2019年1月 アーカイブ
2019年1月25日 15時00分41秒 (Fri)
相撲のルーツ(相撲と神道) その二 「すもう」のルーツ
拙著『これほど似ている!聖書と神道の類例』の「第三章 儀式と祭儀」の中に「ヤコブの相撲と大山祇神社の一人角力」と言う記事がありますが、ヤコブとは世界三大一神教(キリスト教、イスラム教、ユダヤ教)が信仰の父とするアブラハムの孫に当たる人物です。次のようなヤコブ誕生の記録があります。「彼女の出産の日がきたとき、胎内にはふたごがあった。さきに出たのは赤くて全身毛ごろものようであった。それで名をエサウと名づけた。その後に弟が出た。その手はエサウのかかとをつかんでいた。それで名をヤコブと名づけた。リベカが彼らを産んだ時、イサクは六十歳であった。」(旧約聖書・創世記二五章二四~二六節)この記事の中で、双子の兄弟を「名をエサウ」及び「名をヤコブ」と「名づけた」とありますが、この「名」はヘブライ語でשֵׁם「シェイム」です。さて、先に触れましたヤコブの相撲の出所は旧約聖書・創世記三二章であり、その二四~二九節には次のように書かれています。「ヤコブはひとりあとに残ったが、ひとりの人が、夜明けまで彼と組打ちした。ところでその人はヤコブに勝てないのを見て、ヤコブのもものつがいにさわったので、ヤコブのもものつがいが、その人と組打ちするあいだにはずれた。その人は言った、『夜が明けるからわたしを去らせてください』。ヤコブは答えた、『わたしを祝福してくださらないなら、あなたを去らせません』。その人は彼に言った、『あなたの名はなんと言いますか』。彼は答えた、『ヤコブです』。その人は言った、『あなたはもはや名をヤコブと言わず、イスラエルと言いなさい。あなたが神と人とに、力を争って勝ったからです』。ヤコブは尋ねて言った、『どうかわたしにあなたの名を知らせてください』。するとその人は、『なぜあなたはわたしの名をきくのですか』と言ったが、その所で彼を祝福した。」文脈から天使である「ひとりの人」がヤコブと夜明けまで組打ちしたのが相撲の始まりです。天使とヤコブはお互いにשֵׁם「名」を聞いていますが、この「シェイム」の三人称男性単数形所有格の「シェモー」が「シュモー」、「スモウ」になったと言う訳です。写真説明:天使と組討ちするヤコブ(Bible BLENDER)
2019年1月18日 12時14分08秒 (Fri)
相撲のルーツ(相撲と神道) その一 「すもう」と「シェモー」
大相撲の元横綱・元親方であった貴乃花(本名・花田光司、四六歳)が、「相撲は日本語じゃなく、・・・ヘブライ語ですね」と語り話題になりました。二〇一八年一一月二九日配信のJ-CASTニュースによれば、貴乃花は日本テレビ系情報番組「スッキリ」に二日前の二七日にゲスト生出演し、今後の活動について次のように話したことが報道されています。「古い時代から相撲って出てきますよね。そういう思想的なところも、これから私なりに研究していきたいなと思っています。」「相撲というのは当て字で、もともと日本語じゃないんですね。そういうすごく古い世界でつながっているっていうところが、日本の国技大相撲です。そんなところも、子供たちに分かる範囲で教えていきたい。」相撲の当て字について聞かれた貴乃花は「『シュモー』って言うんですね。ヘブライ語ですね」と答え、「だから、ものすごくつながりが深いですね。世界を股にかけての言葉ですから。世界の思想に役立てればいいなと思いますね」と付け加えたと言うのです。ある人が「スモウ」は「神の名」と言うヘブライ語から来ていると述べていましたので、ヘブライ語が言語である旧約聖書の出エジプト記三章一三、一四節を想起しました。そこには、次のように「神の名」に関して議論されているのです。モーセは神に言った、「わたしがイスラエルの人々のところへ行って、彼らに『あなたがたの先祖の神が、わたしをあなたがたのところへつかわされました』と言うとき、彼らが『その名はなんというのですか』とわたしに聞くならば、なんと答えましょうか」。神はモーセに言われた、「わたしは、有って有る者」。また言われた、「イスラエルの人々にこう言いなさい、『「わたしは有る」というかたが、わたしをあなたがたのところへつかわされました』と」。ここで、モーセと神が対話しているのですが、神の名を指す「その名」と言うヘブライ語は שְּׁמוֹ (シェモー)です。英語の聖書では、his name (彼の名)となっています。この「シェモー」が訛って「シュモー」、「スモウ」になったと言うのです。つまり、「スモウ」の元々の意味は「彼の名」、つまり「神の名」でありました。写真説明:元横綱貴乃花(ウェブサイト「grape」より転載)
2019年1月11日 12時19分25秒 (Fri)
キリシタン その一四 キリシタンの末裔 (キリシタン禁制高札撤去前後のキリシタン)
一八七三年(明治六年)にキリシタン禁制の高札が撤去され、新政府の下で信仰の自由を得たキリシタンでしたが、又、新しい問題に直面するようになるのです。これまで一口にキリシタンと言ってきましたが、先に書きましたように、一八六五年(元治二年)にキリシタンたちが大浦天主堂のプティジャン神父に名乗り出てカトリック教会に加わることになったのです。一方、隠れキリシタンのままでいる信徒たちもおりました。そして、キリシタン禁教令が撤廃されるのですが、これを機会にカトリック教会は布教を強力にするようになります。すると、仏教や神道との摩擦が起こるようになり、部落や村は宗教の相違により不和が生じ、分裂するようになります。こうした事態を避けるためにカトリック教会に参加せずキリシタンであることを隠し続ける信徒がいたのです。大正大学の紀要論文三三巻(二〇一九年)の中に、内藤幹生著「禁教高札撤廃前後におけるキリシタン集落内部の変化」と題する非常に洞察の効いた興味深い論文があります。この中で著者は次のように書いています。「信仰を隠匿していた近世期はキリシタン・非キリシタンが混在し、共存する村社会であったが、キリシタンが信仰を表明し、再布教が開始されてからは地域を超えた信仰共同体へと変化した。また、それまで浦上村では一般村民は一体となって生活していたが、村内は分裂し、キリシタンと非キリシタンとの確執が浮き彫りになり、村内は『不和』な状態となったのである。」「国家レベルではキリスト教はある程度自由になれたが、村社会・地域社会では禁制下に根付いたキリスト教への差別意識は残り、忌避されたのであった。」「このようにキリシタン内部においてもカトリック改宗者とそうでない者との確執はあったようである。」「禁教高札が撤去された後のキリシタンの信仰をめぐる問題は、キリシタン集落(キリシタン内部)にも及んだのであった。このように禁教高札が撤去されたことはキリシタンを国家から解放させた一方で、彼らを取り巻く村社会・地域社会内部における信仰をめぐる問題を一層深めたのであった。」カトリック教会に合流しなかった隠れキリシタンは「離れ」と呼ばれ、一つの信仰集団として独自の信仰形態を続けていくことになり、「カクレキリシタン」とも書かれています。
2019年1月4日 15時01分50秒 (Fri)
キリシタン その一三 キリシタンの受難 その八 浦上四番崩れ
浦上四番崩れの「崩れ」はキリシタンに対する大規模な一斉検挙を意味します。実は、長崎の浦上地区では江戸時代に崩れが四回もありました。浦上一番崩れは一七九〇年(寛政二年)から起こったキリシタンの取り調べ事件を指し、浦上二番崩れは一八三九年(天保一〇年)にキリシタンの存在が密告されて捕縛された事件であり、浦上三番崩れは一八五六年(安政三年)に密告によってキリシタンの主要者たちが捕らえられ拷問を受けた事件のことです。そして、浦上四番崩れは、一八六七年(慶応三年)に浦上村のキリシタンが仏式葬儀を拒否したことで彼らの存在が明るみに出たことから始まりました。その結果、浦上村の大量のキリシタンが捕縛されて拷問を受け、全村移送の流罪と言う最大規模の事件が一八七〇年(明治三年)まで続きます。流刑(配流)先は鹿児島県から富山県まで広範囲で、中国地方の津和野(島根県)、萩(山口県)、福山(広島県)へは信徒の中心人物一一四人が移送されました。彼らは水責め、雪責め、氷責め、火責め、飢餓拷問、箱詰め、磔、親の前でその子供を拷問する等、その残酷・陰惨・残虐は旧幕時代以上であったと言うのです。岡山県の鶴島では一八人が死亡、信仰を貫いたのは四八人、五〇人が改宗したそうです。このような事態が在留各国公使によって本国に告げられ、各国は日本政府に抗議を繰り返し行ないました。当時、折しも、日本政府の遣欧使節団一行(岩倉使節団、一八七一年一二月~一八七三年九月)が欧米を訪問していましたが、アメリカ大統領のユリシーズ・S・グラント、イギリス女王ヴィクトリア、デンマーク王クリスチャン九世らに、禁教政策を激しく非難され、政府のキリシタン弾圧が不平等条約改正の最大の障害であることを思い知らされて驚き、本国に打電したことから、遂に一八七三年(明治六年)二月に政府はキリシタン禁制の高札を撤廃し信徒を解放したのです。しかし、キリシタンの犠牲は大きく配流者三、三九四人、その内六六二人が死亡、生存者は流罪の苦難を旅と呼んで信仰を強くし、一八七九年(明治一二年)に故地・浦上に小聖堂を建てたのです。写真説明:浦上天主堂(「観光ウェブ長崎版」より転載)
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プロフィール

- 性別
- 男
- 現住所
- 愛媛県今治市波方町郷乙404₋32
- 職業
- 牧師・宣教師
- 自己紹介
- ●新名(しんみょう) 忠臣(ただおみ)
●実践神学博士(米国アンドリューズ大学神学院)、元親業インストラクター
●札幌、小樽、苫小牧、仙台、東京・天沼で牧師を歴任。
●セブンスデー・アドベンチスト教団北海道教区長、青年部長、コミュニケーション部長、宗教自由部長、ラジオ牧師、総務局長等を歴任。
●宣教師としてシンガポールと韓国に在住し、副総務、コミュニケーション部、宗教自由部、出版部、ラジオ・テレ部等の部長としてアジア太平洋地域を巡回指導。
●最近まで、北アジア太平洋支部宣教部副部長。
●著書『夫と妻のコミュニケーション』(キリスト新聞社)『親と子のコミュニケーション』(キリスト新聞社)『わが青春は主のために』(三五堂)『暮らしの中のキリスト教』(新教出版社)『地球家族と聖書の言葉』(福音社)等。
- Self Introduction in English
- Full Name: Tadaomi Shinmyo
Sex: Male
Nationality: Japan
Citizenship: Japan
Education:
●B.A. in Theology in 1966 (Japan Missionary College)
●M.A. in Philosophy and Religion in 1972 (Philippine Union College Graduate School)
●Ordination: March 1973
●Doctor of Ministry in 1987 (Theological Seminary of Andrews University in USA)
Vocation:
●Pastor of the Japan Union Conference since 1966.
●Departmental Director of the Japan Union Conference for over 14 years.
●Radio Speaker and Japan Union Conference Secretary for a while.
●Missionary assigned to Departmental Director of Communication, Religious Liberty, Publishing Ministries, TV & Shortwave Radio Ministries, and Associate Secretary to Asia Pacific Division based in Singapore and Northern Asia-Pacific Division based in Korea for all together 9 years and 7 months.
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