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試料作製法

ここでは研究に必要とされる試料作製方法及び分析方法の概要を解説する。
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A) 評量
  1) 目的とする試料(例えば、組成AxByCz の試料)の重量%(w%)を以下の式で、実際に電子天秤で測定するA’, B’, C’の重量を計算する。
      A(g)×x(%) + B(g)×y(%) + C(g)×z(%) = T(g)
      A’ (g)= A(g)×x(%) / T(g)
      B’(g)= B(g)×y(%) / T(g)
      C’(g)= C(g)×z(%) / T(g)
     となる。ここでA, B, Cは単原子の質量(例えば、AがAl, BがCo, CがNiであれば、周期表を参考にして、A=26.98(g), B=58.93(g), C=58.70(g))である。
  2) 電子天秤を用いて測定する。電子天秤に薬包紙を載せ、周りのガラス窓を閉じて、数分後、ゼロ補正のボタンを押す。shot や板の試料材料を秤に載せて、重さの調整が難しい試料材料を基準にして計算した重量%を修正し、他の試料材料の重さを決める。
  3) 修正したときの試料材料の重さと実際の試料の重さとの差は1 試料材料毎に±0.003g以内としている。
  4) 秤量が終わったら薬包紙に入れて、アーク溶解炉を用いて試料を作製する。

B) アーク溶解炉
  1) アーク溶解炉のCu 板の底を冷やすための冷却水の栓を開ける。(このCu板(ウェハ)は工作室で使いやすいように加工していた研究室もある)
  2) 装置の電源を入れるため、分電盤の200V のブレーカーをONにする。
  3) バルブ類が全部閉まっていることを確認して、リーク弁の先端をゆっくりと持ち上げて、大気パージする。その後、リーク弁の先端を下げて、後の真空引きが行えるようにする。
  4) アーク溶解炉本体の扉を開き、アーク棒を差し込み、六角レンチで締める。
  5) 秤量した材料をCuの穴の部分をエタノールで拭き、綺麗になったのを確認し、試
料を入れる。(先に溶ける材料を上にしておくと、試料の飛び散りが少ないとのこと)
  6) 真空引きをするために、まず始めにバルブが閉まっているかを再度確認する。
  7) RPの電源をONにしてディフュージョンポンプ(DP)排気側バルブを開いてDPに対する粗引きを行う。
  8) DP の電源をON にしてDP を動作させる。DP は油を温めて排気する構造となっ
ているため、油を温めるのに10 分程度時間が必要となる。
  9) アーク溶解炉本体の粗引きをするために、DP の排気側バルブを一旦閉める。その後、アーク溶解炉本体とRP を仕切っている粗引き用のバルブを開き、粗引きを行う。
  10) RPの排気音が静かになったら、真空ゲージの電源を入れ、Fil ( Filament の意味) を押して、真空ゲージを動作させる。
  11) RP での真空引きが十分に飽和する2.00×10-1 Pa 程度になったら、アーク溶解炉本体とRP を仕切っている粗引き用のバルブを閉じ、DP の排気側バルブを開き、さらにDPと本体の間を仕切るバルブを開く。
  12) DPでの真空引きが十分に飽和する1.00〜3.00×10-4 Pa 程度になったら、Arをアーク溶解炉本体に入れるために、DP と本体の間を仕切るバルブを閉める。この間、約1 時間程度掛かる。その為、この間に次の試料を準備する場合もある。
  13) Arガスボンベ周辺のバルブの締めを再度確認し、上流のArガスボンベの栓を開く。その後、アーク溶解炉本体右横に付けてあるバルブをゆっくりと開く。1分程度でアーク溶解炉本体の上に取り付けてあるゲージで、0.05MPa になるようして、アーク溶解炉本体右横に付けてあるバルブを閉じる。
  14) アーク放電用コントローラーの電源を入れて、アーク棒を試料直上に接近させ、放電の光から眼を防護するガラスをビューに被せて、照明の電源をOFFにする。
  15) アーク溶解炉本体の下にあるアーク放電スイッチを踏んでON にしながら、アーク溶解炉本体右に据え置いてあるコントローラーの左側のツマミを回して、流す電流を大きくしていく。あまりに電流を大きくする速度が遅いと、試料材料が飛び散ってCu板の穴が真黒になり、試料の組成が変わり、後の掃除も大変になる。約10 秒程度で120 A程度まで上げる。大体70〜100 Aとなるにつれて金属が溶けて丸まるようになる。放電の際には緑色のアーク放電が見える。
  16) 試料が小さく丸まって、数分たったら、電流値を小さくして、1回目のアーク放電が終わる。(大体、1 分程度アーク放電する)。アーク放電の間は、少し揺らしたりして全体が混ざるようにする。Cu 板にアーク棒が触れないように、特に注意する。先端や側面がCu 板に触れると溶けてアーク棒に引っ付き、溶けたCuが試料側に飛んで試料の組成が変わってしまう。そして、アーク放電も止まる。加えて注意しなければならないことは、アーク放電をONさせる踏み台を色々なトラブルで驚いて踏み外したりしてOFF にしないこと。徐々に電流制御用のツマミを回して電流値を下げるように心持を持っておく。
  17) アーク溶解炉本体上部右に据え付けてある試料回転用の棒を用いて、試料を回転させ、2回目のアーク放電を行う。この流れを3 回程繰り返せば終了となる。(ひっくり返す理由は、Cu板は水冷されているため、試料下部が冷え易いことから、試料全体がよく混ざるようにするために行う)
  18) 試料を取り出し、エタノールで拭いた後に、残った煤は粗い目から細かい目までの紙やすりを用いて綺麗にする。原則として、使う前より綺麗になるようにする。
  19) 掃除が終わったら、ロータリーポンプ(RP) で真空引きをしておく。DP の電源をOFF にして、DP が冷えるまで待った後に、冷却水を流すのを止め、分電盤のブレーカーをOFF にする。

多結晶作製の場合
C) ガラス管封入
  アーク溶解炉装置で作製した試料との間にガラスウールを挟んでガラス管に入れ、ガラス管の中央部分を暖めて細長くし、Ar封入用装置に繋いで、RPで0.08 MPa まで引く動作を2 回繰り返し、その後、DPで1.6×10-5 torrまで引いて、0.04 MPaまでArを入れる。RPの後から、DPによる真空引きが終わるまで約30 分掛かる。(Ar で封じる理由は、真空だとガラス管が局部的に溶けたときに、大気圧との差圧で穴が開くのを防ぐ為)
 
D) 炉
  電気炉でアニール。最初に850℃で1 時間30 分、900℃で30分、900℃で99 時間と設定する。このように設定すると、温度の時間的な変化PID 操作が上手くいき、実際に901℃まで上がって、後は900℃で上手くアニールすることができる。

E) 結晶の冷却
  水を用いた急冷では、水を入れたバケツの中に試料の入ったガラス管を入れる。ガラス管加工時にガラス管の厚さが薄くなってしまうと水の中に入れたときに割れてしまう。(かなりの練習が必要になる)

単結晶作製の場合
F) 炉
  1) アーク溶解した試料から目的ものを穿り出す。アーク溶解したまま用いてもよい。
  2) カーボンボートに試料を載せて、マッフル炉へ入れる。
  3) PRとDPで真空引きをして、さらに6時間毎にLN2を入れて10-4 Pa台にする。
  4) 温度制御用のコントローラーを用いて、徐々に温度を下げていく。

G) 電子顕微鏡
  1) ハンマーなどで砕いた試料を、エタノールと混ぜて、すり鉢を用いてさらに小さく薄くする。
  2) 透過電子顕微鏡の装置に入れて、真空引きし、測定を開始する。
  3) 光のフォーカスを調整して、試料位置を微妙に動かしながら、測定が可能な部分を探す。
  4) 電子線回折モードにして、回折パターンを見る。

H) XRD
  1) TEMで用いたときと同じように粉末にし、ガラス板の上に乗せる。
  2) 回折測定用の装置に乗せて、真空引きした後、徐々に電圧と電流を上げた後に、測定を開始する。
  3) 測定終了後、徐々に電圧と電流を下げて、大気に戻す。測定時間は通常、1 試料で1〜2時間程度。

I) 光学顕微鏡
  1) 光学顕微鏡などを用いて試料の粒界や構造を知りたい場合に、紙やすりなどを用いて試料表面を研磨する場合がある。
  2) 回転型のやすりの上に、前に使った紙やすり元にして、新たな紙やすりをハサミで切り出し、回転する板の上に載せる。淵には固定用の金属タイプのホルダーがある。
  3) 紙やすりを回転させながら水を流し、試料を削る。
  4) 試料を削る場合には、サンプル保持用のホルダーを用いている研究室もある。これは、円盤の上に100 度で溶ける蝋を用いて試料を固定し、回転盤の上で試料が転がっていかないように、円筒構造のホルダーを用いて、錘を載せて研磨できるようにしたものである。

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フランジとボルトの関係

http://www.kitano-seiki.co.jp/shinkuukikibuhin/archives/archive05.html

UVSORにはフランジとボルトの対応が分かりやすいイラストとともに掲載されている。

 

室内光源での装置

http://www.bunseki.cstm.kyushu-u.ac.jp/center/%E6%A9%9F%E5%99%A8%E8%AA%AC%E6%98%8E.pdf

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