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CALPHAD

 ここでは計算状態図(CALPHAD)の基本情報について纏める。
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■ CLAPHAD
 熱力学データベースとしてthermo-Calcなどの状態図計算ソフトウェアを用いたCALPHAD法が広く普及している。計算には液相、固溶体相、規則相、化合物などの構成相を適切にモデル化して導出した純元素と合金のギブス自由エネルギーの近似式が用いられる。[4]
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■ 代表的なソフトウェア[1]
A. CaTCalc: 酸化物系状態図の計算に有効
B. MatCalc: 平衡計算、一元拡散律速相変態計算が可能
C. Thermosuite: 状態図計算、熱力学計算が可能.
D. FactSage: 状態図だけでなく幅広い熱力学計算が可能。化学反応など化学熱力学計算に有効
E. PANDAT: GMが取り入れられている。熱力学計算も可能だが、状態図の計算が得意
F. DICTRA: 拡散律速相変態計算ソフトウエア。Thermo-Calcと合わせて用いる
G. Malt2: ポテンシャルダイアグラム、化学反応計算が可能。多くの化合物データが集録されている
H. Thermo-Calc: 幅広い条件設定ができ種々の熱力学量が計算できる。
I. F*A*C*T: ChamSageと統合され、現在はFactSage
J. ALLOYDATA: 状態図計算、熱力学計算が可能
K. Lukas Program: 熱力学モデルのパラメーターを最適化するためのソフトウエア
L. ChemSage/ Solgasmix: F*A*C*Tと統合され、現在は FactSage
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■ データベース[1], http://www.met.kth.se/sgte/sgtdb.html
A. 純物質データベース: SGTE Pure
B. 化合物データベース: SSUB4
C. 溶体データベース: SSOL4
D. Fe基合金データベース: TCFE6
E. Ni基合金データベース: TTNI8
F. はんだ合金データベース: ADAMIS
G. Cu合金データベース: MDTCu
H. Fe合金データベース: PanFe
I. Ni合金データベース: PanNi
J. 化合物データベース: FACT53
K. 酸化物データベース: Ftoxid
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■ 理論的背景 [4]

□ 純元素の自由エネルギーと相変態
 物質の相安定性を議論するためには、エンタルピーとエントロピーおよびこれらの2つを内包する自由エネルギーについて理解する必要がある。

□ 定積熱容量(Cv)、定圧熱容量(Cp)およびエンタルピー(H)
 物質の温度を 1 K だけ上昇させるために必要な熱量(1モルあたり)を熱容量という。この熱容量には、定積下における定積熱容量Cv と定圧下における定圧熱容量Cp の2種類があり、次式により定義される。
 Cv = (ΔQ / ΔT)v = (∂U / ∂T)v
 Cp = (ΔQ / ΔT)p = (∂H / ∂T)p
上式を積分することにより、Cv と Cp の値から内部エネルギーUとエンタルピーHを求める式が得られる。
 U = U0 + ∫T0 Cv dT
 H = H0 + ∫T0 Cp dT
ここで、U0とH0 はT=0KにおけるUとHの値である。CvとCpは次式により相互に換算できる。
 Cp - Cv = [ (∂U / ∂T) + P] ・(∂V / ∂T)p = (α2V/ β) ・T

□ エントロピー(S)
 ボールが斜面を転げ落ちる現象はエネルギーの考え方で説明できるが、相変態がなぜ起こるかについては、エネルギーだけでは説明できず、エントロピーを考慮しなければならない。このエントロピーはクラジウスによって次式のように定義された。
 ΔS = ΔQ / T
ここで、ΔQは注目している系が準静的に受け入れた熱量である。熱力学第一法則がエネルギー保存則であるのに対して、熱力学第二法則は一般にエントロピー最大の原理と称される。熱浴(H)中に置かれた試片(P)について、熱浴と試片を併せた全体(T)のエントロピーが増大することから、
 ΔST = ΔS + ΔSp >= 0
 ボルツマンは、変数Wを系を構成している原子集団のミクロ状態の総数としたとき、エントロピーSが次式で表せられることを提示した。(kBはボルツマン定数)
 S = kB ln W
純元素におけるミクロ状態の総数Wは、結晶の熱振動、空孔の配置、磁気スピンの配列などにより定まる。

□ ギブス自由エネルギー(G)
 G = H - TS
により定義されるギブス自由エネルギーを用いると、定温・定圧の条件下での試片のギブス自由エネルギー変化ΔGpについて、
 ΔGp = ΔHp - T・ΔSp <= 0
の関係が導かれる。従って、定温・定圧では物質のギブス自由エネルギーGが低下するような変化しか起こらない。すなわち、熱平衡状態における安定条件は次式により表される。
 Gp = min. (定温・定圧)
定圧熱容量 Cp を用いると、エンタルピー H は(H = H0 + ∫T0 Cp dT)により表され、エントロピーSはクラジウスの式 ΔS = ΔQ / T = Cp ・ ΔT / T より、
 S = S0 + ∫T0 (Cp / T) dT
ここで、S0はT=0 Kにおけるエントロピーの値であり、純元素の場合、熱力学第三法則よりS0=0である。従って、GとCpとの関係式は次式で表される。
 G = H - TS = H0 + ∫T0 Cp dT - T∫T0 (Cp / T) dT
上式を温度Tで微分すると、
 (∂G/∂T)p = -∫T0 (Cp / T) dT= -S < 0
 (∂2G/∂2T)p = - Cp / T < 0
となる。これより、ギブス自由エネルギーGと温度Tの関係は常に右下さがりで常に上にで凸の曲線となる。

□ Lattice Stability (純元素の自由エネルギー)
 純元素Aがα相の状態にあるとき、温度Tの関数として次式により近似されている。
 GαA(T) - HSER A = a + bT + cT ln (T) + Σ dn Tn
ここで、HSER A は純元素Aが 298.15 K において標準状態(SER: Standard Element Reference)にあるときのエンタルピーの値である。上式における係数 a、b、c、dnの値は、固相、液相、気相が安定に存在する温度範囲では、それぞれの定圧熱容量 Cp の実測データなどを利用し、決定することができる。しかし、状態図の計算においては、各相が準安定な温度範囲の自由エネルギーに加えて、本来純元素では安定には現れない結晶構造の固相、例えば、993 K の融点までfcc相のみが安定なAlにおけるbcc(A2)相、hcp(A3)相,、bct(A5)相などの自由エネルギーについても、係数 a、b、c、dnの値を適切に評価することにより、Al基多元系合金において現れるbcc相、hcp相、bct相などの自由エネルギーが任意の温度と組成の範囲で計算できるようになる。
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■ Lattice Stability の評価例
 Lattice Stability は入手できないことも少なくない。この場合、自らlattice Stability を評価する必要が生じる。Lattice Stability の簡便な評価法の一例として、Dinsdale によるZnのrhombohedral相のLattice Stabilityの推定法を紹介する。
 常温常圧で安定なZn(hcp)の融解エネルギーを、
 GLZn - GHCPZn ≒ 7322 - 10.5706 ・T (A1)
と近似する。常温常圧においてrhombohedral構造が安定なAs, BiおよびSbの融解エントロピーの値を参考にして、Zn(rhombohedral)の融解エントロピーを 22 J/mol・Kと仮定する。すなわち、
 GLZn - GRHOMBOZn = A - 22 ・T (A2)
Zn (hcp)が高圧下においても他の結晶構造に変態しないことから、任意の温度(0 > K )においてZn(rhombohedral)が不安定となるように、Zn (hcp) -> Zn (rhombohedral)の変態温度を-200 K に設定する。このとき、式(A1) - 式(A2) より、
 GRHOMBOZn - GHCPZn ≒ (A - 7322) + 11.4294・T = 0 at T = -200 K
が成り立ち、A=2285.88が導出できる。以上より、Dinsdale はZn (rhombohedral)のLattice Stabilityを
 GRHOMBOZn - GHCPZn ≒ 2285.88 + 11.4294・T ≒ 2300 + 11.5・T
と評価している。Lattice Stability は、必要に応じて圧力pに依存するエネルギーGpresAと磁気エネルギーGmagAを含む次式により近似されている。
 GαA(T,p) = GchemA(=GαA(T) - HSERA ) + GpresA + GmagA
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References
[1] 阿倍太一 、『材料設計計算工学 計算熱力学編』、内田老鶴圃
[2] http://www.nims.go.jp/cmsc/pst/database/OpenCalphad/opencalphad.htm
[3] http://www.opencalphad.com/
CALPHAD: http://books.google.co.jp/books?id=ROnQVsNLZUAC&printsec=frontcover&hl=ja&source=gbs_ge_summary_r&cad=0#v=onepage&q&f=false
[4] 日本金属学会関東支部、『ここまでできる。計算材料科学入門』
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