2015年11月 アーカイブ
2015年11月27日 12時19分23秒 (Fri)
聖書とシルクロード その二 イシマエル人の隊商
旧約聖書の創世記三七章には、一七歳の少年ヨセフと彼の父や兄弟との生活が記録されています。ヨセフは自分が見た夢を彼らに語ったことで父からとがめを受け、兄弟たちから恨みを買いました。それが原因で、ある時、ヨセフは兄弟たちによって暴行を受け、挙句の果てに奴隷として外国に売られてしまうのです。同章二三~二八節に次のようにあります。「さて、ヨセフが兄弟たちのもとへ行くと、彼らはヨセフの着物、彼が着ていた長そでの着物をはぎとり、彼を捕えて穴に投げ入れた。その穴はからで、その中に水はなかった。こうして彼らはすわってパンを食べた。時に彼らが目をあげて見ると、イシマエルびとの隊商が、らくだに香料と、乳香と、もつやくとを負わせてエジプトへ下り行こうとギレアデからやってきた。そこでユダは兄弟たちに言った、『われわれが弟を殺し、その血を隠して何の益があろう。さあ、われわれは彼をイシマエルびとに売ろう。彼はわれわれの兄弟、われわれの肉身だから、彼に手を下してはならない』。兄弟たちはこれを聞き入れた。時にミデアンびとの商人たちが通りかかったので、彼らはヨセフを穴から引き上げ、銀二十シケルでヨセフをイシマエルびとに売った。彼らはヨセフをエジプトへ連れて行った。」このヨセフが奴隷としてエジプトへ売られた事件は紀元前一六八二年に起こったと私たちは考えていますが、これは当時既にシルクロードが存在していたことを示す非常に貴重な記録なのです。この場合のルートはギレアデからエジプトであり、商人たちはイシマエル人、ミデアン人であり、商品は香料・乳香・没薬(新約聖書・マタイによる福音書二章一一節参照)であり、らくだが運搬手段になっています。ギレアデはカナン(現在のイスラエル)のヨルダン川東側全域であり、「ギレアデの乳香」と言われるほど乳香の産出地として有名です。(旧約聖書・エレミヤ書八章二二節参照)商人としてイシマエル人とミデアン人が登場していますが、イシマエル人はアブラハムとハガルとの間に生まれたイシマエルの子孫であり、ミデアン人とはミデアン(現在のサウジアラビア西北)に住んでいた人々ですが民族的にはイシマエル人でした(旧約聖書・士師記八章二四節)。彼らはアジアとエジプトの間を往来した隊商と言われています。このように、聖書の世界はシルクロードと密接な関係を持っています。写真説明:イシマエル人の隊商に売られるヨセフ("the Bibe Story Arthur S. Maxwell Volume 2, p.45"より転載)
2015年11月20日 15時06分56秒 (Fri)
聖書とシルクロード その一 東西南北の交差路
旧約聖書の創世記一一章一~二、九節に次の記録があります。「全地は同じ発音、同じ言葉であった。時に人々は東に移り、シナルの地に平野を得て、そこに住んだ。」「これによってその町の名はバベルと呼ばれた。主がそこで全地の言葉を乱されたからである。主はそこから彼らを全地のおもてに散らされた。」この場面の背景は、ノアの洪水後に人々は東方に移動し、シナルの地に住んでいますが、この地はチグリス・ユーフラテス川沿いにあります。そこで人々は再び洪水が襲ってきても滅びないようにと、天まで届く高い塔を建てようとしますが、言葉が乱されて工事は完成しませんでした。そこで、この町は「バベル」すなわち「混乱」と呼ばれました。シナルの地のバベルは後にバビロンとして知られる地域で、現在のイラクです。同章三一節には、「テラはその子アブラムと、ハランの子である孫ロトと、子アブラムの妻である嫁サライとを連れて、カナンの地へ行こうとカルデヤのウルを出たが、ハランに着いてそこに住んだ」とあります。アブラムはユダヤ人の先祖です。この家族はカルデヤのウルを出発したとありますが、カルデヤはバビロンのことであり、ウルはユフラテス川沿いに位置している町です。ハランは現在のトルコとシリアの国境辺りにあります。更に、同書一二章一、四節に次の記録があります。「時に主はアブラムに言われた、『あなたは国を出て、親族に別れ、父の家を離れ、わたしが示す地に行きなさい。』」「アブラムは主が言われたようにいで立った。ロトも彼と共に行った。アブラムはハランを出たとき七十五歳であった。」アブラムがハランを出て目指したのは勿論カナンであり、今日のイスラエルの国がある場所です。さて、この聖書に登場する一連の地名は、実はシルクロードのアオシスの道の沿線にある町々なのです。アブラムは紀元前一九五〇年に生まれ、ハランを出発したのは紀元前一八七五年と算出されています。彼らはオアシスの道を西方に向かい、ハランからは南下したということです。現在のトルコやシリアは、当時から東西南北の交易路の交差点であり、世界中の人々が往来していたということです。
2015年11月13日 12時11分21秒 (Fri)
ユダヤ人と日本人 その四 シルクロードの西と東
西のヨーロッパと東のアジアを結ぶ交易路シルクロード(絹の道)の名称は、一九世紀にドイツの地理学者リヒトホーフェンが著書『China(支那)』の中でドイツ語のザイデンシュトラーセンを使用したのが最初で、その後に彼の弟子であるスウェーデンの地理学者ヘディンの著書『The Silk Road(絹の道)』の題名で英訳されて広く知られるようになったと言うことです。シルクロードは、広義においては三つのルートがあり、北から草原の道、オアシスの道、そして海の道です。草原の道は中国から北上してモンゴル、カザフスタンの草原を通って黒海に至る最古の貿易路で紀元前千年頃には存在し、その地方に住む遊牧民が東西の文化交流の役割をも果たしていたと考えられています。オアシスの道は東トルキスタンを横切る東西の隊商路で、リヒトホーフェンが名付けたシルクロードであり、狭義の意味での絹の道です。そして、敦煌以西へは西域南道、天山南路(西域北道)、天山北路の三つのルートがあります。西域南道は紀元前二世紀頃の前漢の時代には確立されていてこの三つの中では最古の道で、タクラマカン砂漠南縁のオアシスを辿ってパミール高原に達するので漠南路とも呼ばれます。海の道は、中国から東シナ海、南シナ海、インド洋を経てインドへ、更にアラビア半島に至る海路で海のシルクロードです。エジプトはプトレマイオス朝(紀元前三〇六年~紀元前三〇年)の時代からインドと通商をしており、エジプトを征服した古代ローマもインドに商業拠点を築き絹を求めて中国まで達したと言われています。貿易品は、中国から西方へは絹、陶磁器、香料、茶、漆器、紙等が、西方から中国へは宝石、ガラス製品、銀製品、絨毯、イスラム陶器等でした。さて、日本には奈良の正倉院に中国製やペルシア製の宝物が多数あり、また遣唐使に随行してペルシア人李密翳(り・みつえい)が日本に来た記録もあると言うのです。そういうわけで、日本は中国の唐時代のシルクロードの東端になっていた、そして摂津国の住吉津(現在の大阪市住吉区)を「シルクロードの日本の玄関」、飛鳥京や平城京を「シルクロードの東の終着点」と呼ぶことがあると言うのです。自分たちの国を失い、外国に離散させられたユダヤ人たちが、宣教と商業活動のためにシルクロードを利用し、日本に至ったことは十分に考えられます。写真説明:シルクロード、上(ブログ<東日本大震災 未来への祈りと伝承~「みちのく巡礼」>より転載)、下(ウェブサイト<たそがれライダーの雑貨屋的日記>より転載)
2015年11月6日 14時39分43秒 (Fri)
ユダヤ人と日本人 その三 ヘブライと戸来村
新約聖書のヨハネによる福音書八章三三節でユダヤ人たちはイエス・キリストに対して、「わたしたちはアブラハムの子孫であって、人の奴隷になったことなどは、一度もない。どうして、あなたがたに自由を得させるであろうと、言われるのか」と語っています。ここから、ユダヤ人がアブラハムの子孫であり、そのアブラハムはヘブル(ヘブライ)人です(創世記一四章一三節参照)。アブラハムの孫であるヤコブは、創世記三二章二八節で名前をイスラエルに改名するように言われ、その子孫はイスラエル人となります。ですから、ユダヤ人、ヘブル(ヘブライ)人、イスラエル人は同意語であり、同じ民族のことです。さて、日本の青森県三戸郡新郷村に戸来(へらい)という地名がありますが、元は戸来村でありました。読み方からいって「ヘブライ」と「へらい」は似ていますが、昭和初期に茨城県の宮司・竹内巨麿が戸来村は日本に亡命して来たキリストとその子孫によって造られたのだと主張したのがきっかけで大きな話題になり、その後、作家・山根キクが著書『光は東方から』でこの村を紹介して更にマスコミが取り上げたそうです。日猶同祖論からいって興味深い話が多々あります。先ず、「キリストの墓」という遺跡があり、傍にはイスラエル大使館によって建立された記念碑があり、新郷村とイスラエルは姉妹都市でもあり、イスラエル大使も来村したと言うのです。外国の公的機関がこのように関われば、単なる言い伝えだけではなさそうな気もします。従って観光客が絶えず、二〇一四年には「キリストの里伝承館」までがオープンしたそうです。青森県、岩手県、秋田県に伝わる盆踊りの囃子歌「ナニャドヤラ」の起源や意味については諸説ありますが、岩手県一戸町出身の神学博士・川守田英二は、ヘブライ語で読むと民族の進軍歌になると唱えました。昔、戸来村では父を「アダ」、母を「アバ」と呼び、聖書の父祖「アダム」と「エバ」を連想させます。また、赤ちゃんの揺り籠はユダヤの伝統的な揺り籠と同じ形態であった、赤ちゃんには魔除けとして額に墨で黒いクロスを書く習慣があった、村の野良着はユダヤの民族衣装に似ていた、ある家紋はダビデの紋章だと言われ、現在でも戸来小学校の校章はダビデの星そのものであると言うのです。写真説明:上「キリストの里伝承館」、下「新郷村ナニャドヤラ保存会による踊り」(ウェブサイト<青森県の新郷村で毎年6月第1日曜日に開催される「キリスト祭」、の巻>より転載)
2015年11月2日 12時24分10秒 (Mon)
元PMM宣教師・イ・ウォンホ牧師の平澤中央教会で奉仕
http://www.egw.org/zboard/109627 2011.02.21 11:31:41 (*.67.130.221) 第2陣PMM宣教師で、日本の愛媛県松山市で開拓伝道を終了し、2010年2月に韓国へ帰国されたイ・ウォンホ牧師が働く平澤市の平澤中央教会で、2011年2月18-19日に奉仕をさせていただきました。イ・ウォンホ牧師ご家族と久しぶりに再会でき、大変嬉しく思いました。子供さん方も心身ともに成長しておられました。(写真1)同牧師は、松山市では貸事務所を使って教会の諸集会をしておられましたが、平澤中央教会は水田地の中に広い土地を得て、地下1階地上4階の堂々とした大きな教会堂を持っておりました。(写真2)地下に食堂があり、1階は牧師室、セミナー室、教室等があり、礼拝堂は2階でした。3階は母子室、そして4階に広々とした牧師館がありました。安息日の朝には、チョウ・ユンヨン夫人が教会堂玄関前に立って来訪者を歓迎しておられました。まだ寒い時期にもかかわらず、ドアーの外に立って教会員や求道者を迎えている姿に感銘を受けました。(写真3) イ・ウォンホ牧師(写真4)は、松山の開拓伝道時代は15人前後の小人数の会衆を前に説教をしておられましたが、ここでは約60人の人々に伝道・牧会をしておられます。(写真5)新名忠臣牧師が日本語で礼拝説教をしましたが、それをイ・ウォンホ牧師が韓国語に通訳しました。(写真6)韓国に帰国して約1年になるので、日本語の力が衰えると言っておられましたが、堅い内容の説教をしっかり通訳してくれました。礼拝後に、出席者と共に集合写真を撮りました。(写真7)その午後3時から6時までは、この地区の信徒が平澤中央教会に集合し、北アジア太平洋支部(NSD)から駆け付けたコン・ジョンヘン牧師(写真8)、またハン・ソッキ牧師(写真9)らによるヒズ・ハンズ奨励と宣教音楽会が開催されました。音楽会は、ドイツのライプチッヒ国立音楽大学でバイオリンと声楽の両方において優秀な成績で卒業し、さらに博士号を得られたイ・ユラン夫人のソプラノソロでした。(写真10)その透き通る、美しい声色と研ぎ澄まされた歌唱法は、会衆を魅了して余りあるものでした。(写真11)天井の高い平澤中央教会礼拝堂一杯に、天使のような歌声が響き渡りました。イ・ユラン夫人の祖父、父、兄弟は3代に渡る牧師とのことで、同夫人の人柄の美しい秘訣が分かったような気がしました。
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プロフィール

- 性別
- 男
- 現住所
- 愛媛県今治市波方町郷乙404₋32
- 職業
- 牧師・宣教師
- 自己紹介
- ●新名(しんみょう) 忠臣(ただおみ)
●実践神学博士(米国アンドリューズ大学神学院)、元親業インストラクター
●札幌、小樽、苫小牧、仙台、東京・天沼で牧師を歴任。
●セブンスデー・アドベンチスト教団北海道教区長、青年部長、コミュニケーション部長、宗教自由部長、ラジオ牧師、総務局長等を歴任。
●宣教師としてシンガポールと韓国に在住し、副総務、コミュニケーション部、宗教自由部、出版部、ラジオ・テレ部等の部長としてアジア太平洋地域を巡回指導。
●最近まで、北アジア太平洋支部宣教部副部長。
●著書『夫と妻のコミュニケーション』(キリスト新聞社)『親と子のコミュニケーション』(キリスト新聞社)『わが青春は主のために』(三五堂)『暮らしの中のキリスト教』(新教出版社)『地球家族と聖書の言葉』(福音社)等。
- Self Introduction in English
- Full Name: Tadaomi Shinmyo
Sex: Male
Nationality: Japan
Citizenship: Japan
Education:
●B.A. in Theology in 1966 (Japan Missionary College)
●M.A. in Philosophy and Religion in 1972 (Philippine Union College Graduate School)
●Ordination: March 1973
●Doctor of Ministry in 1987 (Theological Seminary of Andrews University in USA)
Vocation:
●Pastor of the Japan Union Conference since 1966.
●Departmental Director of the Japan Union Conference for over 14 years.
●Radio Speaker and Japan Union Conference Secretary for a while.
●Missionary assigned to Departmental Director of Communication, Religious Liberty, Publishing Ministries, TV & Shortwave Radio Ministries, and Associate Secretary to Asia Pacific Division based in Singapore and Northern Asia-Pacific Division based in Korea for all together 9 years and 7 months.
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