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2016年3月 アーカイブ

2016年3月25日 12時08分46秒 (Fri)

聖書とシルクロード その一九 初代教会は中国へも 

聖書とシルクロード その一九 初代教会は中国へも  ウェブサイト「西暦一世紀における東洋への伝道」と題する記事の中に、「中国には、西暦六一年頃に、キリスト教の宣教師が存在したとう証拠があるそうである」と書かれています。そして、紀元六一年頃とは、パウロがコロサイ人への手紙を書いた年であろうとしているのです。その手紙の一章二三節に、「ただし、あなたがたは、ゆるぐことがなく、しっかりと信仰にふみとどまり、すでに聞いている福音の望みから移り行くことのないようにすべきである。この福音は、天の下にあるすべての造られたものに対して宣べ伝えられたものであって、それにこのパウロが奉仕しているのである」と述べられています。特に最後の文章には、「この福音は、天の下にあるすべての造られたものに対して宣べ伝えられたものであって」と明言されています。つまり、イエス・キリストの教えはパウロの生存時代においてさえも、「天の下にあるすべての造られたものに対して宣べ伝えられたもの」と捉えられているということは、イエス・キリストの大宣教命令(マタイによる福音書二八章一九~二〇節)が文字通り遂行されていたという証拠です。中国は、東西の世界を直結するシルクロードの中枢部ですから、当然のようにキリストの弟子たちが宣教の意気に燃えてエルサレムから中国へ向かったはずです。景教学者・佐伯好郎によれば、中央アジアに「弓月(ゆづき)王国」が存在していました。「クルジア(クルジャ)」とも呼ばれたそうですが、現在の中国とカザフスタンの国境付近で、都自体は現在の中国の新疆ウイグル自治区北西部の伊寧(いねい)にあったと考えられています。ここは、シルクロードの草原及びオアシスの道の分岐点に位置し、古来多くの遊牧勢力の重要な根拠地であり、国際的な交易センターでもあったというのです。佐伯好郎によれば、この弓月王国は小国ながらキリスト教王国だったというのです。そして彼は論文の中で、「私見によれば、弓月の民は、使徒時代以後のキリスト教徒であったに相違ないし、又、大多数がユダヤ人改宗者であった原始教会のキリスト教徒であったかもしれない」と書いているそうです。原始教会とは、イエス・キリストの弟子たちの教会時代を指しますので紀元一世紀となります。従って、中国西部の新疆ウイグル自治区へのイエス・キリストの弟子たちによる紀元六一年の伝道は十分に考えられます。

写真説明:新疆ウイグル自治区(ウェブサイト「対馬の名石館」から転載)

2016年3月18日 11時40分50秒 (Fri)

聖書とシルクロード その一八 トマスはインドへ(海路)

聖書とシルクロード その一八 トマスはインドへ(海路) 渡辺信夫著『アジア伝道史』には、「インド西岸に分布するマラバル教会は使徒トマスによって開かれたという伝承があり、現地ではそう信じられている。トマスの到着は五二年と伝えられる」と記されているそうです。いくつかの百科辞典によれば、トマスはガリラヤで生まれ、イエスの弟子となり、インドへ布教に行き七二年一二月二一日にインドのミラプール(現在のマドラス郊外)で殉教しています。トマスはアラム語の原義では「双子」で、デドモ(ヨハネによる福音書一一章一六節)は「双子」のキリシャ語に訳した名前です。ロシア正教会や日本ハリスト正教会では、彼をフォマと呼んでいます。初代の伝承では、トマスがイエスの双子であったとか、イエスの弟のユダと同一視されたりしているのです。新約聖書外典の中に、トマス以外の誰かによって書かれた『トマスの福音書』や『トマス行伝』があるというのですが、この中に「ユダ・トマス」とか、「キリストの双子の兄弟である」と書かれているのです。その『トマス行伝』はシリアで作られ、内容の歴史的信憑性には異論もあると言うのですが、シリア文学の最古のものであり、四世紀にはギリシャ語に訳され、次いでラテン語にも翻訳されたそうです。伝説によれば、トマスはマラバール(南西海岸)にキリスト教会を建てます。更に大陸を横断してミラプールへ行き殉教します。そこに彼の墓地があり、その上に聖トマス教会が建てられました。一五四七年にポルトガル宣教師によって再建され、七世紀のパーラビ語が記された十字架があるそうです。なお、インドではトマスはトマの名で呼ばれていたようです。『トマス行伝』に記載されているインドの王のグンダファルという人物は、近年発掘された当時の貨幣によって実在していたことがわかりました。その結果、『トマス行伝』にあるトマスのインド宣教は信頼性を増しています。そして、忘れてならないことは、海のシルクロードがあったということです。一世紀頃、西のローマと東のインドの間で盛んに貿易がなされ、ギリシャ商人が活躍していたのです。ローマ人はインドの胡椒・香料・真珠・綿布・宝石等を買い金貨で支払ったというのですが、現在インド各地でローマの金貨が出土しているそうです。宣教の意気に燃えたトマスは、交易船に乗ってインドへ渡り、その地でイエス・キリストの御名のために生命を燃焼させたに相違ありません。

写真説明:使徒トマスの墓所の上に立つ聖トマス教会(ウェブサイト「4 travel.jp」より転載)

2016年3月11日 15時01分36秒 (Fri)

聖書とシルクロード その一七 ダマスコ途上でのパウロ  

聖書とシルクロード その一七 ダマスコ途上でのパウロ   新約聖書の使徒行伝八章一~四節に次の記録があります。「サウロは、ステパノを殺すことに賛成していた。その日、エルサレムの教会に対して大迫害が起り、使徒以外の者はことごとく、ユダヤとサマリヤとの地方に散らされて行った。信仰深い人たちはステパノを葬り、彼のために胸を打って、非常に悲しんだ。ところが、サウロは家々に押し入って、男や女を引きずり出し、次々に獄に渡して、教会を荒し回った。さて、散らされて行った人たちは、御言を宣べ伝えながら、めぐり歩いた。」これは、イエス・キリスト昇天後のエルサレムにおけるクリスチャンへの大迫害の描写です。ステパノの殉教は紀元三四年でした。迫害する中心人物としてサウロが登場していますが、イエス・キリスト及びクリスチャンたちを敵視していた当時の宗教指導者たちの意向に沿って動いていたのです。クリスチャン迫害の功績によって彼はサンヒドリン(議会)の議員に選ばれたと言われています。サウロはエルサレムだけでは満足せず、迫害を逃れて散って行ったクリスチャンを外国まで追い求めたのです。同書九章一~二節には、「さてサウロは、なおも主の弟子たちに対する脅迫、殺害の息をはずませながら、大祭司のところに行って、ダマスコの諸会堂あての添書を求めた。それは、この道の者を見つけ次第、男女の別なく縛りあげて、エルサレムにひっぱって来るためであった」と書かれています。ダマスコとは、現在のシリヤの首都ダマスカスのことです。オアシスを持つダマスコは人間が連続的に定住した世界最古の都市であり、ローマ帝国時代にはギリシャ・ローマ文化の非常に重要な中心地であり、自由都市連合の名誉都市になったと言うのです。国際都市エルサレムとダマスコは直線で結ぶと約二二二キロありますが、人々が頻繁に往来する道路が存在していたことは容易に想像できます。それは、先ずは商売人の交易路であり、政治家の公用路であり、軍人の戦争路であり、そしてサウロの迫害路でもありました。しかし、ダマスコへの道中で彼は幻で復活のイエス・キリストに出会い、ダマスコで回心してバプテスマを受け、イエス・キリストを救い主として説き始めたのです。その後、サウロはエルサレムに戻ります。(使徒行伝九章三~三一節参照)従って、彼にとってダマスコへの往路は迫害路でしたが、復路は宣教路になりました。

写真説明:幻でイエスに出会ったサウロ("the Bible Story" Arthur S. Maxwell Volume 10, p.43より転載)

2016年3月4日 14時40分41秒 (Fri)

聖書とシルクロード その一六 イエスの大宣教命令

聖書とシルクロード その一六 イエスの大宣教命令 イエス・キリストが弟子たちに伝えたかったことは何だったのでしょうか。マタイによる福音書二四章一四節でイエス・キリストは、「そしてこの御国の福音は、すべての民に対してあかしをするために、全世界に宣べ伝えられるであろう。そしてそれから最後が来るのである」と述べられました。ここには、二つのことが明確に宣言されています。つまり、聖書の福音は全世界に宣べ伝えられ、それから世界の終わりが来るということです。ここで注目したいのは、イエス・キリスト御自身が御在世当時、既に世界の福音宣教の完結を預言しておられたことです。同書の二八章一八~二〇節でイエス・キリストは次のように弟子たちに語っておられます。「イエスは彼らに近づいてきて言われた、『わたしは、天においても地においても、いっさいの権威を授けられた。それゆえに、あなたがたは行って、すべての国民を弟子として、父と子と聖霊との名によって、彼らにバプテスマを施し、あなたがたに命じておいたいっさいのことを守るように教えよ。見よ、わたしは世の終りまで、いつもあなたがたと共にいるのである』。」これは、復活後のイエス・キリストが弟子たちに対して発せられた全世界への宣教命令であり、マタイによる福音書の最後の聖句です。留意点は、「わたしは世の終りまで、いつもあなたがたと共にいるのである」というイエス・キリストの弟子たちへの約束の言葉です。世界宣教は宣教者にイエス・キリストの御臨在がなければ不可能です。使徒行伝一章八~九節に次の記録があります。「『ただ、聖霊があなたがたにくだる時、あなたがたは力を受けて、エルサレム、ユダヤとサマリヤの全土、さらに地のはてまで、わたしの証人となるであろう』。こう言い終ると、イエスは彼らの見ている前で天に上げられ、雲に迎えられて、その姿が見えなくなった。」これは、昇天される前にイエス・キリストが弟子たちに残された最後の託宣です。聖霊を受けて、エルサレムから始まって地の果てまでイエス・キリストの証人として福音宣教に出て行くようにとの至上命令です。この厳命は、形成された当初のキリスト教会にとっては、ある意味で無謀とも思える使命でした。しかし、二つの理由で可能だったのです。第一は神が宣教者と共におられるからであり、第二はエルサレムから世界に通じる陸路・海路の交易路、つまりシルクローがあったからです。

写真説明:イエス・キリストと弟子たち("the Bible Story" Arthur S. Maxwell Volume 9, p.188より転載)

プロフィール

プロフィール画像
性別
現住所
愛媛県今治市波方町郷乙404₋32
職業
牧師・宣教師
自己紹介
●新名(しんみょう) 忠臣(ただおみ)
●実践神学博士(米国アンドリューズ大学神学院)、元親業インストラクター
●札幌、小樽、苫小牧、仙台、東京・天沼で牧師を歴任。
●セブンスデー・アドベンチスト教団北海道教区長、青年部長、コミュニケーション部長、宗教自由部長、ラジオ牧師、総務局長等を歴任。
●宣教師としてシンガポールと韓国に在住し、副総務、コミュニケーション部、宗教自由部、出版部、ラジオ・テレ部等の部長としてアジア太平洋地域を巡回指導。
●最近まで、北アジア太平洋支部宣教部副部長。
●著書『夫と妻のコミュニケーション』(キリスト新聞社)『親と子のコミュニケーション』(キリスト新聞社)『わが青春は主のために』(三五堂)『暮らしの中のキリスト教』(新教出版社)『地球家族と聖書の言葉』(福音社)等。
Self Introduction in English
Full Name: Tadaomi Shinmyo
Sex: Male
Nationality: Japan
Citizenship: Japan

Education:
●B.A. in Theology in 1966 (Japan Missionary College)
●M.A. in Philosophy and Religion in 1972 (Philippine Union College Graduate School)
●Ordination: March 1973
●Doctor of Ministry in 1987 (Theological Seminary of Andrews University in USA)

Vocation:
●Pastor of the Japan Union Conference since 1966.
●Departmental Director of the Japan Union Conference for over 14 years.
●Radio Speaker and Japan Union Conference Secretary for a while.
●Missionary assigned to Departmental Director of Communication, Religious Liberty, Publishing Ministries, TV & Shortwave Radio Ministries, and Associate Secretary to Asia Pacific Division based in Singapore and Northern Asia-Pacific Division based in Korea for all together 9 years and 7 months.
facebook
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