分子軌道法

 GAMESSやGaussianに対する有用なGUIを下記に紹介する。ここでは、GAMESSやopenMOPAC及び下記のGUIの導入が容易なWindows OSに対して解説を行う。
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■ 無償で利用可能なGUI

a) Winmostar : http://winmostar.com/ (有料になった)
  マニュアルも読んでおくと良いし、下記のソフトも導入しておくと良い。
  openMOPAC : http://openmopac.net/index.html 
  Youtube では操作方法も公開されている。
    http://www.youtube.com/watch?v=ajdGnlLr2y4 

b) Facio : http://www1.bbiq.jp/zzzfelis/

c) Ascalaph Quantum : http://jaist.dl.sourceforge.net/project/ascalaphquantum/AscalaphQuantum.zip 
  CP2kが即座に利用可能。PC GAMESS / Firefily, CP2k, NWChemに対応

d) GaussSum : http://gausssum.sourceforge.net/
  GaussianやGAMESSで計算した結果から状態密度分布(DOS)や全エネルギーの変化をプロットできる。

以下のコードも手に入れておくと便利であろう。
  a) Molworks : http://www.molworks.com/en/ 

参考文献 : 
http://www.jstage.jst.go.jp/article/cicsj/23/5/139/_pdf/-char/ja/ 
http://www.jstage.jst.go.jp/article/jccj/5/1/23/_pdf/-char/ja/
http://j-molsci.jp/np/NP009.pdf 

WinGAMESS QM/MM計算
参考HP : http://pc-chem.info/a00/a02gamess/wingamessqmmm_2.html

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■ GAMESSの利用
  『すぐできる 量子化学計算ビギナーズマニュアル 』
  『Gaussianプログラムによる量子化学計算マニュアル 計算入力法から実験値との比較まで 』(NMRの計算に関する記述がある)
  使用方法は上記の文献を参考にすれば良いが、Raman分光の計算をする方法については詳細に解説さていない。そのため、本解説では、特にWinmostarを用いたRaman分光の計算方法を採り上げる。
  さらにアドヴァンスドとして、情報機構主催の『GAMESS実践Q&Aセミナー』や『Gaussian実践Q&Aセミナー』に参加すると良いだろう。講師の株式会社 クロスアビリティ 代表取締役社長の古賀氏や株式会社 Transition State Technology 代表取締役社長 山口氏、株式会社 テンキューブ研究所 代表取締役社長 千田氏が丁寧に回答して下さる。
 右記のHPも良い: http://pc-chem.info/a00/a02gamess/, http://pc-chem.info/z00/

■ WinmostarによるRaman分光の結果の得方
  1) RUNTYP=OPTIMIZEで計算
  2) RUNTYP=HESSIANで計算
  3) case.pun(case=ファイル名)にある$HESS 〜 $ENDまでをコピーして、
    GAMESS Setupの一番上の空欄にペースト
  4) $STARTでHESSをREADにする
  5) RUNTYP=RAMANで計算

■ FacioWinmostarによるRaman分光の結果の得方
計算方法は下記のHPに記載されている。
(下記のまとめは、参考文献 http://egfinal.jp/another/gamess.html より作成)
  「 振動解析:File>Load new gamess output for optimized geometry→$CONTROLのRUNTYPをHessianに変更して計算。
  Raman:Hessian演算後、File>Get HESS grout from gamess punchでHessian演算の結果を読み取り→RUNTYPをRAMANに変更して計算」

■ TDDFTを用いた紫外・可視光吸収スペクトルの計算方法(編集中)

■ 電場の掛け方(調査中)
  下記を入力ファイルに加える。(a.u. 単位)
  $EFIELD EVEC=0.0 0.0 0.001 $END
参考HP : http://phoenix.liu.edu/~nmatsuna/gamess/input/EFIELD.html 

■ GAMESSとTINKERの併用
参考HP : http://blog.3016.net/2006/04/gamesstinkerqmmm.html

■ GAMESSによるFMO計算
参考HP : http://ccinfo.ims.ac.jp/nanogc/coop/coop2.html

■ GAMESS 関係のGUI
http://www.msg.ameslab.gov/graphics/other.html

主な物質の標準モルエントロピー
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%99%E6%BA%96%E3%83%A2%E3%83%AB%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%94%E3%83%BC

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■ DV-X alpha法 SCAT の利用
  『はじめての電子状態計算 』(DVXa研究協会{学生は無料}に入れば、会誌や相対論や遷移確率の計算が可能なプログラムを頂ける)

Windows OS上での利用
  既にコンパイルされているため、『はじめての電子状態計算 』を参考にすれば計算は難しくない。一部DOSが表示できないなどの報告を私は個人的に聞いているが、その場合には、他の計算コードを用いるのが初学者には良い(GAMESSなど)。

Linux OS上での利用
  Intel Fortran Compilerを用いればコンパイルが可能。ただし、スクリプトを作成しないと利用が煩雑になる。大抵のスクリプトはcase.batのコマンドをLinux用に書き直せば良い。下記に書き換え方法を示す。(編集中)

計算精度について
  DV-X alpha法は、交換相関項にDV-X alphaポテンシャル、空間積分に擬似乱数積分を採用しているため、安定構造や結合エネルギーを求めるのに適していません。しかし、価電子帯近傍では、一電子軌道エネルギーを0.1 eVの精度で求めることができます[1]。室内光源のXPS測定などでは、全分解能が1 eVで、ピーク位置分解能が0.1 eV(全分解能の1/10と言われている)であることを考慮すれば、十分な精度で結果と比較することが可能であると言えます。また、EFから20 eVまでの非占有準位も比較的精度良く計算することが可能なため、XAS測定などの結果に対しても比較が可能です。
  詳細な説明をすると、DV-X alpha法は、擬似乱数積分による誤差以外にも、局所密度近似に加えて自由電子ガスモデルを導入し、平均場近似によって電子相関(真の電子相互作用)を無視したことに起因する誤差を含んでいます。ここで要となる局所密度近似は、電子密度が一様である多電子系で厳密な解となりますが、実際に電子密度が一様な系で計算する機会はそう多くありません。そこで、計算する系に対して、この局所密度近似が妥当であるかどうかを判断する指標として、関係式 1/kF×|∇n|/n << 1 が知られています。ここで、kFは波動関数の最小波数に対応するフェルミ波数(金属のフェルミ波数は0.6〜2.0×1010m-1の範囲にある[6])で、nは全空間の電子密度です。実際の系では、ある種の総和則が成立するため、交換相関の詳細が全エネルギーに与える影響は比較的小さく、上記の関係式よりもかなりゆるい条件を満足すればよいことが知られています[2]。上記までの点を考慮して、DV-X alpha法による計算が妥当であるかどうかを検討してみて下さい(ただし、半導体のギャップは局所密度近似では正確に計算できません)。余談ですが、相関エネルギーは交換エネルギーよりも1桁小さいことを覚えておいてください。そして、それぞれ参考文献[3]及び[4]の「付録A:理論的背景」及び「4.4 局所密度関数法」を読んでおくと、DV-X alpha法及び局所密度近似及びそれを超える試みに対する理解が深まることになります。さらに詳細な議論として、参考文献[5, 6]も余裕があれば読んでおくとよいでしょう。
参考文献
[1] http://www5.plala.or.jp/double-zeta/CMS/faq.html#XAvsLDA
[2] 日本表面科学会編、表面科学の基礎と応用 : 日本表面科学会創立25周年記念、改訂版、エヌ・ティー・エス、(2004).
[3] J. B. Foresman and A. Frisch 著、田崎建三訳、電子構造論による化学の探究 : 第二版、 Gaussian Inc., Pittsburgh、(1998).
[4] 和光システム研究所 著、固体の中の電子 : 改訂版、和光システム研究所、(2006).
[5] R. G. Parr and W. Yang 著、狩野覚、関元、吉田元二 監訳、原子・分子の密度汎関数法 : シュプリンガー・フェアラーク東京、(1997).
[6] N. W. Ashcroft and N. D. mermin : Solid State Physics, Saunders College, (1976).

■ 化学屋さんなどでDV-X alpha法 SCATを用いるなら下記のHPが役に立つだろう。
http://imac.eng.kagawa-u.ac.jp/Etc/sakane2.html 

■ 論文例

[1] Y. Kasukabe, Yu Chen, S. Yamamoto, M. Yoshikawa and Y. Fujino, e-J. Surf. Sci. Nanotech. Vol. 9, p.191 (2011) . : http://www.jstage.jst.go.jp/article/ejssnt/9/0/191/_pdf

■ クラスターの作り方
◆  クラスターの範囲 : 周期律表の第2周期までの原子を扱う場合には、計算結果を得たい原子から4オングストローム広い範囲を取ると良い。なぜならば、2原子間のオーバーラップポピュレーションを計算してみると、4オングストローム離れた原子とは1/100〜1/1000程度の影響しか与えていないためである。さらに精度を上げたい場合は、計算結果を得たい原子から第一近接の距離の2倍の範囲とすれば良い。余談ではあるが、WIEN2kでは、フルポテンシャルの作成などに取り入れられる原子が、デフォルト値として最隣接原子間距離の2倍以内(x nnの値の入力場面で2倍以外の値を設定できる)になるように設定されている。
◆  クラスターの作製 : 大抵の場合は、X線回折などによる構造を入力する。しかし、構造が実験的に明らかでない場合には、GAMESSやopenMOPACを用いて構造最適化を行い、その座標を元にしてDV-X alpha法 SCAT用の入力ファイル(f01)を作ればよい。
◆  アモルファスの場合 : マキシマムギャップ則を用いて構造を切り出します。分子動力学法を用いたり、予め分かっている構造を用いて、原子間距離を小さい順に並べた表や図を作ります。その表や図から、数値の近い二つの原子間距離の差が(最も)大きくなっているところを探し、二つの原子間距離の内、大きい方の原子間距離内にある構造を切り出してクラスターとします。

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