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2015年12月 アーカイブ

2015年12月25日 11時00分12秒 (Fri)

聖書とシルクロード その六 交易路は戦争路

聖書とシルクロード その六 交易路は戦争路 旧約聖書のダニエル書は、神が預言者ダニエルを通して世界歴史を預言していた書としてよく知られています。ダニエルという名前には、ヘブル(ヘブライ)語では「神は裁かれます」という意味があります。さて、ダニエルは年齢的には青年から老年まで、地理的には故郷のユダから外国のバビロンやメド・ペルシャで暮らすまで実に数奇な人生を辿るのです。同書一章一~三節に次の記録があります。「ユダの王エホヤキムの治世の第三年にバビロンの王ネブカデネザルはエルサレムにきて、これを攻め囲んだ。主はユダの王エホヤキムと、神の宮の器具の一部とを、彼の手にわたされたので、彼はこれをシナルの地の自分の神の宮に携えゆき、その器具を自分の神の蔵に納めた。時に王は宦官の長アシペナズに、イスラエルの人々の中から、王の血統の者と、貴族たる者数人とを、連れて来るように命じた。」この事件は、紀元前六〇五年に起きたバビロンの王ネブカデネザルによる第一次バビロン捕囚です。ここで注目したいのは、ネブカデネザル王は自国のバビロンと攻撃したユダとの間を往復していることです。彼は戦争のために多くの部下と共に道を歩んだのですが、どの道を通ったのでしょうか。それは、間違いなく貿易路であるシルクロードを使用したはずです。ですから、絹の(交易路)は戦の道(戦争路)としても利用されたのです。戦争の旅であっても、兵士たちには飲食や宿泊は欠かせませんので、既に存在していたシルクロードを歩いたはずです。戦勝国は敗戦国から捕虜と財宝を略奪していくのが常です。ここでもバビロンの王ネブカデネザルは、ユダの王エホヤキム、王の血統の者、貴族の者数人、そして神の宮であるエルサレム神殿内の器具の一部を奪っています。通常の捕虜は自国の労働力として使用しますが、優秀な人材は王やその国家に役立てようとします。その中の一人がダニエルでした。一方、略奪品として神殿の器具の一部とありますが、この神殿は有名なソロモン王によって建てられた宗教施設です。それは当時の建築物の傑作でありました。旧約聖書の列王記上六章三八節に、「第十一年のブルの月すなわち八月に、宮のすべての部分が設計どおりに完成した。ソロモンはこれを建てるのに七年を要した」とありますが、神殿には金がふんだんに大量に使われていました。

写真説明:破壊・焼失されたエルサレム神殿("the Bible Story" Arthur S. Maxwell Volume 5, p.191より転載)

2015年12月18日 11時23分45秒 (Fri)

聖書とシルクロード その五 中東、北東アフリカ

聖書とシルクロード その五 中東、北東アフリカ 旧約聖書の中に一六の預言書があり、その中のイザヤ、エレミヤ、エゼキエル、ダニエルの四書は大預言書と呼ばれています。イザヤは、紀元前七四〇年に預言者として神に召され、六〇年以上も働きを続けました。さて、イザヤ書から中東及び北東アフリカのシルクロードが既存していたと考えられるのです。イザヤ書三章一六~二三節には、エルサレムに住む女性の装身具と服装について、「くるぶし輪、髪ひも、月形の飾り、耳輪、腕輪、顔おおい、頭飾り、すね飾り、飾り帯、香箱、守り袋、指輪、鼻輪、礼服、外套、肩掛、手さげ袋、薄織の上着、亜麻布の着物、帽子、被衣」と書かれています。これらは、彼らの地で取れた材料から彼ら自身が生産したほかに、外地の材料から製品にしたもの、更に交易によって得た商品もあったに違いありません。そして、イザヤ書には交易路の国々と都市が登場しているのです。同書一四章二五節に「わたしはアッスリヤびとをわが地で打ち破り、わが山々で彼を踏みにじる。・・・」、同章三一節に「・・・ペリシテの全地よ、恐れのあまり消えうせよ、北から煙が来るからだ。・・・」、同書一五章一節に「・・・アルは一夜のうちに荒されて、モアブは滅びうせ、キルは一夜のうちに荒されて、モアブは滅びうせた」、同書一七章一~二節に「・・・見よ、ダマスコは町の姿を失って、荒塚となる。」、同書一八章一節に「ああ、エチオピヤの川々のかなたなるぶんぶんと羽音のする国、この国は葦の船を水にうかべ、ナイル川によって使者をつかわす。とく走る使者よ、行け。川々の分れる国の、たけ高く、膚のなめらかな民、遠近に恐れられる民、力強く、戦いに勝つ民へ行け」、同書一九章一節に「エジプトについての託宣。見よ、主は速い雲に乗って、エジプトに来られる。エジプトのもろもろの偶像は、み前に震えおののき、エジプトびとの心は彼らのうちに溶け去る」、同書二一章九節に「・・・彼は答えて言った、『倒れた、バビロンは倒れた、その神々の像はことごとく打ち砕かれて地に伏した』」、同章一三節に「・・・デダンびとの隊商よ、あなたがたはアラビヤの林にやどる」と記録されています。これは、東からの絹の道が中東で一時代を画したアッスリヤ及びバビロンを経て西に行き、地中海沿いのペリシテへ南下し、モアブとアラビヤ又はエジプトとエチオピアへ更に南下していることになります。

写真説明:聖書地図(ウェブサイト「ものみの塔 オンライン・ライブラリー」より転載)

2015年12月11日 10時58分04秒 (Fri)

聖書とシルクロード その四 海の交易路で逃走

聖書とシルクロード その四 海の交易路で逃走 旧約聖書のヨナ書には、その著者である預言者ヨナの大変興味深い経験が書かれています。ヨナはヘブル(ヘブライ))語で鳩を意味します。さて、ヨナ書一章一説~三節までに次のような記録があります。「主の言葉がアミッタイの子ヨナに臨んで言った、『立って、あの大きな町ニネベに行き、これに向かって呼ばわれ。彼らの悪がわたしの前に上ってきたからである』。しかしヨナは主の前を離れてタルシシへのがれようと、立ってヨッパに下って行った。ところがちょうど、タルシシへ行く船があったので、船賃を払い、主の前を離れて、人々と共にタルシシへ行こうと船に乗った。」紀元前七九〇年代の預言者ヨナは、主である神から、北方に位置する当時の帝国アッシリアの首都ニネベ(人口一二万余、同書四章一一節参照)に行き、人々に警告の使命を伝えるように言われました。ところが、ヨナは神に従わず、北への陸路を行かず、むしろ神から逃げるように西の地中海に向かって進み、港町ヨッパに着き、たまたまタルシシへ出港する船があったので乗船したというのです。ヨッパはエルサレムの西北にある地中海沿岸にあり、タルシシは前述しましたようにスペインの西南部にある町です。この記事から、ヨッパとタルシシの間には定期航路、すなわち海の道が存在していたことが窺えます。このように、ヨナは運よく船で逃走できると思い、安心して船内で眠っていました。しかし、そうはうまくはいきませんでした。同書一章四~五節には次のような記録があります。「時に、主は大風を海の上に起されたので、船が破れるほどの激しい暴風が海の上にあった。それで水夫たちは恐れて、めいめい自分の神を呼び求め、また船を軽くするため、その中の積み荷を海に投げ捨てた。しかし、ヨナは船の奥に下り、伏して熟睡していた。」ヨナは神から逃走できたと思っていたのですが、神はずっとヨナを追跡しておられました。そして、ヨナの預言者としての本来の役割、すなわちニネベの人々を救う働きを果たすように導いておられたのです。そのために神が用いられた手段が暴風でした。この結果、ヨナは神に従いニネベに行くようになります。さて、ここで注目したいのは、水夫たちが船を軽くするために積み荷を海へ投棄したことです。この積み荷には、東西の海の道を交易していた商人たちの品々が含まれていたに相違ありません。

写真説明:ヨナが乗り込んだ船("the Bible Story" Arthur S. Maxwell Volume 6, p.178-179より転載)

2015年12月4日 10時04分52秒 (Fri)

聖書とシルクロード その三 陸と海の交易路

聖書とシルクロード その三 陸と海の交易路 旧約聖書の列王紀上四章二一節に、「ソロモンはユフラテ川からペリシテびとの地と、エジプトの境に至るまでの諸国を治めたので、皆みつぎ物を携えてきて、ソロモンの一生のあいだ仕えた」と記されています。紀元前九七一年即位の彼は、今日の東はイラク、西は地中海沿岸のイスラエル、北はシリアとレバノン、南はエジプト国境までの広範囲を支配し、近隣の国々から貢物を得ていたのです。その際、貢いだ人々は当時の交易路を使ったはずです。同書一〇章一節~三節、一〇節には次の記録があります。「シバの女王は主の名にかかわるソロモンの名声を聞いたので、難問をもってソロモンを試みようとたずねてきた。彼女は多くの従者を連れ、香料と、たくさんの金と宝石とをらくだに負わせてエルサレムにきた。彼女はソロモンのもとにきて、その心にあることをことごとく彼に告げたが、ソロモンはそのすべての問に答えた。王が知らないで彼女に説明のできないことは一つもなかった。」「そして彼女は金百二十タラントおよび多くの香料と宝石とを王に贈った。シバの女王がソロモン王に贈ったような多くの香料は再びこなかった。」シバは現在のサウジ・アラビアの中心地域に対する古代の名称です。この女王は高価な贈り物を持ってソロモンを訪ねていますが、特に金百二十タラントは四トン余りにもなります。このような宝物を携えた女王と従者たちが、やはり隊商の道を通ってエルサレムに行ったに違いありません。同一四節には、「さて一年の間にソロモンのところに、はいってきた金の目方は六百六十六タラントであった」とあり、この場合の金の重さは二三トン近い驚くべき量です。更に二二節には、「これは王が海にタルシシの船隊を所有して、ヒラムの船隊と一緒に航海させ、タルシシの船隊に三年に一度、金、銀、象牙、さる、くじゃくを載せてこさせたからである」との記述があり、ソロモンは陸のみならず海の道も利用していたことがわかります。タルシシとは、現在のスペインの西南部のカジスの北方であるとされています。つまり、地中海には海の交易路が整っていたことが示唆されており、数々の高価な品物がソロモンのもとに届けられました。同二五節にも、ソロモンに謁見を求めて「人々はおのおの贈り物を携えてきた。すなわち銀の器、金の器、衣服、没薬、香料、馬、騾馬など年々定まっていた」とあります。

写真説明:宝物を携えたシバの女王と従者たち("the Bible Story" Arthur S. Maxwell Volume 4, p.156より転載)

プロフィール

プロフィール画像
性別
現住所
愛媛県今治市波方町郷乙404₋32
職業
牧師・宣教師
自己紹介
●新名(しんみょう) 忠臣(ただおみ)
●実践神学博士(米国アンドリューズ大学神学院)、元親業インストラクター
●札幌、小樽、苫小牧、仙台、東京・天沼で牧師を歴任。
●セブンスデー・アドベンチスト教団北海道教区長、青年部長、コミュニケーション部長、宗教自由部長、ラジオ牧師、総務局長等を歴任。
●宣教師としてシンガポールと韓国に在住し、副総務、コミュニケーション部、宗教自由部、出版部、ラジオ・テレ部等の部長としてアジア太平洋地域を巡回指導。
●最近まで、北アジア太平洋支部宣教部副部長。
●著書『夫と妻のコミュニケーション』(キリスト新聞社)『親と子のコミュニケーション』(キリスト新聞社)『わが青春は主のために』(三五堂)『暮らしの中のキリスト教』(新教出版社)『地球家族と聖書の言葉』(福音社)等。
Self Introduction in English
Full Name: Tadaomi Shinmyo
Sex: Male
Nationality: Japan
Citizenship: Japan

Education:
●B.A. in Theology in 1966 (Japan Missionary College)
●M.A. in Philosophy and Religion in 1972 (Philippine Union College Graduate School)
●Ordination: March 1973
●Doctor of Ministry in 1987 (Theological Seminary of Andrews University in USA)

Vocation:
●Pastor of the Japan Union Conference since 1966.
●Departmental Director of the Japan Union Conference for over 14 years.
●Radio Speaker and Japan Union Conference Secretary for a while.
●Missionary assigned to Departmental Director of Communication, Religious Liberty, Publishing Ministries, TV & Shortwave Radio Ministries, and Associate Secretary to Asia Pacific Division based in Singapore and Northern Asia-Pacific Division based in Korea for all together 9 years and 7 months.
facebook
http://www.facebook.com/home.php?clk_loc=5#!/profile.php?id=100001267058201

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