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2016年2月 アーカイブ

2016年2月26日 12時15分56秒 (Fri)

聖書とシルクロード その一五 イエスと外国人

聖書とシルクロード その一五 イエスと外国人 新約聖書のヨハネによる福音書一二章二〇~二三節に次のように書かれています。「祭で礼拝するために上ってきた人々のうちに、数人のギリシヤ人がいた。彼らはガリラヤのベツサイダ出であるピリポのところにきて、『君よ、イエスにお目にかかりたいのですが』と言って頼んだ。ピリポはアンデレのところに行ってそのことを話し、アンデレとピリポは、イエスのもとに行って伝えた。すると、イエスは答えて言われた、『人の子が栄光を受ける時がきた。』」ここで、「祭で礼拝するために上ってきた人々のうちに、数人のギリシヤ人がいた」とありますが、この祭りとは同書一二章一節からエルサレムでの過越の祭です。この大祭には当時のパレスチナ全土からユダヤ人のみならず、ギリシャ人のような外国人参拝者もいたことがわかります。エルサレムはローマ帝国の支配下にありましたが国際都市でしたので、ローマ人はもとよりギリシャ人もいて、わざわざイエス・キリストの弟子に「イエスにお目にかかりたいのですが」と面会を申し出たのです。そこで弟子のピリポとアンデレが取り次ぐと、イエス・キリストは「人の子が栄光を受ける時がきた」と言われました。この意味は、外国人にさえイエス・キリストが救世主として認識され、人類の罪を解決するために十字架につく時が来たということです。マタイによる福音書二七章三一~三二節に、「こうしてイエスを嘲弄したあげく、外套をはぎ取って元の上着を着せ、それから十字架につけるために引き出した。彼らが出て行くと、シモンという名のクレネ人に出会ったので、イエスの十字架を無理に負わせた」とあります。イエス・キリストが十字架を背負わされて刑場に向かう途中、その十字架を、そこに居合わせた「シモンという名のクレネ人」に強制的に負わせたというのです。このクレネ人とは当時ローマの属州であった地中海に面したクレナイカ(現在のアフリカのリビア)に住んでいたユダヤ人です。このようにユダヤ人はアフリカ方面にも離散していたのです。そして、この過越の祭にエルサレムに詣でていたと考えられます。このように、三年半のイエス・キリストの公生涯の中で最後のわずか一週間の間に、ギリシャ人やクレネ人という外国人との接触が聖書に描かれているのです。この事実は、当時、地中海沿岸の都市が海と陸の交易路で結ばれ、人々が盛んに往来していたことを窺わせます。

十字架を背負うクレネ人シモン ("the Bible Story" Arthur S. Maxwell Volume 9, p.104より転載)

2016年2月19日 12時31分48秒 (Fri)

聖書とシルクロード その一四 エチオピア女王高官のバプテスマ

聖書とシルクロード その一四 エチオピア女王高官のバプテスマ 新約聖書の使徒行伝八章二六~二八節に次のような大変興味深い記事があります。「しかし、主の使がピリポにむかって言った、『立って南方に行き、エルサレムからガザへ下る道に出なさい』(このガザは、今は荒れはてている)。そこで、彼は立って出かけた。すると、ちょうど、エチオピヤ人の女王カンダケの高官で、女王の財宝全部を管理していた宦官であるエチオピヤ人が、礼拝のためエルサレムに上り、その帰途についていたところであった。彼は自分の馬車に乗って、預言者イザヤの書を読んでいた。」ここで注目したいのは、エチオピヤ人が遥々エルサレムまで礼拝に来ていたということです。そして、彼は帰路の道中で旧約聖書のイザヤ書を読んでいたのです。この事実から、彼は非常に敬虔で信仰に熱心な人物であったと考えられます。そして、彼はエチオピヤの女王カンダケの財宝全部を管理していた高官、宦官でありました。現代的に言えば、財務大臣か大蔵大臣ということでしょう。そのような国家の重要人物が聖書の神を礼拝するために外国へ行くということは、その神がエチオピヤで公認されていたことを示唆しています。さらに、エチオピヤの大臣の中に信者がいたということは、一般民衆の中にも相当数の信者がいたと想像できます。つまり、イエス・キリストの出現以前に、世界中に離散して行ったユダヤ人たちによって旧約聖書の教えがエチオピヤにも伝えられていたということです。その一方で、このエチオピヤの宦官は読んでいたイザヤ書の聖句の意味がわかないので、神のお告げによって彼に送られたイエスの弟子ピリポに質問するのです。「宦官はピリポにむかって言った、『お尋ねしますが、ここで預言者はだれのことを言っているのですか。自分のことですか、それとも、だれかほかの人のことですか』。」(同書八章三四節)そこで、ピリポは聖書からイエス・キリストであることを教えました。すると、宦官はイエス・キリストを神の子と信じバプテスマを受けるのです。(同書八章三五~三九節参照)このような素晴らしい回心劇が起こったのは、神の御摂理の中でユダヤ人たちが当時の交易路を通って各地に移住し、自分たちの聖書の神を紹介した結果です。そのようにして信者になった外国人たちが、またシルクロードを使って国際都市エルサレムヘ礼拝のために上って来たということです。

写真説明:エチオピア女王高官のバプテスマ("the Bible Story" Arthur S. Maxwell Volume 10, p.40-41より転載)

2016年2月12日 12時13分48秒 (Fri)

聖書とシルクロード 一三 エルサレムで三千人の回心者

聖書とシルクロード 一三 エルサレムで三千人の回心者 イエス・キリストの十字架、復活、昇天という一連の歴史的大事件が生じた紀元三一年、ローマ帝国の支配下にあったエルサレムで、これまた驚くべき出来事がありました。新約聖書の使徒行伝二章一~六節に次のような記録があります。「五旬節の日がきて、みんなの者が一緒に集まっていると、突然、激しい風が吹いてきたような音が天から起ってきて、一同がすわっていた家いっぱいに響きわたった。また、舌のようなものが、炎のように分れて現れ、ひとりびとりの上にとどまった。すると、一同は聖霊に満たされ、御霊が語らせるままに、いろいろの他国の言葉で語り出した。さて、エルサレムには、天下のあらゆる国々から、信仰深いユダヤ人たちがきて住んでいたが、この物音に大ぜいの人が集まってきて、彼らの生れ故郷の国語で、使徒たちが話しているのを、だれもかれも聞いてあっけに取られた。」この記事は、イエス・キリストの弟子たちが聖霊を受けて、彼ら自身も習得していなかった様々な外国語を使用して伝道説教したという奇跡です。ここで注目したいのは、「エルサレムには、天下のあらゆる国々から、信仰深いユダヤ人たちがきて住んでいた」という記録です。そして、「天下のあらゆる国々」の具体的名前が同九~一一節に書かれているのです。「『わたしたちの中には、パルテヤ人、メジヤ人、エラム人もおれば、メソポタミヤ、ユダヤ、カパドキヤ、ポントとアジヤ、フルギヤとパンフリヤ、エジプトとクレネに近いリビヤ地方などに住む者もいるし、またローマ人で旅にきている者、ユダヤ人と改宗者、クレテ人とアラビヤ人もいるのだが、あの人々がわたしたちの国語で、神の大きな働きを述べるのを聞くとは、どうしたことか』。」ここには、私たちにとって馴染みのある国家や都市の名前があります。その一方で、全く聞いたことがないような呼称もあります。例えば、パルテヤ人ですが、これはカスピ海南東部、イラン高原東北部に興った王国・遊牧国家であり、パルニ氏族を中心とした遊牧民の長、アルサケスが建国したパルティア王国の民族です。ともかく、このような人々が、同四一節によれば、イエス・キリストの弟子ペテロの説教を聞いて三千人もが回心したというのです。このような画期的出来事は、当時の国際都市エルサレムを含む各地の交易地を繋ぐぶシルクロードが完備していたから可能だったと言えます。

写真説明:聖霊降臨を描いた15世紀の写本(ウィキペディアより転載)

2016年2月5日 10時52分04秒 (Fri)

聖書とシルクロード その一二 パウロのローマ連行 (海路中心)

聖書とシルクロード その一二 パウロのローマ連行  (海路中心) イエス・キリストの使徒と自称していたパウロは、その熱烈な伝道のために当時の宗教指導者に妬まれ、邪魔され、迫害され、暗殺される危険さえありました。幸いにも、パウロはローマの千卒長クラウデオ・ルシヤの計らいで助けられ、エルサレムからカイザリヤ在住のペリクス総督のもとへ送られます。すると、パウロの働きに反対する宗教指導者たちが総督に訴えます。その記録が新約聖書の使徒行伝二四章に詳細に書かれています。同章一節には、「五日の後、大祭司アナニヤは、長老数名と、テルトロという弁護人とを連れて下り、総督にパウロを訴え出た」とあります。テルトロの論告があり、それに対するパウロの答弁があります。しかし、事態はすぐには解決せず、年が経過し、総督がペリクスからポルキオ・フェストに交代します(同章二七節参照)。そして、パウロはフェストの質問に対して、「わたしはカイザルに上訴します」(使徒行伝二五章一一節参照)と答え、フェストも「おまえはカイザルに上訴を申し出た。カイザルのところに行くがよい」(同章一二節)と応答しました。この結果、パウロはローマで裁判を受けることになりました。使徒行伝二七章一、二節に次のようにあります。「さて、わたしたちが、舟でイタリヤに行くことが決まった時、パウロとそのほか数人の囚人とは、近衛隊の百卒長ユリアスに託された。そしてわたしたちは、アジヤ沿岸の各所に寄港することになっているアドラミテオの舟に乗り込んで、出帆した。テサロニケのマケドニヤ人アリスタルコも同行した。」ここには、カイザリヤ港からイタリヤへ船で行くとあり、しかも、「アジヤ沿岸の各所に寄港することになっているアドラミテオの舟」と記されています。つまり、当時、地中海には海の交易路が整っていたのです。パウロの最後の伝道旅行とも言うべきローマへの船旅は紀元六〇~六一年のことでした。パウロが回心した紀元三四年からローマで殉教する六七年までの三三年の信仰生活で、一二年間はアンテオケを拠点に活動したと思われますが、残りの二一年間は伝道旅行に費やしました。ということは、旅行のための陸路と海路がよほど整備されていない限り到底出来ないことです。そうでないと、送り出す側も、そんなに度々は派遣できなかったはずです。つまり、当時の交易路は商人、軍人、伝道者が頻繁に利用できる状況にあったと言えます。

写真説明:パウロは船でローマへ("the Bible Story" Arthur S. Maxwell Volume 10, p.119より転載)

プロフィール

プロフィール画像
性別
現住所
愛媛県今治市波方町郷乙404₋32
職業
牧師・宣教師
自己紹介
●新名(しんみょう) 忠臣(ただおみ)
●実践神学博士(米国アンドリューズ大学神学院)、元親業インストラクター
●札幌、小樽、苫小牧、仙台、東京・天沼で牧師を歴任。
●セブンスデー・アドベンチスト教団北海道教区長、青年部長、コミュニケーション部長、宗教自由部長、ラジオ牧師、総務局長等を歴任。
●宣教師としてシンガポールと韓国に在住し、副総務、コミュニケーション部、宗教自由部、出版部、ラジオ・テレ部等の部長としてアジア太平洋地域を巡回指導。
●最近まで、北アジア太平洋支部宣教部副部長。
●著書『夫と妻のコミュニケーション』(キリスト新聞社)『親と子のコミュニケーション』(キリスト新聞社)『わが青春は主のために』(三五堂)『暮らしの中のキリスト教』(新教出版社)『地球家族と聖書の言葉』(福音社)等。
Self Introduction in English
Full Name: Tadaomi Shinmyo
Sex: Male
Nationality: Japan
Citizenship: Japan

Education:
●B.A. in Theology in 1966 (Japan Missionary College)
●M.A. in Philosophy and Religion in 1972 (Philippine Union College Graduate School)
●Ordination: March 1973
●Doctor of Ministry in 1987 (Theological Seminary of Andrews University in USA)

Vocation:
●Pastor of the Japan Union Conference since 1966.
●Departmental Director of the Japan Union Conference for over 14 years.
●Radio Speaker and Japan Union Conference Secretary for a while.
●Missionary assigned to Departmental Director of Communication, Religious Liberty, Publishing Ministries, TV & Shortwave Radio Ministries, and Associate Secretary to Asia Pacific Division based in Singapore and Northern Asia-Pacific Division based in Korea for all together 9 years and 7 months.
facebook
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