2013年2月 アーカイブ
2013年2月22日 14時56分55秒 (Fri)
体罰の是非:聖書的見解 その一
そもそも、体罰とは何なのでしょうか。ある辞書には、「こらしめのために、身体的な苦痛を与えること。日本の学校教育では、法律によって禁止されている」とあります。また別の辞書では、「肉体に直接苦痛を与える罰」と定義されています。ということは、体罰は「こらしめ」又は「罰」として与えられることですから、明らかに社会の規範に反した場合のことです。その体罰が、球技や格闘技の練習中に失敗をしたとか、試合で負けたとかで「こらしめ」または「罰」として用いられるのは論外です。人間であれば失敗はあり得ることであり、試合をすれば引き分けでなければ必ず一方は負けるのです。それは、何も犯罪ではなく、懲らしめや罰の対象ではありません。さて、社会の規範を破った者に対しては、当然、それ相応の懲らしめや罰が加えられてしかるべきです。しかし、その場合でも、現代の民主主義社会では体罰を制裁として含まないのが通常です。例えば、車のひき逃げ事件を三度も犯した悪質な運転手に、裁判の結果、運転免許証の一時停止、懲役三年、さらに懲らしめのために「平手打ち三〇発」というような判決は聞いたことがありません。但し、古代社会においては、体罰は公然と制裁の手段として使用されていました。旧約聖書の出エジプト記二一章二四、二五節には、「目には目、歯には歯、手には手、足には足、焼き傷には焼き傷、傷には傷、打ち傷には打ち傷をもって償わなければならない」と書かれています。これらは体罰と考えられます。また、新約聖書の使徒行伝五章四〇節には、「使徒たちを呼び入れて、むち打ったのち、今後イエスの名によって語ることは相成らぬと言いわたして、ゆるしてやった」とあり、鞭打ちの刑が記録されています。実は、信じられないかもしれませんが、現代でもイスラム教社会では、この鞭打ちの刑が実際に執行されているのです。従って、体罰は、体罰を許容している国家においては、犯罪に対する刑の手段として今も存在しています。それにもかかわらず、日本において学校の運動部で、また社会人のスポーツ界で、練習中に監督やコーチが指導の一環として選手に体罰を加えるということは、大袈裟に言えば選手を犯罪者扱いしていることになります。これは異常なことであり、体罰を課す者自身が暴力行為で犯罪者になってしまう可能性があります。
2013年2月15日 15時08分54秒 (Fri)
人徳とは? その二 (孔子とキリスト)
儒教の開祖・孔子の教えは、一言でいえば「仁(人間愛)と礼(規範)に基づく理想社会の実現」であると言われています。もし、徳のある人々が理想社会を実現することができると仮定すれば、徳のある人々とは「仁(人間愛)と礼(規範)」を持っていることになります。儒教によれば、人徳とは仁、即ち人間愛に満ち、礼、即ち規範を守ることです。これは口で言うには易しいことですが、実行は極めて難しいことです。『論語』の中の巻第八衛霊公第十五の二四に、次のような先生である孔子と弟子・子(し)貢(こう)の問答があります。「子貢問うて曰く、一言にして以て終身これを行うべき者ありや。子の曰わく、其れ恕(じょ)か。己れの欲せざる所、人に施すこと勿かれ。」その意味は、「子貢がおたずねしていった、『ひとことだけで一生行なっていけるということがありましょうか。』先生はいわれた、『まあ恕(思いやり)だね。自分の望まないことは人にもしむけないことだ』」ということです。孔子によれば、徳のある人とは思いやりのある人であり、自分の望まないことは人にもしない人のことなのです。他者の望まないことをしないという思いやりは、良好な人間関係の必須条件で、非常に重要な要素です。なぜ、いじめが起こり、その結果として自殺者までが出るのでしょうか。なぜ、体罰を受けた者が自殺に追い込まれるのでしょうか。それは、被害者にとって望まないことを、加害者が続けて行うからです。徳のある人はそういうことをしません。そういう意味で、指導者はその専門性において卓越しているばかりではなく、人徳を兼ね備えている必要があります。さて、非常に興味深いことですが、孔子に対してイエス・キリストは、新約聖書のマタイによる福音書七章一二節で、「だから、何事でも人々からしてほしいと望むことは、人々にもそのとおりにせよ。これが律法であり預言者である」と教えておられます。つまり、イエス・キリストは孔子の教えを含みつつ、それをさらに積極的に述べておられます。論語では、「自分の望まないことは人にもしむけない」でしたが、聖書では、「人々からしてほしいと望むことは、人々にもそのとおりにせよ」と教えるのです。両者を比較すれば、前者は「静」であり、後者は「動」と言えましょう。
2013年2月8日 15時29分04秒 (Fri)
人徳とは? その一 (釈迦とキリスト)
ある辞書によれば、「人徳」とは「その人に備わる徳」であると定義されています。では、「徳」とは何なのでしょうか。「徳」とは、「修養によって得た、自らを高め、他を感化する精神的能力」又は「精神的・道徳的にすぐれた品性・人格」であると辞書にあります。従って、徳のある人は自ずと尊敬され、慕われるのです。その一方で、徳のない人、すなわち不徳の人は対人関係においても円満でなく、問題を起こすのだと思います。選挙に敗北した候補者が、時折、「私の不徳の致すところで、誠に申し訳ありません」と支持者に頭を下げる場面が報道されます。それでは、どのような人が徳のある人なのでしょうか。日本人は、素晴らしい徳のある人に対して、「あの人は仏さんのようだ」と言います。まさに、仏の道を説いた釈迦は、文字通り「修養によって得た、自らを高め、他を感化する精神的能力」や「精神的・道徳的にすぐれた品性・人格」を身につけた人物であったと考えられます。ところで、徳のある人として例えに使われるほどの釈迦ですが、その教えの真髄は「あきらめ」でありました。釈迦が修業して得た結論は、「人生は空しい」という悟りでありました。このような心境になれば、日々の生活でどのようなことが生じようとも、人生とはそういうものだと達観できるのでしょう。従って、何事が起ころうとも一喜一憂することなく、物事に動じないで平静でいられるのです。馬鹿にされ、侮辱されても激怒することなく、悲惨な事件や悲劇に遭遇しても自暴自棄にならないために、徳のある人だと評価されるのです。実は、そのような人徳を備えていたのが、人間として地上生涯を過ごされたイエス・キリストでありました。イエス・キリストほど世界を感化した人、すぐれた品性・人格を身につけた人はおりません。ですから、人徳とは何かを考える時には、イエス・キリストについて知ることが必須であると言えましょう。
新約聖書のルカによる福音書二三章三四節には、「そのとき、イエスは言われた、『父よ、彼らをおゆるしください。彼らは何をしているのか、わからずにいるのです』。人々はイエスの着物をくじ引きで分け合った」と記録されています。イエス・キリストは、ご自分を十字架刑に処している人々をさえ赦されたのです。
新約聖書のルカによる福音書二三章三四節には、「そのとき、イエスは言われた、『父よ、彼らをおゆるしください。彼らは何をしているのか、わからずにいるのです』。人々はイエスの着物をくじ引きで分け合った」と記録されています。イエス・キリストは、ご自分を十字架刑に処している人々をさえ赦されたのです。
2013年2月1日 14時37分02秒 (Fri)
韓国初の女性大統領候補・朴 槿恵 その三 (父・朴正熙大統領と三育教育)
私たち夫婦が宣教師として二度目に韓国へ赴任した二〇〇九年のことですが、久しぶりで韓国三育大学を訪問しました。この大学は、行く度に建物・施設が拡大・拡充し、またキャンパスが美化され、学部・学科も充実していて、その発展ぶりを実感でき大変嬉しく誇りに思いました。図書館の地下に設けられた歴史資料館を見学しました時に、一つの額に目が止まりました。そこには、「三育教育」と毛筆で書かれた楷書の文字があったからです。「三育教育」という言葉だけでは特に注目しなかったのですが、その筆字の筆者が「大統領 朴正熙」とあったので引き付けられたのです。これは、「一九六六年仲秋」に、現在の韓国三育大学が「祝三育実業初級大学開校六十周年」の節目に、朴正熙韓国大統領によって書かれたものでした。多忙を極める一国の大統領が、国立ではなく私学の、しかも有名校とは言い難い小規模の「初級大学」の開校六十周年記念に、その大学の教育理念、すなわち知育・徳育・体育のバランスのとれた教育を主張する「三育教育」を毛筆してくれるということは、余程のことがあったからに違いありません。私が想像するには、当時の韓国三育大学のルディー・E・クライムズ学長が韓国大統領府へ特別の要請をしたと思うのです。クライムズ学長は、アメリカから韓国への宣教師でありました。同学長家族は、韓国での任務遂行後、今度は日本に宣教師として派遣され、日本三育学院の発展のために寄与することになります。そして、同学院はクライムズ院長時代に、日本政府の認可を受けた三育学院短期大学として新たな出発をしたのです。さて、クライムズ学長を含む昔の宣教師は、宣教の手段として国家の指導者に率先して接触することをしていました。そういうわけで、クライムズ宣教師は韓国在任中に朴正熙大統領に接近し、個人的に親しい友人となったようです。同宣教師が日本に赴任して間もなく、北海道苫小牧市で開拓伝道に励んでいた私を訪ねて来ました。そして、同学院スタッフの向上、及び日本での宣教の夢を熱く語って行かれたことを今も思い出します。 新約聖書の使徒行伝二六章二七節でパウロは、自分が裁かれる身でありながら、「アグリッパ王よ、あなたは預言者を信じますか。信じておられると思います」と、時の王に対して信仰を持つようにと迫っています。
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プロフィール

- 性別
- 男
- 現住所
- 愛媛県今治市波方町郷乙404₋32
- 職業
- 牧師・宣教師
- 自己紹介
- ●新名(しんみょう) 忠臣(ただおみ)
●実践神学博士(米国アンドリューズ大学神学院)、元親業インストラクター
●札幌、小樽、苫小牧、仙台、東京・天沼で牧師を歴任。
●セブンスデー・アドベンチスト教団北海道教区長、青年部長、コミュニケーション部長、宗教自由部長、ラジオ牧師、総務局長等を歴任。
●宣教師としてシンガポールと韓国に在住し、副総務、コミュニケーション部、宗教自由部、出版部、ラジオ・テレ部等の部長としてアジア太平洋地域を巡回指導。
●最近まで、北アジア太平洋支部宣教部副部長。
●著書『夫と妻のコミュニケーション』(キリスト新聞社)『親と子のコミュニケーション』(キリスト新聞社)『わが青春は主のために』(三五堂)『暮らしの中のキリスト教』(新教出版社)『地球家族と聖書の言葉』(福音社)等。
- Self Introduction in English
- Full Name: Tadaomi Shinmyo
Sex: Male
Nationality: Japan
Citizenship: Japan
Education:
●B.A. in Theology in 1966 (Japan Missionary College)
●M.A. in Philosophy and Religion in 1972 (Philippine Union College Graduate School)
●Ordination: March 1973
●Doctor of Ministry in 1987 (Theological Seminary of Andrews University in USA)
Vocation:
●Pastor of the Japan Union Conference since 1966.
●Departmental Director of the Japan Union Conference for over 14 years.
●Radio Speaker and Japan Union Conference Secretary for a while.
●Missionary assigned to Departmental Director of Communication, Religious Liberty, Publishing Ministries, TV & Shortwave Radio Ministries, and Associate Secretary to Asia Pacific Division based in Singapore and Northern Asia-Pacific Division based in Korea for all together 9 years and 7 months.
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