2018年6月 アーカイブ
2018年6月29日 15時04分21秒 (Fri)
サンパウロ州の「アドベンチストの日」
南米大陸の約半分(四八%)の面積を持ち、世界でも第五位の広さのブラジル連邦共和国には、二六の州と連邦直轄区である首都ブラジリアがあります。人口は約一億九千八四〇万人(二〇一二年)で、これも世界第五位です。公用語は、南米大陸の多くの国々がスペイン語ですが、ブラジルはポルトガル語です。宗教については、世界最大のカトリック人口を持ち、国民の約七五%がカトリック教徒、プロテスタント教徒は約一五・四%、無宗教が七・三%と言われています。ちなみに、セブンスデー・アドベンチスト(SDA)は約一四五万八千人(二〇一五年)です。さて、ブラジルで約四千五百万人と言う最大の人口を誇るサンパウロ州から二〇一七年に、毎年「一〇月二二日」を「アドベンチストの日」と定めたと言う驚くべき情報が世界に流れました。日本で例えてみれば、四七都道府県中で最大人口の東京都が一つの宗教団体の記念日を制定するようなものです。同州のSDAは約二六万二千人で、同州民一七二人に一人の割合ですので決して多くはありません。それなのに、なぜ「アドベンチストの日」が設定されたのでしょうか。その理由は、サンパウロ州民がSDAの社会に対する教育、健康、福祉、宗教自由、その他の継続的活動に対して感謝の意を表明するためだと言うのです。例えば、アドベンチスト開発援助機構(ADRA)は二四ものプロジェクトを同州内で実施しているそうです。人口千二百万の州都のサンパウロ市では、冬期間は市役所と協力してホームレスの人々に衣類を提供しています。これらの活動が様々なメディアを通して報道され、広く州民に感謝され、此の度の州議会で議決されたのです。ところで、どうして「一〇月二二日」なのでしょうか。この日に、ブラシジルでSDAの働きが始まったのでしょうか。又は、この日に最初のSDA教会がサンパウロ州内に建てられたのでしょうか。ともかく、州議会は「アドベンチストの日」設定に当たり、同教会の指導者と相談したに違いありません。実は、「一〇月二二日」はアメリカ合衆国で盛り上がったキリスト再臨運動が大失望を味わった一八四四年一〇月二二日であり、しかし、その悲痛な経験にもかかわらず、信仰を堅持して再び希望を持って再出発したSDA教会の原点とも言うべき日でありました。(旧約聖書・ダニエル書八章一四節、九章参照)写真説明:ブラジルの国旗
2018年6月22日 15時39分24秒 (Fri)
グルマン世界料理本大賞にアドベンチストの本
料理専門家の間で有名な「グルマン世界料理本大賞」があります。これはフランスで一九九五年にエドゥアール・コアントローが「世界料理本大賞」を創設し、二〇〇一年に「グルマン世界料理本大賞」と改名した世界で唯一の料理本の賞であり、毎年その年に発行された世界中の料理本やワイン本の中から選ばれる「料理本のアカデミー賞」と言われています。彼は世界中に、料理学校やその関連施設を運営しているそうです。この賞の目的は、料理を言葉で表現する人々へ褒賞と名誉を与え、毎年発行される二万六千冊もの料理本やワイン本の中から読者が一番良い本を探すのを助け、国際権を持つ出版社が本を翻訳し世に広めるのを助け、店頭に陳列する最適の本を見つけるように書店を助け、他の言語で書かれた本が、英語、ドイツ語、スペイン語、フランス語、アラビア語、中国語圏等の主要市場へ流通する機会を作る、飲食文化への知識と敬意を高めて平和を促進することだとしています。この栄誉ある料理本大賞に、二〇一六年にオーストラリアのセブンスデー・アドベンチスト教会出版所から発行された『薬としての食物』(Food as Medicine) が選ばれ、二〇一七年五月二六~二九日に中国の煙台市で開催された「グルマン世界料理本大賞」大会で、大賞委員会のエドゥアール・コアントロー議長から表彰されました。この本で、オーストラリアのアドベンチストである著者スー・ラッド栄養士は栄養及び科学の双方から菜食の素晴らしさを書いていますが、実は同国でも「ベスト健康・栄養料理本」として表彰されていました。彼女は、「今ほど健康の使命が求められている時代はない」「一人ひとりのアドベンチストがその使命を学び、又、学び直し、実生活に適応し、更に他者の幸福とより健康的な生活を助けることが出来ます」と述べています。(旧約聖書・箴言一五章一七節参照)毎年この賞を目指して、世界中の二百か国以上の出版社が競い合っているとのことです。写真説明:スー・ラッド栄養士の著書『薬としての食物』
2018年6月16日 22時20分04秒 (Sat)
聖書とシルクロード:日本の鎖国から開国へ その八
一九一〇年に英国スコットランドのエディンバラで開催されたエディンバラ宣教会議は、米国と英国を中心に千三百人を超す代表が集まって世界宣教について協議をしましたが、エキュメニカル(教会合同)運動の出発点になったと言われています。そして、一九二一年に国際宣教協議会(ICM)、一九四八年に世界教会協議会(WCC)が設立されました。このような教会合同運動の流れに沿って、一九六八年に聖書協会世界連盟(UBS)とローマ・カトリック教会の間でプロテスタントとカトリックが同じ聖書を用いるための聖書翻訳の標準原則がまとめられ、世界各国で共同訳の翻訳作業が開始されたと言う訳です。日本では一九七〇年に、共同訳聖書実行員会が組織され、現代日本を代表する聖書学者百余名が選出されて翻訳が始まりました。翻訳方針としては、日本の九九%の非キリスト者を対象にして、教会や礼拝や典礼には使用しないとしていたのです。その結果、一九七八年に新約聖書共同訳が完成ました。ところが、非キリスト者に聖書が受け入れられる最高の方法は、キリスト者の祈りと働きによると考えられ、翻訳は教会での使用を念頭に置くべきとの方針に変更されました。又、「イエスス」や「パウロス」等の固有名詞の原音標記主義や、翻訳の意訳が過ぎて、従来の親しまれた言葉が消失したと言う批判的意見もありました。こう言う訳で、聖書新共同訳が発刊されたのは一九八七年であり、述べ一八年の歳月を要していました。しかし、この意義は大きく、日本のキリスト者のみならず、全ての同国民が同じ聖書を初めて手に持つことが出来るようになったと高く評価されました。この快挙は資金的にも初めて日本人によってまかなわれました。この年は、奇しくも日本語聖書のギュッツラフ訳から数えて一五〇年、文語訳から一〇〇年目と言う誠に感銘深く、歴史的に記念すべき節目となりました。それから、聖書新共同訳には旧約聖書と新約聖書の他に、教派によって扱いの違う第二聖典(旧約聖書続編)が収録されています。このように画期的な聖書ですが、文語訳や口語訳から引き継がれてきた人名・地名・書名等の固有名詞を変えてしまったと言う批判があります。更に、この新共同訳については、教会合同運動そのものに反対の立場から、使用しないと言う教派、クリスチャンもいるのは事実です。写真説明:エディンバラ宣教会議(ウェブサイト「ウィキペディア」より転載)
2018年6月8日 15時06分22秒 (Fri)
聖書とシルクロード:日本の鎖国から開国へ その七
一九五〇年頃には聖書改訳の必要性が叫ばれるようになりました。その背景には、戦後の現代仮名づかい、及び聖書学の急速な進歩があったと考えられます。米国と英国聖書協会によって一八七六年に日本支社が設立されていましたが、一九四九年に財団法人・日本聖書協会が認可されました。一九五一年四月、米国及び英国聖書協会の協力を得て翻訳が始まりました。従って、この企画は日本聖書協会による最初の翻訳であり、又、日本人聖書学者による初の画期的な事業でありました。これは、旧約聖書の原文であるヘブル(ヘブライ)語、そして新約聖書の原文であるギリシャ語から日本語の口語体に訳されました。その結果、先ず新約聖書が一九五四年に、続いて旧約聖書が翌年の一九五五年に発行され、ほぼ全てのプロテスタント教会の礼拝で使用されるようになりました。この事実は、クリスチャン及びそうでない人にとっても、聖書と言えばこの一冊を指すことになり、今日のように何種類もの翻訳の中から選ぶ必要はなく、大変便利であったと言えます。その一方で、これまでの文語訳と比較して評価が分かれました。好評は、文語訳より分かりやすくなったと言うのは勿論ですが、特に新約聖書については、原典の意味を理解する点おいては最も優れていると言う学者もいました。悪評は、読者に訴える力(訴(そ)求力(きゅうりょく))、論理的明晰さ、文章としての気品に欠けると言われました。更に、文章は無駄が多くて長い(冗長(じょうちょう))、迫力も締りもない文体と批判されました。その他の指摘としては、人称代名詞や敬語を不自然に統一したことが文体に悪影響を与えたと言うのもあります。主として福音派諸教会は、口語訳聖書は近代聖書批評学の立場から訳されていて、神であるキリストの権威を下げていると言う信仰的観点から反発して批判し、その結果が日本聖書刊行会を結成し(一九六五年設立)、新改訳聖書(一九六五年に新約聖書、一九七〇年に旧約聖書)の発行に至ったと言う訳です。さて、聖書とシルクロードの連携の観点からは、交易路は遂に日本人をして聖書の日本語訳への道を開いたと言えましょう。
2018年6月1日 15時23分48秒 (Fri)
聖書とシルクロード:日本の鎖国から開国へ その六
新約聖書の日本語訳に取り組んだ七名の外国人宣教師たちの他に、日本人の奥野昌綱、高橋五郎、松山高吉らが協力したと言われています。翻訳に当たってはギリシャ語本文(テクストゥス・レセプトゥス)を底本とし、合わせて欽定訳の英文も参照することを決めていました。しかし、日本人協力者はギリシャ語本文を読めなかったので、漢訳聖書『旧新約全書』(ブリッジマン、カルバートソン訳)に依拠したそうです。作業は一八七四年から開始され、各書の翻訳が完成する度毎に分冊として順次出版され、一八八〇年に全一七冊が完結したのです。又、旧約聖書については、一八七三年頃からディビッド・タムソン(トンプソン)が創世記の翻訳を始めており、一八七六年にはタムソンに三人の宣教師が合流して東京聖書翻訳委員会を結成しました。その後、一八七八年に一二名の宣教教会代表者による聖書常置委員会に改組され、更に一八八二年に再改組され、翻訳の中心はヘボン、フルベッキ、そしてフィリップ・ケンボール・ファイソン(英国聖公会宣教協力会)となりました。一方、日本側からは松山高吉、植村正久、井深梶之助が協力者となりました。旧約聖書の翻訳作業の過程に於いても、一八八二年から順次分冊を発行しつつ、遂に一八八七年に完成しました。新約聖書翻訳開始以来、実に一三年の歳月を経ていました。又、新約・旧約両聖書の翻訳に携わったのはヘボンだけであり、彼の個人訳聖書の時代から数えると二〇数年の歳月をかけた大事業でありました。これは米国、英国、スコットランド聖書協会の経済的助力の賜物です。さて、この聖書は日本の元号で明治二〇年に完成しましたので明治訳(元訳)として知られ、その旧約聖書は現在でも文語訳として使用されています。なお、新約聖書は一九一七(大正六)年に改訂出版され大正訳と言われています。後の大正改訳の新約聖書と明治訳の旧約聖書を合わせたものが今日では文語訳聖書とされています。旧約聖書・詩篇一一九編一三〇節(文語訳)「聖(み)言(ことば)うちひらくれば光(ひかり)をはなちて愚(おろ)かなるものをさとからしむ」
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プロフィール

- 性別
- 男
- 現住所
- 愛媛県今治市波方町郷乙404₋32
- 職業
- 牧師・宣教師
- 自己紹介
- ●新名(しんみょう) 忠臣(ただおみ)
●実践神学博士(米国アンドリューズ大学神学院)、元親業インストラクター
●札幌、小樽、苫小牧、仙台、東京・天沼で牧師を歴任。
●セブンスデー・アドベンチスト教団北海道教区長、青年部長、コミュニケーション部長、宗教自由部長、ラジオ牧師、総務局長等を歴任。
●宣教師としてシンガポールと韓国に在住し、副総務、コミュニケーション部、宗教自由部、出版部、ラジオ・テレ部等の部長としてアジア太平洋地域を巡回指導。
●最近まで、北アジア太平洋支部宣教部副部長。
●著書『夫と妻のコミュニケーション』(キリスト新聞社)『親と子のコミュニケーション』(キリスト新聞社)『わが青春は主のために』(三五堂)『暮らしの中のキリスト教』(新教出版社)『地球家族と聖書の言葉』(福音社)等。
- Self Introduction in English
- Full Name: Tadaomi Shinmyo
Sex: Male
Nationality: Japan
Citizenship: Japan
Education:
●B.A. in Theology in 1966 (Japan Missionary College)
●M.A. in Philosophy and Religion in 1972 (Philippine Union College Graduate School)
●Ordination: March 1973
●Doctor of Ministry in 1987 (Theological Seminary of Andrews University in USA)
Vocation:
●Pastor of the Japan Union Conference since 1966.
●Departmental Director of the Japan Union Conference for over 14 years.
●Radio Speaker and Japan Union Conference Secretary for a while.
●Missionary assigned to Departmental Director of Communication, Religious Liberty, Publishing Ministries, TV & Shortwave Radio Ministries, and Associate Secretary to Asia Pacific Division based in Singapore and Northern Asia-Pacific Division based in Korea for all together 9 years and 7 months.
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