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2017年4月 アーカイブ

2017年4月28日 12時05分38秒 (Fri)

聖書の水による身の清めと神道の禊

 旧約聖書の民数記一八、一九章には、主である神からアロンとその子たちに、幕屋、即ち聖所の働きに従事する祭司職に関する規定が与えられています。「そこで、主はアロンに言われた、『あなたとあなたの子たち、およびあなたの父祖の家の者は、聖所に関する罪を負わなければならない。また、あなたとあなたの子たちとは、祭司職に関する罪を負わなければならない。』」(民数記一八章一節)ここで祭司は、「聖所に関する罪を負わなければならない」と言われていますが、それは祭司が一時的に民の罪を自分の身に負うと言う意味です。しかし、ずっと負い続けるわけではなく規定に従って罪を処分します。その方法が同一九章一~一〇節に書かれています。ここでは、赤い雌牛が屠られて、その血が民の罪を清めるようになっています。その後に祭司は衣服及び自分の身を水で洗っているのです。「そして祭司は衣服を洗い、水に身をすすいで後、宿営に、はいることができる。ただし祭司は夕まで汚れる。」(同七節)更に、祭司のみならず雌牛を処分した関係者も同様にしなければなりませんでした。(同八~一〇節参照)つまり、罪の除去に当たって水による清めが言及されているのです。これは、神道においても同様に見られる神事で、禊(みそぎ)とか禊祓(みそぎはらい)と称せられています。禊は自分自身の身に罪や穢れのある時、又は大事な神事の前に氷水、滝、川、海で御神体を洗い清めることです。特に、祭りの当事者や神役は禊によって御神体を正常な状態にすることが必要であったと言われています。物忌(ものいみ)と言って、祭のため或いは災いから免れるために一定期間、食事や行動を慎み、不浄を避け、家内にこもることをした後に、積極的に心身の聖化をする手段が禊だそうです。その一方で、近親者が死んだ時に一定期間を喪に服する服喪(ふくも)のような異常な忌(き)の状態から、正常な日常生活に戻るための清めと言う再生儀礼の意味も禊にはあると言うのです。又、禊は陰暦六月晦日の夏越(なごし)の祓(はらえ)の行事の一つでもあります。「記紀(きき)」(「古事記」と「日本書紀」の総称)によれば、伊弉諾(いざなぎの)尊(みこと)が黄泉(よみ)から帰った時、筑紫日向の橘の小戸(おど)の檍(あはぎ)原(はら)の流れで身を清めたのが禊の初めだと言われています。

2017年4月21日 14時48分24秒 (Fri)

聖書と神道の出産の概念  

 旧約聖書のレビ記一二章には、主である神が預言者モーセに語られた女性の出産に関する規定があります。「イスラエルの人々に言いなさい、『女がもし身ごもって男の子を産めば、七日のあいだ汚れる。すなわち、月のさわりの日かずほど汚れるであろう。八日目にはその子の前の皮に割礼を施さなければならない。その女はなお、血の清めに三十三日を経なければならない。その清めの日の満ちるまでは、聖なる物に触れてはならない。また聖なる所にはいってはならない。もし女の子を産めば、二週間、月のさわりと同じように汚れる。その女はなお、血の清めに六十六日を経なければならない。男の子または女の子についての清めの日が満ちるとき、女は燔祭のために一歳の小羊、罪祭のために家ばとのひな、あるいは山ばとを、会見の幕屋の入口の、祭司のもとに、携えてこなければならない。祭司はこれを主の前にささげて、その女のために、あがないをしなければならない。こうして女はその出血の汚れが清まるであろう。これは男の子または女の子を産んだ女のためのおきてである。』」 (二~七節)一方、神道でも女性の出産について聖書と全く酷似した考え方があるのです。女性は出産時に出血をしますが、稀には大量出血で母親が死に至る場合があります。神道では血の穢れと言う捉え方がありますが、それは血そのものではなく、出血についてだと言うのです。人は怪我や病気のために出血する場合があり、そのために程度の差こそあれ生命力を失います。つまり、気が枯れるのです。出血多量による死は気枯れの最たる例です。出産は慶事である反面、母子共に死の危険もあるので不安もあります。女性は出産時の出血によって激しくエネルギーを消耗している、つまり気枯れしているので正常(清浄)ではなく、不正常(不浄)な状態にあります。ですから、産後間もない女性は神社参拝等の神事の参加を遠慮するのだと言うのです。『延喜式』には、出産後に神事に参加しない忌みの期間を七日と定めているそうです。そして、出産後の女性は泉、川、池、湖、海等の自然の水で身を清めたと言うのです。ここにも聖書の影響が見られます。

2017年4月13日 7時31分11秒 (Thu)

聖書と神道の生理の概念 

 旧約聖書のレビ記一五章に男性及び女性の汚れと、その清めについて言及されています。特に、同章一八~三三節は女性の生理(月経)に関係して述べられています。「また女に流出があって、その身の流出がもし血であるならば、その女は七日のあいだ不浄である。すべてその女に触れる者は夕まで汚れるであろう。その不浄の間に、その女の寝た物はすべて汚れる。またその女のすわった物も、すべて汚れるであろう。すべてその女の床に触れる者は、その衣服を洗い、水に身をすすがなければならない。彼は夕まで汚れるであろう。」(同一九~二一節)「しかし、その女の流出がやんで、清くなるならば、自分のために、なお七日を数えなければならない。そして後、清くなるであろう。その女は八日目に山ばと二羽、または家ばとのひな二羽を自分のために取り、それを会見の幕屋の入口におる祭司のもとに携えて行かなければならない。祭司はその一つを罪祭とし、他の一つを燔祭としてささげなければならない。こうして祭司はその女のため、その汚れの流出のために主の前に、あがないをするであろう。」同二八~三〇節)ここに、汚れの期間が七日であること、そして生理が終わると捧げ物を携えて贖われるために幕屋の祭司のもとへ行くように定められています。さて、神道では穢れとは大まかに言えば死・血・悪行を指すそうです。これらは、いずれも正常(清浄)ではなく、不正常(不浄)だと言うのです。従って、女性が生理によって出血状態にある期間は不浄であると考えるのです。神社への参拝は神の前に行くことであり、最上の敬意と最高の状態、即ち清浄で臨むべきなので、不浄の状態にあるとされる生理中の女性は神社には行かず、神事にも参加しないと言うのです。これは、自宅の神棚に参ることにおいても同様だそうです。つまり、不浄の間は家に籠るのです。かつて日本では月経小屋があり、生理中の女性は七日間ほど籠る風習があったそうです。そして、不浄を清めるのが禊や祓であると言われています。こういうわけで、聖書の女性の生理に関する規定が神道のそれに影響を与えたと言えましょう。

2017年4月6日 9時41分19秒 (Thu)

聖書と神道の死者への観念

 旧約聖書の民数記一九章一一節に、「すべて人の死体に触れる者は、七日のあいだ汚れる」と書かれています。更に、次のような律法がありました。「つるぎで殺された者、または死んだ者、または人の骨、または墓などに、野外で触れる者は皆、七日のあいだ汚れる。汚れた者があった時には、罪を清める焼いた雌牛の灰を取って器に入れ、流れの水をこれに加え、身の清い者がひとりヒソプを取って、その水に浸し、これをその天幕と、すべての器と、そこにいた人々と、骨、あるいは殺された者、あるいは死んだ者、あるいは墓などに触れた者とにふりかけなければならない。すなわちその身の清い人は三日目と七日目とにその汚れたものに、それをふりかけなければならない。そして七日目にその人は身を清め、衣服を洗い、水に身をすすがなければならない。そうすれば夕になって清くなるであろう。」(同一六~一九節)ここには、死者に触れた者が何日間汚れ、どのようにして清められるかが規定されています。又、いわゆる喪に服する期間について次のような記録があります。「全会衆がアロンの死んだのを見たとき、イスラエルの全家は三十日の間アロンのために泣いた。」(民数記二〇章二九節)さて、神道では死は汚れ(穢れ、気枯れ)の最も重いものと考えられ、死は不浄であるとして忌(い)み、遠ざけられたと言うのです。家族が死者を悼み、偲び、生活を慎むことを忌服(きぶく)、服忌(ぶっき)と表現し、家庭や地域での神事や慶事への参加を控え、その期間を忌中(きちゅう)と呼び、その期間の終了を忌(き)明け(あけ)と言います。平安時代中期(一〇世紀)に編纂された律令の施行細則である『延喜式(えんぎしき)』には、忌中の期間が死者と各自との続柄によって詳細に規定されているそうです。例えば、親及び配偶者の場合は五〇日、いとこ・甥・姪は三日とかです。そして、忌明けの後に悲しみを乗り越えて平常の生活に戻る期間が喪中であり、派手な宴席・慶事を慎み、故人を神・先祖として敬いお参りすると言うのです。更に、忌明け後に神事に携わる場合には忌抜きのお祓い(忌祓(いみばらい))を受けるように勧められています。聖書の清めの観念と似ています。

プロフィール

プロフィール画像
性別
現住所
愛媛県今治市波方町郷乙404₋32
職業
牧師・宣教師
自己紹介
●新名(しんみょう) 忠臣(ただおみ)
●実践神学博士(米国アンドリューズ大学神学院)、元親業インストラクター
●札幌、小樽、苫小牧、仙台、東京・天沼で牧師を歴任。
●セブンスデー・アドベンチスト教団北海道教区長、青年部長、コミュニケーション部長、宗教自由部長、ラジオ牧師、総務局長等を歴任。
●宣教師としてシンガポールと韓国に在住し、副総務、コミュニケーション部、宗教自由部、出版部、ラジオ・テレ部等の部長としてアジア太平洋地域を巡回指導。
●最近まで、北アジア太平洋支部宣教部副部長。
●著書『夫と妻のコミュニケーション』(キリスト新聞社)『親と子のコミュニケーション』(キリスト新聞社)『わが青春は主のために』(三五堂)『暮らしの中のキリスト教』(新教出版社)『地球家族と聖書の言葉』(福音社)等。
Self Introduction in English
Full Name: Tadaomi Shinmyo
Sex: Male
Nationality: Japan
Citizenship: Japan

Education:
●B.A. in Theology in 1966 (Japan Missionary College)
●M.A. in Philosophy and Religion in 1972 (Philippine Union College Graduate School)
●Ordination: March 1973
●Doctor of Ministry in 1987 (Theological Seminary of Andrews University in USA)

Vocation:
●Pastor of the Japan Union Conference since 1966.
●Departmental Director of the Japan Union Conference for over 14 years.
●Radio Speaker and Japan Union Conference Secretary for a while.
●Missionary assigned to Departmental Director of Communication, Religious Liberty, Publishing Ministries, TV & Shortwave Radio Ministries, and Associate Secretary to Asia Pacific Division based in Singapore and Northern Asia-Pacific Division based in Korea for all together 9 years and 7 months.
facebook
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