2015年02月 アーカイブ

若者の貧困

若者の貧困は深刻な問題である。大学生はブラックバイトや奨学金問題に直面している。若者を搾取する貧困ビジネスのゼロゼロ物件は「安かろう悪かろう」の代表格である。若者の貧困問題を重視することに大賛成である。若者の貧困問題への取り組みが急務である。

若者の貧困問題の難しいところは体制を批判する左翼側も十分な対応ができておらず、逆に体制内批判派、既得権益擁護者と映ってしまっていることである。これは既に赤木智弘「『丸山眞男』をひっぱたきたい 31歳フリーター。希望は、戦争。」論座2007年1月号で問題提起されている。若者の右傾化には理由がある。むしろ若者の貧困に問題意識を持つからこそ右傾化するという状況がある。

このために本気で若者の貧困問題に取り組むならば間口を広げる姿勢が欲しい。たとえば憲法改正や原発再稼働に賛成で、若者の貧困に問題意識を持つ人々が参加できる運動である。これは市民運動の発展になる。同じ人々だけが集まった運動ではなく、様々な立場の人が運動の中で調整する。

逆に憲法改正阻止や原発再稼働阻止をバックボーンに若者の貧困問題に取り組むとなると、護憲運動や脱原発運動以上の広がりは得られない。護憲に問題意識があり、脱原発に問題意識があり、さらに若者の貧困に問題意識があるとなると、非常に限定されてしまう。

私見は右傾化が正しいとは思わない。日本で苦しむ人々や虐げられた人々の側に立ってきたのは左派系が多いという現実がある。偉大な日本のおこぼれに預かろうとすりよっても頑張れと言われるだけで報われることはない(林田力『東急不動産だまし売り裁判5東京都政』「ネット右翼は東京都青少年健全育成条例で目を覚ませ」)。

そのようなことは主張していきたいが、左翼側が若者の貧困に無関心で「希望は戦争」のような主張が出てきたことも事実である。「希望は戦争」が出ても左翼の識者は頭ごなしに批判するだけで問題意識を汲み取ろうとしなかった。そのまま数年が経過している。若者の貧困の当事者には左翼への不信が人生観の深いところにある人々も多い。それ故に間口は広げることが望ましい。

その上で若者の貧困問題に取り組む場合の二つの論点を提起したい。第一に若者支援の目的である。ブラック企業などで若者を使い潰していたら、日本の産業の担い手がいなくなる、社会の危機であるという論調がある。この論調は、本来は好ましくない。若者を経済発展の手段として捉えているためである。女性を産む機械とする発言と大差ない。社会の再生産のための若者支援と言われても、当事者は覚めた目で見るだろう。

反対にニートにはサイレントテロという言葉で自己を正当化する論理もある。生産活動に従事せず、最低限の消費で済ませることにより、資本主義社会に打撃を与えるという価値を見出だす。再生産可能社会を目指すという論理は若者の立場に立ったものではない。

一方で保守層を含む幅広い層の支持を得る上で再生産可能社会とのメッセージは説得力がある。ワタミ公認でケチがついたが、それまでの自民党はブラック企業問題に比較的熱心であった。その背景には日本の産業の将来への懸念があった。広い支持を得るための戦術として再生産可能社会を掲げることは否定しない。
http://www.hayariki.net/poli/young.html
第二に若者の対象である。若者の語義からは二十代、広げるとして三十代前半が素直である。しかし、若者問題の無策が長年続けられた結果、当事者も救済されないまま年をとっている。アラフォー世代、さらにはアラフィフ世代ですら取り組みが必要になるだろう。40才のフリーターが奨学金債務で自己破産したというニュースもあった。

そうなると高齢者にも貧困者はいるため、若者の貧困問題として取り上げる必要があるかという議論が出てくる。これに対しては、貧弱な公的福祉の代替であった企業内福祉などの恩恵を受けずに自己責任の結果だけを負わされている世代への対応が必要と反論できる。アラフォー世代やアラフィフ世代への支援も若者の貧困問題という枠組みで取り組む意義がある。

むしろ「『丸山眞男』をひっぱたきたい」で提起されたような世代間公正の観点では、就職氷河期が直撃したロスジェネ世代の方が今の新卒よりも厳しい。従って優先的に取り組む方が世代間公正にかなうと考えることができる。

No More Dangerous Drugs (Japanese Edition) [Kindle Edition]
http://www.amazon.co.uk/dp/B00TOSH71Y
ノンフィクション書評: 東急不動産だまし売り裁判29 [Kindle版] 林田力 (著)
http://www.amazon.co.jp/dp/B00TVM31C2

ガンダム・アグレッサー、連邦の腐敗

#新刊 #review #本が好き #SF
『機動戦士ガンダム・アグレッサー』は一年戦争のサイドストーリーである。主人公はジオン公国兵士であったが、地球連邦に亡命し、元ジオン関係者らで構成される地球連邦軍アグレッサー部隊でジオン軍と戦っている。
この枠組みは、あまり面白いものではない。ガンダム世界において連邦は腐敗、卑怯、卑劣、非効率、官僚体質というマイナスイメージの象徴になっている。本来は敵であるジオンに感情移入するファンも多い。デラーズフリートのように、そのようなファンを念頭に置いた作品もある。故にジオンを裏切って連邦で戦うという設定自体に残念な感覚がある。
しかし、本書は主人公が連邦に属するからこそ、連邦の腐敗や無能、差別意識を十分に描いている。連邦にも主人公らを受け入れる士官はおり、だからこそ主人公らも活躍できるが、そのような士官の方が逆に嘘臭く感じるほど連邦の腐敗に迫っている。
主人公らはジオンが民間人を虐殺したことを問題視している。これは正しいが、本書でもジオン兵は人質を殺さずに逃走する一方で、連邦は人質の生命を気にせずに攻撃を仕掛けるなどジオン兵の方が騎士道精神を持っている。やはりガンダムは連邦を嫌悪し、ジオンを応援したくなる。

ノンフィクション書評

#本 #アマゾン #Amazon #読書
林田力『東急不動産だまし売り裁判29ノンフィクション書評』(アマゾンKindle)は東急不動産消費者契約法違反訴訟原告によるノンフィクションの書評集である。

東急不動産だまし売り裁判
東急不動産だまし売り裁判2リバブル編
東急不動産だまし売り裁判8
東急不動産だまし売り裁判14控訴審
北本市いじめ自殺裁判
いじめ問題と右派と左派
東急不動産だまし売りはダメよ〜ダメダメ
東急はダメよ〜ダメダメ
ありのままで東急不動産だまし売り裁判
東急不買運動
『報道の脳死』
『報道弾圧』

ヘイトスピーチに抗する人々

#差別 #デモ #書評 #政治
『ヘイトスピーチに抗する人々』は在日韓国朝鮮人へのヘイトスピーチ・ヘイトデモのカウンター側の論理を明らかにした書籍である。本書そのものはカウンター側からの書籍であるが、カウンターに感じていた違和感を再確認できる内容であった。本書のインタビューでカウンターの活動家は在日韓国朝鮮人のためにカウンターをしているのではないと言い切っている。レイシストがムカつくからしているという。それならば在日韓国朝鮮人がムカつくから差別する人々と変わらない。自己の主張だけは正しく、それに反する主張は全て誤りという左翼の独善と変わらない。
実際のところ、新大久保の在日韓国朝鮮人の商店主から営業上の迷惑という点ではヘイトデモもカウンターも変わらないとの話を聞いたことがある。むしろ最近は勢いを増している分、カウンターの方が性が悪いと。それと符合するカウンターの論理になっている。
私は在日韓国朝鮮人へのヘイトスピーチは支持しないが、レイシストしばき隊のようなカウンターにもしっくりこないものがある。貧困ビジネスのゼロゼロ物件業者がカウンター活動をしている例もある。在日韓国朝鮮人へのデモをヘイトスピーチと批判しながら、自分達は安倍死ねを連呼し、安倍首相の顔写真に×印をつけるダブルスタンダードな輩もいる。福島や東日本を差別する放射脳カルトも存在する(林田力『放射脳カルトはヘイトスピーチ』Amazonキンドル)。

林田力書評・信長のシェフ12巻

#レビュー #読書 #読書感想 #本が好き
『信長のシェフ』12巻は新たなキャラクターが登場する。『信長のシェフ』はタイムスリップ作品であるが、主人公が歴史を変えていくのではなく、主人公の言動によって歴史通りの展開になってきた。ところが、この巻では歴史への介入意思を持った人物が登場する。物語がどのような方向に進むのか注目である。
織田信長は好き嫌いが分かれる歴史上の人物である。その信長を本書はかっこよく好意的に描いている。織田信長の残虐さを示すエピソードとして、浅井朝倉のドクロを酒宴に出したという話がある。本書は松永弾正の裏切りを許した直後というタイミングを絡めることで、敵対者に厳しい姿勢を取る必要があったとしている。表向きは残虐さをアピールするが、ケンの工夫によって実態は人情味ある対応になっている。


プロフィール

プロフィール画像
名前
林田力
Name
Hayashida Riki
著書
東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った
著書
FJネクスト不買運動
著書
FJネクスト迷惑電話
著書
何故、空き家活用か
著書
ガーラ・グランディ木場迷惑
著書
佼成病院裁判
Twitter
@hayachikara
住所
東京都江東区

ブログ

1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
QRコード
携帯用QRコード
アクセス数
ページビュー数
[無料でホームページを作成] [通報・削除依頼]