論文執筆

 ここでは論文執筆に役に立つ情報をまとめる。しっかりとした指導教官の下で教育されていれば、日本語で論文(3枚程度)を執筆後、それを英語に訳すのに2〜4日(最速1日、長くて1週間)あれば大丈夫だろう(ただし、英語に自信がない場合は、勉学も含めて、余裕を持った日程で取り組んで貰いたい)。<旧帝などで論文を多く出している研究室は、学生が論文の原案を教官に渡すと、1週間以内に返事を出す。加えて、プロシーディングスは0.5点、投稿論文は1点として、1点で学生用にPCを買うという方針にしているところもある>
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■ プロの翻訳者も使っているgoogle活用法
・検索結果の上位10-20個から探す
・URLが「.jp」や「blog」のページは英文ミスもあり要注意
・PDFは公式文書が多く信頼性が高い
・"(ダブルクオーテーションマーク):単語ではなく言い回しを調べられる。
例:Thank you だとThankとyouの結果が表示される
例:"Thank you"だと Thank you の結果が表示される
・*(アスタリスク):文章にふさわしい語句を調べられる
例:"Thank you for * our products"
アスタリスクの部分に入る単語や文の検索結果が表示される
・入力した英文が間違っていた場合は「もしかして」機能を利用
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■ プロの翻訳者も使っている英辞郎 on the WEBの活用法
・AND検索:そのまま順番に記入
・OR検索:| (Shift + \)
例: As mentioned earlier | before
(英訳に便利。どちらが自分の思い描いた表現に近いかが分かる)
・NOT検索:-
例: explore -探検 -調査
・フレーズ検索:"(ダブルクオーテーションマーク):単語ではなく言い回しを調べられる。
和訳の際には2-3語まとめて検索するのがコツ
・単語間語数指定検索:
as {1} is とするとasとisの間に入る1語を検索
as {1,} is とするとasとisの間に入る1語以上を検索
as {2} is とするとasとisの間に入る2語を検索
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■ 頻度は少ないと思うが和文(日本語)の論文のチェック事項
1. Referencesが英語で書かれていても和文の論文であることがある。google scholarで検索に引っかからないこともあるため注意。当初、その論文を引用している英文の論文を見て書かれている内容に沿って論文を書いたが、調べてみると著名な英文の論文が誤った引用をしていたことが判明。やはり元の論文を調べることが必要。和文の論文はJ-stageで見られることがることがあるのでチェックすること!
2. 漢字や用語、語句の統一をすること。結構文章を書いていると語句の順序が毎回ばらばらだったりする。読みづらくなるので統一する。「ひらがな」にするのも手。「関わる」−>「拘わる」、「僅かな」−>「わずかな」としたりする。
3. 「〜」は「−」(前後空けない)、「、」は「」、「。」は「.」、掛け算は「x」ではなく「×」にする。「=」や「>」などの前後は半角空ける。
4. どの図、どの図の中でも文字の大きさとフォントは統一すること(ギリシャ文字{シンボル}は除く)。
5. 記述している組成と文章が一致しているのが大切。具体的には、その組成内で得られる効果を見落としたり書き漏らしている点はないか? 広くまたは狭く見すぎて必要な部分を書き忘れていないか? 文章が長くなって分かりづらい、または一部誤解を与えるような不適切な部分はないかどうかをチェックする。(大まかにはよいが、よくよく考えると論文で紹介している試料の作製範囲しかいまのところ成り立たないのにもかからず、一般的なこととして書いているとか、大雑把に書き過ぎてよく調べて組成式を書き換えて検討すると誤りや不安な点がある場合など。何度も論文を推敲していると、これは一般的な事象にも成り立つ、類推すると成り立つ、と思うようになることから起こる陥る重大なミス)
6. アブストラクトは英文で書くと思うが、他動詞に前置詞は付かないので注意。誤っている和文・英文の論文があるので動詞はチェックしよう。この他、「at」や「in」も使い間違えないように注意(論文を書いていて、ある点の温度から広い温度範囲に書き換えたときに修正するのを忘れてしまうこともある。キャプションの変更も忘れないように!)。
7. 上記と重なるが、改定したり、内容を変えたときには他の部分もいくつか変わるので、変更を忘れないようにチェックしよう。下記に書かれている例だとReferencesが誤り易い。
8. 単語や日本語のチェックをかけること!組成については、xやyを書き間違えることもある。Feなど記述されている元素の一部で組成の記述がある場所を検索し、コピー&ペーストで処理する。今度はxやyを一部入れて検索し、ページ全体を見回して検索に掛からない組成の記述が無いかを調べる。組成の記述がある場合は色を変えてチェックするのも手。
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■ 日本語でも英語でもまず読んでおくべき教科書として下記を挙げたい。
 篠田義明、『ICT時代の英語コミュニケーション:基本ルール』、南雲堂 (段落の構成法が非常に役に立つ)
 篠田義明、『科学技術英語の入門』、南雲堂 (前置詞及び懸垂構文などの理解に役立つ)
 赤羽良一ら、現代化学、2011年4月-2013年9月まで (文法の理解に役立つ)
 鎌滝哲也、現代化学、2012-2013年まで (論文の各部分における基本的な書き方の理解に役立つ)
 鈴木英次、『科学英語のセンスを磨く』、化学同人 (生化学系ではあるが、単語の使用頻度などが記載されている)
以上から基本的なことを理解して下記の辞書を活用しながら論文を執筆する。加えて、ネイティブの論文を上記のテキストと下記の辞書を活用しながら読み込んでいく(何も分からずにネイティブの論文を読んでいくよりもはるかに学習効率が上がるだろう)。

□ 推薦する辞書
用語辞典:『科学技術用語大辞典』 日刊工業新聞社
英英辞典:Gove, P. B & The Merrian-Webster Editorial Staff, Webster's Third New International Dictionary of the english Language G. & C. Merriam Company
  Longman Dictionary of Contemporary English 桐原書店(英用)
 Cambridge: International Dictionary of English 丸善株式会社(英用)
  Macmillan English Dictionary 丸善株式会社(米用)
英和辞典:『リーダーズ英和辞典』 研究社、『ジーニアス英和辞典』 大修館
英和辞典:『ルミナス和英辞典』 研究社
類語辞典他: Oxford Collocations: Dictionary for students of English.
※ 本の題名:イタリックにする。
 http://panoramic-view.info/pdf/Stylebook.pdf も読んで見ると良いかもしれない。

□ webの利用法
https://www.dtod.ne.jp/resident/feature/smartdr/article5_2.php (「■ Googleを使ってプロ並みの校正を受ける方法」 が役に立つ)
http://drivingforce.jp/blog/?p=855
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文章の書き方が上手くない学生の訓練方法
 指導教官にもよるだろうが、下記にお薦めの論文を記しておく。

和文論文(十倉好紀先生の論文が有名である)
十倉好紀 著、『有機準一次元結晶における中性-イオン性転移』、日本物理学会誌、40 (1985) 700.
  http://ci.nii.ac.jp/naid/110002075765/

十倉好紀 著、『n型高温超伝導体』、日本物理学会誌、45 (1990) 901.
  http://ci.nii.ac.jp/naid/110002068680/

十倉好紀 著、『酸化物がつくる異常金属相:強相関電子材料』、日本物理学会誌、49 (1994) 621.
  http://ci.nii.ac.jp/naid/110002066281/

十倉好紀 著、『d電子系の金属-絶縁体転移--電荷ダイナミクスの観点から-』、日本物理学会誌、54 (1999) 98.
  http://ci.nii.ac.jp/naid/110002077370/

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英語論文(英語圏で著名な研究者の論文を読むとよい)
XAS
  R. A. Rosenberg et al., Phys. Rev. B 33 (1986) 4034.
  http://prb.aps.org/abstract/PRB/v33/i6/p4034_1

XPS
  C. S. Fadley et al., J. Surf. Anal. 3 (1997) 334.
  http://www.sasj.jp/JSA/CONTENTS/vol.3_2/Vol.3%20No.2/Vol.3%20No.2%20334-364.pdf

原著論文を調べる以外に、下記の書籍が参考となる。下記の記述でもこれを参考にしている。
  原田豊太郎 著、『例文詳解 技術英語の冠詞活用入門』、日刊工業新聞社
  原田豊太郎 著、『例文詳解 技術英語の動詞活用入門』、日刊工業新聞社
  原田豊太郎 著、『例文詳解 技術英語の前置詞活用入門』、日刊工業新聞社
  原田豊太郎 著、『例文詳解 技術英語の形容詞・副詞活用入門』、日刊工業新聞社
  原田豊太郎 著、『例文詳解 技術英語のキー構文・キーワード活用入門』、日刊工業新聞社
  鈴木英次 著、『科学英語のセンスを磨く』、化学同人
  富井篤 著、『科学技術英語表現辞典』、オーム社
  研究者辞書編集部 編、『数量表現辞典』、研究社
  研究者辞書編集部 編、『英語類義語使い分け辞典』、研究社
  原田豊太郎 著、『『理系のための英語「キー構文」46』、ブルーバックス
  http://homepage1.nifty.com/Mercury/ohoyamak/Links.html
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 例えば、英語で論文を書くことでは、私の英語を少しでもまねしようと表現集を作って自分の辞書にするなどの努力をしてくるべきだったと思います.そんなアドバイスは以前にしたように思います.私が××さんの年齢の時、私は上司であった○○先生の英語をどれだけノートに書き写してまねをしてきたことでしょう.それが今役に立っています.
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文章の書き方が上手くない学生の訓練方法
■ 私の経験上、要点を知らずに学習する場合、短期間では上手くはならない。そのため、テキストとして篠田先生の著作を推薦する。下記がその要点の一部である。

□ 要点
・ 単語と意味は一対一
・ 同じ単語が続くのが良い。単語を変えると意味が変わったと思われる。
・ 口語体は短い単語、文語体{文章(論文)}は長い単語にする
・ 句動詞ではなく一語の動詞にする (例、make nothing of -> ignor へ)
・ 動詞形のある名詞や副詞、形容詞を使う(私の聞き間違いが無いか調査中)
・ 重要な方を前にする
・ 短い単語は前に来る
・ 相手が中心。相手にわかるように記述する
・ 良い話が先
・ 文章では左にあるものが重要と解される
・ 1パラグラフで1トピックス
・ 受動態で by の後は主語に代えられる。with はこの後のものを誰かが使う。このどちらにも属さないときはonを使う。
・ with を強調したいときは with in にする。 (私の聞き間違いが無いか調査中)
・ To 不定詞:しゃべる英語(私の聞き間違いが無いか調査中)。未来に関することを意味する。
・ for doing:文語体
・ in doing: 文語体(whenの代わりに用いて)
・ because of 主語
・ a や the をつけると、複数の人がいることになる。(冠詞は分からなかったらブランクが安全)
・ at は触る。will meet with は誰かとしっかり議論する。
・ know は経験、know of は知識。
・ or はつまりの意味。
・ 定義法で、定義はis (私の聞き間違いが無いか調査中)
・ ○がOKなのは日本だけ。欧米は×がOKになる。
・ ××が、の"が"は未知、××は、の"は"はtheで普遍的事実(私の聞き間違いが無いか調査中)
・ 名称は前置詞(of)+名詞を使ってはいけない。(私の聞き間違いが無いか調査中)
・ 欧米は赤は駄目、レモンは欠陥品のイメージが付く
・ WH 構文は警官などでの尋問と同じ。I wonder 〜 で相手に聞くのが良い
・ 異性に Nice は駄目
・ very ではなく so much にしたりする
・ thanks の最後のsは強調
・ Pleaseは2つの意味があり、好感を上げるのと、絶対にやって欲しいという意味がある。
 Please accept my resarch paper.
  Please, Pelase, Please と Please を3回行っても駄目なら諦める。
・ That's a very good question. (いま回答ができませんの意味)
・ I have a question. 裁判での尋問
・ 一方の後にはコンマ

□ 守るべき順序
1. 重要な順
2. 時間順:クロノジカルオーダー
3. 空間順:スペイシャルオーダー
4. アイウエオ順

□ title
・ 15ワード以内
・ tpic (主題)と purpose(目的技術)
※ メールではさらに、伝達での記述(お願い、依頼、ご連絡)が追加される。

□ Abstract
・ 200〜250語
・ 目的、方法、結果、考察、結論をそれぞれ1センテンスずつ書いて、それを纏めて整理してみる。
(アブストラクトとコンストラクトを同じ様に書いている文章を見かけるが、アブストラクトの構成を見れば、コンストラクトと異なっていることが分かる)

□ Introduction
・ リテラチャーレビュー(先行研究)
・ こういう研究をした。

□ Construction
・ Abstractで書いたことを証明できました。

□ だろう
can : 能力以外は使ってはいけない。
will : 99%
may : 49%
Could : 2〜3%
Would : 2〜3%
might : : 2〜3%


shall : 決意(自分が責任を持ちますという意味)
must : 義務(自分の都合)
bad better : 脅迫
ought to :
should :

□ 違いない
must : 必ず(現在しかつかえない)
should : データから判断(天気予報などでつかわれる)
may : 49%
can: 2〜3% (推量)
※ 雨になるだろうでは、I will it is rain. とした方が良い。(私の聞き間違いが無いか調査中)

□ 確認
confirm : 確認
check : 確認
make sure : スケジュール

□ 推薦する辞書
用語辞典:『科学技術用語大辞典』 日刊工業新聞社
英英辞典:Gove, P. B & The Merrian-Webster Editorial Staff, Webster's Third New International Dictionary of the english Language G. & C. Merriam Company
  Longman Dictionary of Contemporary English 桐原書店(英用)
 Cambridge: International Dictionary of English 丸善株式会社(英用)
  Macmillan English Dictionary 丸善株式会社(米用)
英和辞典:『リーダーズ英和辞典』 研究社、『ジーニアス英和辞典』 大修館
英和辞典:『ルミナス和英辞典』 研究社
類語辞典他: Oxford Collocations: Dictionary for students of English.
※ 本の題名:イタリックにする。
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■ 投稿論文執筆でのチェック
□ 物理的なこと
・ 著者らの(新手法である)FF法がGGの候補として有望であるとした場合、実現性があるのかをチェックする。
・ 蒸着する場合は、目的の領域以外での影響や基板のダメージなども考慮し、議論が尽くされているかをチェックする。
・ 実験結果が芳しくない場合、どのようにGGとして利用できると期待できるかを記述しているかチェックする。
・ 温度やHH(例えば、膜厚)という重要なパラメーターを両方変えて測定した場合、考察が推測だらけになり、論理展開と結論の説得力が乏しくなる。このような実験結果になっていないかをチェックする。推測にならないようにするには、一つのパラメーターしか変化させないようにすることが必要である。
・ もし、データや実験条件が限られていたならば、パラメーターが一つしか変化していない部分を中心に議論を行う。
・ 作製した試料にバラツキが出る場合は、同じ条件で作製した複数の試料を用意してバラツキを測定し、エラーバーを記載する。
・ XXがYYのどのような構造に起因しており、ZZなどでの違いが、AAのBB(例えば、キネティクス)の違いに結びついているのかについて詳細に議論しているかどうかチェックする。
・ ZZなどでのそれぞれについて、CCの違いが生じる理由を、DDなどのメカニズムから詳細に議論しているかをチェックする。
・ 試料のEEに求められる特性と構造や配向(度)の関連性、最適な成長条件とその成長のメカニズムについて詳細に述べているかをチェックする。そうでなければ新規性はなく、読者の役に立たない。
・ 本論文が試料の配向(度)の評価が主目的である場合、X線回折ではなく他の測定方法を用いていたら、その理由を十分に説明しているかをチェックする。
□ 記述について
・ 数字と % の間にはスペースを入れない。
・ 数字と ℃の間にはスペースを入れない(と投稿先のレフェリーに指摘されたが・・・・・・※)。
・ 物理量はイタリックにする。
□ 返信
・ 冒頭に感謝を記載。
・ どのような理由でレフェリーから指摘された部分を変更したかを記述する(L行数-行数)。
※ 尊敬する泉先生のHPの記述 http://blog.fujioizumi.verse.jp/?eid=188 に衝撃の事実が!!
由緒正しい記述法はNIST(http://physics.nist.gov/cuu/Units/bibliography.html)で公開されているとのこと。
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□ 論文執筆でのポイント[1-3、X1-X13, XX1]

◆ 英語執筆での習慣の作り方
  いろいろな研究者の方と論文執筆についての話をしましたが、大事な執筆の時期は、「今は論文を書いているから」と周囲に宣伝して、日々の生活に論文執筆の時間を確保している様子をお聞きしました。[XX1]

◆ 執筆前の準備 [5つのカノン」 [XX1]
1. イノベーション=発想
 議論の核を決める。研究テーマが具体的で、かつ焦点がしっかり絞られているか。実験結果として最も伝えたいデータや理論はどこか。研究結果の妥当性や重要性を示すポイントは何か。
2. アレンジメント=順序
 論文の一般的な構成(タイトル、要約、イントロダクション、実験方法、結果、ディスカッション)のそれぞれの部分について、論点の順序を考える。とくにイントロダクションや結果、ディスカッションの部分は内容の順番で読みやすさが変わるので、議論の筋道を立ててみる。
3. スタイル=言葉の選び方
 実際に論文執筆を進めるうえで、使用した用語やフレーズをリストアップしてみる。研究をしながら重要性を見出したキーワードや、先行研究において引用するべき内容を選択。
4. メモリ=記憶
 論文を印象深い内容として記憶に残るものとするために工夫を凝らす。タイトル、イントロダクションの冒頭部分、ディスカッションの最後での文章表現を検討する。また新しい概念や造語などの提案で新規性をより伝えられないかも考える。
 ※ 造語の提案は若手研究者では難しいと思う。そういう場合、何度も自分を疑ったほうがいい。そして、先生方と議論したり、学会で発表していろいろな意見交換や議論して、どうしても造語が必要だと思えたら記述する。
5. デリバリー=発表の伝達手段
 論文の発表の仕方を考える。投稿先、投稿時期、その後の学会や記者会見での発表で強調したいことをイメージして、そこから逆算しながら執筆のアイディアを練ってみる(プレゼンでのデリバリーについては、口調や身振り、聞き手へのアイコンタクト、服装などを検討することを意味する)。
 ※ 記者会見を私は経験したことがない。多くの雑誌や新聞に記載される素晴らしい成果を挙げている先生方でも記者会見の様子を見かけた記憶はほとんど無い(きっと、私が研究に明け暮れてテレビをほとんど見ないためであろうと思いたい)。

◇ 私個人の経験
※ 私の指導教官からは、まず、Experimental procedure (実験手法)から執筆するとよいといわれました。論文の中では分量は少ないですし、他の論文とほぼ似たようなものになるからです。他の論文などを参考にしながら書いてみましょう。
※ 『まずは、発表される理論や実験結果のような「伝えるべきアイディア(の結果)」ありき。結論で、そのアイディアがくっきりと浮かび上がってくる文章を目指して、なじみのある言葉で飾らずに書くのです。専門用語は、過去に読んだ論文から、「自分の知っている言葉」だけを用いることで誤用が防げます』[1] (イントロダクションを書くためにどれだけ丁寧に普段から読み進めてきたかがある意味問われる。また、大学院入学時点での英語力にも影響を受ける。英語力が低い場合は、大変だが、涙しながら、常に全文を辞書を引いたりしてチェックする気持ちで執筆するしかない。日本語英語だと言われても諦めないことが研究者には重要である)
※ 私の経験では、実験結果は、文章だけを読んでも図に描かれている内容が分かるように書く。図に示すように、結果にどういう傾向があって、どんな特徴(ピークなど)があるかを(図を見なくても分かるという程度に)丁寧に記す。一連の実験結果と先行研究(既に他者から発表されている論文)を交えて、どんな意味や想像や展開が得られるかを書けばそれが考察になる。そして、推敲して、簡潔(言葉が重複していないかを最初にチェックする)で分かりやすくさせる。結果と考察が分かれている場合は、実験結果で個々の結果を丁寧に説明したら、考察でそれぞれの結果及びそれぞれの結果を総括して何が導き出されるかを示す。結論で結果や考察の全体(像)を簡潔に纏める。

□ 書き始める前に[X6](※ よく目にするので注意しておこう)
 読者に「読んでもらう」ためには、論文の構成(目的と答え)をしっかりと頭に置いて、その論文のストーリーに沿ったデータだけをわかりやすく示し、読者が理解しやすいようにするのです。言い換えると、本文に説明していないデータは「すべてそぎ取るべき」なのです。
 ここで、学生たちが間違えやすいことを再度ご紹介しましょう。それは、論文のストーリーの作り方です。学生たちはえてして、ストーリーを、実験をやった通りの順番にするのです。これは、上記の、「読んでもらう」という考え方と矛盾していますから、すぐにおわかりと思います。論文のストーリーは、「データを並べてみて、どの順番にデータを並べて、どんなストーリーにしたら読者にわかりやすか」を基準に考えたらよいのです。もっとわかりやすくいえば、最後にやった実験データが、論文の最初に書いてあってもよいのです。要は、「理解しやすい論文のストーリー」なのです。

◆ 過去形と現在完了形[3, XXX1]
 シンプルに文献の研究結果を引用する場合は過去形(過去形=過去の1点を表す)。論文では分からないが、通常の文だと過去を表す副詞(this moning や yesterdayなど)を併用するのが普通である。それを理解すると"過去の1点"を表していることが分かる。
 継続、経験、完了のニュアンスを含んだ文章となる場合は現在完了形(読者にはだから何なのだという質問をさせる文章になる。そのため、筆者はこの後に何を言いたいかを文章にして記すことになる)

□ 重要な要点
◇ サマリーの書き方: 本文とは独立
◇ イントロダクションの役割: 研究がなぜ行われたのかを説明する。[Y1]
◇ 実験方法の書き方: ひたすら真似る
◇ 実験結果の書き方: 淡々と結果だけ。過去形が原則。
 (群間の比較には棒グラフ、経時変化の場合には折れ線グラフ)
◇ 考察の書き方: 現在形が多い。
◇ 結果と考察(Results and Discussion)のsectionを設けている場合: まず結果をまとめて書き、そののち考察を書くようにすると良い。結果と考察を明瞭かつ論理的に別々に分けて書く努力をしない、怠慢な書き手が多いので、心して欲しい。[Y1]

□ タイトル
Q. 論文・学会での発表にかかわらず、いつもタイトルをどう付ければよいのか悩んでしまいます。よいタイトルはどのように付ければよいのでしょうか?
A. 論文から、要点を最もいい得ているキーワードをいくつか抜き取り、組み合わせてみることでよいタイトルに近づきます。
補足:金属学会の題目の場合は、人名以外に英語表記は避けるべきであり、材料名が決まっている場合は題目に記載する。題目にどんな系を対象にしたかに触れることが重要。(私の経験では、XX系YYと出来る場合は、「XXを持つYY」としない。他の有名な先生方の予稿も参考にすることが重要)
 英文執筆において、ヨーロッパで人気の科学論文にまつわる文書読本"The Art of Scientific Writing"(Wiley-VCH)で記載されている内容で特に重要なのは、「長すぎず8語くらいにまとめる」です。和文の論文でも他の先生方の論文と比較して、長すぎないかをチェックするとよい。
 タイトルは論文の内容が一目でわかり、しかも短いほうがよいとされています。論文のタイトルには、実験の素材が明確に示してなければならないことになっています。[X7]

□ 脚注(Footnote)の書き方
 学生がしばしば犯した誤り、それはFootnoteや本文中で略号を定義してあるにもかかわらず、同じ単語が出てくると、それを略号でなく、正式名を書いてしまうことです。略号は紙面を節約するために使うのですから、略号を一度定義したら、略号だけを記載しなければ「ならない」のです。このような誤りも、論文の共著者がチェックすべきことでしょう。しばしば、論文を書いた人は、繰り返し読んでも、自分の誤りに気がつかないものなのです。[X7]
 ただし、略号の使い方には例外があり、サマリーは本文から完全に独立しており、本文の略号はサマリーには適用されない(逆に、サマリーで略語を定義しても本文には適用されない。改めて本文の最初に出てくる語に略語を定義する)。また、原則的に、サマリーでは略語を使いません。しかし、サマリーの中に同じ用語が繰り返し登場して、略語を使ったほうが紙面の節約になると考えられたときには、使ってもよいことになっているようです[X8])

□ アブストラクト
 論文のアブストラクト(Abstract, 要旨)とサマリー(Summary, まとめ)は性質が異なるという研究者もいますが、これを厳密に区別してInstruction to authorsに書かれているのを見たことがないので、私には何ともいえません。[X8]
□ アブストラクトやサマリーはどう読まれるか?
 私は論文を読むときには、サマリー(またはアブストラクト)にサッと目を通し、それから、その論文の中心的なデータを「見る」ことにしています。毎月出版される膨大な論文は、とてもではありませんが、全部読むのは不可能です。サマリーを「見て」、データを「見て」、それで「これは読む価値のある論文だ。キチンと読んでおかねば」と思ったら、丁寧に最初から読みます。でも、全体を精読する論文は、サマリーと結果を「見た」論文の数10報に1報くらいしかありません。研究者によっては、サマリーしか「見ない」人、結果のデータしか「見ない」人と、さまざまなようですが、サマリーは大切だといえるのです。[X8] (※ とは言っても、研究室に配属された学生さんは、指導教官に進められた論文をしっかりと詳細に読むなどして理解に努めることが大切である。旧帝では1年に1回以上は雑誌会があるところが多いと思うので博士の学位を取るまでにはその研究分野に対する要領が分かり上記のようにできる。しかし、旧帝以外の国公立大学や初めての研究分野になったときには上記のようにはいかないので注意が必要である。私は大きな勘違いを犯して、論文に書いてある結論を逆の結論と誤解してしまったことがある。論文も正しく読めないのかと上司にあきられまた怒られた。研究者としての信頼は失墜するので一応は注意しておいてほしい)
 先行研究の論文は、最低2回に分けて読む。1回目は自分の論文にとって大事な文献かを決めるため、2回目は引用するべき部分を決めるため。1回目は、一字一句読むというよりは全体像を把握します。まずは論文全体をスキャンするように眺めて読み進めながら、実験系や発見された内容など、先行研究としてどういう部分が参考になりそうか、自分の研究との関係を明確にします。2回目は、もっと読み込む作業です。(省略)英文作成するときに役立てるためには、読んだ文献の要点や自分の考えを書き溜めておく作業は必須です。文献中から抜き出した文章やキーワードに鍵括弧を付けておけば、自分の考案と区別がつき、いざ執筆するときに参照しやすく、引用文がすぐに書けます。[XX1]
 アブストラクトはたいへん重要です。(省略)書くときに気をつけたいのは、”誰が”それを読むのかということ。君も論文を読んだことがあるから知っていると思うけれど、読んで貰うためには理解できる内容でないといけないだろう? 専門性の高い内容だからこそ、同じ分野の研究者だけでなく、それ以外の分野の研究者にも、そして学生にも、理解可能なレベルの『わかりやすさ』が求められているんだ。[XX3]
 (省略)専門家は、難しい内容や面白い内容を、一語だったり100 wordで要約して説明する訓練をする必要があるんだ。僕は、教育者としての自分をとてもエンジョイしていてね。若手研究者や学生と語り合うのが本当に好きなんだ。だから、要約文の指導も楽しいし、それだけではなくて、たとえば大学の教養で講義するのも楽しい。講義していて痛感することは、つまらない話をすれば学生は来なくなるし、講義中に眠くなる。だからこど、ならばみんなもの目が覚めるような、科学的にワクワクする、学生たちを授業に集中し続けられる講義をしようと頑張っているんだ。そうすれば、自然と自分が一番伝えなければならない、たとえばナノテクノロジーの最先端の肝の部分を、自分でもよくわかり、説明できるようになる。これには、努力と訓練の経験が必要なのさ。論文の要旨もこういう気持ちで書けば、読者が眠くならない。ワクワクさせられる文章になるよ。[XX3]
 研究生活も、論文執筆も、前向きに、リジェクトされたりしても、いつかきっとアクセプトされ、夢は叶う、研究仲間と一緒に叶えよう!

□ イントロダクションの役割(以下の2点を明確に自覚しておくことが重要)[2]
1. どこまでが先行研究から影響を受けた内容か?
2. どこからが自分のアイディアなのか?
以上を秩序立てて読者に伝えていくメインの場が、導入部分、すなわちイントロダクションなのです。自身の研究をするにあたっての背景や研究テーマの重要性を伝える部分です。
 イントロダクションにおいて、「代表的な先行研究を自分なりの解釈で紹介してあり、研究分野やテーマについてしっかり精通しているよう書かれているか」というのは、論文の査読を受けるときに厳しく評価されるポイントです。(多くの文献を読まなければならないので、この部分は若手の研究者にはとても困難な部分である。大きなハードルを感じるのは当然である)
□ イントロダクションにおいて考えること [2]
 しかし、論文のイントロダクションというものは、詰まるところ、いかに「自分のアカデミックルーツ(自分の研究のルーツ)」を意識し、それを科学的なストーリーとして読み手にプレゼンできるかにかかっています。ストーリーの主人公である研究対象の物質や反応は何なのか、それをこれまでこの分野で研究してきた立役者は誰で、どんな議論がされてきたのか、何がわからず何が現在課題なのか、論文のストーリーを日本語で書き出してみるのもよいかもしれません。
□ イントロダクションでの記述で注意すること[2]
 たとえば、"According to (〜によると)"というような前置きを文章のはじめにもってきて、先行研究による意見の引用だとはっきり伝える文章表現の練習。それから、"clarify(それまで不確かだった事実を実験で確認した)"や"point out(ある部分について、指摘した)"というように、動詞の選び方を工夫することで、たった一文で先行研究の内容だけではなく、意義や自分の解釈、評価まで盛り込める。引用の文章を書く作業は、先行研究の論文と自分の研究との距離感も再確認できます。
□ イントロダクション執筆での心構え
 イントロダクションで、どんな先行研究の文献を引用し、科学的なストーリーを展開するかとう構想も固まってくると、長さとしては申し分のないイントロダクションができ上がってくるはずです。(省略)「ここで自分のアカデミックニッチについてじっくり考えて見なさい。あなたの研究がどうして草分け的な内容で、あなたや発表する研究分野に対してどうして重要なのでしょう?」と。取り組まれている研究分野で、いろいろな研究がひしめき合っているなかで、自身の研究テーマはどこに位置づけられるのか。研究分野が発展するための、足を踏み入れるべき未開の地はどこにあるのか。それにしっかり答えることこそが、論文のオリジナリティとなるはずです(というよりも、研究の内容がそうでなければならない。研究を始める前にそうなっていないことが多いから・・・・・・)。
□ イントロダクションの書き方[X8]
 イントロダクションの書き始めは、その研究分野の専門家ではない素人にも理解できるように書きます。たとえば、私の研究分野でいえば、「シトクロムP450はヘムを含有する酵素であり、薬物や毒物、それにステロイドの代謝を触媒する」というように書くのです。専門家だったら、「そんなことはわかっている」と言うでしょうが、そう思われてもよいのです。たとえば、大学院に進学したばかりで、これからシトクロムP450の研究を開始するという学生にも取っつきやすく書くのです。「広く浅く」から、徐々に狭く深くに書き進めていきます。最終的に研究の目的が明示される。(そして、論文の結論は、さまざまな実験で、いくつかの結果が研究の目的に対して上手くできたと記載するのです)
 さて、「最初は広く浅く」と書きましたが、その後はどう書くのでしょう。最終的に何を明らかにしたかに向かって順次書き進めていくのですが、その間には、過去の研究、それもほかの研究者が何を明らかにしたのか、自分自身の研究で何を明らかにしてきたかを書き述べます。これらの過去の研究から、どのようなことが推測されたか、そのアイディアを述べます。研究の背景と、その背景から空想したアイディアが、読者にわかりやすく書かれていたら、その読者は論文のストーリーに興味を引かれることでしょう。
 アイディアの元となった過去の研究が、今書いている論文の内容と非常に似ている場合があります。本来は、このようなマイナーチェンジと思われる論文は受理されないことになっています。類似の研究は、独創性が欠けると判断されるからです。
 イントロダクションの最後には、1, 2 行で結論が書かれていることが多いです。私も結論を書いた論文が圧倒的に多いように思います。しかし、覚えておいて欲しいのは、本来は、結論はイントロダクションには書くべきことではないということです。これは、論文の書き方にくわしい国際誌の編集責任者から聞いたことなのですが、実際には、ほとんど守られていないように思います。

□ 実験方法(Materials and Methods) [X9]
 研究室の先輩が書いた文章や同じ研究分野の論文に書いてある文章をそっくり真似ることができますから、まず真似ることを第一に考えましょう。これだけでも、論文の書き方の学習になります。
◇ 初歩的な知識
1. コンマ(,)、セミコロン(;)、コロン(:)の後には、半角スペース(英語のスペース)を入れなければならないことになっている。国際単位系(SI units)は略語はそのまま使用できますが、長さ(mm など)、質量(mg など)、体積(ml など)、時間(s, min, h など)は数字の後に半角スペースを入れてから書くことになっています。例外は、%, g(重力) それに ℃を書き入れる場合には、数字のすぐ後にこれらの記号を書く決まりになっています(スペースは入れません)。溶液の%の場合、w(weight)  / v(volume) のときは、これはごく一般的なので表記しませんが、特殊な場合 (v/vなど)のときは最初に出てきたときに表記することになっています。
2. 文頭に数字と単位を書くときには、フルスペルで書く決まりになっています。たとえば、文頭にはFifty-five milligram というようにかくのです。文頭に 55 mg と書いてはならないのです。さらに面倒な決まりもあります。詳細は、(http://www.jikei.ac.jp/academic/micer/ronbun.htm )を参照してください。
3. 「a」と「an」使い分け
 「a」と「an」は、次の名詞が母音で始まるかどうかで使い分けますが、これはその名詞の「発音」によって決まります。ですから、「NADPH-generating system」の場合には、名詞の頭は「N」ですが、発音は「エヌ」で「エ」は「母音」ですから、「an NADPH-generating system」のようになります。
□ 実験材料
 実験方法には、最初に、研究に使った試薬など(Materials)を書くことが多いです。昔は試薬の純度が高くありませんでした。そのために、実験結果の再現性がよくなかった時代もありました。再現性を得るため、論文に試薬のロット番号を書いた時代もあったのです。現在は、試薬の純度も格段によくなりましたから、ロット番号を書くことはまずありません。
(※ 下記は投稿する学術誌の内容を参考にしてください。下記に従うかは私は分かりません)
1) 試薬の入手先
 学術誌によって書き方が微妙に違う場合もあるかもしれません。まず、国際誌に投稿する場合です。外国の会社の製品を書く場合には、試薬名(会社名、都市名)を書きます。また、日本の会社の製品を書く場合には、試薬名(Tokyo, Japan)のように都市名と国名を書きます。一方、国内誌に投稿する場合です。この場合は国際誌とは逆に、外国の会社の製品の場合は試薬名(都市名、国名)を書きます。日本の会社の製品の場合は、試薬名(Tokyo)のように都市名だけでよいのです。
 試薬を購入したのではなく、友人などから供与されたときもキチンと記載します。
「was kindly provided by Dr. ・・・, Hokkaido University, Japan」
のように名前と共に所属も書きます。これは論文の最後の謝辞(Acknowledgement)にも記載したほうがよいと思います。また、その試薬の合成方法などが論文に発表されているときは、その方法について発表された論文を引用しておきます。読者が研究の再現性を調べるために必要だからです。
2) 生物試料の場合
 cDNA(または遺伝子など)のクローニングをした論文では、雑誌によっては「読者の要望があった場合には、得られたcDNAを無償で提供せねばならない」とinstruction to authersに明記されていることがあります。研究によっては「競争を避けるためにも、しばらくは頒布は避けたい」こともあるでしょう。要注意です。
 用いた実験動物について記載するときは、動物の種、系統、性、週齢(または体重)、購入先(研究室の出入りの小売業者ではなく、繁殖会社名)を書き、どのような環境で飼育したか(飼料や飼育温度や照明の時間)、さらに、購入後、どれくらい(たとえば1週間)予備飼育してから研究に供したかも書きます。
3) 臨床研究の場合
 ヒトに薬を投与したような研究やヒトの臓器や血液を使った研究の場合は、もう少し複雑です。ヒトに薬を投与する実験は、医師以外にはできませんから、共同研究者に医師が入っていなければなりません。また、この研究を開始する前に、あらかじめ病院や研究施設の倫理委員会(または生命倫理委員会)の承認を得る必要があります。さらに、個人の遺伝子解析をするにも、研究施設に設置されている(生命)倫理委員会の承認を得ていなければなりません。倫理委員会の承認を得るために、研究を実施するためにも、あらかじめボランティアの了承(インフォームドコンセプト)を書面でもらうことが前提です。共同研究の場合は、両方の研究施設の倫理委員会の承認が必要です。論文には、「倫理委員会の承認を得た」という、たとえば、This study was approved by the ethics committee of Hokkaido University. のように書きます。あるいは、各研究施設の倫理委員会で書き方が決められている可能性もありますから、確認しておいたほうがよいでしょう。
□ 実験方法
(※ 下記は投稿する学術誌の内容を参考にしてください。下記に従うかは私は分かりません)
 次に実験方法を書きますが、基本的に、すでに論文に報告されている場合には、できるだけ誌面を節約する書き方を心がけます。すなわち、論文を引用することによって、詳細な実験方法を省略するのです。前に報告されている方法とまったく同じ条件で実験した場合は、たとえば、単に、
Cyp content was determined according to the method reported by Omura and Sato (文献番号).
のように書きます。その論文に書かれた方法に少しだけ改変を加えた場合には、上記の文章に、「except that ・・・」と書き、改変したところだけを書き加えます。つまり、
except that glycerol was added at a concentration of 20%.
のようにように書けばいのです。あるいは、改変したところだけを、「Briefly, ....」の下に書き加えます。このような書き方は論文に頻繁に登場しますから、真似ることができます。
 機器分析の場合、たとえば、HPLC(high performance liquid chromatography)には、カラムなどを取り付けますが、これは、equipped with のように書き入れて、取り付けたものを書きます。機器やカラムなどは、機器名(型式、製造会社名)を書きます。このような書き方は定型的な文例をカードやメモ帳に、「文例集」としておけば、いつでも活用できます。あまりにも例が多すぎますから、ここでは詳細は紹介しません。
 実験方法に表を書き入れるのは違反ではありません。たとえば、プローブとして使った何種類ものプライマーの塩基配列や、動物の群分けなどがあります。これらは一覧表にしておいたほうがわかりやすいからです。しかし、実験方法の項目に結果を述べるのは、違反となります。あくまでも、ここには実験方法だけを記載します。もし、実験方法と実験結果が重なるときは、実験結果だけを別にResultsの項に述べます。

□ 実験結果の書き方[X10]
◇ 基本的にポジティブなデータだけを書く
 論文ではポジティブなデータを示すのが大原則です。言い換えると、立てた仮説が「証明できなかった」という論文は受理されないことになっています。しかし、ネガティブなデータを示すことが許されることもあります。その例とは、これまで有名な研究者がある現象を発見して、それが公認されているものの、実は間違いだったという場合です。しかし、実際には、公知の事実をひっくり返すのは容易なことではありません。さまざまな角度から検討して、完璧なデータを提示しなければなりません。
◇ 実験結果を書くには過去形で書くのが一般的
 英文法では、「普遍的な事実は現在形で書く」とありますが、普通は実験結果に普遍的な事実を書くことはほとんどありません。ですから、実験結果は過去形で書くのが原則だと覚えておいたほうがよいでしょう。
◇ 実験結果と論文のストーリーの構成
 実験結果(Results)と考察(Discussion)を別々に書く場合と、両方とも一緒に、結果と考察(Results and Discussion)として書く場合があります。実験結果と考察をまとめて書くのは、Full paperでも比較的短い論文、あるいは結果が単純明快で、議論すべき事項がほとんどない場合に限られているように思います。(省略)実験結果と考察を別々に書く場合、実験結果の項目にはあくまでも実験結果だけを書きます。ここには、実験方法や考察を書いてはならないのです。ですから、実験結果の項目に引用文献が記載されることは、ほとんどありません。
 あらかじめ練り上げた、わかりやすいストーリーに沿って、項目を分けて記載します。そのストーリーの最初には、仮説の背景となるデータ、つまり、過去のデータの再現性をみる実験を記載することもあります。再現性を確認してから、次のステップに進むことになるからです。ただし、あまりしつこく再現性を確かめる実験が示されていると、審査員から、「進歩がみられない」と判定されますから、肝心な実験だけに止めるべきです。次のステップから仮説を証明する実験データを示すことになりますが、これには、さまざまな戦略があります。たとえば、1) 背景データを示したあとに、「じわりじわり」と核心的なデータに近づくデータを示す書き方です。当然、最後に示したデータが、最も核心的なデータということになります。ほかには、2) 背景のデータを示したあとに、仮説を証明する鍵となる実験データを早めに示し、ついで、その実験データの「真実性」をサポートする別の実験データを示す方法です。
 私たちの論文では、上記の2番目のような書き方、すなわち、核心的なデータを示してから、それをサポートするデータを示したことが多かったように思います。そうすれば、「仮説が間違いない」という印象を与えることができるからです。要は、読者が「読んで理解しやすいこと」が一番ですし、「なるほど、間違いなさそうだ」と思ってくれれば、それで大成功といえるでしょう。しかも、「なるほど、間違いなさそうだ」というイメージは、論文の審査員ももつはずですから、論文が受理される可能性も高くなると思われます。
◇ 表とグラフで表示するときの注意点(実験結果のとき)
 実験結果をどのような形で表現するか、つまり、表にするかグラフにするかも重要です。表は数字で示すわけですから、厳密なデータを示すことができます。表を作る上で犯しやすい間違い。それは、論文の本筋から離れたゴミのような数字までも記載してしまうことです。表には一つ一つの数字について、本文中に説明されていなくてはならないと思って欲しいと思います。
 また、±で標準偏差または標準誤差を示すことが多いのですが、±以下の数字が標準偏差なのか標準誤差なのかも示してあるべきです。もちろん、データの例数(たとえば、動物数)も示してあるべきです。例数を提示することによって、データの信頼性を主張するのです。
 さらに、ここで問題なのは、「有効数字」です。たとえば、マウスの体重が12±1.125g(標準偏差)と書いてあったら皆さんはどうおもいますか。体重の平均は12gで分かるのですが、標準偏差を mg までの桁まで書いてあるのです。マウスの体重を電子天秤で測定したはずもありませんから、1.125 gは「常識外」と思われるでしょう。このようなおかしな記述を発見されると、「論文の質」までも疑われてしまいます。さらに、これはグラフで示す場合にもいえるのですが、群間に大きな差がみられた場合、「markedly(著しく)」とか「significantly(はっきりと)」とか書かれていることがありますが、これも適切ではありません。大きな差があったかどうかは、統計的に有意な差があったかどうか、あるいは、何倍の変化があったかを客観的に述べるだけで十分なのです。大きな差だったかどうかは読者が判断すべきことです。ですから、「markedly」などという主観的な表現は避けたほうがよいのです。さらに、「significantly」は、統計学的に有意差検定を行い、有意な差が認められたときだけに使える単語です。科学論文で使われている「significantly」は、「有意な」という意味です。
 グラフは一見見てもわかりやすい利点がある代わりに厳密性に欠ける弱点があります。グラフも棒グラフにするか折れ線グラフにするかも、「わかりやすさ」を基準に考えたらよいと思います。棒グラフは群間に差があるかどうかを比較するのに便利です。群間の差に注目しているのですから、群間に有意差があるかどうか、有意差検定が行われているのが普通です。したがって、有意差検定の方法も示されていなくてはなりません。折れ線グラフは、経時的な変化や、濃度に伴った変化などを示すのに有用です。群間の比較もできます。しかし、折れ線グラフでも、群の数が多すぎるとわかりにくくなりますから、できるだけ意味のある群だけを示すのがよいのです。繰り返しますが、「読者にわかりやすい」ことが論文を書くときの基本です。
◇ 図の数が多い場合
 実験方法はほとんど同じで、さまざまな薬や試薬を用いて、その影響を比較することもあります。その結果、図の数が多くなって、読者にはわかりにくくなることがあります。このような場合は、図1をさらに分けて示すのが普通です。つまり、図1-a, 図1-bというようにするのです。そうすれば、読者には、「図1-aから図1-xは同じような実験なんだな」とすぐに分かります。
◇ Resutlsにも独自の役割がある。それは、研究から得られた新しい結果を伝えることである。だからResultsでは、実験方法について書き足したりしない。結果の意味することも書かない。これは、Discussionで書くことである。ただし、どの実験でどんな結果がえられたのか、それはなぜなのかがわかるようにしたり、話をスムーズにつなげて、Results全体を理解しやすくするために、考察的な記述を少し入れたほうがよい場合もある。その場合も、必要以上に詳しく書かないことが大切である。[Y1]

□ 考察の書き方[X11] 
◇ 考察(Discussion )は単数形で書く
 この他の単数形で書く単語として次のものがある。character, behavior, notation, knowledge, information, support, agreement, emission, scattering, advice, encouragement
◇ 考察は論文の質を決める
 論文の価値は、その論文の考察が充実しているかにかかっているといわれています。ですから、あらかじめ十分に内容を吟味してから書くのがよいと思います。
 論文の考察を書く目的は、自分の実験結果と過去に論文として発表されているデータから何が想像できるか、どんな展開が待っているかなど空想を膨らませて書くことです。ですから、当然ながら、過去の論文を引用しながら考察することになります。
 研究は「空想を証明するために行う」のですから、論文の考察は研究そのものといえるのかもしれません。
◇ 空想の根拠を示す
 「当然想像できる」と思っても、「根拠のないことを述べてはならない」というのが論文を書くときの基本的な決まりですから、必ず根拠を示さなくてはなりません。
◇ Discussionでは、Introductionで研究する必要があると紹介した研究目的が、自分の行った研究により新たにどの程度まで進展したかを示す。
 1) 得られた結果から、研究目的についてどんな結論が引き出せるか
 2) 文献などですでに発表されている結果と照らし合わせると、研究目的についてはどんな結論が引き出せるか
 3) 確立されている理論や原理と照らし合わせると、研究目的についてどんな結論が引き出せるか
◇ 考察に書く英語は、「現在形」が多い
 この点は実験結果と違うところといえます。その理由は、「これらのデータが、今、次の事柄を示唆している」からなのです。
◇ 初心者が犯しやすい間違い
 論文の考察を書くときに、初心者が陥りやすい間違いがあります。それは、「考察」に、まず「実験結果」を書き、その後に「本当の考察」を書くのです。これは無理もないことです。なぜならば、自分の実験結果を簡単に説明しなければ、考察のきっかけがつかめないからです。問題は、多くの初心者は自分の研究結果をながながと書くことです。言い換えると、実験結果の項目に書いた文書とそっくり同じことを繰り返して、大げさに言えばコピーペーストして書いてあるケースが多いのです。このようなときには、論文の審査員や編集者から、「誌面を節約するために、考察を大幅に削除して下さい」と要求されることになります。しかし、実際問題として、実験結果にまったく触れないで、考察を書くのが難しい場面が多いです。でも繰り返しになりますが、基本的に、実験結果はすでに実験結果の項目に書いてあるのですから、考察にも実験結果を書くのは、重複して記載していることになってしまいます。どこかで折り合いをつけねばなりません。適切な書き方としては、実験結果は最小限にして、考察を書き加えていくことになるのでしょう。
 論文の考察とは何かを考えてみましょう。論文の考察は、一つ一つのデータについてコメントあるいは議論するのが目的ではありません。もちろん、詳細なデータの解析が必要な場合もあるでしょうが、それだけに終始した内容は論文の考察として相応しくありません。論文の考察は、これまでに得られている知見から、「芋づる」式に想像・空想をふくらませ、その行く末の向こうに何が存在するかを予測することです。推理小説を書くのに似ているともいえます。芋づるの最初には、なるほど、実験結果の繰り返しを少しだけ書き加える必要があるかもしれませんが、その先、その先にまで実験結果を記載することはあり得ないことなのです。

□ サマリー[X8]
 まず、何を「目的」に研究したかを書きます。そして、最後には、最初に書いた「目的」に対しての答えをかきます。ここでは、There results indicate that とか、Based on these lines of evidence, we conclude thatのような書き方が一般的です。なおついでに、皆さんも教わったことがあるでしょうが、「a cup of tea」や「a glass of beer」と同じように、「evience」という単語は複数形では使いません。「a line of evidence」とか「lines of evidence」というように書きます。その理由は、水や紙のように境目がないもの(不可算名詞)だからです。ただ、evidenceの場合は慣用的に不可算名詞として使われている面もあるようです。
 最初の数行に書いた「目的」と最後の「結論」の間には、結論を導くためにどのようなアプローチをして、どのような結果が得られたかを書きます。

□ 引用文献(References)の書き方 [X12]
 同じような研究分野ですでに部分的にも研究され論文として発表されていることもあるかもしれません。ですから、論文を投稿する前に、念のために再度先発データがないかどうか検索して確認しておきます。万が一にでも、すでに先行データが発表されており、その研究を行った研究者が論文の審査員になったらどうなるでしょうか。審査員の逆鱗に触れて、即座に「却下」されてしまうかもしれません。
 引用文献は、本文中に、記号または著者名を書き、それをまとめて「引用文献」に書きます。本文中には、たとえば、1), (1)などと番号をつけ、その論文を引用文献として最後に記載します。私の経験では、番号をつけて引用することが最も多かったですが、番号ではなく、本文中に、 Kamataki et al. とか、(Kamataki et al)とか、(Kamataki and Tanaka)のように記載することもあります。書き方は学術誌によって異なりますから、 Instruction to authors に書かれている例に厳密に従って記載します。(省略)引用文献の記載方法は、Instrcution to authors に厳密に従うと書きましたが、コンマ、コロン、名前の記載法(名字も名前も全部書くか、名前はイニシャルだけか)、スペースを入れるかなど結構チェック項目が多いです。神経を使う作業です。インパクトファクターの高い学術雑誌ほどキチンと記載されている傾向があるように思います。このような神経を使う作業こそ、共同研究者が協力して誤りを見つけてやるべきだと思います。
 さらに、これも学生がよくやる間違いなのですが、引用文献は記載されているものの、間違った論文が引用されていることがありあす。なぜ、このような間違いが発生するのか考えてみたことがあります。そうしたら、わかったのです。一通り論文を書き上げたあとになってから、重要な論文を引用するのを忘れていたことに気がついたり、あるいは引用に値する論文ではなかったことに気がついて、文献を追加したり、削除したりして、引用する順番が狂ったときに、このような過ちが起こりやすいことがわかりました。そもそも、引用する文献の内容は頭に入っているはずですから、本文を読みながら、文献を思い出し、引用文献のところを見て、記載が正しいかどうかチェックし直したほうがよいでしょう。
(ここの管理者の経験では、引用する文献の著者の頭文字{共著者が多い場合は3つまで}と発表年の下二桁{混乱する場合は4桁}を記載します。例えば、「J. P. Predew and A. Zunger, Phys. Rev. B 23 (1981) 5048.」の論文ならば[PZ81]として文章中に参考文献として記述ます。「M. Meinert, Phys. Rev. B 87 (2013) 045103.」なら[Mei13]や[Mei2013]といった感じです。原稿が問題なければ、元の文献をチェックしながら、[]内を番号に変えるのです{ワードなどでの変換機能で行えば直ぐに変更できます}。外国の博士論文などで、著者の頭文字と発表年の下二桁の例を見て、私も同じようにしました。この方法はかなり便利です。番号では何がなんだか分かりませんが、この方式だと引用文献が頭にすぐ浮かぶからです。また、追加も削除も簡単です)

■ その他の重要な点
□ 大学などにおける執筆の基本トレーニング方法や執筆中のサポートの状況にも改善点があるように思えます。アカデミックライティングの授業そのものが全国でもっと大学で増えると、投稿論文執筆の基礎だけではなく、卒業論文・修士論文・博士論文のレベルが上がり、社会にでてからも道筋を立てて文章を書けるようになるでしょう。さらに、授業や教官からの指導以外でも論文執筆のサポートが受けられる場が増えると、論文の原稿はもちろん、海外の共同研究者とのやりとりのメールや研究室ホームページの英語文などでも、学生さんや若手の研究者の方が英語力を向上できる機会が増えるのではないでしょうか[1]
□ 「英語は母国語ではないので、できないのが当たり前、ニガテなのが当たり前」なのです。英語のネイティブは、こちらがネイティブレベルで書いたり話したりすることをはじめから期待していません。[1]
□ 英語がニガテでネイティブでないからこそ、文章は丁寧に書き直し、会話ではゆっくり伝えることでエレガントな英語になっていくはずです。[1]
□ 分からなければ、遠慮せずにもう一度尋ねる。予算金額や論文数の統計データのような数字は大事なのでしっかりと確認し、メールでも間違えないように最新の注意を払う。書類はスペルや文法のミスがないか、日本語で書いたとき以上になんども繰り返して見直す。そう、「ネイティブチェック」を自分でしているつもりになってみるのです。[1]

□ 自分のアカデミックルーツだと思える先行研究の論文は、すべてダウンロードデータやコピーして整理し、すぐに取り出せるように管理しておきましょう。プリントアウトしてファイルしてもよし、iBookのような論文のPDFを保管できるサイトを利用しても良いでしょう。(省略)先行研究の論文をコツコツ整理しておけば、論文を執筆する際に作業が楽になります。[2]
□ 実験結果をまとめて、論文執筆を始める時期になたとき、アカデミックルーツから羽ばたくつもりにならなければなりません。そこへ問いを投げかけ、「自分ならばこう実験する、こう捉える」とじっくり考えて研究の独自性を芽生えさせるのです[2](大抵の場合は自由に実験できる権限と環境が得られた場合でしょう{助教など}。博士研究員の場合はプロジェクトで採用されることが多いので上のレールに従ってもがき苦しむしかない。努力しても研究成果が出なかったときは一体誰の責任か? 経験的に言って、半分は貴殿の責任ではないでしょう)。

□ 空想の根拠を示す[X11]
 米国の研究者と研究のことで議論したときに、私が「当然こうなるはずだ」と思ったことを話しましたら、「君、それはどこに発表されているの?」と質問され、私が、「だって、こんなことは当然でしょう」と言いましたら、「そんな根拠のないことは言うべきではない」とたしなめられました。「キチンとした根拠に基づいて話す」というのは、科学者だったら当然のことなのでしょう。論文を書くときには、もちろん、こうした科学性が要求されるのです。
 ついでに、少し余談になりますが、「当然、こうなるはずだ」と思われることでも、論文として発表されていなければ、「公知の事実」ではありません。ですから、「当然、こうなるはず」のことでも、論文として発表されていないことを実験して証明して、論文を投稿する事もあり得るのです。競争相手は、「しまった!」とほぞをかむことになります。

□ 「,」と「;」と「:」の使い分け [X7]
 学生が間違えやすい書き方の一つに、「,(コンマ)」, 「; (セミコロン)」 それに「: (コロン)」の順番があります。略号の記載には、たとえば、
 TCDD, 2, 3, 7, 8-tetrachlorodizenzo-p-dioxin ;
のように書きます。なぜか、学生はコンマとセミコロンの順番を逆に記載することが多いようです。コンマよりもセミコロンは大きな区切りを、セミコロンよりはコロンのほうがさらに大きな区切りを示しているのです。

□ 初歩的な英語の間違い[X6]
1) "And"でつなげるのは間違い
 論文の読者にしてみれば、英語は論理が明確で、用語も文法も正しく書かれ、読みやすいほうがよいに決まっています。
「多くの日本人の英語は、文頭にさえ、やたらと"And"を使って文章をつなげようとする。一度、"And"を取り除いて読み直してみたほうがよい。"And"がなくても十分に意味が通じることがあるのだから」
「主語の異なる二つの文章を、andでつなぐのを"dangling(ダングリング、ぶら下がりの意)"という。日本人の書いた英語にはdanglingが実に多い。気をつけたほうがよい」
 以上をまとめると、文頭に"And"を書くのは論外。主語の異なる文章を", and"でつなげて書くのも「間違い」だということになります。これはしばしば日本人の書いた論文に見られることだそうですから、この間違いをしないように気をつけたほうがよいでしょう。
2) 適切な接続詞を使うには
 接続詞は日本人には難しい表現の一つといえるかもしれません。あるいは、日本語では接続詞を多用しているのかもしれません。多用しているために、接続詞を「使わなくてはならない」と思い込んでいるのかもしれません。しかし、適切な接続詞を使わなければ、言いたいことが明瞭に伝わりません。以下のURL(http://homepage1.nifty.com/Mercury/ohoyamak/Because.html )をご覧下さい。このURLは「英語 接続詞」をキーワードに検索したらすぐに出てきました。URLのタイトルは、「科学論文に役立つ英語: 接続詞で論理を組み立てる」でした。このURLに記載されている接続詞のいくつかを覚えたら、あるいは、外国人にも違和感なく読める英語になるかもしれません。このURLにはさまざまな接続詞が書かれていますが、それを縦横無尽に使いこなすのは到底無理な話です。自分の英語の力に見合ったいくつかの単語をまず使ってみて、使い慣れてきたら、少しずつ単語を使い分けるようにしていったらよいのではないかと思います。
3) 理由を先に言うのは日本的(※ 旧帝で指摘されたときには、既に結論を示すことだと他の学生さんも当然のように理解していました。日本語での発表でも、質問に対して、結論を言って、なぜなら、とか、それはXXであるためですと返答することと指導されています。ここにこう書いてあるからと、私のこの経験を叩き台にして、先輩や指導教官などに相談してみてください)
 日本語と英語の決定的に違うところ、それは、言いたいこととそれを修飾する(説明する)字句の順序です。わかりにくいでしょうから、例を挙げて説明しましょう。日本語では、たとえば、「今日は雨だから遊びに行くのは止めた」というような言い方をします。ところが、ご存知のように英語では、「今日は遊びに行くのは止めた。なぜなら、今日は雨だから」なのです。日本語では、理由を先に述べて、その後に結論を言います(※これは先輩や指導教官とともにチェックしてください)。日本的な丁寧な言い方といえるでしょう。ですが、英語では、結論を先に言うのです。結論を先に言ったほうが、相手に素早く言いたいことが伝わるに決まっていますし、その「理由」は、いわば、どうでもよいことですから言わなくてよいのかもしれません。ですが、誤解のないようにあとで説明を加えるのです。Becauseを先にかいているのも、「日本的」といえるでしょう。
 ついでにいうと、becauseはやや口語的ですから、sinceなどの言葉が使われることが多いようです。よく見かけるのは、書いているのは論文なのに、中途半端なしゃべり言葉、つまり話し言葉で書かれているものもあります。たとえば、「Therefore,」と書くべきところを、「So,」などと書いてあるのです。英会話がある程度しゃべれるようになった若い人は話し言葉をそのまま論文に書いてしまう傾向があるようです。

■ 論文が却下されたら[X13]
□ 論文が返送されたとき
 論文を投稿しても、その論文が受理されるとは限りません。むしろ、却下される確率のほうが高いのです。インパクトファクター3〜5くらいの学術誌では、おおむね4〜5報に1報しか受理されないと考えたほうがよいと思います。私が常任審査員をやっていた学術誌でも、「しっかりした内容の論文以外は却下して欲しい」との連絡があったほどです。出版社は、自社で出版している学術誌のインパクトファクターが高くなれば高くなるほど雑誌がコンスタントに売れますから真剣です。米国で開催された雑誌の編集会議に参加したことがありましたが、そこでは、「どうしたらインパクトファクターを上げられるか」が主要な議題になっていました。議論の結果、引用回数が多いのは総説であることが指摘され、新たに総説のコーナーを新設することが決まったほどです。
□ インパクトのない論文に対して、「誌面が限られており…・・・」のコメントを書くことが多かったと思います。「誌面が限られており・・・」と書いてあったら、「ねばって」交渉しても「駄目なものは駄目」だと思って諦めて欲しいと思います。
□ マイナーなコメントがついて返送されてきた場合
 論文を投稿すると、その論文が受理されるか却下されるか気がかりなものです。却下されたら別の学術誌に再投稿せねばなりません。しかも、今回投稿した学術誌よりもレベルの低い学術誌に投稿することになります。その学術誌のInstruction to authors を読み、再び、規定に厳密に従って書き直さねばなりません。
 さて、マイナーなコメントがついた典型的な一例をご紹介しましょう。エディターからの手紙の冒頭に、"I regret to inform you that your paper entitled "Effects of ・・・" is not acceptable for publication in its present form."と書いてあったら、あなただったら同解釈しますか。rgretとは「遺憾に思う」とか「残念に思う」という意味ですから、私はregretの単語を見たとたんに、「あ〜、駄目だったか」と反射的に思ったものです。ですが、そのあとに、"in its present form"と書いてあり、実際にはほんのマイナーなコメントだったことから、「よい論文だが、残念ながらこのままでは受理できない」という意味だとわかったのです。(省略)学生に、「駄目じゃなかったよ、再議に"in its present form"って書いてあるよ」と教えてやりました。
 さて、マイナーなコメントがついて返却された場合、私はエディターやレフェリーからのコメントを最大限ほめて返事を書くことにしていました。マイナーなコメントばかりでしたら、まずは論文がいち早く受理されることを最優先することにしたのです。したがって、エディターへの返事には、「レフェリーのコメントは極めて適切であり、ご指摘に感謝する。レフェリーのご指摘に全面的に従って修正しましたので、よろしくお願いいたします」のように書きました。エディターがこの手紙を見たら、「全面的に従った」と書いてあるのですから、改めて詳細にチェックせずに受理する可能性が高いと思ったからです。事実、私が受理・却下の判断をする立場だったときも、「全面的に・・・」と書いてあった場合には詳細に吟味しませんでした。時間の節約のためです。
 マイナーなコメントでも、一つか二つ、審査員が誤解をして的外れのコメントがついていることもありますが、このコメントに対してはレフェリーの顔を立てて丁寧に謝意を表しながらも、間違っていることを証拠を挙げて反論しました。文章を修正しないで済むのなら、反論せずに謝意だけを表すことにしました。いずれにせよ、エディターとレフェリーが気を悪くしないように気をつければ、素早く受理される可能性が高いことを念頭に置いておきましょう。なお、マイナーがコメントがついて返却されたら、著者一同で相談して、修正し、翌日には再投稿するようにしました。
※ レフェリーから変な返事が返ってきた例として、投稿論文の内容と関係の無い論文を引用文献として入れてくれというものがあった。このコメントには流石に驚いたが、レフェリーが大きな誤解をしたか、性悪説解釈をすればレフェリーの論文の引用数を上げたいためかといったことが考えられた。あまりにも投稿論文の内容からかけ離れているため、引用文献に関しては丁寧に返答して従わなかった。
□ メジャーな大きなコメントがついた場合
 この場合、データの追加が要求されると困りものです。すぐにも取りかかれるデータの追加ならば、やればよいのですが、たとえば、ヒトを使った臨床データの追加はすぐにできるものではありません。諦めるか、何とか反論して論文を受理してもらうかは微妙なところです。投稿する学術誌の「格」にもよるでしょうし、内容的にデータの追加がなくても納得してもらえる可能性があるのでしたら頑張ります。ですが、却下の可能性が高いのですから、別の学術誌に投稿する可能性も考えておかねばなりません。この場合の表現は多少難しいと思います。私の場合、徹底的に、論理的にレフェリーをやっつけるか、レフェリーを褒めそやすか、どちらかにして返答を書きました。エディターは論文の内容を詳しく知っているとは限りません。ですから、論理的に反論を書いてあると、納得してくれることがあります。

■ レフェリー[14]
 普通ではあり得ないのですが、一度だけ、国際誌に投稿した論文のレフェリーが、非常に有益なコメントをくれたことがありました。その論文のレフェリーが私の友人であったかどうかはわかりません。ですが、そのコメントには、「本論文の実験結果を考えると、このような角度から整理し直せるのではないか。是非にもやってみて欲しい」と書いてありました。そのコメントを見たときに、私は仰天しました。非常に鋭い指摘だったからです。すぐに、その指摘を受けてデータを整理し直して再投稿しましたら、折り返し「受理」の連絡が来ました。そのレフェリーのお陰で、われわれの論文のインパクトは飛躍的に上がったと思います。こんな例もあるというご紹介でした。レフェリーは、国際誌であっても、著者の意を汲んで建設的な意見を言ってもよいのです。

■ カバーレター[2]
 ジャーナルのエディターが査読審査で最初に読む表紙の文章。(省略)投稿先と内容の合致を明記して、コンパクトに1枚に収めることが大事。
 論文投稿が受け付けられたら、エディターは最初にカバーレターを読んで、査読を進めるべき内容か否かを判断します。カバーレターに記載される内容はだいたい決まっています。「私たちは論文を送付します」と書き出して、@論文の種類(Original Article, Review Article, Commentaryなど)、タイトルなどの基礎情報、A論文の中身の新規性と重要性、B必要であれば希望する査読者の指定、C受理されるのを望む結びの文、D連絡先情報、と続きます。(省略)
 カバーレターは、その名のとおり表紙となる文章なので、必ず1ページに収めること。意外にできていないカバーレターが多く見られるため、最重要ポイントといえます。エディターは日々多数の投稿を受け、たくさんのカバーレターを読まされています。なので、前述のAの部分は3〜5行程度の長さまでを目安にします。そして、査読に回るかどうかは、投稿先のジャーナルが扱う研究領域と論文の内容が合致しているかも大事です。投稿規定を再確認しながらそれを明記しましょう。
(省略)送られてきた原稿の最初の5ページを読めば、だいたい書き手の力量が分かるそうです。同時に、カバーレター1枚から、その投稿論文全体の英文のおよその雰囲気は伝わってしまいますので注意が必要です。
(省略)以前に受けた執筆の授業で、先生が「(省略)いろんな体裁の文章は、10本書くことを経験すれば最低限は書き方をマスターできる」とおっしゃっていました。

■ 英作文の改定ポイント[XX2]
1. 不要な繰り返しをしている単語は省き、長々とまわりくどい表現は短く言い換えます。
 長い文章はできるだけコンパクトにします。
 単語一語で置き換えられそうであれば、置き換えます。そうすることで、伝えたい科学的な内容がシンプルに伝わりやすくなります。
2. 受身形やthere isの表現が多すぎる場合には、能動態にします。
3. 文章展開に一貫性や統一感を持たせるために、論理の飛躍は避けること。科学的な議論や説明をするときに、明示していくアイディアや情報につながりをつけて、筋道の立った議論にすることを心がける。
4. 先行研究を調べ、自分の考えを明確にし、説得力を持たせるような裏づけとなる論点を明記する。
5. 科学用語や不明な単語、不明な文章は辞書で確認する。
リバイズ後のレフェリーなどへのテンプレート
・ In response to 〜 : 〜のコメントへの返答を述べるとすれば
・ In regards to  〜 : 〜のコメントについてですが、
・ As you pointed out  〜 : 〜と指摘されているように
・ As suggested 〜 : 〜と提案されているように
・ We agree that  〜 : 〜との見解には賛成です
・ We would need to re-state 〜 : 〜について、あらためて明言する必要があります。
・ We added more explanation of  〜 : 〜について詳しい記述を追加しました。
・ We revised a part of 〜 : 原稿の〜の部分を追加しました。
・ We made some changes of 〜 : 原稿の〜の部分を変更しました。
・ We added more data of 〜 : 〜のデータを原稿に加えました。
・ We have clarify 〜 : 私たちは〜について明確にする必要があります。
・ To avoide a misunderstanding about the point, we would like to explain it in details.(誤解を防ぐために、細部にわたって説明いたします)
 かなり心が折れますが、諦めいないことが肝心です。査読審査のコメントには一喜一憂せず、一つひとつ誠実に、かつ、科学的に丁寧な返答をすれば、正当に評価されることでしょう。

参考文献
[1] 館野佐保、化学、Vol. 69  No. 1 (2014) 51-53.
[2] 館野佐保、化学、Vol. 69 No. 2 (2014) 22-24.
[3] 館野佐保、化学、Vol. 69 No. 5 (2014) 19-21.
[X1] 鎌滝哲也、現代化学 490 (2012) 54-56.
[X2] 鎌滝哲也、現代化学 491 (2012) 62-63.
[X3] 鎌滝哲也、現代化学 492 (2012) 66-67.
[X4] 鎌滝哲也、現代化学 493 (2012) 60-61.
[X5] 鎌滝哲也、現代化学 494 (2012) 62-63.
[X6] 鎌滝哲也、現代化学 495 (2012) 60-62.
 http://homepage1.nifty.com/Mercury/ohoyamak/Because.html このURLにはさまざまな接続詞のいくつかを覚えたら、あるいは、外国人にも違和感なく読める英語になるかもしれません。論文では、英語は基本的に正しい英語で書くべきです。論理的で、誤解を招かないような書き方で(これは何度も見直さないと分からない)、「研究の目的」に対する「答え」が明確なのがよいのです。繰り返しますが、「目的」に対する「答え」が明確に書かれていないと、読者ばかりでなく、論文の審査員(refereeとかreviewerとよびます)も困ってしまいます。私たちは日本人なのですから、拡張の高い英語を書こうと見栄を張る必要などありません。欧米の人々にとっても、「価値のある研究」は「価値のある研究」なのです。ですから、論文はわかりやすく、明瞭な、誤解を招かない表現を心がけるべきだと思います。ただ、Nature誌やScience誌などは、「教養レベルの高いインテリの読む一般紙」という見方もあるようですから、いわゆる専門誌の論文よりは多少格調の高い表現も求められるという人もいます。私の友人がNatureに投稿したときは、そのことを意識して米国の友人に添削をお願いしたそうです。彼の論文は、Natureに受理されたそうです。
[X7] 鎌滝哲也、現代化学 496 (2012) 62-64.
[X8] 鎌滝哲也、現代化学 497 (2012) 63-65.
[X9] 鎌滝哲也、現代化学 498 (2012) 66-67.
[X10] 鎌滝哲也、現代化学 499 (2012) 66-67.
[X11] 鎌滝哲也、現代化学 500 (2012) 64-65.
[X12] 鎌滝哲也、現代化学 501 (2012) 61-63.
[X13] 鎌滝哲也、現代化学 502 (2012) 60-61.
[X14] 鎌滝哲也、現代化学 503 (2013) 63-65 .
[Y1] R. Lewis, N. Whitby and W. Whitby, "科学者・技術者のための英語論文の書き方", 東京化学同人
[XX1] 館野佐保、化学、Vol. 69 No. 3 (2014) 34-37.
[XXX1] 篠田義明、『ICT時代の英語コミュニケーション:基本ルール』、南雲堂
[XX2] 館野佐保、化学、Vol. 69 No. 7 (2014) 18-21.
[XX3] 館野佐保、化学、Vol. 69 No. 10 (2014) 19-22.

http://zisyoukennkyuusya.seesaa.net/article/406930890.html で下記のリンクをまとめてくださっています。
http://homepage1.nifty.com/Mercury/ohoyamak/index.html
http://www.geocities.jp/kusumotokeiji/eigo7.htm
http://www.shiga-med.ac.jp/~koyama/eng/eng-index.html
http://rain.hyarc.nagoya-u.ac.jp/~tsuboki/ronbun/paper_eng.html
http://ymatsuo.com/japanese/ronbun_eng.html
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■ Tex
http://fujioizumi.verse.jp/download/TeXShop_Japanese.pdf
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■ 英文執筆に参考になる書籍
[1] 赤羽ら、論文で使ってみたい英語表現、現代化学、2011年4月から2013年9月まで: 文法の復習などにも使える。特に、学部や院生の最初にうちにこれを読んで英語論文を読み進めていくと実力がつきやすい。
[2] 鈴木英次、『科学英語のセンスを磨く』、化学同人: どの場合にどのような単語や熟語が使われているかが解説されている。 
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■ 英文執筆でのポイント
冠詞
a. 一回目に登場する単数での名詞には不定冠詞(a, an)をつける
b. 読み手と書き手の双方が理解している場合には定冠詞(the)をつける
c. 一般的概念である場合の数えられない名詞や複数形の名詞は無冠詞
  (一般的な手段・方法を表す抽象名詞の場合、無冠詞で用いる)
d. 上記以外の数えられない名詞または複数形の名詞は無冠詞
e. 主格関係のof については the をつけるのがよい
f. kind, sort, type などの名詞を単数形で用いる場合、ofの後の名詞は無冠詞単数形
  (ただし、kind の方に重点のある表現の場合、ofの後の名詞は冠詞を伴うことがある)
g. kind, type などが複数形になるとofの後の数えられない名詞または複数形の名詞は無冠詞(まれに、単数形の名詞が無冠詞となることもある)
h. behavior は数えられない名詞とされる(a behavior やbehaviorsは誤用)。2つ以上の挙動を比較する場合は数えられる名詞として扱う
i. knowledge は、ある知識を別の知識と区別する場合、知識にはっきりとしたまとまりを与える場合には、数えられる名詞として用いる
j. caseを事情、事実の意味で用いる場合、the case とする

名詞の種類分け
a. 数えられる名詞:自然界の動植物や工業製品
b. 数えられない名詞:固有名詞や科学技術分野でよく用いられるequipment, evidence, information, machineryなどがある。これらの名詞は原則として複数形をとらない
c. 上記の両方で使われる名詞:動詞や形容詞から派生した抽象名詞が該当する。
  数えられる名詞で用いる場合は、対象を具体的、個別的にとらえていることが多い
  数えられない名詞で用いる場合は、対象を抽象的に、一纏めとして捉えていることが多い
  (たとえば、at high temperatureは漠然と高温としているが、at high temperaturesは個々の温度をイメージしている)

多くみられる冠詞における誤りの例
a. A incrases with increasing 〜 という場合にtheをつけるのは誤り
  この場合の increasing は動名詞ではなく、現在分詞である。したがってthe はつけない
b. 一般的な手段・方法を表す抽象名詞の場合、無冠詞で用いる
  the Boltzmann's constant のような場合、the は誤り
  by the X-ray diffraction, by the chemical analysis のような場合のthe も誤り

形容詞の順番(主観的なものが前、客観的なものが後)
 冠詞・指示代名詞・所有格 + 順序・数量 + 評価・主観  + 大小・寸法 + 年齢新旧 +  色・性質 + 産地・出所・起源 + 材料・出所 + 使用法 + 名詞

動詞(使い分けは下記の参考文献を参照すると早い)
  原田豊太郎 著、『例文詳解 技術英語の動詞活用入門』、日刊工業新聞社
  http://homepage1.nifty.com/Mercury/ohoyamak/Links.html

代表的な動詞の使い分け

a. 明らかにする

  誰の目にも分かるようにはっきりさせる:

     clarify, evidence, make clear (plain), elucidate, shed light on,   

  公表する:

     reveal, disclose, announce, uncover

b. 発表する

  印刷物による発表: publish

  学説などの発表: introduce

  発表する、公表する: announce, publish

c. 表す

  記号などがある意味を示す:

     represent, stand for, indicate, denote

  言葉で示す: express

d. 記す

  describe, note

e. 述べる

  言葉で表す: state, describe, set forth

  文章に書く: describe

f. 示す

    外から見えるように表す:

     exhibit, reveal, demonstrate, display, show

   (余談だが、show は Figure 1 shows などの利用が多い)

  指摘するの意味を持つ:

     indicate, point, point out

    その他:

   offer : ものがある状態、あるいはある性質を示す場合に用いられる

     illustrate : 例、図面、比較などを用いて示すの意味

     denote : 主に記号で示す場合に用いられる

     manifest : はっきり示すの意味があるがあまり使用されない

g. 描く

  ものの形を図や絵で表す: depict, delineate, trace, draw

  ものが動いた跡がある形を表す(放物線軌道を描くなど): draw, describe

h. 行う

  perform, do, make, conduct, run(試験・検査・実験)

i. 調べる

  調査する:

   examine, investigate, study, explore, probe, check, delve, scrutinize

  検査する: inspect, check, examine

  参照する: refer to, see, reference

j. 知る

  あることについての知識を有する: know

  認識する: recognize

  理解する: understand

k. 説明する

  explain, account for, interpret, illustrate, elucidate

l. 作る

  製作する・作製する: fabricate, prepare, make

  製造する: produce, manufacture

  組み立てる: fabricate, construct, build, assemble

  形成する(結合・対など): form

  打ち立てる(関係): establish

  記録を作る: set (establish, make) a record

m. 備える

  準備する: prepare, provide, make preparation(s), make provision

  設備・備品としておく: equip, furnish, instal(l), fit

  具備する: be equipped with, possess

n. 判明する

  はっきりする、明らかになる: become clear

  はっきりと判る: turn out, prove

o. 判る

  理解できる: see

  物事がはっきりと明らかになる: prove, turn out, be found, be known

p. 合う

  2つのものがぴったり合う(継ぎ手など): fit

  あてはまる、適合する: conform, match, fit

  2つのものが調和する(要求や条件に合う): match, meet

q. あげる

  増加させる: increase, raise

  具体的に示す(数値をあげる、例をあげる): take, give

  よい成果を収める(成績、成果をあげる): obtain, gain

r. 扱う

  物事とを処理する: deal with, treat, treat of, manage

  機械・装置、材料などを操作、使用する: operate, handle, manipulate

s. 一致する

  2つ以上のものの間に違いがないこと、あるいはぴったり合うこと(位相、方位が一致する): conform(ものの形、性質や特性が一致する), match(ものの形、性質や特性が一致する), coincide(ひったり一致する)

  2つ以上のものの間に矛盾がみられないこと(意見や実験結果が一致する): agree accord, concur, harmonize

t. 打ち消す

  消す(相殺): cancel, offset, balance, compensate, negate(無効にする)

  否定する: deny, contradict

u. 計算する

  calculate, compute(PCを用いた計算), count(数を数える), reckon(数を数える)

v. 結合する

  化学的な結合: bond, associate

  セメント系接着剤で結合: cement

  その他: join, attach, combine, link

w. ろうづけする: braze

x. 比例する: be proportional to

y. 封じ込める: confine, confine A to B

z. 天秤する: weigh

AA. 耐える

 外からの様々な力にもちこたえる: resist, withstand, endure, tolerate

  resistの形容詞 resistantは、heat - resistant(耐熱性の), wear - resistant(耐摩耗性の), chemical - resistant(耐薬品性の), flame - resistant(耐炎性の)など多くの複合形容詞を形成する。resistantに似た形容詞にproofがあり、airproof(耐気性の), waterproof(防水性の、耐水性の), soudproof(防音性の)など多くの複合形容詞を作る。


「BをAに与える」のさまざまな表現形式
1) give AB 型
    deal, grant, lend, offer, renderがある。このタイプはgive B to Aに変換できる。
2) provide A with B 型
    このタイプは多くの場合 provide B to Aに変換できる。
3) bestow B on (upon) A 型
    confer, inflictがある。いずれもbestow B to Aの形では使われない。
4) impart B to A 型
    issue ( issue A with Bもある)がある。
5) intend B for A 型
    provide は、provide A with B, provide B for (to) Aの3つの形がある。

前置詞
A. 使用頻度の高い前置詞:at, by ,for, from, in, of, on, to, with
 ◆ at
  a)  at は 地点をあらわす場合、ある程度の広がりを持っている
    狭い場所を意識している場合は、実際に広くても in ではなくatを用いることがある
  b) 物の表面や面や線; 〜に、〜上に
    at face, at surface, at bottom, at interface, at end, at periphery, at boundary, at base などで用いる。一方、lineやcurve はon を用いる
  c) ある時間、非常に短い時間(ただし、夜については at night)
    段階を点と意識すればat, 広がりを持ったものと意識すればinを用いる
    年齢にはatを用いる
  d) 濃度、pH, 波長、圧力、周波数、電圧、電流、百分率、速度、水準、価格
    ものごとが行われる時の条件や程度でも用いる
    level は at level または on levelで用いる
  e) 動詞との結びつき
    aim at A (Aをねらう), converge at A (Aに収れんする、on, to も用いる), peak at A (Aで頂点に達する), point at A (Aを指し示す、toも用いる), sell at A (Aで売られる、forも用いる)
    aim A at B (AでBをねらう、AをBに向ける), calculate A at B(AをBと計算する), direct A at B(AをBに向ける), estimate A at B(AをBと見積もる), price A at B(AにBの値をつける), put A at B(AをBと見積もる), quote A at B(AをBと見積もる), rate A at B(AをBに評価する), set A at B(AにBの値段をつける、AをBにセットする)
  f) 形容詞との結びつき
    adept at A(Aに熟練している), good at A(Aが上手である), poor at A(Aが下手である), proficient at (熟練している、in でもある)
  g) 名詞との結びつき
    attempt at(〜する試み、to doも用いる), at the age of(〜歳で), at an angle of(〜の角度で), at the base(底面に), at the beginning(開始時に), at the bottom(底に、onも用いる), at a boundary(境界線に、 onも用いる), at the center(中心に、 on, in 用いる), at the corner(かどに、on も用いる), at a distance of(〜の距離に), at an edge(端に, onも用いる), at an end(〜の端に), at the heart of(〜の中心に、inも用いる), at the instant(〜の時点で), at the interface(界面に), at〜intervals(〜の間隔で), at a level(〜の水準に、on も用いる), at the moment(〜の時点で), at the onset(〜の開始時に), at the periphery(周辺に、in, onも用いる), at a point(〜の点に), at a rate of(〜の速度で), at (the ) right (右手に), at a side(〜の側に、onも用いる), at one's side(〜のそばに), at a speed of(〜の速度で), at a stage of(〜の段階に、inも用いる), at a surface(表面に、onも用いる), at the time of(〜の時点で), at the tip(先端に), at the top of(頂上に、先端に、on (the) top of もあるが意味が異なる)
  h) イディオム
    atを伴うイディオムは非常に多い。at a glance(一目みて), at a time(一度に), at all(<否定文>少しも、<疑問文>一体), at (the) first(最初に), at first sight(一目で), at hand(手身近に), at intervals(時々、at 〜 intervalsと混同しないこと)、at large(<名詞に続け>一般の), at least(少なくとも), at most(多くても), at once(同時に;すぐに), at one time(同時に;一度に), at present(現在), at rest(静止して), at the cost of(〜を犠牲にして), at the earliest(早くとも), at the expense of(〜の費用で;〜を犠牲にして), at the mercy of(〜のなすがままに), at the request of(〜の依頼によって), at the same time(同時に), at times(時々)
doujini
  i) 誤用
    at range, at region は誤り。in range, in regionとする

  ◆ by
  a) by を用いるのは能動態の主語が動作主の場合であり、そうでない場合には、in, of, to ,withなどが使われる。
  b) 手段、原因
    method, process, technique はby, withのいずれも用いる
    by は多くの動名詞や動詞から派生した抽象名詞を導いて広義の手段を表現する
    by は手段に近い道具には用いてはならない。道具にはwithを用いる
  c) 時間の限界;〜までに
  d) 過剰や増加・減少量; 〜だけ
    increase, decrease, reduce, differと一緒に用いることが多い
    by a factor of x (xの因数だけ)を用いて、x倍または1/x倍として使われることもある
  e) 関連;〜に関しては
    科学技術分野では、by weight(重量については), by volume(体積については)くらいである。一般には、by trade(職業は), by religion(宗教は)のように用いる
  f) 寸法に関しての;〜の
    byは長方形や立方体の寸法を表現する場合に用いる
  g) 〜by〜;〜が連続して;〜ずつ
    little by little(少しずつ), bit by bit(少しずつ), day by day(日に日に), piece by piece(一つ一つ), side by side(並んで), ection by section(一断面ずつ), step by step(一歩一歩)。この他、byにはby degrees(次第に), by bits(少しずつ)の表現もある
  h) 動詞との結びつき
    動詞とbyとの結びつきは多くはない。abide by(〜に従う), divide A by B(AをBで割る), multiply A by B(AにBをかける), replace A by B(AをBと取り替える、withもtもいいる。withとbyの間に明確な使い分けはない)
  i) 名詞との結びつき
  j) イディオム
    イディオムは多くはなく、次のようなものがある。 by accident(偶然), by and large(概して), by chance(偶然), by far(<最上級を強めて>はるかに), by leaps and bounds(急速に), by means of(〜により), by nature(生まれつき), by no means(決して〜でない), by the same token(同様に;その上、さらに), by the side of(〜のそばに;〜と比較すると), by the way(<文頭に用いて>ところで), by virture of(〜のおかげで), by way of(〜を通って;〜の手段として)
  k) 誤用;()内の前置詞が正しい
    by (with) an optical microscope;(optical microscopy にするとbyになる)
    The crystallinity determined by (from) X-ray patterns;(結晶化度はX線パターンを基にしても求めているので、根拠を意味するfromを用いる)
    by (in) 10 ml increments. ;(「〜刻み」はin 〜increments を用いる)
    pores were sandwiched by (between) them.;(sandwichについてはbetweenを用いる)
    上記の誤用の他、右の例ではbyが必要となる;E (by) as much as 0.66 eV.

  ◆ for
  a) 目的;〜するために(の)
    method for, process for, methodology for, means forとして用いる
    method of increasing のように同格のof を用いることもできる
    forを用いた場合、方法の目的を記述しているのに対し、of の場合、方法それ自体を説明しているというニュアンスの差はあるが、意味に大差はない
  b) 関連;〜については、〜に関する、〜に対する
    for の他に with も用いられる(in the case of, as to, as for, concerninはforに換える)
    analysis A for B;(Aには分析する対象、Bには分析する具体的な項目がくる)
  c) 用途;〜用に(の)、〜を目的として
    このforはa)の目的に近く、場合によっては目的、用途のいずれの意味にもとれることがあるが、その場合、意味づけはあまり重要ではない
  d) 要求、希求;〜を求めて
  e) 交換;〜と交換で
    この意味のforはexchange, sell, buy, purchaseなどの動詞と用いられることが多い
  f) 理由、原因;〜の理由で、〜のために(の)
  g) 支持、賛成;〜に賛成して
  h) 代理、代替;〜の代わりに(の)
    substitute A for B;(substitute A by B, またはsubstitute A with Bは誤用)
  i) 比較;〜にしては、〜の割には
    このforはある条件、あるいは前提から一般に想定される帰結からはずれている場合に用いることが多い
  j) 期間;〜の間
    期間についてforを用いる場合、forは主として不特定の継続時間を表す
  k) 動詞との結びつき
    自動詞:account for(説明する;占める), allow for(考慮する), apply for(申請する), arrange for(準備をする), ask for(求める), call for(求める), compensate for(補う), hold for(成り立つ), hope for(望む), look for(探す), opt for(〜の方を選ぶ), pay for(代金を払う), prepare for(準備する), provide for(準備する), search for(探し求める), suffice for(十分である), watch for(待ち受ける) などがある。
    他動詞:analyze A for B, check A for B(BについてAを調べる), correct A for B(BについてAを訂正する), examine A for B(BについてAを調べる), evaluate A for B(BについてAを評価する), inspect A for B(BについてAを検査する), optimize A for B(BについてAを最適化する), test A for B(BについてAを試験する)がある。この他、adapt A for B(AをBに適合させる), ask A for B(AにBが欲しいと言う), blame A for B(Bの責任をAに負わせる), compensate A for B(BについてAに補償する), intend A for B(AをBに用いるように意図する), name A for B(Bに因んでAと名づける、name A after Bも用いる), mistake A for B(AとBを間違える), quality A for B(AにBの資格を与える), reserve A for B(BのためにAをしまっておく), search A for B(Bを求めてAを探す), specify A for B(AをB用に指定する)などがある。
  l) 形容詞との結びつき
    essential for(〜に重要な、toの方が一般的), ideal for(〜に理想的な), noted for(〜で有名な), ready for(〜の準備ができている), renowned for(〜で有名な), responsible for(〜に対して責任がある), suitable for(〜に適している、toも用いる), true for(〜についてあてはまる、of, withも用いる)などがある。
  m) 名詞との結びつき
    for comparison(比較のために), for convenience(便利なように), for simplicity(簡単にするために), arrangement for(〜の準備), basis for(〜の基礎), demand for(〜の要求), evidence for(〜の証拠、ofも用いる), explanation for(〜の説明), expression for(〜の表現、式), incentive for(〜の動機), need for(〜の必要性), order for(〜の注文), preference for(〜に対する好み、toも可能), prerequisite for(〜の前提、条件), reason for(〜の理由), requirement for(〜の要件), substitute for(〜の代理、代替)
  n) イディオム
    for all(〜にもかかわらず), for better or (for) worse(よかれあしかれ), for certain(確実に), for good measure(おまけに), for nothing(無料で), for one thing〜(for another)(一つには〜<もう一つには>), for one's part(〜としては), for oneself(独力で), for that matter(ついでに言えば), for the first time(初めて), for the moment(差し当たり), for the most part(たいていは), for the purpose of(〜の目的で), for the time being(差しあたり), have no use for(〜の必要がない), make for(役立つ、寄与する), make an order for(〜を注文する), stand for(表す、意味する), thake 〜 for granted(当然のことと思う;当然のこととしておろそかにする), were it not for(〜がなければ), word for word(一字一句)
  o) 誤用
    considering for;considerは他動詞であり、forは必要ない
    More macroscopic observation for crystal grains ;(crystal grains はobservationの目的語であるため、for ではなく of を用いる)
    effective for ;(effective in が正しい)
    The susceptor provides for better thermal conditions ;(provide for は〜に備えるという意味になる。この文の場合は、forが必要ない)
  interest for ;(interest in が正しい)

  ◆ from
  a) (運動や動作の)空間あるいは時間における起点;〜から
    継続の意味を含まない場合はfromを用いない。begin やstart ではfrom は用いない。
    The meeting began from 11:00 a.m. のfrom は誤用で、at が正しい
    Let's start from page 28. のfrom もat が正しい
  b) (数量の)起点;〜から
  c) 区別、分離、相違;〜から
    different than もよいが、different fromの方が一般的に用いられる
    動詞 differ の場合 than は用いない
  d) 出所、起源;〜から(の)
  e) 距離;〜から
    fromを伴う動詞として、take, originate, arise, come, result, spring, stemがある
  f) 解放、変化、妨害、防止、保護;〜から
    prevent from がよく用いられる
  g) 計算、推論、決定、判断などの根拠、視点;〜から、〜を基に、〜から見て
    計算、推論、決定、判断などに関する動詞(calculate, estimate, infer, predict, determine, conclude, judge, see)や次の形容詞 obvious, evidentを用いることが多い。視点については、from a point of viewで用いることが多い
  h) 原料、材料;〜から
    fromは化学変化を伴う場合、ofは構成要素を述べる場合に用いる
    withは「〜の材料を使って」の意味で、主要な材料を述べるのに用いる
    機械加工のように形状変化を伴う場合、from, of のいずれも用いる
  i) 原因;〜から、〜によって
    barriers to の他に、barriers against も用いられる
  j) 二重前置詞
    from above(〜上から), from among(〜の中から), from below(〜の下から), from behind(〜のうしろから), from inside(〜の中から), from outside(〜の外から), from under(〜の下から), from within(〜の中から)
  k) 動詞との結びつき
    自動詞:arise from(〜生じる), benefit from(〜によって利益を得る), borrow from(〜から借りる), date from(〜にさかのぼる、date back toもある), detract from(〜を損なう), deviate from(〜からはずれる), die from(〜で死ぬ), differ from(〜と異なる), emerge from(〜から現れる), judge from(〜から判断する), keep from(〜をしないでいる), originate from(〜から生じる), range from A to B(AからBに及ぶ), refrain from(〜をやめる), result from(〜から生じる), retire from(〜から退職する), spring from(〜生じる), stem from(〜から生じる), suffer from(〜を患う、〜に苦しむ)
    他動詞:preventに代表される妨害、防止に関する動詞(ほかに、deter, hamper, hinder, impede, keep)の用法が少しむずかしいが、他は比較的やさしい。deduce A from B(VからAを推論する), derive A from B(BからAを得る), deter A from B(AにBをおもいとどまらせる), discoureage A from B(AにBをやめさせる), displace A from B(AをBから移動させる), draw A from B(AをBから導き出す), eliminate A from B(BからAを除く), exact A from B(BにAを要求する), exempt A from B(BからAを免除する), hamper A from B(AがBをするのを妨げる), hide A from B(BからAを隠す), hinder A from B(AがBをするのを妨げる), infer A from B(BからAを推論する), keep A from B(AにBをさせない、AをBから守る), prevent A from B(AがBをするのを妨げる), protect A from B(BからAを守る), reclaim land from B(Bを干拓する), remove A from B(BからAを取り除く), separate A from B(BからAを分離する), shield A from B(AをBから保護する), stop A from B(AがBをするのを止めさせる), uncouple A from B(AをBからはずす)
  l) 形容詞との結びつき
    形容詞との結びつきは多くなく、different from(〜と異なっている、thanも用いる), distant from(〜から離れた), evident from(〜から明らかな), exempt from(〜を免れた), free from(〜がない), obvious from(〜から明らかな)などがある。free はfromのほかにofもとり、両者は厳密に使い分けられているわけではないが、debt(借金), tax(税金), fee, charge(料金)の場合は、free of を用いる。fault(欠点), defect(欠陥)はどちらの用法もあるが、一般にfree fromの方が結びつく名詞は多い。free fromと結びつく名詞としては、anxiety, blame, care, contamination, damage, defect, error, fault, fever, impurity, interference, material, painなどがある。他方、free ofと結びつく名詞にはcharge, cost, debt, defect, dislocateion, fault, fee, infection, particulateなどがある。
  m) イディオム
    fromを含むイディオムは多くなく、apart from(〜は別として), aside from(〜は別として), from place to place(あちらこちら), from scratch(最初から)などがある。
  n) 誤用

  ◆ in
  a) (場所)〜のなかに
  b) (時間)〜の間、〜の後、〜たてば
    時間のinには2つの意味がある。一つはある期間のなかの意味である。もう一つはある時間が経過した時点を意味する。後者の場合はafterに近くなる。
    in は週、月、季節、年、世紀などat, onに比べて長い時間に関して用いる。午前、午後、夕方にも用いるが、特定の午前などについてはonを用いる、
    参考書にはinは未来について用い、afterは過去について用いると解説しているものもあるが、厳密に使い分けられていない。
  c) (状況、環境)〜の中で
    in はものごとを取りまくatmosphere(雰囲気), environment(環境)の他に、circumstance(状況), situation(情勢)などと用いることが多い
  d) (状態)〜の状態で;〜の状態で、〜して
    カタログなどでよく使われる表現にcome in, be available in という表現があり、商品の形態や状態を表現するのに用いる。
    他には、in compression(圧縮状態で), in tension(引張り状態で), in contact with(〜と接触して), in equilivrium(平衡状態で), in parallel with(〜と並行して)のような表現がある。
  e) (関連)〜について;〜について、〜に関する、〜の
    ありふれた表現に a change in, a variation in, an icrease in, a decrease in, a fluctuation in がある。
    in this respect, in this regared(この点で), in a sense(ある意味で), be significant in (that) 〜(〜の点で重要である), be different in (that) 〜(〜の点で異なる), be similar in (that) 〜(〜の点で似ている), im provement in (〜の点での改善)などのinも関連のinに属する。
  f) (行為)〜に関連して、〜に関連する;〜において、〜における
  g) (方向)〜の方向に
    方向は、in 〜 direction のように in を用いる
  h) (形状、配置)〜の形状や配置になって;〜になって、〜の形に
    このin は名詞 form, shape, configuration、動詞 arrange などと用いることが多い
  i) (順序)〜順に
    順序を表現する場合 in を用いる。簡単に表現できない場合は、in (the) order of 〜で表現する。
    これでも表現できない場合は、in the order in whichのように関係代名詞を用いる
  j) (割合、比)〜につき;〜のうち、〜の割合で
    科学技術分野で頻出する表現の一つである割合、比率についてはatを用いたくなるが、inを用いる(in the ratio 1 : 2として用いる)
    AのBに対する比はthe ratio of A to B あるいは in the A/B ratioと表現する
  k) (方法、形式)〜で
    このinはway, manner, fashionなどと用いて方法を表現したり、in terms of (〜を用いて、〜の用語を用いて), in〜units(〜の単位で)などの形で表現に関連する動詞 express, represent, describeなどと用いることが多い。
  l) (程度)〜の程度に;〜に
    程度のinは in (large) quantities(多量に), in part(ある程度), in a degree(ある程度)など用法が限られている
  m) 動詞との結びつき
    自動詞:aid in(〜の助けになる), assist in(〜の助けになる、〜に役立つ), believe in(〜を信じる), culminate in(〜で頂点に達する;〜に終わる), end in(〜の結果になる), engage in(〜に従事する、engageは他動詞として用いることが多い), invest in(〜に投資する), result in(〜に終わる), specialize in(〜を専門にする)。これらのなかではresult inが因果関係を表現するのによく用いられる。また、日本語の「〜を専門にする」に引っ張られて、specialize physics(物理学を専門にする), specialize to develop(〜の開発を専門にする)のような用法を見かけるが誤用である。specialize には他動詞の用法もあるが、その場合でもbe specialized inとなり、inをとる。
    他動詞:engage A in B(AをBに従事させる、受動態で使うことが多い), invest A in B(AをBに投資する)
  n) 形容詞との結びつき
    形容詞とinの結びつきは多くはなく、efficient in(〜に有能な、atもある), inherent in(〜に固有の、toもある), intrinsic in(〜に固有の,toもある), successful in(〜に成功した)などがある。
  o) 名詞との結びつき
    名詞との結びつきの場合、イディオムとして用いられているものが非常に多い。in useのようにinの後に名詞をとる形のinは状態や方法、形式のinのことが多く、change in のようにinが名詞の後に続く形のinは関連のinのことが多い。
    in a fashion(〜の仕方で), in 〜 increments(〜刻みで), in a manner(〜の方法で), in operation(作業中、操業中), in a regard(〜の点で), in  a respect(〜の点で), in service(在職中で), in use(使用中), in a way(〜の方法で;〜の点で), change in(〜の変化), difference in(〜の差), difficulty in(〜のむずかしさ), fluctuation in(〜の変動), improvement in(〜の改善), interest in(〜に対する興味), scatter in(〜のバラツキ), variation in(〜の変動)
  p) イディオム
 

    inを含むイディオムは非常に多いので、科学技術分野で用いる主なものに限る。in accord with(〜と一致して), in accordance with(〜に一致して), in addition(さらに), in addition to(〜に加えて), in advance(前もって), in advance of(〜より前に), in agreement with(〜と一致して), in all likelihoood(おそらく), in anticipation of(〜を見越して), in case(万一〜なら;〜するといけないから), in case of(〜のばあには), in charge of(〜を担当して), in collaboration with(〜と共同して), in combination with(〜と結合して), in competition with(〜と競って), in concert(いっせいに、同時に), in concert with(〜と協力して), in contrast to (with) (〜と対照的に), in due course(やがて、ついには), in effect(事実上), in equilibrium with(〜と衝突して), in essence (本質的に), in excess of(〜を上回って), in fact(実のところ), in favor of(〜に有利に), in general(一般的に), in hand(支配して;手に), in kind(同じやり方で), in (the) light of(〜の見地から;〜を考慮して), in line with(〜に同調して、〜と一致して), in one's right mind(正気で), in opposition to(〜に反対して), in order(順序正しく;整然として、put〜in orderで整理する), in order that(〜する目的で), in order to(〜するために), in other words(言い換えれば), in parallel(並列に), in parallel with(〜と並行して), in part(いく分、ある程度), in particular(特に), in place(適所に、いつもの所に;適した), in place of(〜の代わりに), in point(該当する), in position(適所に), in preference to(〜よりもむしろ), in progress(進行中で), in proximity to(〜の近くに), in public(公然と), in question(当該の、問題の), in reality(実際は), in relation to(〜に関して), in respect to (of) (〜に関しては), in response to(〜に答えて), in sequence(次々に), in series(直列に), in short(簡単にいえば), in step(歩調を合わせて), in store(たくわえて;起ころうとして), in succession(次々に), in support of(〜を支持して), in tandem(縦一列になって:相前後して), in terms of(〜に関して;〜の言葉で), in the absence of(〜がない時には), in the case of(〜の場合には), in the course of(〜のうちに), in the first place(まず第一に), in the long run(長い目でみれば), in the main(概して), in the mean time(そうしているうちに;一方), in the middle of(〜の真中に), in the nick of time(ちょうどよい時に), in the presence of(〜の面前で;〜に直面して), in the way of(〜に関して), in view of(〜が見えるところに;〜を考慮して、〜のために), in volumes(大量に)

  q) 誤用;()内の前置詞が正しい
    the rate in (at) which the arene complex substitutes.;(速度を関係代名詞を用いて表現する場合 in ではなく at を用いる)
    pressure の場合、in ではなく at か under を用いる。酸素分圧は一つとは限らないからthe をとってpressuresとする
    The A fractions determined by (from) X-ray intensites were B in (for) powder C and D in (for) power E.;(左記のinは対応関係を表現するのに用いるforを使うとよい。determined by の by はfromにする。X線強度は割合を求めた行為者ではないため)
    試験装置はinではなくonを用いる。試験を行う対象はforではなくonを用いる。
    to be present mainly in (on) SiC side;(左記のsideは「側」の意味であり、onを用いる)
    not be applicable in (to) ceramics.;(applicable は toをとる)
    In (under) these conditions,;
    In (To) my understanding,;(To one's understanding 「〜が理解する限り」で覚えたい)

 ◆ of
   a) (主格関係)〜の、〜が
   b) (目的格関係)〜を、〜の
   c) (所有、所属)〜の
   d) (同格)〜という、〜の
     a pressure of 50MPa といった使い方をする
     difficulty of でもよいが、difficulty in がよく使われる
   e) (分離、剥奪)〜を、〜から
     このofは分離、剥奪、除去に関連する動詞 clean, clear, deplete, deprive, ease, relieve, rob あるいは形容詞、副詞 free, independent, irrespective, independently, irrespectivelyなどとともに用いる。動詞の場合、例えば deprive A of B (A からBを奪う)にみるように奪われるのはBで、奪われる相手はAの関係になっているので注意を要する
   f) (関連)〜について
     data of, evidence of, example of, result of, year of
     capable of (〜ができる), characteristic of (〜に特徴的な), inicative of (〜を示す), typical of (〜に特有な)
     accuse, inform, suspect, think, allow, approve, complain, remaind と用いる
   g) (材料、構成要素)〜の、〜で作った
   h) (部分)〜の、〜のなかで
   i) (原因)〜で
     原因のofの用法は狭く、die of, accuse A of B(AをBのかどで告発する)のような表現がある。
   j) (性質、状態)〜の
   k) 動詞との結びつき
     自動詞:admit of(〜の余地がある), allow of(〜の余地がある), beware of(<命令文>〜に注意する), consist of(〜なる), die of(〜で死ぬ), talk of(〜について話す、aboutも可能), think of(〜について考える、aboutも可能), think of A as B(AをBとみなす)などがある。
     他動詞:分離、剥奪、ついで関連の意味で用いられることが多い。accuse A of B(AをBのかどで告発する), ask A of B(BにAを頼む), assure A of B(AにBを保証する), clean A of B(AからBを取り除く), clear A of B(AからBを取り除く), compose A of B(AをBで構成する、受動態で用いることが多い), construct A of B(AをBで構成する), demand A of B(BにAを要求する、fromも用いる), denude A of B(AからBを奪う), expect A of B(BにAを期待する、fromも可能), inform A of B(AにBについて知らせる、about, onも可能), make A of B(BからAを作る;BをAにする), relieve A of B(AからBを取り除く), remaind A of B(AにBを思い出させる), rob A of B(AからBを奪う), strip A of B(AからBを奪う), suspect A of B(AにBの嫌疑をかける), warn A of B(AにBを警告する、againstも可能)
   l) 形容詞との結びつき
     形容詞との結びつきの場合、ofは関連を意味することが多い。demonstrative, desciptive, indicativeのような動詞から派生した形容詞の場合、ofの後の名詞は形容詞の意味上の目的語になっている。characteristic of, devoid of, free of, typical ofはよく用いられる。appreciative of(〜を識別できる), aware of(〜に気付いている), capable of(〜することができる), characteristic of(〜に特有の、〜の特徴を示す), clear of(〜から離れている), conscious of(〜を意識している), demonstratice of(〜を証明する), denotative of(〜を表示する), descriptive of(〜を描写している), destructive of(〜を破壊する), devoid of(〜を欠いている), exclusive of(〜を除いて), free of(〜がない、〜が免除されている), ignorant of(〜についての知識がない), independent of(〜から独立した;〜とは関係なく), indicative of(〜を示す), irrespective of(〜と関係ない), reminiscent of(〜を連想させる), representative of(〜を表現する), short of(〜以下の;〜に不足している), skeptical of(〜に懐疑的な), supportive of(〜を支持する), tolerant of(〜に寛大な)
   m) 名詞との結びつき
   n) イディオム
     ofに関連するイディオムは多くなく次のようなものがある。of choice(特別上等の), of one's own(自分自身の), a matter of(〜の問題;約), ahead of(〜の前へ), because of(〜のために), dispose of(処理する、処分する), get hold of(〜をつかむ), get rid of(〜を免れる), insted of(〜の代わりに), kind of(ある程度、会話で用いる), make use of(〜を使用する), regardless of(〜に関係なく), take advantage to(〜を利用する)
   o) 誤用;()内の前置詞が正しい
     a typical behavior expected of (from) the quantum effect.;(expect A of B は BにAを期待するの意味であるから、「量子効果に対してある挙動を期待する」となってしまいおかしい。量子効果は予想、期待の根拠であるから、of の代わりに from を使うとよい。加えて、behaviorは集合名詞なので不定冠詞「a」は除く)
     the lot is of ( in a ) good condition.;(状態の意味のconditionはinを用いる)
     To obtain reliable data of (on) the diffusion coefficient;(具体的なデータを表現する場合、普通はon を用いる)
     being indicative (of) the presence of oxides in an amorphous form.;(左記の例ではindicative の後に of が必要となる)
     Powder X-ray diffraction patterns indicated that the final product was (of a) single phase.;(single phaseの前にofが抜けている。さらに不定冠詞も入れる)

 ◆ on
   a) 面の上にのっている;〜の上に
   b) 水準、規模、問題の面;〜では、〜の面では
     この意味で用いる英語は level, order, scale, side などである。level についてはatも用いる、at の方が一般的である。order はon の他にもof も用いる。sideは問題の面、側面の意味の場合 onを用いる。
   c) 何かにくっついている状態;〜に接して、〜にくっついて
   d) 作業や作用の対象;〜に、〜に対して
     place emphasis on(重点をおく), act on 〜(〜に作用する), have an influence on 〜(〜に影響を及ぼす)のonも同様の用法である
   e) ものの支え、支店;〜に支えられて
   f) 物事の根拠、理由、条件など;〜に基づいて、〜によって
     この意味のonでよく使われるのは根拠を表現する be based on, on the basis of と依存を表現するdepend on, be dependent onであろう。
   g) 団体に所属している:〜の一員
     ある人間が何らかの団体に所属している場合、inを用いるような感じがするが、onを用いるのが正しい
   h) 主題;〜について
     主題を意味するonはしばしばaboutと交換できるが、onの方がかたい表現と言われており、書き言葉ではaboutよりもよく使われる。
   i) 手段や道具;〜によって
     このonの後の名詞には computer, diffractometer, machine, microscope, oscilloscope, spectrometer, system, typewriterなどがくる。また、このonは場合により、by, withと交換可能であるが、onには道具や装置の上にのっているという感じがある。
   j) 動詞との結びつき
     自動詞:onが自動詞と結びつく場合、onは作用や行為の対象、場所、依存を意味することが多い。作用や行為の対象を意味する用法として、act on(作用する), bet on(賭けをする), capitalize on(利用する), embark on(着手する), feed on(えさにする), follow through on(やり遂げる), insist on(主張する), plan on(計画する), subsist on(〜で生存する), touch on(〜に触れる、言及する), work on(取り組む)などがある。場所を意味する用法としては、center on(中心がある), concentrate on(集中する), focus on(焦点が集まる), impinge on(当たる)などがある。依存の意味の場合、depend onの他に、 count on(当てにする、頼る), hinge on(次第である), rely on(当てにする), rest on(当てにする、基づく)がある。
     他動詞:advise A on B(AにBについて忠告する、aboutも用いる), base A on B(Aの基礎をBにおく), center A on B(AをBに集中させる), congratulate A on B(BのことでAに祝いを言う), exert A on B(AをBに対して発揮する), focus A on B(AをBに集中させる、Aの焦点をBに合わせる), place A on B(AをBにおく), pride oneself on B(Bを自慢する)などがある。baseは受動態で用いられることが多い。place A on BではAにemphasis, limitation, priorityがくることが多い。
   k) 名詞との結びつき
     on the assumption that(〜の仮定のもとに、under the assumption thatも用いる), on (the) condition that(〜の条件で), on a 〜 level (〜の水準で), on the order of(〜のケタで), on the premise that(〜の前提で), on a 〜 scale(〜の規模で), on a 〜 side(〜の面で)
   l) イディオム
     onを含むイディオムは多いが、主なものをあげると、on account of(〜の理由で), on average(平均で), on balance(すべてを考慮して), on a 〜 basis of(〜の原則で), on board(〜に乗って), on demand(要求のあり次第), on display(陳列されている), on duty(勤務中、反対はoff duty), on hand(手元に、出席して), on one's own(独力で), on one's way to(〜の途中で), on order(注文で), on (a) par with(同等である、同程度である), on purpose(故意に), on request(請求のあり次第), on schedule(予定通りに), on-site(現場の、オンサイトの), on time(時間通りに), on (the) top of(〜の上に;〜に加えて), on the face of it(見たところ), on-the -fly(オンザイフライ式の), on-the-job(現職中の), on the other hand(他方), on the part of(〜に関しての), on the strength of(〜に基づいて), on the verge of(もう少しで〜する、間際で), on the whole(概して)などがある。
   m) 誤用
     discuss on は誤用。onを削除されたい。
     discussion on も誤用。discussion of とする。
     I are obtained on the same degree of accuracy;(「〜の精度で」はonではなくwithを用いる。正しくは、I are obtained with the same accuracy となる)

 ◆ to
   a) (ある方向に向かって到達する運動)〜に、〜へ
     このtoは運動や移動に関連する動詞 go, move, shift, transfer, transmitなどと用いることが多い
   b) (方向)〜へ
   c) (状態の変化の方向)〜へ、〜に
     このtoは変化に関連する動詞 change, convert, trasform, turnやそれらから派生した名詞などと用いることが多く、場合によりintoと交換可能である
   d) (結果)〜に、〜になる
   e) (接触)〜に
   f) (適合、合致、一致)〜に合って、〜に一致して
   g) (程度、範囲)〜まで
   h) (付加、付随)〜に、〜の
     このtoは下記の付着、密着のtoに近く、付加、添加、付随、付属、帰属などに関する動詞、形容詞、名詞など、例えば、add, addition, affix, annex, belong, assignと用いる
   i) (付着、密着)〜に、〜へ
     このtoはadhere, attach, attachment, bond, bonding, connect, stickのような付着や結合に関連する動詞、名詞などと用いる
   j) (目的)〜のために、〜のための
   k) (関連、関係、対応)〜に関して、〜について、〜にとって
     関連のtoはaboutやonなどに比べて連語関係が限られている。advantage to, answer to, exception toのように名詞と用いたり、fundamental to, inherent to, intrinsic to, native to, new toのように形容詞と結びつく。
     関係、対応のtoは関係や対応に関連する動詞、形容詞、名詞 relate, relation, correspond, equivalentなどと用いることが多い。
     consultant to, ambassador toのtoも関連のtoである。
   l) (比較)〜と比べて、〜に対して
   m) (相対)〜に対して、〜に
     相対のtoは主に、平衡関係とか角度のような幾何学的な配置に関連する表現で用いる。このtoは場合によりwith respect to, relative toと交換できる
   n) (暴露)〜に
     暴露のtoは何らかの作用、影響などにさらされていることを表現する場合に用い、動詞 expose, subject、形容詞 amenable, subject, susceptible, vulnerableなどと用いる
   o) 二重前置詞
     to は within と結合して to within (〜以内に)を作る。誤差範囲を表現するのに用いることが多い
   p) 動詞との結びつき
     toは多くの動詞と結びつく。その場合のtoは方向、結果、接触、適合、付加など多くの意味で用いられる。
     自動詞:adapt ot(〜に適応する), add to(〜を増す), adhere to(〜に付着する), admit to(〜に通じる;〜を認める), amount to(〜に達する), attach to(〜に付着する), attend to(〜に関心を向ける), attest to(証明する), awake to(〜に気づく), belong to(〜に属する), change to(〜に変化する、intoも用いる), cling to(〜に粘着する), conform to(従う;一致する、後者の意味ではwithも用いる), extend to(〜まで及び), lead to(〜に通じる;〜に至る), object to(〜に反対する), refer to(〜に言及する;〜を示す;〜を参照する), relate to(〜に関する), respond to(〜に応える), stick to(〜に付着する), succumb to(〜に負ける), swear to(証言する), translate to(〜に変わる、intoも可能), transform to(〜に変わる、intoも用いる、自動詞的用法は少ない), trust to(〜を当てにする), witness to(〜を証明する)。ここでは、conform toとrefer toを取り上げる。conformには@(規則、基準、仕様などに)従う、A(性質、形、構造などが)一致するの二つの意味があり、@はto, Aはto, withをとる。Aの場合withよりもtoの方が一般的である。
     他動詞:adapt A to B(AをBに適応させる), add A to B(AをBに加える), allert A to B(AにBを警告する), allocate A to B(AをBに配分する), apply A to B(AをBに適用(適応)する、AをBに塗る), assign A to B(AをBに割り当てる), attribute A to B(AがBに起因すると考える), bond A to B(AをBに接合する), confine A to B(AをBに制限する), connect A to B(AをBに接続する、withも可能), contribute A to B(AをBに寄付する), convert A to B(AをBに変える、intoも可能), dedicate A to B(AをBにささげる;<再帰的>Bに専念する), devote A to B(AをBにささげる;<再帰的>Bに専念する), direct A to B(AをBに向ける), entitle A to B(AにBを得る資格や権利を与える), expose A to B(AをBにさらす), gear A to B(AをBに適合させる), lead A to B(AをBに導く、intoも可能), lend A to B(AをBに貸す;<再帰的>Bに役立つ、Bに向いている), limit A to B(AをBに限る), link A to B(AをBにつなく、withも可能), match A to B(AをBに調和させる、withも可能), put A to use(Aを用いる), put A to work(Aを仕事につける), reduce A to B(AをBに変える), set A to B(AをBに設定する、atも可能), subject A to B(AをBにさらす), transmit A to B(AをBに送る), turn A to B(AをBに変える、intoも可能)
   q) 形容詞との結びつき
     形容詞の場合もtoはさまざまな意味で多くの形容詞と結びつく。accustomed to(〜に慣れている), adaptable to(〜に適応できる), adjacent to(〜に隣り合った), adverse to(〜に反対する), amenable to(〜になじみやすい), analogous to(〜に似ている), apparent to(〜にとって明らかな), attractive to(〜を引き付ける), attributable to(〜に起因する), close to(〜に近い), common to(〜に共通の), comparable to(〜と比較できる、〜と同等お、withも可能), contrary to(〜に反対の), critical to(〜に決定的に重要な), deleteriou to(〜に有害な), determental to(〜に有害な), due to(〜のせいで), equal to(〜に等しい), essential to(〜にきわめて重要な、forも可能), fundamental to(〜に基本的な), identical to(〜と全く一致した、withも可能), immune to(〜に免疫の、fromも可能), impervious to(〜を通さない), indifferent to(〜に無関心な), indigenous to(〜に固有の), inert to(〜に不活性の), inherent to(〜に固有の、inも可能), integral to(〜に不可欠の), intrinsic to(〜に固有の、inも可能), lethal to(〜に致命的な), liable to(〜を受けなければならない;〜しやすい), native to(〜に固有の、〜に特有の), new to(〜に新奇な), next to(〜に次ぐ), normal to(〜に垂直な), open to(〜に開かれている), orthogonal to(〜に直角の), parallel to(〜に平行の), permeable to(〜を通す), prone to(〜しやすい), proportional to(〜に比例する), resistant to(〜に抵抗力のある), responsive to(〜に反応する), reverse to(〜に反対の), secondary to(〜に従属的な), similar to(〜に似ている), sensitive to(〜に敏感な), subject to(〜を受けやすい;(副詞句)〜を条件として), superior to(〜より上の), susceptible to(〜を受けやすい), tangential to(〜に接線となる), transparent to(〜に対して透明な), vulnerable to(〜を受けやすい)
   r) 名詞との結びつき
     名詞の後にtoが来る場合、日本語で「〜の」となる場合がある。この場合toではなくofとしやすいので注意を要する。to a first approximantion(第一次近似では), to one's astonishment(〜が驚いたことには), to capacity(能力や容量いっぱいまで), to some degree(ある程度), to some extent(ある程度), to one's knowledge(〜が知る限りでは), to length(長さに合わせて), to the nth powr(n乗に), to one's satisfaction(〜が満足したことには), to size(大きさに合わせて), to a specification(仕様に合わせて), to a standard(基準に合わせて), to close tolerance(高い精度で), to one's understanding(〜が理解する限り), access to(〜へ近づく方法), adjunct to(〜への付属物), advantage to(〜に関する利点), aid to(〜の補助物), alternative to(〜に対する代案), answer to(〜に対する答), approach to(〜に対する研究法), clue to(〜の手がかり), consultant to(〜のコンサルタント), damage to(〜に対する損害), danger to(〜にとっての脅威), drawback to(〜の欠点), exception to(〜の例外), guide to(〜の指針), impediment to(〜の妨害), impetus to(〜に対する刺激), injury to(〜への損害), introduction to(〜の入門), key to(〜の鍵),  limit to(〜の限界), modification to(〜に対する修正), obstacle to(〜の障害), preface to(〜の序文), preference to(〜に対する好み、forも可能), prey to(〜の犠牲), reference to(〜への言及、〜との関連), resistance to(〜対する抵抗), restriction to(〜に対する制限), seneitivitiy to(〜に対する感度), solution to(〜の解決法), susceptivility to(〜に対する感受性), tendency to(〜の傾向、towardも可能), threat to(〜への脅威), trend to(〜への傾向、towardも可能), witness to(〜の証拠、ofも可能)
   s) イディオム
     toが多くの動詞、形容詞、名詞と結びつく割にはイディオムは多くない。to advantage(有利に), to date(今までのところ), to perfection(完全に), to scale(一定の率で縮小あるいは拡大した), to the letter(文字通りに), according to(〜に従って;〜によれば), as to(〜に関して, 〜に関する), give rise to(〜を生じる), pass on A to B(AをBに譲る、AをBに与える、pass A on  ともなる), relative to(〜に関して;〜に比べて), stand up to (〜に耐える), thanks to(〜のおかげで), take to(〜に専念する), when (if) it comes to stand to(〜ということになると)
   t) 誤用;()内の前置詞が正しい
     次の動詞は他動詞のためtoが必要ない;approach, obey, influence, affect
     the PPS doped by (with) A gas obeys to (toは削除) Eq. (1).;(doped byではなく、doped withを用いる)
     A have been remarkably improved to (for) engineering use.;(toにも目的の意味があるが、用法が限られており、左記の場合 for が正しい)

 ◆ with
   a) 人やものが別の人やものといっしょにいる(ある);〜と
   b) 所有;〜がある、〜を有する
     所有の意味のwithは主として、ものに別のものがついていることを表現したり、ものに備わっている性質、特性を表現するのに用い、多くの場合havingと交換できる。また場合によりofと交換できる。
   c) 関連;〜に関して、〜について
     関連のwithお用法は古英語からのもので古い。このwithは科学技術分野ではよく用いられ重要である。このwithをうまく使えば、with (in) regard to, with respect to, in the case of, concerningなどを頻繁に使わなくて済む。このwithは同じ関連の意味のforに近く、交換可能なことが多い。
   d) 付帯状況;〜した状態で
   e) 条件;〜があれば、〜すると
   f) 理由;〜ので、〜ために
   g) 手段、道具、材料;〜を使って、〜を用いて
     手段、道具のwithはbyと混同しやすい。また、名詞によってはwith, by のいずれもとることができる(例えば、computer, method, process, program, system, techniqueなど)。道具の場合はほとんど例外なくwithを用いる。
   h) 結合、混合;〜と
     結合、混合のwithは結合、混合に関連する connect, link, unite, mix, blendなどの動詞と用いることが多い
   i) 一致;〜と
   j) 同時;〜すると、〜と同時に、〜とともに
   k) 比例;〜に従って、〜するにつれて
   l) 様態;〜で
   m) 対立;〜に対して、〜と
   n) 動詞との結びつき
     自動詞:自動詞とwithの結びつきにおけるwithの意味はさまざまである。agree with, comply with, coincide with, engage withのwithは一致の意味であり、consult withのwithは関連、begin with, conclude withのwithは手段と考えられる。自動詞とwithの結びつきには次のようなものがある。agree with(一致する、<人の意見や発言に>同意する、同じ同意でも提案や計画にどうする場合にはtoを用いる), begin with(〜で始まる), bond with(〜と結合する), collide with(〜と衝突する), coincide with(〜と一致する), compare with(〜に匹敵する), compete with(〜と競合する), comply with(〜に従う), conclude with(〜で終わる), conflict with(〜と衝突する), consult with(人に相談する), contend with(戦う、争う、contendは他動詞の場合、主張すると言ういみなので注意), contrast with(対照をなす), cope with (対処する;処理する), correlate with(〜と相互に関連する), correspend  with(〜と一致する、toも用いる、correspondには相当するの意味もあり、この意味で用いることが多い。この場合toを用いる), deal with(取り扱う;処理する), dispense with(〜なしですます), end with(〜で終わる), engage with(〜とからみ合う), experiment with(〜で実験する), help with(〜を手伝う), interact with(〜と相互作用する), interfere with(〜に干渉する), interlock with(〜とかみ合う), overlap with(〜と重なり合う), plead with A for B(AにBを懇願する), proceed with(〜を続ける、〜を進める), react with(〜と反対する), rest with(〜にある、〜次第である), start with(〜で始める), stay with(人の家に泊まる), tamper with(〜に干渉する), tinker with(〜をいじる), toy with(〜をもてあそぶ), trifle with(いいかげんに扱う), war with(〜と闘う)
     他動詞:他動詞とwithの結びつきは非常に多い。多くの場合、withの意味は比較的はっきりしている。例えば、combine A with B(AをBと結びつける、AをBと化合させる), connect A with (to) B(AをBにつなぐ)のwithは結合の意味で理解しやすい。cover A with B(AをBでおおう), replace A with B(AをBととりかる)のwithは手段、align A with B(AをBとそろえる), synchronize A with B(AをBとい一致させる)のwithは一致の意味である。
     ところがwithの意味が必ずしもはっきりしない場合がある。とりわけ私たちになじめないproveide A with B(BをAに供与する、与える)に代表される一群の動詞がある。私たちの助詞の感じとこのwithの使い方の間にはかなり違和感があり慣れるのに時間がかかる。このwithはあえて意味づければ「手段」ということになろうが、この場合は意味を考えるよりも動詞との結びつき全体で覚えるのがよいと思われる。このタイプの動詞の一部にはprovide B to Aの形の結びつきもあり、この方がむしろ私たちには理解しやすいのであるが、多くの場合withを用いる方が一般的である。
     「与える、提供する」の意味に動詞とのつながり:provide A with B(BをAに供与する、与える), bombard A with B(AにBをぶつける), charge A with B(AにBをつめる、AをBで満たす), dope A with B(AにBをドープする、AをBでドープ処理する), endow A with B(AにBを授ける), endue A with B(AにBを授ける), equip A with B(AにBを備える), feed A with B(BをAに入れる、供給する、feed B to (into) Aもある。とくに機械に供給する場合、feed B into Aを用いることが多い), fit A with B(AをBに備え付ける), furnish A with B(AにBを与える、furnish B to Aもある), gift A with B(AにBを贈呈する、gift B to Aもある), impregnate A with B(AにBを浸食させる、impregnate B into Aももちいる), invest A with B(AにBを付与する), irradiate A with B(AにBを照射する、AをBで照射する), issue A with B(AにBを支給する、issue B to Aもある), load A with B(AにBを入れる、load B into Aもある), present A with B(AにBを与える、贈呈する、present B to Aも用いる), stamp A with B(AにBを押す、stamp B on (onto) Aも用いる), supply A with B(AにBを供給する、supply B to Aもある)
     他の意味での動詞とのつながり:acquaint A with B(AにBを知らせる), arm A with B(AをBで武装する), associate A with B(AをBと結びつける), clog A with B(AをBでふさぐ), compare A with B(AをBと比較する、compare A to Bもある), confront A with B(AをBに直面させる), confuse A with B(AをBと混同する), coordinate A with B(AをBと統合する), couple A with B(AをBと結ぶ), credit A with B(AがBを持っていると思う), dot A with B(AにBを点在させる), enrich A with B(AをBで豊かにする、byも用いる), entrust A with B(AにBを預ける), equate A with B(AをBと同じと考える), exchange A with B(BとAを交換し合う、exchange  A for Bとは意味が異なるので注意), face A with B(AをBに直面させる), favor A with B(AにBで好意を示す), fill A with B(AをBで満たす), fix A with B(AにBをすえる), incorporate A with B(AをBと混ぜる、この意味ではmixを用いる。incorporate はincorporate A into B(AをBにくみこむ)で用いることが多い), inject A with B(AにBを入れる、inject B into Aも用いる), interchange A with B(AをBと交換する), interface A with B(AをBに接続する、AをBにインターフェイスする、toも用いる), interlock A with B(AをBとかみ合わせる), lade A with B(AをBで満たす), leave A with B(AをBに預ける), link A with B(AをBにつなぐ、link A to Bもある), match A with B(AをBと調和させる、toも用いる), mate A with B(AをBと結ぶ、AをBにかみ合わせる), mix A with B(AをBと混ぜる), modify A with B(AをBで変える), pad A with B(AにBをつめる), perforate A with B(AにBをかける), ply A with B(AにBを加える), ram A with B(BにAを押しこむ、ram B into Aもある), reconcile A with B(AをBと調和させる), relate A with B(AをBと関係づける、toも用いる), replenish A with B(AにBを補充する), reward A with B(AをBで報いる), satisfy  A with B(AをBでおおう), serve A (with) B(AにBを供する), sheathe A with B(AをBでおおう), shower A with B(AにBを惜しみなく与える), smear A with B(AにBをぬる), sock A with B(AにBを投げつける), staff A with B(AにBを配置する), stick A with B(AにBをつきさす、stick B into (in) Aもある), stow A with B(AにBをつめ込む), streak A with B(AにBのしまをつける), stuff A with B(AにBをつめる), surface  A with B(AにBで表をつける), unite A with B(AをBとつなぐ), wrap  A with B(AをBでくるむ)
     動詞との結びつきにおけるその他のポイント
     creditは受動態で使用されることが多く、withの後には名詞のほかに動名詞がくることが多い。
     「〜を備える」の意味のequipは類義語のfitと同様、受動態で用いることが多い。
   o) 形容詞との結びつき
     形容詞と結びつくwithの意味は、一致、同時、関連などさまざまである。形容詞との結びつきには次のようなものがある。
     commensurate with(〜に等しい;〜とつり合った), compatible with(〜と両立する、〜と互換性の), consistent with(〜と一致する、〜と調和する), content with(〜に満足している), coplanar with(〜と共面の), contiguous with(〜と隣接する;〜と連続的な), continuous with(〜とつながっている), familiar with(〜に精通している,
 familiar toは〜によく知られている), fraught with(〜に満ちた), indentical with(〜と一致した、toも用いる), interchangeable with(〜と交換できる), replete with(〜に満ちた), synchronous with(〜と同時における), synonymous with(〜と同義の), wrong with(〜の調子がよくない)
   p) 名詞との結びつき
     advantage with(〜の利点), drawback with(〜の欠点), experience with(〜についての経験), problem with(〜の問題), progress with(〜の進歩)などがある。いずれもwithは「〜に関する」の意味。
   q) イディオム
     with the aid of(〜の助けをかりて), with the help of(〜の助けをかりて), with reference to(〜に関して), with regard to(〜に関して), with respect to(〜に関して), be fed up with(〜にうんざりする), come up with(〜に追いつく;〜を提案する), do with(処理する), go wrong with(〜がうまくいかない), have something to do with(〜と関係がある), keep pace with(〜に遅れをとらないようにする), line up with(〜と提携する), put up with(我慢する), teem up with(〜と協力する)
     これらのなかでwith respect toは比較的よく用いられ重要である。with respect toは「関係」を表現するのに用いるイディオムであり、位置関係、方向の関係、あるいは2つの量の間の関係を記述するのに用いられる。また「yをxで微分する」という数学表現はdifferentiate y with respect to xのように、with respect toを用いる。
   r) 誤用

B. 使用頻度の低い前置詞:at, by ,for, from, in, of, on, to, with 以外
  使用される場面が限られており、一度意味及び用法を覚えれば使用するのはそれほど難しくない

  except

    except forは「〜の点を除けば」の意味で述べている内容と一致しない点をとり立てて表現する場合に用いる。except forに導かれる句は文章全体を修飾している。それに対し、A except Bの形をとりexcept Bはすぐ前のAを修飾している。

参考文献
原田豊太郎 著、『例文詳解 技術英語の前置詞活用入門』、日刊工業新聞社
原田豊太郎 著、『例文詳解 技術英語の形容詞・副詞活用入門』、日刊工業新聞社
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