2016年11月 アーカイブ
2016年11月25日 12時27分37秒 (Fri)
ユダヤ人のルーツ その一七 反ユダヤ主義 その六
一九世紀後半に帝政ロシアを中心に激しくなったユダヤ教徒迫害(ポグロム、ロシア語で破滅・破壊の意味)に対して、ユダヤ人の間からシオニズムと言う運動が起こりました。シオニズムと言う名称は、エルサレムの南東にある「シオンの丘」に起因していて、それはイスラエル(パレスチナ)にユダヤ人の国を復興する近代的運動のことです。この呼称は一八九〇年代にオーストリアの同化ユダヤ人ナータン・ビルンバウムが考案しました。彼の盟友で同国記者のテオドール・ヘルツルは自らの国家を建設することをユダヤ人に訴えます。そして、第一回シオニスト会議を一八九七年にスイスのバーゼルで主宰したのです。テオドール・ヘルツルは後に建国の父と言われます。第一次世界大戦中の一九一七年に、イギリス外相がパレスチナにユダヤ人居住地の建設とその支援を約束するバルフォア宣言を出しました。パレスチナがイギリス委任統治領となった一九二〇年以降、シオニズムはユダヤ人のパレスチナへの入植を推進しますが、一九三〇年代のナチス・ドイツによるユダヤ人虐殺が入植を加速させます。その結果、パレスチナに既にいた非ユダヤ教徒アラブ住民と入植するシオニズム勢力との対立が起こり、その激化はイギリス委任統治を動揺させるほどであったと言われています。一九四七年に国連はパレスチナ分割決議をし、遂に一九四八年にユダヤ人国家としてイスラエルが建国されたのです。この結果、ヘブライ語が国の言葉として復興しました。こう言うわけで、シオニズムは目的を果たしたのですが、このシオニズムの運動に全てのユダヤ人やユダヤ教指導者が賛同したのではないと言うのです。西欧社会で確固として地位を築いていたユダヤ人(改革派、西方ユダヤ人)の中には関心を示さない者もいたそうです。又、伝統的ユダヤ教徒の中には、ヤハウェ(聖書の神)の約束であるメシヤ(救世主)によるイスラエルの再建を信じる観点から、シオニズムをユダヤ教のメシヤ信仰に対する裏切りと見なして反対者が多かったと言うのです。しかし、このイスラエル国誕生後、世界中から帰還者が増加しているのが現状です。一方で、パレスチナ分割によるユダヤ人国家の誕生は、現在でも入植者によるイスラエル国と先住民のパレスチナ自治政府との間の紛争として尾を引いているのは周知の事実です。
2016年11月18日 11時10分07秒 (Fri)
ユダヤ人のルーツ その一六 反ユダヤ主義 その五
ドイツのナチ党による反ユダヤ主義が横行する第二次世界大戦末期に、現在のチェコ生まれのドイツ人オスカー・シンドラーは、ドイツ占領下のポーランドで自分の経営する軍需工場の労働者としてユダヤ人を雇用して身柄を保護することにより、千二百人以上の命を救ったそうです。彼がユダヤ人労働者の保護を申請するために作成したリストは「シンドラーのリスト」を呼ばれ、これを題名にした映画は大反響を呼んだことで知られています。実は、「東洋のシンドラー」と呼ばれる日本人外交官がいたのです。一九三九年に杉原千畝は、リトアニア国のカナウスにある日本領事館領事代理に任命されました。この頃、ナチス・ドイツによるユダヤ人迫害が激しくなり、ドイツ占領下のポーランドを始め、ドイツの影響の強い地域からの逃亡ユダヤ人にいかに対処するかが国際問題になり、日本も例外ではありませんでした。ヨーロッパから日本経由でアメリカに渡るユダヤ人難民がいたのです。一方、日本ではユダヤ人に限らず、全ての外国人に対して、避難先の入国許可を得ていなければ通過ビザを発給しない方針でした。しかし、避難民の中には入国許可を得ていると偽る者や、避難国への渡航費用がない者等がいて日本に留まろうとする者もいたそうです。そうした外国人の中にリトアニアから来たユダヤ人もおり、杉原千畝が通過ビザ発給者になっていたと言うのです。日本政府は一九三八年に外務大臣から在外公館宛てに、ユダヤ人への通過ビザ発給の資格は避難先の入国許可や渡航費用を持つ者に限るとしていました。ですから、杉原千畝に対して資格のないユダヤ人へのビザ発給許可を出すはずはなかったのです。しかし彼は、一九四〇年に独自の判断でリトアニアの日本領事館に詰めかけるユダヤ人に大量のビザを発給したのです。ソ連の侵攻に伴いリトアニアでは各国の在外公館が相次いで閉鎖され、日本領事館も閉鎖を求められます。しかし彼は同地を離れるまで、列車に乗ってからもビザを求めるユダヤ人に発給し続けたと言われています。一九四一年に在プラハ総領事代理となった杉原千畝から本国外務大臣への電報によれば、ユダヤ人へのビザ発給数は約千五百枚と推定されるとあります。ビザは一家族一枚でよかったので、彼によって救われた人は約六千人に上ると考えられます。写真説明:杉原千畝(ウィキペディアより転載)
2016年11月11日 12時36分04秒 (Fri)
ユダヤ人のルーツ その一五 反ユダヤ主義 その四
二〇世紀にヨ-ロッパの国々、及びロシアでは反ユダヤ主義的な事件が勃発していました。そして、反ユダヤ主義的政策を実行に移したのがドイツの、その名称を一九二〇年に改称した、国家社会主義ドイツ労働者党(ナチ党、ナチス)だと言うのです。やがて、カリスマ的指導者アドルフ・ヒトラーは党首となり、更に一九三三年にはナチ党が政権を獲得し、彼は首相に就任します。元々のヒトラーは、ウィーンで美術を学んでいたのですが、当時のキリスト教社会党の指導者の反ユダヤ主義の演説に感動し、反ゲルマン主義と反ユダヤ主義に基づく民族主義的政治運動の指導者からも強い影響を受けたと言われています。ヒトラーは、数千人の聴衆を集めることができた党内で一番人気のある弁士であったそうです。ですから、彼は党財政に於いても欠かせない存在になっていました。ナチ党は設立当初から反ユダヤ主義を掲げ、政権取得後はそれを国策の一つとしました。ヒトラーは選民思想(ナチズム)に基づき、北方人種が主となって世界を支配すべきだと主張していたと言います。更に、ドイツ民族であっても、性的少数者、退廃芸術、障害者、ナチ党に従わない者、ナチ党が反社会的人物と認定した者は迫害・断種されたと言うのです。一九三三年にはユダヤ人等を公職から追放する職業官吏再建法(ドイツ語版)が制定され、一九三五年にはニュルンベルク法によってユダヤ人の公民権が剥奪されました。ヒトラーのナチス・ドイツは、一九三九年にポーランドに侵攻して第二次世界大戦を引き起こします。この世界大戦が勃発すると、ヒトラーはユダヤ人をアフリカ大陸南東のマダガスカル島へ移送する計画を立てましたが実現しませんでした。そこで考え出されたユダヤ人に対する最終的解決案が絶滅収容所であり、一九四二年七月から移送されたユダヤ人の大量虐殺(ホロコースト)が行われたのです。その犠牲者数は六百万人以上と言われています。強制労働による絶滅、毒ガス・一酸化炭素・排気ガスによる間引き的殺人、そして組織的殺戮へとエスカレートして行きました。又、ドイツ人であっても障害者に対しては安楽死と称して虐殺政策を推進したのです。しかし、彼の独裁体制はドイツの敗戦により崩壊しました。最後に彼は、包囲されたベルリン市の総統地下壕内で自殺したと言われています。写真説明:ポーランドのアウシュビッツ強制収容所(左端が筆者)
2016年11月4日 11時08分03秒 (Fri)
ユダヤ人のルーツ その一四 反ユダヤ主義 その三
ユダヤ人への偏見、敵意、憎悪、迫害等は、残念ながら聖書の時代を含めて人類の歴史と共にあるようです。世界の主要宗教としてローマを中心にしてキリスト教が繁栄していた時代に、アラビヤからマホメットを開祖とするイスラム教が六二二年に台頭してキリスト教世界を脅かすようになりました。そして、六七三年にはイスラム教がキリスト教の聖地とも言うべきエルサレムを占領したのです。その結果、エルサレム奪還を図るためにキリスト教勢力が、一〇九六年に第一回十字軍を起こしイスラム勢力を攻撃します。ところが、この時にユダヤ教徒も弾圧、迫害されたと言うのです。又、中世時代のキリスト教社会において、一二~一三世紀のラテラノ公会議でユダや教徒の衣服と居住区(ゲットー)が決められるなどして差別が進んだそうです。黒死病(ペスト)のスケープゴートとしてユダヤ人迫害が、一三四八年にジュネーブで、翌年の一三四九年にはベルンで発生します。又、一五一六年にヴェネツィアにユダヤ教徒強制居留地(ゲットー)が設置されます。このような風潮の中で、一八世紀になると啓蒙主義者たちによって「ユダヤ人の解放」が提唱され始めたと言われます。一方、一九世紀になるとユダヤ人の解放が進められる中で、新しい反ユダヤ主義が現われ、政治的・経済的・民族的理由で迫害が起こるようになります。一八七九年に改宗ユダヤ人ウィリアム・マールが「反セム主義」と言う言葉を使用したそうです。ドイツ語圏では一八八〇年代以降に反ユダヤ主義的言説が流布し、「ユダヤ人の解放」をもじって「ユダヤ人からの解放」というスローガンが流行します。このような反ユダヤ主義への背景には、一九世紀後半の後発の産業革命時代にあって商工業の様々の分野で成功したユダヤ人が少なくなかったことに対する人々の妬み反感があったと指摘されています。そして、ユダヤ人が世界征服を企んでいると言う『シオン賢者の議定書』が一九〇三年にロシアで初めて世に出ます。これの熱狂的信奉者がアメリカではヘンリー・フォード、ドイツではアドルフ・ヒトラーだった言われています。しかし、一九二一年に英国の『タイムズ』紙の記者によって、これは捏造本だと発表されるのですが、この本を既に読んだ人々は内容を信じ込み、なお一層ユダヤ人排斥運動(ポグロム)を起こすようになったと言うのです。
- 水曜聖書講座
- 世界総会総理安息日礼拝説教(和訳) GC President Sermon
- 安息日礼拝説教(音声) Sabbath Sermon (Voice)
- ブログ 毎週更新 Blog Weekly
- アルバム 静画 Album Photo
- アルバム 動画 Album Movie
- 本の紹介 1 Book 1
- 本の紹介 2 Book 2
- 本の紹介 3 Book 3
- 本の紹介 4 Book 4
- 本の紹介 5 Book 5
- 本の紹介 6 Book 6
- 本の紹介 7 Book 7
- 本の紹介 8 Book 8
- 本の紹介 9 Book 9
- 本の紹介 10 Book 10
- 日本PMMニュース PMM Newsletter in Japan
- アドベンチスト南米人ニュース Adventist South Americans
- 北アジア太平洋支部所属時宣教活動 Missionary Activities under Northern Asia-Pacific Division
- 新聞掲載記事 News Articles to Papers
- 英文雑誌掲載記事 Articles to English Magazines
- English Article 1
- English Article 2
- English Article 3
- フリーページ 日本語 1 Japanese Article 1
- フリーページ 日本語 2 Japanese Article 2
- フリーページ 日本語 3 Japanese Article 3
- フリーページ 日本語 4 Japanese Article 4
- フリーページ 日本語 5 Japanese Article 5
- フリーページ English Article 1
- フリーページ English Article 2
- フリーページ English Article 3
- 論文 1 English Thesis
- 論文 2 English Dissertation
- 論文 3 日本語 Japanese Thesis
- 論文 4 日本語 Japanese Thesis
- 掲示板 Bulletin Board
- リンク Link
- フリーページ
プロフィール

- 性別
- 男
- 現住所
- 愛媛県今治市波方町郷乙404₋32
- 職業
- 牧師・宣教師
- 自己紹介
- ●新名(しんみょう) 忠臣(ただおみ)
●実践神学博士(米国アンドリューズ大学神学院)、元親業インストラクター
●札幌、小樽、苫小牧、仙台、東京・天沼で牧師を歴任。
●セブンスデー・アドベンチスト教団北海道教区長、青年部長、コミュニケーション部長、宗教自由部長、ラジオ牧師、総務局長等を歴任。
●宣教師としてシンガポールと韓国に在住し、副総務、コミュニケーション部、宗教自由部、出版部、ラジオ・テレ部等の部長としてアジア太平洋地域を巡回指導。
●最近まで、北アジア太平洋支部宣教部副部長。
●著書『夫と妻のコミュニケーション』(キリスト新聞社)『親と子のコミュニケーション』(キリスト新聞社)『わが青春は主のために』(三五堂)『暮らしの中のキリスト教』(新教出版社)『地球家族と聖書の言葉』(福音社)等。
- Self Introduction in English
- Full Name: Tadaomi Shinmyo
Sex: Male
Nationality: Japan
Citizenship: Japan
Education:
●B.A. in Theology in 1966 (Japan Missionary College)
●M.A. in Philosophy and Religion in 1972 (Philippine Union College Graduate School)
●Ordination: March 1973
●Doctor of Ministry in 1987 (Theological Seminary of Andrews University in USA)
Vocation:
●Pastor of the Japan Union Conference since 1966.
●Departmental Director of the Japan Union Conference for over 14 years.
●Radio Speaker and Japan Union Conference Secretary for a while.
●Missionary assigned to Departmental Director of Communication, Religious Liberty, Publishing Ministries, TV & Shortwave Radio Ministries, and Associate Secretary to Asia Pacific Division based in Singapore and Northern Asia-Pacific Division based in Korea for all together 9 years and 7 months.
- http://www.facebook.com/home.php?clk_loc=5#!/profile.php?id=100001267058201
日本PMMニュース PMM Newsletter in Japan
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
| 1 | ||||||
| 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
| 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
| 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
| 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 |
| 30 | 31 | |||||
アドベンチスト南米人ニュース Adventist South Americans
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
| 1 | ||||||
| 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
| 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
| 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
| 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 |
| 30 | 31 | |||||
北アジア太平洋支部所属時宣教活動 Missionary Activities under Northern Asia-Pacific Division
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
| 1 | ||||||
| 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
| 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
| 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
| 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 |
| 30 | 31 | |||||
新聞掲載記事 News Articles to Papers
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
| 1 | ||||||
| 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
| 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
| 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
| 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 |
| 30 | 31 | |||||
カテゴリー
アーカイブ
携帯用QRコード
- 水曜聖書講座
- 世界総会総理安息日礼拝説教(和訳) GC President Sermon
- 安息日礼拝説教(音声) Sabbath Sermon (Voice)
- ブログ 毎週更新 Blog Weekly
- アルバム 静画 Album Photo
- アルバム 動画 Album Movie
- 本の紹介 1 Book 1
- 本の紹介 2 Book 2
- 本の紹介 3 Book 3
- 本の紹介 4 Book 4
- 本の紹介 5 Book 5
- 本の紹介 6 Book 6
- 本の紹介 7 Book 7
- 本の紹介 8 Book 8
- 本の紹介 9 Book 9
- 本の紹介 10 Book 10
- 日本PMMニュース PMM Newsletter in Japan
- アドベンチスト南米人ニュース Adventist South Americans
- 北アジア太平洋支部所属時宣教活動 Missionary Activities under Northern Asia-Pacific Division
- 新聞掲載記事 News Articles to Papers
- 英文雑誌掲載記事 Articles to English Magazines
- English Article 1
- English Article 2
- English Article 3
- フリーページ 日本語 1 Japanese Article 1
- フリーページ 日本語 2 Japanese Article 2
- フリーページ 日本語 3 Japanese Article 3
- フリーページ 日本語 4 Japanese Article 4
- フリーページ 日本語 5 Japanese Article 5
- フリーページ English Article 1
- フリーページ English Article 2
- フリーページ English Article 3
- 論文 1 English Thesis
- 論文 2 English Dissertation
- 論文 3 日本語 Japanese Thesis
- 論文 4 日本語 Japanese Thesis
- 掲示板 Bulletin Board
- リンク Link
- フリーページ
