USO TWITTER Part 2
Part 2
―ここはインタビュー室から続く廊下。
スメタナとフォーレがしばらく歩いていると、
遠くで何やら二人の男が大きな声で言い争っている。
近寄ってよく見るとヨハン・シュトラウス二世とオッフェンバックである。―
ヨハン・シュトラウス「ですからあなたの名字のドイツ語の発音は
オッフェンバッハでしょう?
なぜオッフェンバックと読ませるのですか?」
オッフェンバック「そりゃ君 私はフランスで活動していたからな。
フランス人になじみのある発音に変えただけだよ」
ヨハン・シュトラウス「しかしフランス人にだって
ドイツ語式に発音できない訳じゃあないでしょう」
オッフェンバック「そう固い事言うな、私は若い頃パリへ行ったのだし、
第一オッフェンバックは本名では無い」
ヨハン・シュトラウス「だからあんたのそう言う所がむかつくんですよ。
誇りあるドイツ人の伝統と文化を忘れたのですか?」
オッフェンバック「何を言う、君にオペレッタを書くよう提案したのはこの私だぞ。
その後『こうもり』を書いて大成功したではないか!もっと感謝して欲しいな」・
ヨハン・シュトラウス「ふん、本当に私の将来を見据えてくれたんだかどうか…」
オッフェンバック「何だと、それはどう言う意味だ。
第一オペレッタの創始者はこの私だぞ」
ヨハン・シュトラウス「確かにオペレッタの創始者はあなただ、だがあなたは
人気があった私の事を妬んだ。それでオペラを書いた経験が無い私にわざと書かせて、
失敗させようと思ったに違いないんだ」
オッフェンバック「何を根拠に言っているのだ、誤解もはなはだしい、
失礼にも程がある、話にならん!」
ヨハン・シュトラウス「またそう言って逃げる気か!」
―そこへ若い男が現れた、どうやらアメリカ人の様である。―
ジョン「また君たちか、いい加減にしなさい」
スメタナ「もしもし、あなたは誰ですか、ここら辺ではお見かけしない、お若い方だ」
フォーレ「そう、それに何と言うか態度に威厳がある、
もしかすると警察関係の方ですが?」
ジョン「そうです。よくお分かり下さいました。私はジョンと言います。
こう見えても私、生前はアメリカで作曲家でした。
実はこちらの世界へ来てからも、最初は作曲活動を続けておりました。
『4分34秒』と言う曲と『4分35秒』と言う曲を完成し、
立て続けに発表したのですが、全く評判が芳しくなかったのです。
それで作曲家は諦め、職業を変え、警察に就職しました、
その後努力の甲斐あって、おかげさまで今までの功績が認められ、
現在は刑事です。ですから私の事は『ジョン刑事』と呼んで下さい」
スメタナ「ほう、ジョン刑事さんねえ…」、
フォーレ「ジョン刑事か…、所でジョン刑事さん、
あの二人は何年くらいああやって喧嘩してるんですか?」
ジョン刑事「話によるともうかれこれ100年は経ってるみたいですよ」
フォーレ「ええっ!100年も、よくあきないものだな」
スメタナ「でもヨハン・シュトラウス二世と言えば、生前は社交的で、話がうまく、
大衆に人気がありましたよ、私はほぼ同世代だから良く知っている。羨ましかった。
それなのに なんであんなに変わっちゃったんでしょうか?」
ジョン刑事「ご存じの様に、こちらの世界は物質世界ではありません、
だから食事をする必要もないし病気も無い、従って『お金を稼ぐ』と言う概念がない。
つまり嘘やお世辞は無用の長物なのです。
人間同士の意思の疎通も基本的にはテレパシーですから、
嘘をつこうとしても、ばれると言うか、会話は基本的に本音のみが伝わるのです。
ヨハン・シュトラウス二世の場合は現世で処世術にたけていただけに、
全く環境が違うこちらの世界ではかえってそれが仇となっているのでしょうね!
社交的だった人が、こちらへ来た時良く起こる事ですよ。決して珍しくない」
フォーレ「なるほど、そうですか。でもあなたは一体それを
どこで勉強なさったのですか?」
ジョン刑事「こちらの警察学校で学びました」
スメタナ「へ―、警察学校! 今じゃこちらの世界の警察学校では
そんな事も教えるのか!変われば変わるものだな」
そこへ、もう一人アメリカ人が現れた。ジョージ・ガーシュウィンである。
ガーシュウィン「とするとやっぱりあれも嘘なんだ」
ジョン刑事「あっ、ガーシュウィンさん!どうしたのですか?」
ガーシュウィン「私もね、オーケストレーションを勉強しよう思って、
ラヴェル先生に会いに行ったんだが、
『一流のガーシュウィンが二流のラヴェルになる必要はない』と言われて
追い返されたんだ。しかし未だにその真意がわからなくてね。
以前は私の個性を褒めてくれたと解釈していたんだが、
今考えるとあれは皮肉だったのな?当時の事だから、
クラシックの音楽家からは、ジャズやポピュラー音楽は、
低く見られていただろうし、今にして思えば、
最初から相手にしないつもりだったのかな?とも思う」
スメタナ「だったら今尋ねて確かめれば良い」
フォーレ「そうですよ、こちらの世界なら本音を話してくれるはずですよ」
ガーシュウィン「仰る通りです!ですが実は私もこちらの世界へ来てから
ずっと探しているのですが、未だに再会できていないのですよ」
スメタナ「未だに会えていないって、何年くらいですか?」
ガーシュウィン「かれこれ もう80年位になります」
スメタナ「80年!そりゃまた随分長い。大変でしたね」
ジョン刑事「事情はよくわかりました。人と人を会わせるのも、
こちらの世界での私の仕事の一つです。
私のタブレットには音楽家の世没年その他の情報が入っていますから、
まず手始めにさっそくそこから調べてみましょう。
えーっと。モールス・ラヴェル… 出ました。人生最後の日は1937年12月28日ですね。
ガーシュウィンさん、あなたが現世で人生を終わったのはいつですか?」
ガーシュウィン「1937年7月11日です」
ジョン刑事「えっ、あなたの方が先ですか!しかも同じ年だ。
だったらこの12月28日にこちらの世界でしばらく待っていれば、
入り口で簡単に会えたはずですよ」
ガーシュウィン「それなんですが、私、人生が終わった後、
現世と霊界の間でずっと身辺整理や挨拶回りをしていたのです」
フォーレ「でもそれって普通1〰2カ月位で終わるんでしょう」
ガーシュウィン「そうなんですが、実は私、予想に反して
あまりにも早く人生が終わってしまったものですから、
なんだかんだと色々やっていたら、結構時間がかかってしまいましてね、
そうこうしているうちに、ラヴェル先生の訃報を聞いたものですから
慌てて霊界の入口へいったのですけれど、時既に遅く、お会いできませんでした」
ジョン刑事「でしたらラヴェル先生が今どこにいらっしゃるか調べてみましょう」
ガーシュウィン「えっ、そんな事ができるのですか」
ジョン刑事「できます。とっかかりはまずウキぺディアで調べます」
スメタナ「ウキぺディア!信じていいのかな?」
ジョン刑事「モーリス・ラヴェル。出ました。あれえ1937年12月28日までしか
記載されていないな。こちらの世界へ来てからの事は何も記述がない」
ガーシュウィン「実は私も、このページは時々チェックしているのですが、
いっこうに記事が増えないのですよ。もしかしたら本人が削除しているのかな?」
ジョン刑事「待てよ、もう一回良く見てみよう…。そうか、わかったぞ。これだ」
ガーシュウィン「何を発見したのですか?」
ジョン刑事「ここですよ、ここ、ここに『手術後昏睡状態に陥った』と書いてある。
昏睡状態の時 人は、ある意味こちらの世界と関わる事になる。
霊能者が寝ている時に、こちらへ来ることがあるのと同じ様な事です。
こちらの世界を垣間見て、こんな素晴らしい世界なら間の世界にはとどまらず、
早く行きたいと思ったのでしょう。
霊能者や、臨死体験者がこちらの世界へ来る時によく起こることです。
特にラヴェルさんの場合は、最期の10年間、記憶や言語に障害がありましたからね。
一刻も早く、現世を去って、感覚や脳が正常に働く世界に来たかったんでしょう。
そして、ガーシュウィンさんの方が先に人生を終わったので、
てっきり霊界の入り口で待っていてあの時の真意を確かめようとされると思った」
フォーレ「しかし、実際行ってみたら、ガーシュウィンはいなかった。
間の世界でうろうろしていると知り、これ幸いと、身を隠した。
ぐずぐずしているとガーシュウィンもこちらの世界へ来てしまいますからね」
ジョン刑事「見事な推理です。あの時の真相を
確かめようとされるのが嫌だったのでしょう」
ガーシュウィン「何かラヴェルさんを探し出す方法は無いのですか?」
ジョン刑事「難しいですね。何せこちらの世界は物質がありませんからね、
瞬間移動も簡単にできる、だから捕まえようがない。
結局本人の自主性と善意に委ねるしかないのですよ」
ガーシュウィン「そんな、何とか探し出して下さいよ」
ジョン刑事「もちろんできる限りの事はやります。気長に待って下さい」
ガーシュウィン「気長ってどれくらいですか」
ジョン刑事「まあ2〰300年ってとこですかね」
ガーシュウィン「ええっ。そんなに長く!」
ジョン刑事「ははは、100年も経てば、大抵の人間は生まれ変わりたくなる。
別の人生を経験すれば、以前の怒りや恨みはどうでも良くなる。
その後会ってゆっくり話せば良いじゃないですか」
ガーシュウィン「はあー、そんなものかなあ」
ジョン刑事「ガーシュウィンさん!あなたもこちらの世界へ来てから
80年経つんでしょう?どうです、ここらで一回生まれ変わってみては?」
ガーシュウィン「うーん、どうしようかな」
ジョン刑事「まあゆっくり考えて下さい。ただ たまには生まれ変わっても
恨みが消えない場合もありますけどね」
ガーシュウィン「えっ」
―Part 3へつづく―
2015年8月6日
このページ全体または一部の無断転記及び転載を禁じます。
―ここはインタビュー室から続く廊下。
スメタナとフォーレがしばらく歩いていると、
遠くで何やら二人の男が大きな声で言い争っている。
近寄ってよく見るとヨハン・シュトラウス二世とオッフェンバックである。―
ヨハン・シュトラウス「ですからあなたの名字のドイツ語の発音は
オッフェンバッハでしょう?
なぜオッフェンバックと読ませるのですか?」
オッフェンバック「そりゃ君 私はフランスで活動していたからな。
フランス人になじみのある発音に変えただけだよ」
ヨハン・シュトラウス「しかしフランス人にだって
ドイツ語式に発音できない訳じゃあないでしょう」
オッフェンバック「そう固い事言うな、私は若い頃パリへ行ったのだし、
第一オッフェンバックは本名では無い」
ヨハン・シュトラウス「だからあんたのそう言う所がむかつくんですよ。
誇りあるドイツ人の伝統と文化を忘れたのですか?」
オッフェンバック「何を言う、君にオペレッタを書くよう提案したのはこの私だぞ。
その後『こうもり』を書いて大成功したではないか!もっと感謝して欲しいな」・
ヨハン・シュトラウス「ふん、本当に私の将来を見据えてくれたんだかどうか…」
オッフェンバック「何だと、それはどう言う意味だ。
第一オペレッタの創始者はこの私だぞ」
ヨハン・シュトラウス「確かにオペレッタの創始者はあなただ、だがあなたは
人気があった私の事を妬んだ。それでオペラを書いた経験が無い私にわざと書かせて、
失敗させようと思ったに違いないんだ」
オッフェンバック「何を根拠に言っているのだ、誤解もはなはだしい、
失礼にも程がある、話にならん!」
ヨハン・シュトラウス「またそう言って逃げる気か!」
―そこへ若い男が現れた、どうやらアメリカ人の様である。―
ジョン「また君たちか、いい加減にしなさい」
スメタナ「もしもし、あなたは誰ですか、ここら辺ではお見かけしない、お若い方だ」
フォーレ「そう、それに何と言うか態度に威厳がある、
もしかすると警察関係の方ですが?」
ジョン「そうです。よくお分かり下さいました。私はジョンと言います。
こう見えても私、生前はアメリカで作曲家でした。
実はこちらの世界へ来てからも、最初は作曲活動を続けておりました。
『4分34秒』と言う曲と『4分35秒』と言う曲を完成し、
立て続けに発表したのですが、全く評判が芳しくなかったのです。
それで作曲家は諦め、職業を変え、警察に就職しました、
その後努力の甲斐あって、おかげさまで今までの功績が認められ、
現在は刑事です。ですから私の事は『ジョン刑事』と呼んで下さい」
スメタナ「ほう、ジョン刑事さんねえ…」、
フォーレ「ジョン刑事か…、所でジョン刑事さん、
あの二人は何年くらいああやって喧嘩してるんですか?」
ジョン刑事「話によるともうかれこれ100年は経ってるみたいですよ」
フォーレ「ええっ!100年も、よくあきないものだな」
スメタナ「でもヨハン・シュトラウス二世と言えば、生前は社交的で、話がうまく、
大衆に人気がありましたよ、私はほぼ同世代だから良く知っている。羨ましかった。
それなのに なんであんなに変わっちゃったんでしょうか?」
ジョン刑事「ご存じの様に、こちらの世界は物質世界ではありません、
だから食事をする必要もないし病気も無い、従って『お金を稼ぐ』と言う概念がない。
つまり嘘やお世辞は無用の長物なのです。
人間同士の意思の疎通も基本的にはテレパシーですから、
嘘をつこうとしても、ばれると言うか、会話は基本的に本音のみが伝わるのです。
ヨハン・シュトラウス二世の場合は現世で処世術にたけていただけに、
全く環境が違うこちらの世界ではかえってそれが仇となっているのでしょうね!
社交的だった人が、こちらへ来た時良く起こる事ですよ。決して珍しくない」
フォーレ「なるほど、そうですか。でもあなたは一体それを
どこで勉強なさったのですか?」
ジョン刑事「こちらの警察学校で学びました」
スメタナ「へ―、警察学校! 今じゃこちらの世界の警察学校では
そんな事も教えるのか!変われば変わるものだな」
そこへ、もう一人アメリカ人が現れた。ジョージ・ガーシュウィンである。
ガーシュウィン「とするとやっぱりあれも嘘なんだ」
ジョン刑事「あっ、ガーシュウィンさん!どうしたのですか?」
ガーシュウィン「私もね、オーケストレーションを勉強しよう思って、
ラヴェル先生に会いに行ったんだが、
『一流のガーシュウィンが二流のラヴェルになる必要はない』と言われて
追い返されたんだ。しかし未だにその真意がわからなくてね。
以前は私の個性を褒めてくれたと解釈していたんだが、
今考えるとあれは皮肉だったのな?当時の事だから、
クラシックの音楽家からは、ジャズやポピュラー音楽は、
低く見られていただろうし、今にして思えば、
最初から相手にしないつもりだったのかな?とも思う」
スメタナ「だったら今尋ねて確かめれば良い」
フォーレ「そうですよ、こちらの世界なら本音を話してくれるはずですよ」
ガーシュウィン「仰る通りです!ですが実は私もこちらの世界へ来てから
ずっと探しているのですが、未だに再会できていないのですよ」
スメタナ「未だに会えていないって、何年くらいですか?」
ガーシュウィン「かれこれ もう80年位になります」
スメタナ「80年!そりゃまた随分長い。大変でしたね」
ジョン刑事「事情はよくわかりました。人と人を会わせるのも、
こちらの世界での私の仕事の一つです。
私のタブレットには音楽家の世没年その他の情報が入っていますから、
まず手始めにさっそくそこから調べてみましょう。
えーっと。モールス・ラヴェル… 出ました。人生最後の日は1937年12月28日ですね。
ガーシュウィンさん、あなたが現世で人生を終わったのはいつですか?」
ガーシュウィン「1937年7月11日です」
ジョン刑事「えっ、あなたの方が先ですか!しかも同じ年だ。
だったらこの12月28日にこちらの世界でしばらく待っていれば、
入り口で簡単に会えたはずですよ」
ガーシュウィン「それなんですが、私、人生が終わった後、
現世と霊界の間でずっと身辺整理や挨拶回りをしていたのです」
フォーレ「でもそれって普通1〰2カ月位で終わるんでしょう」
ガーシュウィン「そうなんですが、実は私、予想に反して
あまりにも早く人生が終わってしまったものですから、
なんだかんだと色々やっていたら、結構時間がかかってしまいましてね、
そうこうしているうちに、ラヴェル先生の訃報を聞いたものですから
慌てて霊界の入口へいったのですけれど、時既に遅く、お会いできませんでした」
ジョン刑事「でしたらラヴェル先生が今どこにいらっしゃるか調べてみましょう」
ガーシュウィン「えっ、そんな事ができるのですか」
ジョン刑事「できます。とっかかりはまずウキぺディアで調べます」
スメタナ「ウキぺディア!信じていいのかな?」
ジョン刑事「モーリス・ラヴェル。出ました。あれえ1937年12月28日までしか
記載されていないな。こちらの世界へ来てからの事は何も記述がない」
ガーシュウィン「実は私も、このページは時々チェックしているのですが、
いっこうに記事が増えないのですよ。もしかしたら本人が削除しているのかな?」
ジョン刑事「待てよ、もう一回良く見てみよう…。そうか、わかったぞ。これだ」
ガーシュウィン「何を発見したのですか?」
ジョン刑事「ここですよ、ここ、ここに『手術後昏睡状態に陥った』と書いてある。
昏睡状態の時 人は、ある意味こちらの世界と関わる事になる。
霊能者が寝ている時に、こちらへ来ることがあるのと同じ様な事です。
こちらの世界を垣間見て、こんな素晴らしい世界なら間の世界にはとどまらず、
早く行きたいと思ったのでしょう。
霊能者や、臨死体験者がこちらの世界へ来る時によく起こることです。
特にラヴェルさんの場合は、最期の10年間、記憶や言語に障害がありましたからね。
一刻も早く、現世を去って、感覚や脳が正常に働く世界に来たかったんでしょう。
そして、ガーシュウィンさんの方が先に人生を終わったので、
てっきり霊界の入り口で待っていてあの時の真意を確かめようとされると思った」
フォーレ「しかし、実際行ってみたら、ガーシュウィンはいなかった。
間の世界でうろうろしていると知り、これ幸いと、身を隠した。
ぐずぐずしているとガーシュウィンもこちらの世界へ来てしまいますからね」
ジョン刑事「見事な推理です。あの時の真相を
確かめようとされるのが嫌だったのでしょう」
ガーシュウィン「何かラヴェルさんを探し出す方法は無いのですか?」
ジョン刑事「難しいですね。何せこちらの世界は物質がありませんからね、
瞬間移動も簡単にできる、だから捕まえようがない。
結局本人の自主性と善意に委ねるしかないのですよ」
ガーシュウィン「そんな、何とか探し出して下さいよ」
ジョン刑事「もちろんできる限りの事はやります。気長に待って下さい」
ガーシュウィン「気長ってどれくらいですか」
ジョン刑事「まあ2〰300年ってとこですかね」
ガーシュウィン「ええっ。そんなに長く!」
ジョン刑事「ははは、100年も経てば、大抵の人間は生まれ変わりたくなる。
別の人生を経験すれば、以前の怒りや恨みはどうでも良くなる。
その後会ってゆっくり話せば良いじゃないですか」
ガーシュウィン「はあー、そんなものかなあ」
ジョン刑事「ガーシュウィンさん!あなたもこちらの世界へ来てから
80年経つんでしょう?どうです、ここらで一回生まれ変わってみては?」
ガーシュウィン「うーん、どうしようかな」
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