2017年6月 アーカイブ
2017年6月30日 12時54分40秒 (Fri)
聖書と神道:ヤコブの一人相撲と大山祇神社の一人角力
旧約聖書の創世記に、イサクの子であるヤコブの波乱万丈の人生が描かれています。ヤコブは兄エサウを騙して父イサクから家督の権を獲得するのですが、兄の怒りを逃れて母リベカの兄ラバンの住むハランへ行きます。そこで妻や子、又家畜を得て財をなしますが、ラバンの処遇に耐えられず故郷のカナンへ帰ることにします。その際、彼は兄エサウの怒りを宥めるために贈り物を用意しました。「こうして贈り物は彼に先立って渡り、彼はその夜、宿営にやどった。彼はその夜起きて、ふたりの妻とふたりのつかえめと十一人の子どもとを連れてヤボクの渡しをわたった。すなわち彼らを導いて川を渡らせ、また彼の持ち物を渡らせた。ヤコブはひとりあとに残ったが、ひとりの人が、夜明けまで彼と組打ちした。」「その人は言った、『夜が明けるからわたしを去らせてください』。ヤコブは答えた、『わたしを祝福してくださらないなら、あなたを去らせません』。」(創世記三二章二一~二四節、二六節)「組打ち」とは相撲と考えられますが、ヤコブは相手に勝ったのです。文脈から言って相手とは人間ではなく天使です。(旧約聖書ホセア書一二章三、四節参照)さて、愛媛県今治市大三島町の大山祇(おおやまづみ)神社(じんじゃ)に県無形民俗文化財に指定されている「一人(ひとり)角力(ずもう)」が春の田植時と秋の収穫時に同神社の土俵で相撲神事として行われています。なぜ「相撲」でなく「角力」なのかと言えば、広義の力比べあり、一般の相撲と違うこと、神との力比べであるからだそうです。「一人角力」は「稲の精霊」と四股名を「一力山」という男性による三本勝負ですが、「稲の聖霊」が二勝一敗で勝つようになっています。それは、春には豊作が約束され、秋には収穫を感謝することを表わしていると言うのです。江戸時代には一発勝負であったと言う記録があるそうです。この神事について、古くは一三六四年の書物に記録されているそうです。ヤコブは祝福を得るために天使に勝ち、「一人角力」は精霊が稲に豊作を与えるために負けると言う相違はありますが、「一人角力」のルーツは紀元前千七百~千六百年代に生きたヤコブと天使の相撲に起因していると思われます。写真説明:ヤコブと天使の相撲<ウェブサイト“Wikipedia”より転載>(上)と一人角力<ウェブサイト「キタムラフォトコンテスト2010春夏」より転載>(下)
2017年6月23日 13時00分21秒 (Fri)
聖書と神道:ユダ族のししと獅子舞
旧約聖書のアモス書に聖書の神が次のように表現されています。「彼は言った、『主はシオンからほえ、エルサレムから声を出される。牧者の牧場は嘆き、カルメルの頂は枯れる』。」(一章二節)「『ししがほえる、だれが恐れないでいられよう。主なる神が語られる、だれが預言しないでいられよう』。」(三章八節)このように、主である神は民に対して獅子(ライオン)が吠えるように、つまり力強く、権威を持って語られるのです。具体的には、神は預言者を通して人々に神の教え、戒めに従うようにと絶えず熱心に訴えておられるのです。更に、新約聖書のヨハネの黙示録五章五節にも獅子が登場します。「・・・見よ、ユダ族のしし、ダビデの若枝であるかたが、勝利を得たので、・・・」ここでは、「ユダ族のしし」と「ダビデの若枝」は同格です。そして同二二章一六節には、「『わたしイエスは、・・・あなたがたにあかしした。わたしは、ダビデの若枝また子孫であり、輝く明けの明星である』」とあり、イエス御自身が「わたしは、ダビデの若枝」と宣言しています。従って、イエスはユダ族の獅子と言えます。私の故郷・愛媛県今治市では、各地の神社の祭りに今も獅子舞が盛んに行われています。そもそも獅子舞の起源はインドとのことで、それが中国に、そして日本にも七世紀(飛鳥時代)に仏教の伎(ぎ)楽(がく)と共に伝来したと言われています。獅子舞は日本全国に見られますが、大きく分けて二種類あるそうです。伎楽系は獅子の頭に付けた胴幕の中に二人以上の人が入って舞うもので中部以西の西南日本で多く見られ、風流(ふうりゅう)系は一人が鹿(しし)の頭をかぶり胸に付けた太鼓を打ちながら一人立ちの鹿(しし)舞(おどり)で関東・東北で行われています。鹿舞の場合は、日本に獅子がいないので鹿で代用していたと考えられます。獅子舞は幸福を招き、厄病退治、悪魔払いとされ、獅子に頭をかまれると無病息災で年を過ごせるとか言われています。実に、イエス・キリストこそ本当の獅子であり、人類を救うために地球上で舞っておられるのです。今治市の獅子舞の特徴は継(つぎ)獅子(じし)です。これは、天に向かって獅子頭をかぶった少年を成人が肩に乗せ、又その成人を別な成人が肩に乗せると言う芸当で、三継、四継とあります。私はある時に、継獅子の意味は獅子が天に昇ろうとしているのだと聞き納得しました。継獅子はイエス・キリストの昇天を象徴しているのです。写真説明:イエスの昇天<ウェブサイト“QUIA”より転載>(左)と継獅子<ウェブサイト「しまなみ海道」」より転載>(右)
2017年6月16日 12時42分42秒 (Fri)
聖書と神道:祭りの種類
旧約聖書に週毎の安息日の聖会、祭の他に、月毎及び年毎の祭が定められています。毎月一日は新月の祭です。「また安息日と新月と祭日に、主にもろもろの燔祭をささげるときは、絶えず主の前にその命じられた数にしたがってささげなければならない。」(歴代志上二三章三一節)「『新月ごとに、安息日ごとに、すべての人はわが前に来て礼拝する』と主は言われる。」(イザヤ書六六章二三節)レビ記二三章に年毎の祭が一月から順に列挙されています。「正月の十四日の夕は主の過(すぎ)越(こし)の祭である。」(同五節)、同月一五~二一日の種入れぬパンの祭(除酵祭)(同六節)、同月一六日の初穂の祭(同七~一四節)、三月六日の七週の祭(同一五~二一節)、七月一日のラッパの祭(同二三~二五節)、七月一〇日の贖罪の日(同二六~三二節)、七月一五~二二日の仮庵の祭(同三三~四三)です。これらの年毎の祭の他に、七年毎の安息の年(レビ記二五章一~七節)、五〇年毎のヨベルの年(同八~一七節)と言う特別な年がありました。さて、神社でも年毎の祭りがあり、毎月一日や一五日に月次(つきなみ)祭(さい)を行います。各神社で月日は異なりますが最重要な祭りが例祭(れいさい)だそうです。日本は稲作中心の国なので穀物の豊穣を祈る祈年祭(としごいのまつり)が二月一七日にあります。この祈年祭の「年」は「稲の稔り」の意味のようです。六月の晦日は夏越祓(なごしのはらえ)(水無月祓(みなづきのはらえ))です。伊勢神宮の年間最大の祭りと言われる神嘗祭(かんなめさい)は一〇月一七日です。春の祈年祭と対になる新穀の収穫感謝としての新嘗祭(にいなめさい)は一一月二三日です。年毎の新嘗祭に対して、天皇即位後初の場合は大嘗祭(だいじょうさい)と呼ばれます。そして、一二月の大晦日は年越祓(としこしのはらえ)(師走祓(しわすのはらえ))です。その他に、天皇陛下の誕生日を祝う天(てん)長祭(ちょうさい)、元旦・成人の日・春分の日等の国民の祝日に行われる祝祭日の祭り、感謝祭・地鎮祭・除幕式等の不定期に特別に行われる臨時の臨時(りんじ)祭(さい)、そして個人の祈願祭である私(し)祭(さい)があると言うのです。神社の祭りは、毎年同じ時期の恒例祭、特定の年数を経る式年祭、不定期の臨時祭の三種類に分けられますが、多くの点で聖書の祭に通じています。
2017年6月9日 10時18分08秒 (Fri)
聖書と神道:祭の趣旨
旧約聖書のレビ記二三章二、三節の中で、主である神はモーセに祭について次のように述べておられます。「イスラエルの人々に言いなさい、『あなたがたが、ふれ示して聖会とすべき主の定めの祭は次のとおりである。これらはわたしの定めの祭である。六日の間は仕事をしなければならない。第七日は全き休みの安息日であり、聖会である。どのような仕事もしてはならない。これはあなたがたのすべてのすまいにおいて守るべき主の安息日である。』」ここで神は、「聖会とすべき主の定めの祭」と語られました。つまり、神が定めた祭は聖なる会合なのです。そして、聖会として先ず週毎の第七日目である土曜日の安息日が挙げられています。この安息日には一切の仕事をしないで祭をする、即ち聖会をするのです。聖会の内容は神への讃美、感謝、礼拝、供え物(捧げ物)、献身、会食等です。又、祭は週毎の祭だけではなく、「その時々に、あなたがたが、ふれ示すべき主の定めの祭なる聖会は次のとおりである」(同四節)とあるように、同五~四四節まで年間の多彩な祭が紹介されているのです。さて、神社でも年間を通して数々の祭りが繰り広げられていますが、そもそも神道では祭りとは何なのでしょうか。「まつり」の語源は動詞の「まつる」であり、「まつる」とは神のお出ましを「待つ」、神に供え物等を「献(たてまつ)る」、神に従うと言う「服(まつろ)う」等を意味すると言うのです。つまり、祭りとは「神をお迎えし、神に物を捧げ、神に心から従う」ことであり、祭りの本義は神に仕えることだとしています。神への奉仕こそが祭りであると言うのです。又、お招きした神社にお鎮まり頂いた神への奉仕こそが祭りだという説明もあります。このような解説は聖書の祭の趣旨と余りにもよく似ていると言えるのではないでしょうか。更に、漢字の「政」も「務」も「まつりごと」と読めるので、広く社会に奉仕することが「まつり」だという主張もあります。そして、神社の祭りにも日毎、月毎、年毎の祭りが多種類あり、現在、神社で行われている祭りを大別すると、神社自体が開催する祭りと、氏子崇敬者の依頼に基づいて開催される祭りの二種類になるそうです。
2017年6月2日 9時53分14秒 (Fri)
聖書と神道:アザゼルのやぎと形代
旧約聖書のレビ記一六章五~一〇節に、贖罪の日に民の罪が如何に取り除かれたかが、聖所での大祭司の奉仕によって象徴されています。大祭司アロンは、先ず二頭の雄山羊を罪祭のために捧げて自分と家族のために贖いをします。更に、二頭の山羊を取り、くじで主である神と悪魔を象徴するアザゼルのための山羊を選びます。「そしてアロンは主のためのくじに当ったやぎをささげて、これを罪祭としなければならない。しかし、アザゼルのためのくじに当ったやぎは、主の前に生かしておき、これをもって、あがないをなし、これをアザゼルのために、荒野に送らなければならない。」(同九、一〇節)このように、大祭司は贖罪の日に自分と民の全ての罪を除去する聖なる祭事を遂行したのです。民は罪を告白し、そのすべての罪が罪の源であるとされる悪魔を表わすアザゼルの山羊に移され、その山羊は荒野に放たれ、遂に滅びてしまいます。こうして、罪は除去されたと考えられたのです。さて、大祓においては祓物(はらえつもの)を出して祓(はらえ)戸(ど)の神の神威によって罪穢を解除(げじょ)するというのです。六月三〇日は夏越(なごし)の祓(はらえ)と呼ばれます。この大祓では、形代(かたしろ)と言って人の形をした紙に自分の名前と年齢を書き、その形代で体の各所を撫で、息を三回吹きかけることで心身の穢れが形代に移されるとして、祈祷の後に形代を川や海に流したと言うのです。この大祓の形代は人の身代わりとなって葬られたと言うことで、贖罪の日のアザゼルの山羊の再現のようです。祓物としては、形代の他に綿麻等の繊維品、刀等の武具、馬、更には食品もあるそうです。なお、夏越(なごし)の祓(はらえ)では悪疫除去をする茅(ち)の輪(わ)くぐりの神事もあります。茅の輪くぐりとは、茅(ちがや)を束ねて作られた大きな輪に向かって正面から入って左回り、又正面から入って右回り、左回りと八の字に三回通って穢れを払うと言う神事です。青々とした植物は再生力を宿すと考えられ、青い茅が使用されたと思われます。この茅(ち)の輪(わ)くぐりは、贖罪の日に大祭司が聖所から至聖所に入る時に垂れ幕をくぐり抜ける祭事に由来していると言えます。それから、一二月の大祓は年越(としこ)しの祓(はらえ)(年越しの祓い)とも呼ばれ、新年を迎えるための心身を清める祓いとされています。写真説明:アザゼルのやぎ<ウェブサイト“One God One Lord”より転載>(上)と形代<ウェブサイト「湯島天神」と「富岡八幡宮」より転載>(下)
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プロフィール

- 性別
- 男
- 現住所
- 愛媛県今治市波方町郷乙404₋32
- 職業
- 牧師・宣教師
- 自己紹介
- ●新名(しんみょう) 忠臣(ただおみ)
●実践神学博士(米国アンドリューズ大学神学院)、元親業インストラクター
●札幌、小樽、苫小牧、仙台、東京・天沼で牧師を歴任。
●セブンスデー・アドベンチスト教団北海道教区長、青年部長、コミュニケーション部長、宗教自由部長、ラジオ牧師、総務局長等を歴任。
●宣教師としてシンガポールと韓国に在住し、副総務、コミュニケーション部、宗教自由部、出版部、ラジオ・テレ部等の部長としてアジア太平洋地域を巡回指導。
●最近まで、北アジア太平洋支部宣教部副部長。
●著書『夫と妻のコミュニケーション』(キリスト新聞社)『親と子のコミュニケーション』(キリスト新聞社)『わが青春は主のために』(三五堂)『暮らしの中のキリスト教』(新教出版社)『地球家族と聖書の言葉』(福音社)等。
- Self Introduction in English
- Full Name: Tadaomi Shinmyo
Sex: Male
Nationality: Japan
Citizenship: Japan
Education:
●B.A. in Theology in 1966 (Japan Missionary College)
●M.A. in Philosophy and Religion in 1972 (Philippine Union College Graduate School)
●Ordination: March 1973
●Doctor of Ministry in 1987 (Theological Seminary of Andrews University in USA)
Vocation:
●Pastor of the Japan Union Conference since 1966.
●Departmental Director of the Japan Union Conference for over 14 years.
●Radio Speaker and Japan Union Conference Secretary for a while.
●Missionary assigned to Departmental Director of Communication, Religious Liberty, Publishing Ministries, TV & Shortwave Radio Ministries, and Associate Secretary to Asia Pacific Division based in Singapore and Northern Asia-Pacific Division based in Korea for all together 9 years and 7 months.
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