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ベートヴェン第9交響曲 第1楽章の終結部

ベート−ヴェン 交響曲第9番 ニ短調 作品125「合唱付き」
第1楽章の終結部の
トランペットとティンパニ―の動き/リズムが
なぜ食い違っているのか?に関する考察


毎年 年末は日本では第九のシーズンですね!
今年2020年はコロナウイルスが問題になっていますが、
それにもかかわらす 各地で演奏される様です。
ところでこの曲の第1楽章の終結部の
トランペットとティンパニ―の動きに疑問を持つ指揮者の方が
いらっしゃる様なので、ここで私なりの解説を発表しようと思います。

問題の箇所は515小節から530小節です。フルスコアを見て頂きたい。
515小節から518小節はトランペットとティンパニ―の動き/リズムが
違っているのを 疑問に思うと聞いた事があります。
もちろん「ベートーヴェン本人は この楽譜通りの音楽を書きたかったのだ」
と言ってしまえばそれまでですが、
それでは分析にならないので、ここで私の考えを提示します。

515小節から517小節のトランペットとティンパニーの動きを良く見て下さい。
ここでは1小節遅れの「反行カノン」のテーマの「入り」の部分だけが
演奏されていると考えると良いでしょう。
つまりトランペットが行った事を1小節遅れで今度はティンパニーが
反行形で模倣しているのです。
これが「リズムが違っている」理由です。(譜例1)
なるほど確かに519小節から526小節までは
トランペットとティンパニ―の動きは同じですね。
もし515小節から517小節のトランペットとティンパニーの動きが
519小節以降と全く同じだったとしたら、・
513小節から始まる弦楽器群のオスティナートの動きとあいまって、
トランペットとティンパニ―の動きが一緒にクライマックスへの
盛り上がりを助長する事になります。
つまり513小節から526小節まで少しずつ盛り上がる訳ですから、
間延びしない様に、少し速めのテンポで演奏すべきでしょう。

それでは可能な方は 試しに次の譜例の様に変えて 演奏してみて下さい。
(譜例
2、譜例3)


img_20201013-002002.jpg
どうですか?違いがお分かりになりましたでしょうか?

ではどのように演奏すれば良いか?
ベートーヴェンが書いた様にカノンを入れると
少しクライマックスへ躊躇した感じで進む事になると思います。
但しベートーヴェンはこの部分に特にテンポの指示や、
発想標語を書き込んでいませんから、
あまりわざとらしくなく、さりげなく しかし明らかに
「カノン風のテーマの入り」「トランペットとティンパニーの掛け合い」
が聴き手に感じられる様にほんの少し強調して演奏すべきでしょう。
そしてテンポが速くなるとしても本格的には520小節あたりから これも
あまり大げさに「速くなった」と感じられる程度に速くなるのは
作曲者は望んでいなかったでしょう。
この様にベートーヴェンが意図した事が理解できると思います。

結論
オスティナートの初めの方はあんまり大げさに盛り上がってはいけない。
本格的に盛り上がるのは519/520小節あたりからである。
しかしクライマックスに向かって あまり大げさに盛り上がり過ぎない様に注意する。

日本人指揮者の皆様方!お分かりいただけたでしょうか?
これが分析であり、解釈です。
今年も素晴らしい第九の演奏会を期待しています。

でも私としては、私が復元した第10交響曲の全楽章初演を
日本人指揮者に実現して欲しいのですが…。
1楽章
https://www.youtube.com/watch?v=LkUdkcmz7xc&feature=plcp
2楽章
https://www.youtube.com/watch?v=s3Lct9IHq8M&feature=plcp
3楽章
https://www.youtube.com/watch?v=Gg8DrtHu6ao&feature=plcp
4楽章
https://www.youtube.com/watch?v=w4FffgRBXtg&feature=plcp
第2稿
https://www.youtube.com/watch?v=A7bK2lqRo5Y

パート譜はすべてそろっています。
メールでお尋ね下さい。
eleonoreleonore@yahoo.co.jp

2020/10/13


 
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