肩越しに見える翼を確認すると
「見えます」と答えた。

「他にも何か幻覚らしきもが見えたりはしますか?」

俺はまた一瞬、返答に躊躇したが、
谷口医師の肩越しから見える白い翼を確認すると言った。

「・・・先生の背中にも翼が見えます。」

「私の?」

谷口医師は自分の背中を振り返り、自分には何も見えない事を
確認すると元の姿勢に戻る。
その様子を見ながら、俺は続けた。

「はい・・・。
 病院に来る途中、何人も人を見ましたが、
 同じように背中に翼がはえて見える人はいませんでした。
 テレビも見ましたが、同じように翼は見えませんでした。
 しかし、さっきここのドアを開けた瞬間、先生に翼がはえて
 いたので驚いて・・。」

それを聞くと、谷口医師は納得したように
「ああ、だからさっき、そこで立ち止まっていらしたんですね。」
と言い、俺も「はい」とだけ答える。

そして、しばらくの間の後、谷口医師は言った。

「ところで、私の翼姿は似合っていますか?」

「えっ?」

意外な質問に俺は医師の顔を見る。

「いや、自分に翼がはえている姿が
 どう見えるのか気になって・・・。」

照れながら話す医師に、ふざけた様子もなかったので、
俺も正直な感想を言う。

「コントみたいです・・・。」

その答えを聞くと、医師は笑って言った。

「はははっ、そうでしょうね。
 自分でもなんとなく想像がつきます。」

そう言うと、カルテをデスクの上に置き、
正面から俺の様子を見ながら話した。

「佐藤さん、目に見えるものは、そこにそれがあるから
 見えているんじゃありません。
 脳がその存在を認識するから見えているんです。

 例えば、実際には空に鳥が飛んでいなくても、
 脳が『空に鳥が飛んでいる』と認識すれば、その姿が見えます。
 逆の場合も然りです。
 実際に目の前にあるものも、脳が認識しなければ、
 見る事ができません。

 佐藤さんの場合も、佐藤さんの脳が翼を認識しているから
 そのように見えているのだと思います。」

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プロフィール

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占い師名
叶(かな)
性別
女性
血液型
A型
生年月日
1979年3月11日
現住所
東京
所在地
自宅兼職場orカフェ
職業
占い師

占術:西洋占星術・霊感タロット・オーラ診断
好きな言葉
銃が人を殺すんじゃない。
退屈が人を殺すんだ。
自己紹介
こんにちは。
個人で占い活動をしています叶(かな)です。
鑑定方法は、対面鑑定・メール鑑定・チャット鑑定・web音声(映像)をやっています。

お笑い大好き!
占いは当たる事と笑わせる事をモットーに行っております。

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