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みやざきジビエで地域活性! ~捨てられるいのちをいただく命へ~

2017年9月1日 9時29分16秒 (Fri)

みやざきジビエで地域活性! ~捨てられるいのちをいただく命へ その3~

みやざきジビエで地域活性!
~捨てられるいのちをいただく命へ その3~
 
正しい処理のもとで流通されるジビエのお肉は美味しい。そして地域資源として地域活性に繋げる量もある。ただし現在のところそのほとんどが未活用で希少なお肉である。というのが現状があります。

 ではその美味しいお肉を最大限に美味しくいただくには?というのも大事なテーマになると思います。

 たとえば鹿肉は他の食肉と比べ脂肪が少ないヘルシーな食材です。低カロリーなのに高たんぱく、鉄分も豊富に含まれています。ヘム鉄と呼ばれる鉄分は人間の身体に吸収されやすく、貧血や冷え性を予防する働きを持っています。

 また猪肉は赤身はもちろんですが脂身も美味です。豚の脂身と違い猪の脂身はコラーゲンですのでしつこさはありません。
しっかりとした血抜き処理がされていれば特有の匂いも気になりません。豚肉に近く、味も似ています。肉質は豚肉よりは硬いですが筋肉質が多い証拠。豚肉に比べ低脂肪で鉄分を多く含んでいます。

ただし同じ種類のジビエであっても、育った環境、食べていたもの、年齢、性別、捕獲の期間、健康状態などで肉質や香りに違いが出ます。また部位によっても活用の方法は違ってきます。

カレーやなべ物等の煮込み料理もその一つですが今回はローストの話です。

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 ジビエのお肉には牛肉のようなサシ(霜降り)がありません。自然界ではむしろそれは当たり前で和牛のサシは日本人の味覚に合うよう品種改変され、狭い牛舎で穀物飼料を多給し、ビタミンAを制限する事で人工的に作られたお肉です。

和牛が美味しく感じる理由はお肉に含まれる脂肪にあります。熱で溶出しそれがジューシーさを感じさせてくれます。

サシの多い牛肉は加熱すれば美味しく感じれますが赤身だけのジビエ肉にはこの理屈が通用しないので赤身肉本来の美味しさを追求する必要があります。
 
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赤身のお肉を美味しくいただくためにはたんぱく質の組成に着目する必要があります。たんぱく質の組成はいろいろあるので今回筋収縮に関連するミオシン、アクチン、しぼって説明します。この組成の変化で肉の味覚に変化があります。

「調理する」という行為は「肉のタンパク質に熱を与える」という行為です。

お肉の中のたんぱく質は加熱によって変性します。肉のタンパク質は62℃を超えると凝固が始まり、68℃を超えると、分水作用といって、細胞内から水分が出てしまいます。
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これは筋収縮に関連するミオシン、アクチンというたんぱく質の変性によって起こります。
ミオシンが変性を開始すると、ミオシンが収縮して、弾力が生まれることにより、生肉のグニャッっと食感から、お肉としての美味しい食感に変わります。
 
アクチンが変性すると水分を多く含んでいたたんぱく質が収縮することで、「肉汁」を外に排出してしまいます。
 
という事はミオシンを変性させてアクチンの変性を押さえれば美味しいお肉が食べられるという事になります。コラーゲンのゼラチン化も関係しますがその辺は機会があれば後述します。
 
また、加熱には殺菌の意味もあります。菌によって生存可能温度はちがうので一概ではないですが概ね下記のようになります。
 
0-8度  ・増殖しない
8-15度 ・徐々に増殖
15-30度・かなり増殖
30-38度・激しく増殖
38-40度・かなり増殖
40-58度・徐々に増殖
58-60度 ・徐々に死滅
60度以上 一般生菌死滅
120度 ほとんどの菌が完全に死滅
 
なので一般生菌が死滅する60度以上。アクチンが変性する68度以下、実際にはたんぱく質が凝固してしまう62度以下でのピンポイント調理が必要になります。

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精密な温度管理が必要なので「真空調理法」という調理法で調理します。真空調理とは、食材を生のまま、あるいは調味料と一緒に真空包装し、低温(58~95℃)で一定時間加熱後提供する調理法で、煮る、蒸す、炒めるなどといった従来の調理法と並ぶ、“新しい調理法”です。その特徴は味の向上を図れるという大きなメリットがあります。
 
当店ではこの真空調理法によりジビエのローストを製造しています。きっかけは昨年秋の「ニッポン全国物産展」に宮崎代表で出場する事になり、なにか地域の素材で今までにないような料理が作れないか試行錯誤したことによります。
 
試作して物産展に出展物として申請すると事務局から電話があり、「これいい!現物すぐに送ってください!」と言われ事務局がスタジオで写真撮り。物産展の表紙を飾ることになってしまいました。
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そして物産展の支援をしてくれている某ギフト会社のN氏が「これいい!ギフトにしようよ!」なんて話が現物つくる前からそんな話が舞い込みました。
 
「えっ?ギフト??」自分としては飲食物としか考えていなかったので面喰らい、はたして当店の許可の範疇で商品化ができるのか?あるいはどこかに業務委託するべきか?
 
悩んだの末にとりあえず宮崎のフードビジネスステーションに相談して必要な許認可、あるいは委託製造できそうな事業者はないかを調べてもらう事にしました。
 
結果は、、
 
「御社の製造許可で商品化が可能です」


やったぁ~と思った次の瞬間「ただし製造の条件は〇〇です」
 
がっくーーーーん、だめじゃん、、、意気消沈、、、
 
その条件とは、、また次があれば次回に!!
 
PS.僕の学生時代の友人のH氏の息子さんが「みやざきジビエで地域活性!~捨てられるいのちをいただく命へ~」の話に感動し、何かできないか!とクラウドファンディングを立ちあげます。H氏に似ずにいい男なんです。お母さんに似たんだろうなぁ~

というわけでジビエ振興や中山間地域の活性化に寄与したいという男意気に僕も微力ですがお手伝いさせてもらおうと思っています。みなさん、応援して下さい!
 

2017年8月31日 9時46分44秒 (Thu)

みやざきジビエで地域活性! ~捨てられるいのちをいただく命へ その2~

前回ジビエの肉って美味しくて栄養価も高い!と書きましたが「だったらなぜ捕獲した鹿や猪は食肉に利用しないで廃棄されるの?」
と思われる方が大多数だと思います。これは宮崎だけでなく国内のかなりの地域で起こっていることです。
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国内で捕獲される鹿は年間46万頭、その中で廃棄が95%、食用5%。猪も42万頭の捕獲に対して狩猟については廃棄と食用が半々程度、害獣捕獲の場合は98%が廃棄で2%が食用です。
イノシシについては脂の乗る冬場の方が美味しいと言われますが鹿については夏場のほうが美味しいという意見もあります。
問題なのは処理施設が必要という事なのです。猟師さんが自分で捕獲した鹿や猪を自分でさばいて自分で食べる。それは営業ではないので咎められませんが、たとえば猟師さんが飲食店をやっていて自分の店で提供する。あるいは我々飲食店が猟師さんから仕入れてお店で提供する。こういうのはNGです。もしそういう事実があれば一発で営業停止処分を食らってしまいます。 
なのでジビエの処理施設で解体されたお肉を購入する必要があります。猟師さんが狩猟した鹿や猪を処理施設に持ち込んでそれを施設で解体したもののみが流通に乗せられます。
でもこれが難しい。県内のジビエ処理施設は現在4か所しかありません。そしてもう一つ、捕獲から処理場持ち込み迄を概ね2時間程度で完結する必要があります。また山中で内臓摘出した場合にはこの時点で食肉とはみなされません。
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他にもトレーサビリティー等面倒くさくても食肉として提供するために不可欠な管理体制が求められます。ジビエ処理施設の拡充が必至ではありますが、はたして採算がとれるのか?という懸念もあったりします。

さて宮崎県の害獣被害額ですが平成24年度の11億円をピークに下がり始めています。これは鳥獣被害対策緊急プロジェクト推進計画が効果を発揮していることがあります。

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そして害獣捕獲数ですがこれもまた飛躍的に伸びています。
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平成27年度鹿の捕獲頭数が28,451頭。猪は24,264頭。捕獲頭数が増え、害獣被害が減ってきているのですが逆を言えば「捨てられるいのち」が大幅に増えたとも言える状況です。
野生動物の生息数を制御しながら管理できればよいのですが一方では狩猟者の減少があります。平成元年頃には8500名ほどいた県内狩猟者ですが平成27年には4,634名、半分程度に下がってしまいました。しかも高齢化が進んでいます。
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そこで県では中山間地域振興計画を実施し、「仕事がある中山間地域」を目指しています。
野生の猪や鹿を害獣として捕獲処分するだけではなく、地域資源として活用することで中山間地域の所得や雇用の確保の手段にならないか?といった模索が続いています。
処理施設の拡充も課題ですがその後の販売市場の確保も必要になります。我々飲食店や消費者に美味しいだけでなく安心、安全を確保できる食肉としての流通、売る方から買う方、食べる方まで含めたサプライチェーンマネジメントの構築が必要になります。
そういうわけで当店では「捨てられるいのちを可能な限り、いただくいのちとして尊厳をもって向かい合いたい」という気持ちがジビエの活用しよう!という方向に向かっています。
 
なんか硬い話で面白くないかもしれないので今回はこれでやめておきますね。
さぁ本日もはりきっていきましょうか!
 
 

2017年8月30日 17時23分45秒 (Wed)

みやざきジビエで地域活性~捨てられるいのちをいただく命へ~1

みやざきジビエで地域活性!
~捨てられるいのちをいただく命へ~

当店ではジビエを活用した商品の加工もやっています。
ジビエ肉は「不味い、臭い、硬い」等の先入観を持たれている方も多いかもしれませんが本当は美味しいんです。しかも栄養成分がすごい!
脂肪分が少なく栄養価が高い。ビタミンや鉄分等、それから脂肪燃焼効果のあるカルニチン、アンチエイジング効果のあるアンセリンなど希少な機能性成分も含まれています。
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宮崎県での野生鳥獣の被害は平成18年度で1.8億円程度。しかし年々被害が増え24年には11億円を超えてしまいました。県では被害対策として捕獲をはじめています。
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宮崎県では年間3万頭の野生鹿が、2万5000頭の野生猪が殺処分されています。しかし食肉として利用される分は鹿は5%、猪は28%にすぎません。残りは廃棄されるだけです。

僕は飲食に携わっていますが「いただく」という事には特に感謝の気持ちをもって生活しています。
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人間は植物であれ動物であれ他の生命のいのちをいただく事で自分のいのちを繋いでいます。いのちの在るモノをいただかないで自分のいのちを繋ぐことはできない。

なので「いただきます」と手を合わせ今日も自分が生きられる。そういう考え方の中では害獣被害対策と言えども殺処分のみを目的に鹿や猪の命を奪うことは、仕方がない事であってもなにかしら命として報いてあげれないか?
(いただく)ことの意味の大切さを再認識したい。

そういう想いがあります。捨てられる命を地域資源として活用することで食害の軽減と地域活性の両方が実現できれば、、そういう想いでジビエの商品化に取り組んでいます。


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