2016年5月 アーカイブ
2016年5月27日 11時05分50秒 (Fri)
メド・ペルシャ時代のユダヤ人 その三 王妃エステルの覚悟
ユダヤ人虐殺の布令は、ユダヤ人の王妃エステルと養父モルデカイにどのような運命をもたらすのでしょうか。「モルデカイはすべてこのなされたことを知ったとき、その衣を裂き、荒布をまとい、灰をかぶり、町の中へ行って大声をあげ、激しく叫んで、王の門の入口まで行った。荒布をまとっては王の門の内にはいることができないからである。すべて王の命令と詔をうけ取った各州ではユダヤ人のうちに大いなる悲しみがあり、断食、嘆き、叫びが起り、また荒布をまとい、灰の上に座する者が多かった。」(エステル四章一~三節)モルデカイは、衣を裂く、荒布をまとう、灰をかぶるという行動をしていますが、これは非常に悔やみ残念がることの表現です。また、「各州ではユダヤ人のうちに大いなる悲しみがあり」「灰の上に座する者が多かった」との記事から、当時既にメド・ペルシャ帝国のインドからエチオピアまでの一二七州に、多くのユダヤ人が居住していたことが窺えます。彼らはシルクロードを通って移住したはずです。さて、このユダヤ人存亡の危機に際してモルデカイは、王妃エステルに決死の覚悟を持って王に同胞救出の直談判を迫るように伝言するのです。エステルへのモルデカイの言葉です。「モルデカイは命じてエステルに答えさせて言った、『あなたは王宮にいるゆえ、すべてのユダヤ人と異なり、難を免れるだろうと思ってはならない。あなたがもし、このような時に黙っているならば、ほかの所から、助けと救がユダヤ人のために起るでしょう。しかし、あなたとあなたの父の家とは滅びるでしょう。あなたがこの国に迎えられたのは、このような時のためでなかったとだれが知りましょう』。」(同記四章一三~一四節)モルデカイへのエステルの返答です。「そこでエステルは命じてモルデカイに答えさせた、『あなたは行ってスサにいるすべてのユダヤ人を集め、わたしのために断食してください。三日のあいだ夜も昼も食い飲みしてはなりません。わたしとわたしの侍女たちも同様に断食しましょう。そしてわたしは法律にそむくことですが王のもとへ行きます。わたしがもし死なねばならないのなら、死にます』。モルデカイは行って、エステルがすべて自分に命じたとおりに行った。」(同記四章一五~一七節)写真説明:祈るユダヤ人たち("the Bible Story" Arthur S. Maxwell Volume 6, p.144より転載)
2016年5月20日 11時12分47秒 (Fri)
メド・ペルシャ時代のユダヤ人 その二 ユダヤ人滅亡の危機
エステル記二章二〇節によれば、エステルは王妃になった後も養父モルデカイと連絡を取ることができました。「エステルはモルデカイが命じたように、まだ自分の同族のことをも自分の民のことをも人に知らせなかった。エステルはモルデカイの言葉に従うこと、彼に養い育てられた時と少しも変らなかった。」さて、このモルデカイに問題が起こるのです。「これらの事の後、アハシュエロス王はアガグびとハンメダタの子ハマンを重んじ、これを昇進させて、自分と共にいるすべての大臣たちの上にその席を定めさせた。王の門の内にいる王の侍臣たちは皆ひざまずいてハマンに敬礼した。これは王が彼についてこうすることを命じたからである。しかしモルデカイはひざまずかず、また敬礼しなかった。」「ハマンはモルデカイのひざまずかず、また自分に敬礼しないのを見て怒りに満たされたが、ただモルデカイだけを殺すことを潔しとしなかった。彼らがモルデカイの属する民をハマンに知らせたので、ハマンはアハシュエロスの国のうちにいるすべてのユダヤ人、すなわちモルデカイの属する民をことごとく滅ぼそうと図った。」(同記三章一~二、五~六節)この記事から王国内、即ちインドからエチオピアまで相当数のユダヤ人が存在していたことがわかります。その理由は、彼らの国が紀元前七二二年にアッシリア帝国に、又六〇五、五九七、五八六年にバビロン帝国に攻め滅ぼされ、彼らは各帝国で捕囚の身となり、その後世界中へ絹の道を経て離散したからです。ハマンは王にユダヤ人撲滅を巧みに提言しています。「そしてハマンはアハシュエロス王に言った、『お国の各州にいる諸民のうちに、散らされて、別れ別れになっている一つの民がいます。その法律は他のすべての民のものと異なり、また彼らは王の法律を守りません。それゆえ彼らを許しておくことは王のためになりません。』」「そして王はハマンに言った、『その銀はあなたに与える。その民もまたあなたに与えるから、よいと思うようにしなさい』。」「そして急使をもってその書を王の諸州に送り、十二月すなわちアダルの月の十三日に、一日のうちにすべてのユダヤ人を、若い者、老いた者、子供、女の別なく、ことごとく滅ぼし、殺し、絶やし、かつその貨財を奪い取れと命じた。」(同記三章九~一一節、一三節)写真説明:ハマンに敬礼しないモルデカイ("the Bible Story" Arthur S. Maxwell Volume 6, p.139より転載)
2016年5月13日 13時14分23秒 (Fri)
メド・ペルシャ時代のユダヤ人 その一 ユダヤ人王妃誕生
旧約聖書のエステル記一章一~三節に次の記録があります。「アハシュエロスすなわちインドからエチオピヤまで百二十七州を治めたアハシュエロスの世、アハシュエロス王が首都スサで、その国の位に座していたころ、その治世の第三年に、彼はその大臣および侍臣たちのために酒宴を設けた。ペルシャとメデアの将軍および貴族ならびに諸州の大臣たちがその前にいた。」ここに、ペルシャとメデア、即ちメド・ペルシャ帝国のアハシュエロス王が首都スサで将軍、貴族、そして統治区域一二七州の大臣たちのために宴会を開催したことが書かれています。アハシュエロスとは、歴史書ではダリヨス一世が紀元前四八六年に死亡した後に王座についた息子のクセルクセスのことです。ここで注目したいのは、「インドからエチオピヤまで百二十七州」という言葉です。王は、東はアジアのインドから西はアフリカのエチオピアまでの広大な地域を治めていたのです。しかも、一二七という州に分割していたのは、各地から税金を徴収し、帝国内の安寧秩序を図るためであったと考えられます。そのためには外敵を防ぐ必要があり、軍隊が配備され将軍もおりました。従って、エチオピアからインドまでの間は、人々や物資が頻繁に往来していたはずですし、陸と海のシルクロードが張り巡らされていたと想像できます。更に興味深い記事は、エスエル記二章一七節です。「王はすべての婦人にまさってエステルを愛したので、彼女はすべての処女にまさって王の前に恵みといつくしみとを得た。王はついに王妃の冠を彼女の頭にいただかせ、ワシテに代って王妃とした。」王妃ワシテの態度・行動に怒った王は彼女を退け、国中から美しい処女を集めて養成した後に、その中からエステルを新王妃としたのですが、実はエスエルはユダヤ人であり、早くに両親を亡くした孤児でした。彼女を引き取って自分の娘として育てたのがモルデカイです。「さて首都スサにひとりのユダヤ人がいた。名をモルデカイといい、キシのひこ、シメイの孫、ヤイルの子で、ベニヤミンびとであった。彼はバビロンの王ネブカデネザルが捕えていったユダの王エコニヤと共に捕えられていった捕虜のひとりで、エルサレムから捕え移された者である。彼はそのおじの娘ハダッサすなわちエステルを養い育てた。・・・」(同記二章五~七節)写真説明:メド・ペルシャ帝国の王妃になるエステル("the Bible Story" Arthur S. Maxwell Volume 6, p.137より転載)
2016年5月6日 10時33分04秒 (Fri)
聖書とシルクロード 二五 インドのユダヤ人社会
ラビ・マーヴィン・トケイヤー・久保有政(訳)の著書『聖書に隠された日本・ユダヤ封印の古代史』には次のように書かれています。「インド南西部に、ケララ州という所がある。ここの港は、古代世界において、世界のあちこちから海を渡って来る商人や移住者たちにとって、別天地であった。今から二千数百年以上前、いや、おそらくもっと前から、そこは世界の方々からやって来る様々の人種の人々に対して広く開かれていた。ギリシャ、ローマ、アラビア、エジプト、また古代イスラエルの商人たちも、インドのこの地域に出入りし、通商を行なっていた。胡椒等の香辛料、その他の貿易を行なっていたのである。」「またインドのケララ州には、西暦七〇年のエルサレム神殿崩壊以前から、またキリスト教発生以前からすでにあったというユダヤ人共同体が幾つかある。とくに、彼らはケララ州の町コチン近辺に多くいたので、コチン・ユダヤ人と呼ばれていた。キリスト教の歴史によれば、イエスの使徒トマスは、西暦五二年にインド南部のこの地域にやって来た。なぜ彼は、わざわざインドまでやって来たのか。それは、当時、インドに一大ユダヤ人コミュニティがあることは、ユダヤ人にとっては周知の事柄だったからである。使徒トマスはそこに行って、まずユダヤ人たちに、この世にメシヤ(キリスト)が来たと伝えたのである。」「実際、今もインドのこの地域には、『カナン人』と呼ばれている人々がいる(カナンとはイスラエルの地の古名と同じ)。彼らはまた『ナザレ人』とも呼ばれている。イエスは『ナザレ人イエス』と呼ばれていたし、キリスト教発生期においてクリスチャンたちは、『ナザレ人たち』とも呼ばれたのである。」「彼らの多くは今日、名ばかりのクリスチャンである。カトリックに変わった者もいる。彼らに聞いても、誰も自分たちの起源について確かなことを知っている者はいない。けれども、彼らはもともとはユダヤ人だったと考えられる理由がある。私はそこに行き、彼らの教会『聖トマス教会』に行ってみたことがある。彼らは今でも、そこでアラム語で祈っていた。使われている聖書もアラム語であり、アラム語の説教が行われていた。」「このクリスチャンたちは、もともとはキリスト教発生期以前からこの地域に移住していたユダヤ人だった、とも考えられるのである。」(八一~八四頁)ユダヤ人たちは間違いなく絹の道を通って来たはずです。
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プロフィール

- 性別
- 男
- 現住所
- 愛媛県今治市波方町郷乙404₋32
- 職業
- 牧師・宣教師
- 自己紹介
- ●新名(しんみょう) 忠臣(ただおみ)
●実践神学博士(米国アンドリューズ大学神学院)、元親業インストラクター
●札幌、小樽、苫小牧、仙台、東京・天沼で牧師を歴任。
●セブンスデー・アドベンチスト教団北海道教区長、青年部長、コミュニケーション部長、宗教自由部長、ラジオ牧師、総務局長等を歴任。
●宣教師としてシンガポールと韓国に在住し、副総務、コミュニケーション部、宗教自由部、出版部、ラジオ・テレ部等の部長としてアジア太平洋地域を巡回指導。
●最近まで、北アジア太平洋支部宣教部副部長。
●著書『夫と妻のコミュニケーション』(キリスト新聞社)『親と子のコミュニケーション』(キリスト新聞社)『わが青春は主のために』(三五堂)『暮らしの中のキリスト教』(新教出版社)『地球家族と聖書の言葉』(福音社)等。
- Self Introduction in English
- Full Name: Tadaomi Shinmyo
Sex: Male
Nationality: Japan
Citizenship: Japan
Education:
●B.A. in Theology in 1966 (Japan Missionary College)
●M.A. in Philosophy and Religion in 1972 (Philippine Union College Graduate School)
●Ordination: March 1973
●Doctor of Ministry in 1987 (Theological Seminary of Andrews University in USA)
Vocation:
●Pastor of the Japan Union Conference since 1966.
●Departmental Director of the Japan Union Conference for over 14 years.
●Radio Speaker and Japan Union Conference Secretary for a while.
●Missionary assigned to Departmental Director of Communication, Religious Liberty, Publishing Ministries, TV & Shortwave Radio Ministries, and Associate Secretary to Asia Pacific Division based in Singapore and Northern Asia-Pacific Division based in Korea for all together 9 years and 7 months.
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