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2012年09月 のアーカイブ

2012年9月26日 17時07分37秒 (Wed)

区民利用施設使用料値上げより二子玉川ライズ補助廃止

区民利用施設使用料値上げより二子玉川ライズ補助廃止画像 施設利用者の立場から世田谷区の「区民利用施設使用料の見直し」に反対する。反対理由は世田谷区の財政問題は二子玉川ライズ二期事業(二子玉川東第二地区市街地再開発事業)など開発関連予算の廃止・削減で対応することが民意に合致するためである。同じ理由から「認可保育園保育料の見直し」「区立幼稚園保育料の見直し」「新BOP学童クラブ利用料の導入」「高齢者紙おむつ支給・おむつ代助成事業の見直し」にも反対する。

私は世田谷区内の住民運動に参加しており、住民運動の活動で区民利用施設を利用している。二子玉川東第二地区市街地事業計画案の意見書提出者であり、2010年4月20日に口頭意見陳述も行った。二子玉川東第二地区再開発組合設立認可処分取消訴訟の原告・控訴人でもある。二子玉川ライズ問題を扱う『二子玉川ライズ反対運動』(マイブックル、2010年)、『二子玉川ライズ反対運動2』『二子玉川ライズ反対運動3』(2012年)を電子出版した。

2011年実施の世田谷区実施計画・行政経営改革計画へのパブリックコメントにも実施計画素案0701番「街のにぎわいの核づくり」の二子玉川東第二地区市街地再開発事業への補助等による支援に利害関係を有する個人として、再開発補助削除の意見を提出した。区民利用施設利用者として、また、二子玉川ライズ二期事業への補助等による支援に利害関係を有する個人として、意見を提出する。

区民利用施設使用料などの見直しは値上げであり、区民負担を増大させるものである。それならば区民が求めていない開発関連予算を廃止・削減することが筋である。見直しの理由を財政状況とするが、世田谷区の財政を圧迫している原因は大型開発であり、道路建設である。広報紙「せたがや」2012年9月15日号(利用者負担特集号)8頁「膨らむ行政需要」のグラフは土木費が低調のように描かれているが、金額ベースの比較となっておらず、ミスリーディングである。区民が求めていない土木費は大いに削減可能である。

特に二子玉川ライズ二期事業は圧倒的な反対意見を無視して再開発組合設立が認可されたもので民主的基礎に欠ける。二子玉川東第二地区再開発事業計画案には199件の意見書が提出され、そのうちの191件が反対意見であった(林田力『二子玉川ライズ反対運動』92頁)。

2011年実施の世田谷区実施計画・行政経営改革計画へのパブリックコメントでも二子玉川ライズ二期事業補助への反対意見が多数寄せられ、賛成意見は皆無であった(林田力『二子玉川ライズ反対運動3』「世田谷区パブコメで二子玉川ライズ反対多数」)。さらに保坂展人区長の当選も公約「大型開発優先の区政の転換」が区民に支持されたからである。

少なからぬメンバーが保坂区長の支持に動き、2012年6月3日には区長参加で「世田谷区政の現状と課題を考える懇談会」を開催した「新しいせたがやをめざす会」は政策案で「『再開発』や『道路優先』がもたらす大きなムダと住民被害、財政圧迫の三重苦を取り除き、税金を区民生活第一に使います」を掲げている。

新たに意見募集するまでもなく、民意が大型開発を求めていないことは明白である。世田谷区は区民の負担を増やす前に開発予算を廃止・削減すべきである。今は意見集約ではなく、住民の意思を反映させるべく「大型開発優先の区政の転換」を実行する段階にある。むしろ二子玉川ライズへの支援を中止し、東京都に設立認可処分の再考を働きかけるべきである。

大型開発関連予算は財政を圧迫する支出になるが、大型開発自体も将来に渡って行政需要を増大させる荷物になる。現実に二子玉川ライズでは日照被害、電波障害、ビル風の風害、水害の危険性増大、災害時の帰宅難民の増加、交通量増加による渋滞と排ガスの大気汚染、コミュニティーの分断、ファーストフード店の悪臭など様々な住民被害をもたらしている。

不特定多数の外来者の来訪で街が汚くなったという問題もある。「二子玉川ライズ ガレリア」のイベントは近隣住民にとって騒音公害になっている。ビル風も騒音も悪臭も二子玉川ライズの高層ビルが空気や音の流れを妨げることによる構造的な問題である。

夏場はファーストフード店の悪臭が熱気と混ざって通行人を気持ち悪くさせている。吉田兼好『徒然草』には「家の作りやうは、夏をむねとすべし。冬は、いかなる所にも住まる。暑き比(ころ)わろき住居(すまひ)は、堪へ難き事なり」とある。夏に悪臭と熱風が漂う二子玉川ライズは耐え難い再開発である。

また、夜間は交通広場でヤンキーなどが騒ぎ、近隣住民に治安面の不安を抱かせている。二子玉川ライズは地域住民にとって憩う街ではなく、表面的な賑わいは地域住民のものではない。二子玉川ライズによって世田谷区玉川の自然と住民の生活は大きく脅かされている。

二子玉川ライズは多摩川と国分寺崖線に囲まれた二子玉川の伝統的な景観・世田谷らしい風景を破壊する。「新しいせたがやをめざす会 政策案」では「今まで、二子玉川や下北沢などの「再開発」に多額の税金がつぎ込まれ、街の歴史や文化、住民の生活やきずな、環境が壊されてきました」と分析する。さらに莫大な金が動く二子玉川ライズはデジコン問題という補助金詐欺に付け込まれる隙を作ることになった。

二子玉川ライズによる住民被害は地域の問題であり、安心・安全の街づくりを目指す世田谷区の課題であり、行政の負担を増大させる。現実に東京スカイツリーという大型開発を抱える墨田区では1日3回夜間に警備員を巡回させている。また、清掃員を10人雇い、見物客が多い地域で毎日ゴミ拾いを実施している(林田力『二子玉川ライズ反対運動3』「東京スカイツリーと二子玉川ライズの弊害」)。これこそが安定的で持続可能なサービス提供への脅威である。
//www.hayariki.net/2/7.htm
「区民利用施設使用料の見直し」の「基本とする考え方」では「施設を利用する方と利用しない方との負担の公平を図る考え」を採用するが、これは絶対的なものではない。施設を利用しない人々の税金が施設経費に使用されることは必ずしも不公平と言い切れない。定額の施設利用料によって区民の活動が活発化することは地域社会を活性化させる。これは施設を直接利用しない人々にもメリットである。
//www.facebook.com/riki.hayashida

公平の観点で言えば東急電鉄や東急不動産の分譲マンションや賃貸オフィス、商業施設に税金を投入する二子玉川ライズの補助金こそが一般の区民にとって不公平である。独自の資金でマンション分譲や賃貸オフィス、商業施設を営む企業に対しても不公平である。この点でも施設利用料値上げの前に二子玉川ライズ二期事業への補助金を廃止すべきである。

開発と福祉はトレードオフの関係にある。夕張市の財政破綻を下敷きにした海道尊『極北クレイマー』では開発予算をバラまく自治体が医療費など福祉予算を削るという相関関係を描いた。財政問題解決のために区民サービスを低下させることは解決の方向性が誤っている。それは財政破綻への道である。


プロフィール

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林田力
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Hayashida Riki
著書
東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った
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何故、空き家活用か
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